
自分で行える手軽な整備の一つがタイヤの「ローテーション」です。カー用品店などでも行えますが、工賃として¥2000円前後必要です。
タイヤは、地面をグリップしてエンジンの動力を地面に伝えるという重要な役割を担っています。地面に動力を伝える為には「摩擦力」が必要です。よく「グリップ力」、「地面をつかむ」などと表現されますが、摩擦を効率よく発生させるためにタイヤはある程度の柔らかさをもっており、そのためにタイヤは自身をすり減らしながら摩擦力を発揮しているのです。
摩擦は強いと動力の伝達に関しては効率が良いのですが、逆に考えるとそれだけ動力を与え続けないと速度を維持できないと言うことにもなります。自動車と逆の例が「鉄道」です。鉄道はレールと鉄の車輪という摩擦を極力抑えることで、一度動き出せば慣性力により速度を維持するための動力をあまり必要としません。だから大量・長距離輸送に向いています。対して自動車の場合は停車や発進の回数が多いためにある程度の摩擦力を持っていないとキビキビとした動作ができなくなります。
同じ「タイヤ」でも摩擦力の高い「スポーツ走行向け」のタイヤと燃費のよいタイヤでは摩擦力の違いはあるものの、いずれにしても大なり小なりタイヤは自分を削って車を走らせていますが、さまざまな要因により、均一にチビるわけではありません。
この為、例えば、フロントのタイヤがチビる度合いが大きい車の場合、フロントタイヤが寿命を迎えてもリアのタイヤはまだまだ使用可能な状態にある場合があります。この場合、フロントタイヤが寿命を迎えてしまうまでにリアのタイヤと交換して、うまく全部のタイヤを使い切ろう!と言うのがローテーションを行う理由です。
もちろん、フロントタイヤが寿命を迎えた時、フロントの2本だけを買い替えることもアリですが、タイヤの寿命はミゾだけでなくゴムの劣化などもあり、また出来る限りタイヤ4本とも同一メーカー同一ブランドで同一状態にしたほうが走行特性が安定するので、タイヤ交換する場合は一度に4本を行うのが一般的です。
ローテーションを行う場合は、フロント右←→リア左 、 フロント左←→リア右 と交換するX(エックス)ローテーションと、フロント右←→リア右 、 フロント左←→リア右 と交換する前後ローテーションがあります。近頃のタイヤにはタイヤの回転方向を指定してあるものが多くあるため、その場合は前後ローテーションしか行えませんが、回転方向の指定が無い場合は現状のチビ具合を見てどのタイプのローテーションを行うか検討してみましょう。基本的には一番チビているタイヤとチビていないタイヤを交換するやり方がベストです。
LANTISの場合はFF(フロントエンジンフロントドライブ=前輪駆動)なので、フロントタイヤの方がチビる傾向にあります。フロントにエンジンを積んでおりフロントの方が重い上に、エンジンの動力伝達もフロントタイヤ、ハンドリングによる操舵力についてもフロントタイヤが担っているためにフロントタイヤがリヤに比べてチビるのが早いのです。
用意するもの
・ジャッキ ・・・・・・・・ 車載工具で十分、できれば誰かのジャッキを借りてきて2つあると便利です。
・タイヤレンチ ・・・・ これも車載工具で十分。できればクロスレンチがあればベストです。
(あれば便利)
・輪留め ・・・・・・・・・ ジャッキアップする対角のタイヤを輪留めします。
・軍手など ・・・・・・・ あれば手が汚れないので便利。
・ブロックなど ・・・・・ ジャッキが1つしかない場合、ジャッキアップ後にブロックを挟んでおくことでスペアタイヤを必要とせずに行えます。
やり方(前後ローテーション)
(1) タイヤのナットをゆるめる。
リアタイヤの場合は、サイドブレーキを引くことでジャッキアップ後でもナットをゆるめることが出来ますが、フロントはタイヤが回ってナットをゆるめられなくなるので、あらかじめゆるめておきます。あくまで、ゆるめるだけです。(レンチが動いた程度でOK)
↑写真のように星形にゆるめていきます。締める時も同じ。
緩めるときはシビアでありませんが、締める場合は、1→2→3→4→5→1→・・・と言うような順で少しずつ締めていきます。
(2) ジャッキアップする。
平坦な安全な場所でジャッキアップポイントをジャッキアップします。ジャッキアップポイントは、車の説明書に載っています。
ジャッキアップポイントでジャッキアップしないとシャーシの変形などの障害につながるおそれがありますので慎重に。
↑フロントのジャッキアップポイント ↑リアのジャッキアップポイント
LANTISのジャッキアップポイントは、一見、非常にわかりづらいです。窪みでなく、汚れを落として、手前への出っ張りを探した方がわかりやすいでしょう。
(3) タイヤを外す。
レンチで完全にナットをゆるめて、タイヤを外します。フロントタイヤは先にも書きましたが、回しにくい場合がありますのでその場合は少しタイヤが地面に接地するぐらいまでジャッキを下げてゆるめるとOKです。
(4) もう1つのタイヤを同様に外す。
ジャッキが2つある場合は問題ないのですが、ない場合はこのようにブロックなどを置いて仮置きし、もう1方のタイヤをはずします。
なお、タイヤを外した時に、ゴロンと1回転させてみて、タイヤのトレッド(溝)に異物が刺さっていないかをチェックして、あれば取り除いておけば良いでしょう。
(5) タイヤを入れ替え、元通りにする。
タイヤを入れ替えて、これまでと逆の手順で元に戻します。
◆ タイヤをはめて、ぐらつかないように手で押さえ、ナットを1つずつ手で締めていきます。
◆ ナットをキッチリとネジ山に入れるために手で締めた方が感覚がわかりやすくて良いです。
◆ 手で締められないぐらい堅い時は、ネジ山に正しく収まっていません。
◆ 手で締められるところまで締め、静かにレンチで締めてゆきます。
◆ ジャッキアップして締める時には、勢い余ってジャッキが外れないように静かに行います。
◆ フロントタイヤは、緩める時と同様にレンチで締められるところまで締め、ジャッキを降ろしてタイヤが地面に接地するギリギリのところぐらいで締め直します。
◆ ぐらつきや、傾いて取り付けていないか、チェックしながら行います。
(6) 反対側についても同様にタイヤを入れ替える。
これで終了です。作業時間としては、慣れると30分もかかりません。
また、ローテーションした後、しばらく走行してみて、ナットのゆるみやタイヤのがたつきが無いかをチェックします。
タイヤ交換などでもそうですが、タイヤのナットを1000km程度走行してから増し締めするとさらに完璧です。
どんなもん?
今回(2002/08/18)、新品タイヤを購入・装着してから1年9ヶ月、約14300km走行で初めてローテーションを行いました。
では、タイヤはどれくらいの差ですり減っているのでしょう??
参考までに測ってみた結果です。
なお、タイヤはブリジストン製「GRID2」です。
↑タイヤゲージが無いので、ノギスを使って測りました。傾き具合により若干の誤差がでますので参考値としてください。
若干の偏摩耗がありますが、だいたい一番減っている部分が上記の値です。
フロントでだいたい3.5〜4mm、リアは6mm以上と、その差は2mm程度以上の差が発生しています。
モノの本やカーショップなどによると、だいたい5千キロ〜1万キロの走行でローテーションをすれば良いと書いてありますが、だいたい1万キロ程度を目安に行えば良いことがわかります。5千キロ程度でローテーションしても良いですが、実際に測定しないと見た目にはあまり変わりないかもしれません。
が、しかし!!!
タイヤの裏側を見てみると、かなり汚れていることがわかります。特にフロントは、ブレーキ時に重心が前に移動し負担がかかる為に、ブレーキダストがたまり易いです。
また、泥などが付着すると、微妙ですがバネ下重量がアップしますので走行性能が若干落ちます。(普通の車なら関係ない程度ですが)
時間が許せば、自分でタイヤのローテーションを行い、ついでにホイールも掃除してやると良いでしょう。
LANTISの純正ブレーキパッドの場合、ブレーキが甘い=ブレーキパッドが減りにくい=ホイールが汚れにくいのですが、それでも1万5千キロ近く走ればこのような状態になってしまいます。定期検査や、車検の時についでにローテーションを頼む事は可能ですが、さすがにホイールの掃除は行ってはくれないでしょう。。。