
DUCATI 749R エンジンパーツ
1.シリンダーヘッド
デスモドロミックは、必然的にロッカーアームが必要になるが、テスタストレッタ系エンジンは軽量ロッカーアームを採用し、高回転域の追従性を高めている。まさしくファクトリーマシンからのフィードバックだ。
カムシャフトは、WSSレギュレーションの関係で、リフト量は大きいが作用角が狭い仕様を採用されている。(リフト量の変更は許されない)
そのためバルブリフト量のみ、あらかじめ大きくしたカムシャフトを使用している。
デスモクワトロから大きく進化したテスタストレッタ。この最新シリンダーヘッドも第二世代に突入した。ロッカーアームは軽量仕様になりより高回転化を実現している。
2.ピストン&シリンダー
ドゥカティはスペシャルパーツと呼べる贅沢なパーツを標準で装備している。アルミシリンダー&ニカジルメッキ仕様など、日本メーカーが90年代後半になってようやく市販車に採用するようになった技術を、はるか以前から標準化してきた。
ボア径は空冷1000DSのボアサイズと同一であることから、749Rがいかに超ショートストロークエンジンであるかがわかる。
ピストンハイトが低くなり、コンロッド長は749sより4mm長い仕様に仕様になっている。
ピストンメーカーはアッソ社。
3.バルブ
従来の市販車は、ハーフリングでクローズシムの抜けを防止していたが、レーシングマシンは日本車と同タイプのテーパーコッターでシム抜けを防止している。それを749Rが市販ロードバイクとして初採用し、高回転域の信頼性の向上と、トラブルを削減させている。
吸排気バルブはチタン製(これも初採用)。
ステム径は6mmでテスタストレッタ系市販レーサーと同仕様。
4.エンジンカバー
タイミングベルトカバーにはエアーダクト付きのドライカーボン製を採用している。
さらに749R/999Rはシリンダーヘッドカバーにマグネシウム製を標準装備する。
防錆処理の上からゴールドペイントが施される。
5.インジェクションノズル
燃料噴射技術の向上により、エンジンの高性能化や、燃費、排ガス問題に関してもアドバンテージを得ている。
749Rは、多孔噴射ノズルを採用し、より細かな混合気を作りだして、燃焼効率を向上させている。
このような多孔ノズルは市販レーサーやファクトリーマシンで採用されている技術である。
孔数が多い分、部品コストも当然ながら高くなってくる。
749Rが「レーシングスペック」と言われる由縁の一つだ。
6.フライホイール
軽量フライホイールを標準装備し、連続高回転仕様を可能にしている。
センターボスにはパルスセンサーの突起があり、レーシングキットパーツに対応している。
レーシングキットでは、このフライホイールからエンジン回転数をダイレクトに検知し
より緻密な点火コントロールとFI噴射タイミングを得ている。
このようにレース仕様に対応できる段取りをあらかじめ行っているのだ。
7.タイミングギアー
タイミングギアは、徹底的に軽量肉抜き加工が施され、ギアモジュールの変更により高回転時にもスムーズかつ低フリクションとなっている。
これは市販レーサーやファクトリーマシンに採用されているギアと同じ仕様である。
8.クランクシャフト&コンロッド
クランクシャフトは、クランクピンに中空加工が施されおり、軽量化されている。
ホモロゲでクランクシャフトの交換が許されないため、あらかじめ「おむすび型」の軽量加工がされているのだ。
チタンコンロッドとの組み合わせで、ワークスマシンは15000rpmを獲得している。
コンロッドはパンクル製チタンマテリアル。
9.スパークプラグ
749Rは、これまでの市販車に比べて強力な点火システムを採用している。
そのシステムの性能を最大限引き出すため、沿面プラグを標準装備する。このプラグは360度どこでもスパークが発生し、一般のプラグにあるL字電極の陰に隠れないオープンフェイスが特徴だ。
一般の市販車に装着しても、システムが対応していないため、その効果は得られない。