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初日の作業時間は6時間程。前足のパーツはスタビとブレーキがボディに残っているが、その他のパーツはモノの見事、全部バラバラ。新品に変える予定のパーツはブッシュとベアリングにスピンドル、そしてトラニオン。ショックはコニのクラシック(スペシャルD)にスプリングはハイレートのモノへ交換予定。
バラす途中で左のショックの上のお皿の上だけに1cm厚のスペーサーがかまされていた。アルミの鍛造品で、こんなものはオリジナルではあり得なく、アメリカにGT6君がいた間に誰かが左側の車高をあげる為に挿入したんだと想像する。
さらにスプリングの自然長を見る為に古いモノと新しいものとを比較すると、新しいハイレートのモノが3cmばかり全長が短い...う〜ん。新しいバネの直径が見た目太いとかそういう事もないし、つけてみないと僕の狙う少し前上がりのスタイルになってくれるのか、少し、不安だ。
元のショックはストックのオイルショック。まずオイルが劣化しているのか動きが渋く、押し側、引き側で掛かりが全然違っていたが、仕事はしていたと思われる。左右に優劣はなし。ストックって意外に優秀なショックだと思う。新しいコニはSACHYさんのアドバイスも頂いたのだが、外しての再セッティングが面倒なので、1回転回しのセッティングとした。ショックを両側組んで、初日はそれで終了。
2日目。作業時間は4時間程。アッパーアームとロアアームにブラストを掛け、ついでブッシュを交換。古く硬化しアームからハミ出て盛り上がったブッシュをプレスで抜くのは大変で、バキーンという音と共にゴムが千切れてようやく外れるという有り様。アッパーアームはまだしも、ロアアームはA字をしている為にプレスと干渉しなかなか作業がはかどらなかった...。ブッシュ挿入時にCRCを吹くのを嫌がるヒトもいる(石鹸水じゃなきゃダメといわれた事がある)が、構わずCRCを吹いて挿入。最後にアーム類は脱脂し、プライマー(ミッチャクロン)を吹いて黒のウレタンスプレーを吹き、残りは養生が大変なので、同じウレタンを筆塗り。乾燥を待つ為、今日の作業はココまで。
しかし、塗り上がったモノを眺めて、ウレタンでデロッと光ってるアーム類は失敗だったかなぁ...と思ったりもしちゃった(笑)。かと言ってつや消しブラックは塗装がすぐダメになっちゃうし...。ええい、明日は、前後ブレーキのO/Hをするのだ。こんな事ばっかりやってられないのだから。
3日目。作業時間は4時間。
今日は前後ブレーキのばらしと洗浄、そしてフロントハブベアリングの打ち替え。
後ろブレーキはまずドラムの固定のボルトが全然緩まず、ガンガン叩いてようやく外れると言った具合でさすがに泣きが入った...。ブレーキシューはやっぱり全然減って無いんだけど、厚みの薄いリベットで固定されたシュ−の内、左側のシューの一枚のリベットが外れてドラム内で遊んでいたのを発見。ジュリードのブレーキシューが来ているので、それに交換する予定だ。リアのブレーキは他にスプリング類とシリンダーアッシー、その後ろの板バネを交換するつもり。バックプレートに塗装のハゲがあったの見つけたので、昨日のウレタンスプレーを振ってみるとまだスプレーの中は硬化しきっておらず使えそうだったので、周りを養生して左右共にバックプレートを吹いてリアはココまで。
フロントブレーキを外して、ピストンを抜こうとコンプレッサーでエアを吹き込むと、両側とも片側しか外れない。ブレーキラインの末端に当たる側、言い換えればホイルナットに近い側のピストンが両方とも錆で食ってた...なんてこった。動きがコレだけ渋かったってことは、ブレーキの性能は両方とも相当落ちていたと思われる。ピストンのトップは表面が荒くよれてしまっていて、ピストンは新品にしないとマズイ状態にまでなっていた。現代のクルマに採用されているスライドピン型のキャリパーっていうのはこういうトラブルを一掃させるために生まれたモノなのだが、まさか自分のクルマがこうなっていたとは...。ガビーンって感じ...。ワイアブラシでゴシゴシ擦ると、キャリパーの鋳物が光る。こんな色してたんだ...いつも真黒でゴメンよ。灯油のお風呂に入ってフェロードの垢を落してね(笑)。って感じで洗浄。フルードに満たされる部分にも若干錆が出ていたので、1200番のペーパーで錆をすり落した。
僕ちゃんのGT6のキャリパーは、他のトラにも流用されており、やはり各自チェックを怠らないよう、最も大切な部分なのでチェックしてみる必要がある。
キャリパーのオイルシールはなんとも貧弱なオイルシール。オイルシールのヨレでもってオイルの漏れを防いでいる。今回ブレーキフルードは今まで通りシリコンフルードを使う予定だが、マスターを以前O/Hした際にはシリコングリスを使わず現在までトラブルも無いが、ココはストレスが非常に掛かる部分だ。急にシリコングリスを使いたくなったのだが、そんなモノ持って無いので、明日東急ハンズに行くまでキャリパーを組むのは止めにして、フロントはココまで。再三、ブレーキフルードにシリコンフルードを勧めているけど、塗装を侵さないのと水を吸わず性能の劣化が少ないのでお勧め。バルクヘッドの塗装がベロベロになっているのは悲しいし、見栄えも良く無いよね。しかし入手方法に問題があった。カストロールもシリコン系の取り扱いを止めてしまったという話を聞いている。が、ハーレー屋に行けば簡単に入手できるそうだ。ハーレーって純正で唯一シリコンフルード指定なんだって。値段はドット3,4の3〜4倍するが、絶対良いよ。因にUS ARMYも車両にはシリコンフルードを使っているそうだよ。
ハブベアリングはハブに圧入されているだけなので、レースを叩けば外れるし逆にレースをかまして叩けば圧入される。前回は某ショップでお金を払ってやってもらったのだが、アウターとインナーのベアリングの間の空間にしこたまグリスが入った状態で、思わず目を疑った。ココにグリスを詰めても何の意味も無い筈だが...。もうアソコには頼みたくねぇ...って思わせられてしまったのだった...。そして、ついでにホイールナットの切損事故を聞いていたので、ホイールナットを新品にする為叩いて抜いておいた。
という感じで、今日の作業はお終い。3日目にして体はボロボロ、しばらく作業をしたくないと思わせられてきた...。けど、29日に間にあわす為には何とかしないと...(泣)。
O/H作業4日目。今日の作業時間8時間...あぁ、もうダメ。夜中ですぞ、夜中...。
今日から本格的に組みの段階に進む。シンエツの高温設定のシリコングリスを買って来て、キャリパーのシールキットとピストンを組む。以前、入っていたフェロードのパットは残量が10mm以上あるのでそのまま使いたいと思うが、どうも当たりが悪いので、パッドをグラインダーで加工して当たりを出してやった。
左右が組み上がった所で、今度はバーチカルリンクの作成。スピンドルとトラニオンを新品に交換。気分を入れ替える為に、先日のツーリングで大量のオイルをまき散らしたスピンオンフィルターのアタッチメントを取り外し、シールを交換しアタッチメント本体に相当量残っていたバリを削ぎ取り、フィルターを取り替えて再び付け直す。コレで漏れたら溜め息出ちゃうが、多分コレで行けると思う。イイ感じで作業出来てて気分も良い。
そしてリアのショックを交換。リアショックは3年前に交換したはずのSPAXから今回はコニのスペシャルDに。当初は買うのを止めようと思ったんだが、手伝いの友人の勧めもあって、購入に踏み切ったアレだ。外したSPAXを見てビックリ...。両方とも伸び側はスッゴク渋い。さらに縮み側はグシュっと直ぐに潰れて、コレではショックの役目をしているとは思えない。要は、ガスが抜けてパンクした感じになってしまって、当然調整は利かない...。なんじゃこりゃ。片一方だけじゃなくて両方ともだもん。どうもリアがオカシイと思っていたんだけど、3年前に替えたと聞いていたし...こんなもんだろうとタカを括っていたんだ。でもこりゃぁダメだ。買っておいてホント良かったよぉ(涙)。もう、SPAXは絶対買わない!と心に決めたのでした。
悲劇はさらに起こるのだった。リアのブレーキを組み始めて、愕然とした。僕のGT6Mk3の後期型は自動調整式で、さらにマズイ事にブレーキシリンダーの新品がリプレイスメントのモノしか出ず、オリジナルを入手出来なかったのだが、リプレイスメントが構造的にどうも上手く付かないのだった。参ったなぁ...。仕方ないので、外したオリジナルのシリンダーを分解しホーニング。見ないフリして外したカップをそのまま突っ込んだ。ムシ食ってフルード漏れしたらと思うと、頭抱えちゃうよ〜。
それでもリアセクションの作業を終了して、残す所はフロントとブレーキのエア抜きのみ。気分を入れ換えて、先に進むのだ。今回ボルトナットの新品を結構買ったのだが、どうも少し足りない(号泣)さらに悪い事にボルトの長さが微妙に異なる筈なのに、届いているファスナーは全部同じ...。イギリス人もいい加減なものだな...。お陰でネジ山が出過ぎて格好わるい所が出来ちゃったよ。がっかり。
しかし、まあいい加減に(笑)アームを組んでショックを装着しバーチカルリンクを組み込む。この頃には、もう疲れ果てて死んでしまいそうだったのだが、事件はこの時起こったのだった...。いざハブを入れようとした時にハブが奥まで入らない。原因は今日挿入したスピンドルにインナーベアリングが引っ掛かって、それ以上中に入らないの。最初はスピンドルの工作精度が悪いのか...と頭を抱えたのだが、交換した古いインナーベアリングを挿入すると、スルッと入るじゃないか。同じ品番のベアリングなんだが、ハブに打ち込んだ新しいベアリングの精度が出てないとしか思えない。左右のスピンドルを試してみたがやっぱり同じ結果。ベアリングが犯人。ココまで来て、がっかりだ...。もう死んじゃいそう。
カタログを漁ると、GT6のベアリングはスピットとは異なり、分かった範囲ではスタッグと一緒(笑)。最悪、もう一度本国オーダーをかけるか、BRGに駆け込むか、古い方のベアリングを再度打ち込むか...と普通なら思うのだが、僕の住んでる大塚の近くにはNTNのベアリングを卸している問屋があるんで、まずは明日、其処に行ってこようと思っている。
次から次へとトラブルがあり、心底疲れてしまい、手伝ってくれてるレース仲間も帰ったんだが、GT6の隣にへたり込んで動けやしない。今日、途中で作業を見に来た黒スピットI君が、再び現れ、地べたにへたり込んでる僕を見て、声を掛けてくれたのだが良い返事を返せない。ゴメンにI君。
彼が帰った後も、しばらくそのまま1人クルマの隣で座り続けていたのだが、 ふと思い立ってミッションオイルを追加してやった(爆)。ま、少し気も晴れたよ。どちらにせよ、明日で作業終了となる予定。もうしばらくクルマなんて見たくもない...。
O/H作業5日目。作業時間5時間。
昼頃SACCHYさんから電話を貰う。お手伝を申し出て下さった。物凄く嬉しかったです。どうも有り難うございました。
電話を頂いた後、近所のベアリング屋に歩いて行く。卸しの会社で店頭販売は少ないから、ベアリングを2個下さいとお願いするのが凄く申し訳ない。外したベアリングの品番を端末から確かめると、インチのベアリングの為か在庫無し。メーカーに問い合わせるから、明日明後日の入荷となるとの返事。ガッカリであるが、せっかく歩いて来たから注文する。僕の心の中はもうフラストレーションの固まりになってしまった。
会社を出ると、携帯に手を延ばし、BRGに電話していた。聞き馴れた、伊藤ちゃん所の奥さんの声。『うそ、在庫あるの?今すぐ行きます。』そのかわりセットで買ってねだって。その足で市ヶ谷に向かってしまう。午後の予定は勿論キャンセル。
BRGにて。ベアリングを購入。序でに昨日、泣きそうだったリアブレーキのリペアキットの話をすると、伊藤ちゃんが奥から一個だけあったよと、持って来てくれた。あんた偉いよ。マジで。GT6のパーツなんてはけないのに持っているなんてさぁ。しかもこのパーツはあちこちで欠品だった奴だよ。僕は嬉しさの余り、伊藤ちゃんのホッペにキスをしたくなったりはしなかったのだが、嬉しかったなぁ。ベアリング2セットとシールキット1セットで、14000円余りを払い、BRGで過去最高の金額を払ったのだが、コレで今日作業が終われると思うと、夕方からの作業が楽しみだった。もう、連日の作業で膝がガタガタなんだよ。早く終りにしたい。
帰りの道中、先のベアリング屋から電話を貰う。明日の昼頃、入荷するとの事。一個1300円。アホみたいな話だが、以前から持っていた新品のアウターベアリングは使える訳で、買えばハブベアリングのスペアが出来ると思えば良い訳で、明日とりに伺うと電話を切る。
夕方、ガレージでBRGで買って来たベアリングを挿入する。左側のスピンドル。少し渋いがニュルっとはまる。同じベアリングを右側で試す。クッ!入らない。今回のO/Hでスピンドルを交換していたのだが、旋盤加工で出来たバリの処理が不味く、ベアリングが挿入出来ないのだ。左側は昨日、そのバリの部分をオイルストーンで剃ってあったので、若干渋いが入ったと言う訳だ。
ノギスで左右のインナーベアリングの当たる所を計ってみると、0.1ミリの誤差。こんなのは当て方の問題もある程の誤差範囲だと思う。右側のスピンドルもバリの為、ベアリングが入らないのだ。昨日入らなかったベアリングを試しに計るとインナーレースの穴の直径はやはりアンダーで、同じ品番ではあるが粗悪品の為、絶対に挿入出来ない仕組みになっていた。左右のスピンドルのバリ(スピンドルを製作する際に生じた旋盤によるバリ)をオイルストーンで磨き取り、ハブに挿入されているアウターレースを打ち替える。左右のハブがやっとこ、スピンドルに載った。
左右のキャリパーを取り付け、早速エア抜き作業に入る。1リットルのシリコンフルードを使ってエア抜き完了。フロントのハブのスタッドボルトを新品に交換して、リアのシューの当たりを調整し、前後のホイールをはめれば...都合5日間の作業がようやくメドを迎えるのだ。
ブレーキパッドとシューに全く当たりが出て無いからブレーキの効きが悪いが、テストに出る。あー、まるで絨毯の上を走っているようだ...。GT6君の本来の足はこうなんだ...。と感動するのだが、問題は帰って来てから出て来たのだった。
僕のクルマは左ハンドル。そして、スペアタイアを格納する場所をナビシートの後ろに確保してあるため、燃料タンクも左側にある。当然、左に重量が偏り、若干左に傾いていた。そんなモノだと、薄々原因は感じていたのだが、現実から目を背けていた。
テストからガレージに帰って来た僕のクルマを見た、じっと作業を手伝ってくれていたレース仲間が僕が危惧していた言葉をズバッと指摘した。左側のフロントがやはりちょっと下がっている。O/H初日にスプリングを押さえるお皿の上に付いていた1cm厚のスペーサーは、シャーシのよじれの為に生じたこの歪みを補正する為のモノだった。スプリングとダンパーを交換すれば直るというレベルのモノじゃ無かったわけだ...合掌。
ただ幸いなのは走っていて、この捩れを感じる事は今まで無かった僕は、それ程悲観もしていないのだが、傾いたまま走り続ける事は許し難い為、当初はまっていたスペーサーを再度組む事を決心アッパーアームの前側2本のボルトを外し、キングピンをフリーにしキャリパーを外して一度ショックを落してスペーサーを入れ直した。再度組み付け、再びテストをする。
戻って来た後、車高を見ると左右差は殆ど補正された。少し離れてクルマを見る。当初気がつかなかったが、ホイールアーチとタイアのトップの空間の距離が以前より増している。当初狙っていた前上がりの姿勢になったようだ(笑)。しかし、前の車高が上がった為、結果的にポジキャンが若干強く出てしまっている。正規のGT6Mk3のフロント足回りのセッティングは2度強ポジティブ、2mm程度トウイン。それが少し狂ってしまった印象だ。
明日以降、ゆっくりとこうした足周りのセッティングと、もう一度最後に全部のブレーキのエア抜き、馴染みを見てから、再び決める予定のハブベアリングの当たりを煮詰め、今回のO/Hを終了したいと思う。29日は一応、天気が良ければ行けそうだ!良かった良かった(涙)
今回僕に手を貸してくれた斉藤さんと仁ちゃん。差入れを持って来てくれていた仁ちゃんのお兄さんの幸ちゃん、そして近所に住むお友達にこの場を借りてお礼を申し上げます。ホントにこうした方達がいたからこそ、こうしてまた走る事が出来ると思っています。また宜しくね(爆)。
O/Hを終えて...
足周りのO/H作業は非常に地味だ。この作業は、エンジンをやった時のような極端な変化はもたらさない。もたらしたとしたら、それはもう足が完全に終わっていたわけで、そういうクルマにもし乗っていたとしたら逆に非常に危険だと思う。しかし僕は足周りはきちっとしておかないとクルマの全てがだらしなく感じるし、激変はしないと言いつつも、良くなったと思える作業だと思う。作業に掛かる時間と労力を考えると、1人でやるのは大変だと思うが、トライしてみる価値はある。是非、試してもらいたい。僕はまだ、体がおかしいけど...(爆)。
因に、昨晩判明したことなのだが、左側のスペーサーはオリジナルの状態で入っていた事が分かった。つまりわざと入れられた訳では無く、右側のスペーサーが抜かれていた訳だ。思えば、スプリングの押さえのお皿のボルトがスペーサーが無いとどうも長過ぎるきらいがあったんだな(笑)。
OHV FACTORYの三好氏の意見では、このスペーサーは車高調整のためのスペーサーではないという。確かにコレをカマしてもカマさなくても大きく車高が変わる事はなく、数mmの変化だ。左前の車高が下がっているのは右後ろの車高が上がっているからで、右後ろが上がったのはリーフがへたったからで、僕のクルマを知る三好氏はシャーシのネジレ説を否定してくれた。
片側にしか入っていないスペーサーだが、現在、コレが入る事で正規の車高を保つ事が出来る。今後は、リーフを交換する際までに、このスペーサーをもう一枚入手して、もっと良い状態にクルマをもって行きたいと思っている。