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早春の宮ヶ瀬〜ヤビツ峠をタンデムで走った/2001.03.10
- 街では梅の盛りが過ぎ、代わってヤナギが芽吹きコブシの花も咲き始めた。いよいよ春本番の到来だ。そう思ったとたん、相方を連れてドコかに行きたくなった。前日までの予定では明日閉館となる渋谷・五島プラネタリウムへ行くつもりでいたのだけれど、朝食に食べたお好み焼き&エビグラタンと、デザートに無理矢理食べた3種類のプリン攻め(カスタード/なめらか系/チーズ)でどうにも腹の調子が思わしくない。ヒジョーに密度の濃いオナラが10分おきに出てしまうのだ。いやぁ、臭いのなんのって、目がクラクラするほどなのだからプラネタリウムなど行けるわけがない。密閉されたドームのなかでプ〜をした日には、即刻退場もんだ。そんな蛮行ができるほどボクはタフじゃない。
- というわけで、相方と宮ヶ瀬〜ヤビツ峠に行ってきた。山の中でならいくらプ〜しても安心だぜぃ♪
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- 宮ヶ瀬ビジターセンターまでの道中はそれほど寒いとは感じなかった。なのにヤビツ峠へと県道70号線に折れたとたん、宮ヶ瀬湖の冷気と残雪の稜線から吹き下ろされてくる風とが、これでもかと虚弱体質のボクを蝕みはじめた。しかもタンデムの
TRANZALP
が揺れるほど風は強かったのだからたまらない。
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- 宮ヶ瀬湖は人造湖だ。ボクは湖に沈む前の宮ヶ瀬がホントに好きだった。講議をさぼりTS
-50
で毎日のように通ったものだ。湖底の村となった落合は、日本人の原風景のような谷あいの美しい集落だった。石小屋、玉すだれの滝、八丁の滝、馬場……懐かしい地名が思い出される。鹿の多く棲息する土地でもあった。林道を3頭の鹿と伴走したのもここだった。1973年
に『第1回全日本トライアル選手権大会』
が開催された早戸川上流で、 TLR-200
で遊んだこともあった。
- なにもかもみんな沈んでしまった。
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- 4000〜5000rpmで走行しているけど、スピードメーターはゼロを指している。ぬぁんでか? 答えはケーブルをジョイントするドリブン・ギアが破損してる、でした。湖畔から離れて山へと入っていくと、ローリング族がレーサー気取りでコーナーを攻めていた。勝手に自爆するのならどうぞご自由に。だけど他人を事故に巻き込まないようにしてくれよな。それにしても、同じコーナーを動物園のクマよろしく行ったり来たりするだけのドコが愉しいんだろう? 判らないのは価値観の相違からなのか? それともジェネレーション・ギャップなのかなぁ?
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- 県道70号線の起点(R246・落合)より21km地点にて。1年を通して何度もココで写真を撮ってみようと思う。季節を変えて、同じ場所で撮影した画像を並べてみるのもオモシロイかもしれない。
- 相方は「ここに来るの初めて」と言った。ならばもっと素敵な景色をいっぱい見せてあげようじゃん。もうじき山は新芽で覆われパステルカラーに彩られる。が、それはほんの一瞬で、新芽はその数日後には若葉となって輝き始めるのだ。夏は札掛の清流で1日惚けることにしよう。カワセミやヤマセミの飛翔が見られるし、夕焼けの空に響き渡るヒグラシの合唱に耳を傾けるのもいい。秋は稜線にかかる満月を見に夜半過ぎに来てみよう。川霧がゆったりと渓谷を埋めていく様子を眺められたらきっと素敵だ。そして冬は、バイクを降りて静かな森を散策してみたい。真青の空を乱舞する枯葉は趣きがあるし、運がよければ鹿の群れに逢えるかもしれない。
- 四季折々の山の風景を心に刻めば、それは思いでとなって心を豊かにしてくれる。ボクが彼女にできるのは、そんな風景を見せてあげることぐらいなのだ。
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標高が増すごとに早春と呼ぶのもはばかれるほど寒さが厳しくなった。それもそのはずで、路肩や陽の射さない沢に残雪があるのだから暖かいわけがない。しかも時折顔を見せていた太陽はすっかり雲に隠れてしまい、その雲がまた雪を含んだ不穏な色をしているのだ。風はさらに強まりただでさえ平地より6度は低い丹沢にあって、体感温度は確実に氷点下だったと思う。後ろの相方もさすがに「寒い〜」と泣きが入っていた。
TRANSALP
を走らせながらボクはといえば、いつ雪が降り始めるか空模様が気になって仕方がなかった。
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- デジカメのシャッターを押す指が寒さで震えた。それでも渓流(管理釣場)ではヤマメ・イワナ釣りに駆けつけた太公望たちがロッドを振っていたし、早くも山菜採りに来たと思われる4WD車が路肩に停められてもいた。
- 山が賑わう季節がもうすぐそこまで来ているのだ。
- 桜が咲く頃にまた来よう。その時は今日と違って道は渋滞でウンザリするほどになっているだろうけど、丹沢の銀座通りだって2人で来ればそう捨てたモンでもない。1日ががりの奥多摩や真木・小金沢林道では出来ない愉しみ方がここにはあるのだし、山の風景は一期一会なのだから何度訪れても新鮮だ。
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ヤビツ峠を越えたら雪を含んだ不穏な雲は消えており、春の陽射しが伊勢原の街を照らしていた。平塚あたりの海岸線は眺望できたが、ぼんやりとして西湘BPは確認できなかった。陽が射し始めたとはいえ2人ともすでに身体の芯から冷えきっていた。なにか温かい物が飲みたくて、ボクたちは一目散に山を降りた。
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