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ひとり言 バックナンバー 3

Contents

Scene11 オーバーテイク 

Scene12 ローリング 

Scene13 情報に敏感であること

Scene14 ドライバーは早起き

Scene15 熱について


Scene11 オーバーテイク

F1フランスGPは予選が雨になったために有力ドライバーが後方グリッドからスタートすることになり、TVで多くのオーバーテイクシーンを見ることができました。

とくに今回舞台となったマニクールサーキットは抜きどころのヘアピンコーナーを空撮していたので車がどんな動きをしていたのか解かりやすかったと思いました。

そこで今回は、前車を追い抜くということがテーマです。

サーキットには、マシンに一番無理なく速く走れる所があり、コースを一周すれば一本の線で結ばれることからこれをレーシングライン(レコードライン)といいます。レーシングラインは多くのマシンが走るので黒くゴムの色がついていたり、再舗装されていたりして見ればすぐにわかります。また、コーナーを通過する時はコース幅を利用して「アウト・イン・アウト」のラインで走っているのがわかると思います。(今回のフランスGPでは路面が濡れていたので解りにくかったかもしれません)

全車このラインに沿って速く走ろうとしています。レーシングラインを走る前の車を抜くためには、レーシングラインを外して抜くということになります。しかし、レーシングラインを外すという事はラップタイムが落ちる(=遅くなる)ということになります。前車に追いついたとしても簡単に抜けない原因はここにあります。

前の車を追い越せる条件とは? 仮にマシン性能に差がなくドライバーの技量が同じなら、一列縦隊のままレースは終わってしまいます。ところが人間というのはミスを犯します。また何かの理由でマシンにトラブルが発生したりします。抜くことができるかどうかは、前車のミスや弱点を突くことができるかという点にあります。

  1. 前車がミスを犯した時

    相手がラインを外すようなミス(コースアウト、ハーフスピン、ブレーキングミスなど)をした時は譲ってもらったも同然、抜くしかないでしょう。

  2. 前車の苦手なコーナーをキーポイントにする

    コーナーを考えるときは進入と脱出に分けます。進入時、前車のブレーキングポイントが手前の場合、自分はコーナー内側にラインを変えて相手よりやや遅らせてブレーキを踏みコーナー進入時に並びかけます。レースのルールでコーナー進入で並ばれた場合は内側に優先権があります。しかし、相手は早めに減速してマシンの向きを変え早くアクセルをあけて加速体制に入ろうとしているので瞬間的にイン側に飛び込むと接触する危険はかなり高いです。また、飛び込んだ自分は無理な態勢からの加速となるため相手が抜き返えしを狙ってきます。相手が狙ってくるであろうラインをつぶすように加速しなければなりません。

    コーナー脱出から考えた場合、勝負所となるのは相手の苦手なコーナーの次の進入になります。コースレイアウトにもよりますがハードブレーキングの後長いストレートが続く場合などは次のコーナー進入の並びかけが少し早いのでわずかながらリスクが少ない気がします。(今回のフランスGPもこれにあてはまるかもしれません。ひとつ手前の高速コーナーの脱出スピード差とヘアピン進入のブレーキングがよくわかります)

  3. マシン性能の低下を突く

    前車のセッティングやマシン状態を感じ取ることができればレース戦略を立てることができます。まずタイヤのグリップが落ちてくれば挙動の乱れが見えるでしょう。エンジンが熱ダレしてくれば後半ストレートエンドで伸びてないなと感じることができるでしょう。残り周回数と相手の動きを観察しながらチャンスを狙います。

オーバーテイクにはまだまだ複雑な要素があると思います。

こんどは抜かれる側、前車となった場合も考えてみたいと思います。抜く側がイン側にマシンを進めてくることから早めにイン側にラインを変えて抜かれないようにする(ブロックラインをとる)ことがあります。このライン変更はコーナーに対してあまり早く行うとスポーツマンらしくない行為としてペナルティーの対象となります。あくまでもコーナーの進入でわずかなものにとどめてほしいと思います。

F1でも少しやりすぎかなという場面もありますが露骨なブロックをしていたらモータースポーツと呼ばれなくなり盛り上がらなくなってしまいます。順位を落とすことがあっても次のコーナーで、次の周で、次のレースで挽回するぞ!という走りをしてほしいと思います。 

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Scene12 ローリング

今回は、スタートラインを超えるまでに行われるローリングについて考えます。

まず、ダミーグリッド離れるためには押しがけでエンジンをかけます。ドライバーとピットクルーが力を合わせてマシンをコースに送り出します。とても気合のこもった一瞬です。

カートの場合、この押しがけが第1のスタートと言っても過言ではありません。ここでエンジンが不発ならこのヒートは終わりです。決勝ヒートだったら予選の苦労も水の泡となってしまいます。また、辛うじてエンジンがかかっても獲得した正規のグリッドポジションに戻れないこともあります。

コースインしたらまずプラグのカブリをとりタイヤを暖めます。その後、走りながらスタートするために隊列を組みます。隊列はポールポジションのドライバーが1コーナーに対してイン側となるようにグリッド順の2列縦隊です。隊列はポールポジションのドライバーが整える役割を担います。概ねコースを1周したあとでこの隊形に整えます。

ローリングはドライバーにとってレースを走ることより神経を使う場面かもしれません。なぜかというと、日頃ローリング〜スタートの練習をすることはあまりないからです。またレース毎にグリッドポジションや並ぶ相手が異なるのでレースによってローリングペースが速い時と遅い時があるので効果的な練習法はないと思います。

ローリングはレース経験でこそ上達するのではないでしょうか。

最近はかなり改善されたようにみうけられますが、過去にはオフィシャルによってローリングスピードの抑えすぎが目立ちました。あまりの低速走行はエンジンの不調を招きあちこちでマシンがストップしてしまうというようなことがありました。また、オフィシャルが後続ドライバーに対してスピードを落とすように指示を出すというチグハグなことも最近は改善されてきました。

本来ローリングはマシンのエンストを防ぎ円滑にスタートすることが目的だと思います。ポールポジションのドライバーが目に余る加減速を駆使した駆け引きは当然ペナルティーの対象となります。

ドライバー全員がフェアプレーで円滑なスタートでレースを戦ってほしいと思います。

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Scene13 情報に敏感であること

カートフレームやエンジンは毎年モデルチェンジしています。

多くのカートフレームはFMK(国際カート連盟)の公認を受けているため大幅な変更は数年に一度ですが、レーシングマシンである以上微細な改良は頻繁に行われています。

改良や変更の目的は運転性や耐久性の向上などです。カートメーカー、エンジンメーカー、タイヤメーカーそれぞれ、お互いの構造を研究し開発を続けているところなどは上級フォーミュラーカーと変わりありません。

カートの世界でもフレーム構造やエンジン形状などに様々な流行が生まれては消えて行きましたが、流行がそのまま主流となり定着して現在も続いているものもあります。

流行したものをいくつかあげると

 スタート前にマシンの右側を上にして押しがけを待つ(キャブレターをクリーンに保つ)

 燃料タンクや吸気ノイズボックスをアルミフォイルで覆ってみる(気温対策)

 雑誌で報道された某オイルが店頭から姿を消す(対エンジン効果)

 エンジン放熱フィンの共振を押さえるため樹脂性のものを塗る(音量対策)

 使用して山を減らしたレインタイヤを用意する(少雨対策)

 フレームにトーションバーを装備する(剛性調整)

また、ドライバーレベルでも速い人や優勝した人から何か得ようとすることはよくあります。その何かというのは様々な情報≠ナす。具体的にはコース路面やレコードライン、マシンのセッティングやタイヤの空気圧、その他もろもろです。

相手より1000分の1秒でも速く走りたい≠ニいう思いから「○○がいいらしい」というような噂が伝わると次のレースではかなりの選手がとり入れていたりします。多くのドライバーはテストして効果があって採用したと考えられますが、中には形のみ模倣しただけのように見えるドライバーもたまに見かけます。

サーキットを飛び交う情報には確かに信用できるデータに基づいたものと、出所のわからない単なる噂があります。元は確かな情報もいつのまにか形を変えてしまうこともあるので油断は禁物です。

ドライバー心理として「他人のモノが良く見える」と感じることもあると思いますが、くれぐれも情報に振り回されないようにしてもらいたいと思います。

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Scene14 ドライバーは早起き

いままで夜型だった人もカートを始めるとイヤでも早起きになります。

まず、カートコースの多くは山の中にあるので午前中から走行するためには早起きします。いつもは寝坊の人も「明日はカートに乗れる」という時は早起きが苦にならないと言う人も多いのではないでしょうか。

レース当日ともなるとチームのテント張りから始まってマシンのセットアップまでを済ませなければならないので、夜明け前に家を出るなんてこともあります。

ひとつの例ですがカートを始めたばかりの人は(家からコースまでの距離にもよりますが)午前中にコースについてマシンをセッティングして午後の走行時間から練習走行をするパターンが無理がないと思います。実際このパターンの人もかなりいますので日曜祝日の午後の走行時間はかなり混雑します。

レースエントリーを考えずカートで走ることが中心の人(ホビー派と呼ばれる事が多い)には、マイペースでいつまでも楽しく続けてもらいたいと思います。

しかし、レースで好成績を残したい人は「午後のみ走行」ばかりでは少し不安が残ります。

私の抱く不安とは「レースは午前中から始まる」のでレースのスケジュールを考えると朝(午前中走行)から練習した方が「午前中に予定される公式練習やタイムトライアルをシュミレーション」できるのではないかと考えられるからです。

また、コースの混雑も午後ほどではないのでタイムアタック的な練習に向いているのではないでしょうか。

練習走行の方法は個人の考えもいろいろでしょう。また、チームやショップからのアドバイスもあると思います。

現実には自分の限られた予定で練習しなければならないので「午後しかコースに行けない」人もいるでしょう。そのハンデをものともせず速い人も確かにいます。

コースに走りにいったら1番はカートを楽しむこと、2番は時間を無駄なく使うことが大切だと思います。

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Scene15 熱について

暑い日が続いていますが、皆さんは熱帯夜で寝不足とか夏バテしてないですか?

今回は夏に限らず温度、熱、暑さ、気温といったものがレースで大きな要素であることを確認してみたいと思います。

 気化ガスに点火、爆発を繰り返すためエンジンは発熱して高温になります。このためエンジンの冷却がうまく行われないとエンジンの性能低下やキャブの不調につながります。

一時的に多くの燃料をエンジンに送って焼きつきを防ぐチョーキングは、ストレートエンドで吸気口に手をあてて行います。特にチューニングされたエンジンの場合は必須のテクニックです。

空冷エンジンは冷却フィンの部分にいろいろな工夫がされています。ROTAX社やVORTEX社製などにみられるサイドのクーリングカバーが近年目立つ工夫でしょう。

エンジンの前方からしか風が当たらないカートエンジンは排気管方向を冷却しにくい構造なので使用部品の形状も膨張率などを考えて作られています。冷却するにも冷却フィンをやたらに大きくしたら重量が増加して、マシンバランスに影響がでてくる可能性もありメーカーも日夜研究しています。

温度 エンジンと共に熱に敏感なのはタイヤです。タイヤは走行すると路面との摩擦で発熱してタイヤ表面を溶かしてグリップを得ます。

タイヤが発熱するとタイヤ内の空気が膨張して空気圧があがります。空気圧を高めにセットしてタイヤの発熱を早めたり、逆に空気圧を低めにして発熱を遅くコントロールすることはレース戦略の一つです。

しかし、発熱を早めたタイヤはグリップのピークを過ぎると次第に滑りやすくなります。また、発熱を遅くさせるとグリップが出るまでレース序盤でのブレーキングやコーナリングで苦しむことになります。

ローカルレースで使用しているSLタイヤでもタイヤの使い方には奥の深いものがありますが、さらに上級クラスで使用するハイグリップタイヤでは、F1に負けないほど路面にラバーがのって上を歩くとベタベタするほどです。また、タイヤかすもかなりの量となりレース決勝では抜くためにラインをはずすのが難しくなるほどです。なぜなら、ラインをはずすとタイヤにタイヤかすがボコボコにくっついてしまうからです。

気温 気温はエンジン、タイヤの発熱の初期条件を決定します。レースを勝ちぬいて行くためには春夏秋冬に応じた熱対策やセッティングが必要不可欠になってきます。レース経験を積んでデータとして蓄積されたものがあると他コースに遠征した時にも有利ではないかと思います。

暑さ 夏場の走行はエンジン、タイヤだけでなくドライバーにも影響があります。まず、ヘルメットにレーシングスーツ、手袋にシューズの完全防備。加えてエンジンの熱が右腕に伝わりますので大量の汗をかきます。

聞くところによると、夏のある日 レース後の重量チェックで上位のドライバーがことごとく規定重量以下で車検落ちになったそうです。大量の発汗は1s位簡単に減らしてしまうようです。皆さん真夏のレースでは注意してください。

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