DT200WR 

DTの系譜、YZの直系,WRの分化。

あのDT−1の時代から連綿と引き継がれるヤマハのオフロードスピリット。それは、常にレーシングマシンのレプリカとして、妥協のないオフ性能を作りこむことにある。DT200WRは、YZベースのサスペンションとフレーム、WRベースのギアレシオ、セッティング、そしてDTならではの熟成エンジンからなる本格エンデューロマシン。              

 

ENGINE CYLINDR &TRANSMISSION

水冷2サイクル・クランク室リードバルブ199ccエンジン

より多量の混合気をクランク室に充填するためには、吸気ポートの開口時間を長く取る必要がある。それをピストン位置に関係無く行う吸気方式がクランク室リードバルブ。クランク室に負圧が生じると即座に吸気工程を開始し、負圧状態の間はフルに吸気を行うという優れた吸気効率を発揮する。そこに大型リードバルブや3倍速Y.P.V.S.等、給排気効率を飛躍的に高めるデバイスを加えることにより、ハイパワー、高トルクを実現している。そのスペックは、最高出力35ps/9000rpm、最大トルク3.0kg/8000rpmを発生。200ccエンジンならではの高回転域の特性はそのままに、中低回転域の豊かなレスポンスを実現させている。

 シリンダーブロック

シリンダーは軽量なオールアルミ製。内部はピストンとの躍動抵抗を低減し耐磨耗性、耐熱性を向上させるセラミックコンポジットメッキ処理が施されている。またクランクケースは、1次圧縮比を高められるようコンパクトな設計とした。さらにクランクには低振動化のため一軸ダイナミックバランサーが採用されている。

 CHASSIS SUSPENSION

 セミダブルクレードルフレーム

メインフレームは,YZ125フレームをベースに設計肉を薄く取った高調力鋼管により軽量で高剛性なフレームを実現している。パイプワークはヘッドパイプ部を太く、また、ピボット部をモナカ構造として、オフ走行の要である縦剛性を飛躍的に向上。ギャップやウォッシュボードの走破性を大きく高めている。

アルミデルタボックス

リヤアームの軽量・高剛性で実績のあるYZ125ベースのアルミデルタボックスリアアームを採用。断面効率に優れたデルタボックスを、ピボット側を太く、アクスル側を細くしたテーパー形状として軽量高剛性化をさらに推し進めている。

倒立フロントフォーク

YZをベースとしたインナーチューブ径φ41mm、アウターチューブ径φ52mmのカートリッジ式倒立を装着ショック吸収能力を大きく高めると共にステアリングヘッド廻りの剛性を高め、外乱に対して常に安定したハンドリング性能を発揮させている。

またホイールとラベルは300mmのロングストロークとし、フルボトムの限界を大きく高めている。さらにコース状況に応じたサスペンションセッティングを可能とする、圧側と伸側18段階の減衰力調整機構が採用されている。

ビギーバックタイップ・リアサスペンション

リアにはYZユニットをベースとしたアルミサブタンク別体式のリンク式モノクロスサスペンションを採用。クッションストロークは129mm、ホイールトラベルは310mmという200cc最大のキャパシティを実現している。サスユニットはサブタンクをクッションユニットに直接マウントするピギーバック。圧力変化を抑えリニアなサス応答性を実現している。さらに、リンクのレバー比もYZ同様のセッティングとし、高負荷時の作動性を高めている。また、伸側25段、圧側20段の減衰力調整機構も装備されている。

 

INTAKE CONTOROLS/EXHAUST CONTOROLS

セミフラットバルブキャブレター

平たく薄いセミフラットバルブが、吸気乱流の発生を抑え吸気効率を高めると共に、ベンチュリーからクランク室までの距離を短くすることで混合気の流速を高め、クイックなスロットルレスポンスを実現。また、ギャップ走破などを考慮して、フロートチャンバは浮力の強いタイプを使用し、油面変動への追従性を高めている。

補助排気ポート付3倍速Y.P.V.S.

2サイクルエンジンの場合、排気タイミングは素早い掃気を行うための重要ポイント。仮に排気ポートの高さが一定な場合、ある回転域では最適な排気タイミングでも、他の回転域では早すぎたり、遅すぎたりなどの問題が生じる。それを解決した機構がヤマハ独創の排気デバイスY.P.V.S.だ。これは排気ポートにつづみ型の可変バルブを設け、それをエンジン回転数に応じてサーボモーターで無断階にコントロールするというもの。排気ポートの高さをフレキシブルに変化させ、常に最適な排気タイミングを得ている。さらにDT200WRは、サーボモーターの開閉レスポンスをDT200Rの3倍速に高めると共に、必要な制御量に合わせてモーターの発生トルクを細かく補正している。

ローボーイタイプ・チャンバーマフラー

マフラーは、最適な排気脈動を発生させるための排気管長およびテーパーを得ながら、低重心化やマスの集中化を図る形状を実現。膨張室が車体の低い位置にあるローアーレイアウトとし、マフラー自体のみならずラジエーターのポジションも低くレイアウトすることを可能としている。

 

 

 

バッテリーレス設計

車体軽量化のためにバッテリーを廃止。従来に比べ約1.5倍の発電能力を持つ多極化のジェネレーターを採用し、アイドリングでも全電源を供給することを可能にした。さらに、点火システムにはチャージコイルを不要とするDC−CDIを採用している。

 

 

 

BRAKE&TIRE EQUIPMENTS

ブレーキシステム

フロントには2ポットキャリパーと外径φ245mmのディスクブレーキを装着。強力なストッピングパワーと軽いタッチフィールにより自在なマシンコントロールを可能にしている。リアには、シングルポッドキャリパーと外径φ220mmのディスクブレーキを採用。ともにブレーキパッドには熱変化に強い燒結パッドが組み込まれている。

リム&タイヤ

タイヤパターンは実践的なノビータイプとし、サイズはフロント3.00-21 51P、リアが4.60-18 63Pを装着。リムはフロントが1.60×21、リアが2.15×18が装着されている。また、リアのリムにはビートストッパーを装着すると共に、チェーンは整備性を考慮しクリップタイプのシールチェーンが採用されている。

軽量化対策

スペックとして、排気量、出力ともに重要なものが車両重量。例えば、急斜面でのクイックなターンコーナーでのマシンホールド、長時間の走行。エンデューロレースでは、軽さは一つの性能であると一得ても過言ではない。200ccエンジン、バッテリーレス設計、YZ125をベースとした軽量設計のフレーム、ラジエーター、ハンドル、リアブレーキカバーなど。徹底した軽量化設計の結果、107kgの乾燥重量を実現している。

イクイップメンンツ

実践を考慮したパーツを数多く装備。リヤキャリパーガードやボルト脱着式のテールランプ&ライセンスプレート、ボルトオンのアルミ製リアフットレスト、WRタイプのパイプエンジンガード、ストレートタイプのサイドスタンドなどを採用。またスプロケットはボルト/スプロケットのセットでYZパーツに交換が可能ハンドルホルダーはYZと同じ別体タイプとしている。

 

 

 

DT200WRメーカー希望小売価格¥435,000

仕様諸元

型式                                                                                                                                                                                                                                                                                          

3XP

全長/全幅/全高(mm)

2,190/835/1,295

車軸距離(mm)

1,450

シート高/最低地上高(mm)

895/315

乾燥重量

107kg

燃費/定地走行テスト値

57.0km/l(50km/h)

最小回転半径

2.2m

制動停止距離

14.0m(50km/h)

エンジン種類

2サイクル・水冷・クランク室リードバルブ

気筒数配列/排気量

単気筒/199cc

内径×行程(mm)

66.8×57.0

圧縮比

6.3:1

最高出力

35ps/9,000rpm

最大トルク

3.0kg-m/8,000rpm

点火方式

C.D.I.

始動方式

キック式

燃料タンク容量

10L

オイルタンク容量

1.3L

潤滑方式

分離潤滑式

1次減速機構/減速比

ギア/2.833(51/18)

2次減速機構/減速比

チェーン/3.230(42/13)

クラッチ形式

湿式多板コイルスプリング

変速機構形式

リターン式6段

変速比

2.750/1.875/1.411/1.142/0.956/0.818

フレーム形式

鋼管セミダブルクレードル

キャスター/トレール

28°00′/118mm

タイヤサイズ 前・後

3.00-2151P・4.60-18 63P

制動装置 前・後

油圧式シングルディスク