Ape50の馬力〜馬力計測の手法の精度〜


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Apeを斬る

 <緒言>
 今回の標的は新車のApeです。
実は今まで、新車の計測をしたことがなかったんです。
また、4ストの計測も、4輪(愛車シティカブリオレ)を除いて計測経験がない状態でした。
さらには、ノーマル車の計測もしたことがありません。

今回は慣らしの終わったフルノーマル新車の馬力を計測して、メーカー公称値と比較をします。
正直どんな結果が出るか不安です。

<目的>

 新車という、経年変化の少ない車両に対して馬力計測を行うことで、
1 馬力計測のシステムの精度を確認する。
2 走行抵抗に関して、メーカー公表値を活用可能か確認する。
ことを目的とします。

<材料、方法>

 今回は、知人の紹介で、走行距離1029kmのApeの
オーナー様に協力していただきました。(顔出しNGとのこと)
ちなみにオーナー様は17歳です。
(私は今まで新車というものを所有したことがありません。羨ましいばかりです。)

 つい先月買ったばかりの新車だそうで、
バイク屋でオイル交換をしたその足で合流していただきました。
初めて所有する大切なバイクということもあり、
私がセンサーを取り付ける際も多少不安そうな顔をしていました。

 計測はいつもの通り、3速にて全開加速を行っていただきました。

同時に、メーカー公式サイトの諸元表より、ギア比、重量、
パワーカーブ等を入手し、計測値と比較しました。

<結果>

 計測結果です。


左:馬力   右:トルク
細線:実測値 太線:メーカー公称の走行抵抗を考慮した値。

 一部の誤差(ノイズ?)を除いて、
  なかなかいいデータが取れました。

ただし、いいデータではあったのですが、
レブリミットまでは回してもらえませんでした。
タコメーターも付いてないですし、さらには初めてのバイク。
しかも慣らしを終えたばかり、やはり不安ではあったと思います。
(ちなみにまだ一度も全開にしていなかったそうです。)

 <Apeの公称データ>

 さて、今回の目的はApeのデータを取ることだけではありません。
この計測結果をメーカー公称値と比較して、
馬力計測のシステムが信頼に値するか調査することが目的です。

まず、ホンダのApe公式サイトからパワーカーブを入手したのですが、
なんと数値や目盛りも無ければ、グラフの原点すら記載されていません。

仕方ないから、グラフをトレースして(無断転載禁止との事なので…)
メーカー公称の最高速やら、最高出力、最大トルク、
それらの回転数等のデータから目盛りを予想し、グラフを作成しました。

その結果が下のグラフです。


左:馬力   右:トルク

そのグラフから、いくつかの数値を読み取り、その点をプロットして、
以下のグラフを作成しました。

     
左:馬力   右:トルク


 何とか、メーカー公称のグラフを模したものができました。

 <データの比較>
 
今回計測したデータとメーカー公称値の二つを重ね合わせた結果が以下のグラフです。



左:馬力   右:トルク

 <考察>

 低回転では、ほぼ完全な一致を示しました!感動ものです。
正直実は、自信がなかったんです。
もし誤差が大きかったらこのネタは封印しようかと思ってました。

 重ね合わせたのは、メーカー公称の走行抵抗を考慮した値です。
今回の結果から、メーカー公称の走行抵抗は、低回転において
実測値の補正に使えそうだということがわかりました。

 しかしながら、問題点もあります。高回転での誤差が多少大きいようでした。
このことは、メーカー測定の空気抵抗係数と、
今回の測定条件での空気抵抗係数が異なることが原因ではないかと考えられます。

 <ホンダに電話しちゃいました>

 実は、走行抵抗についてメーカーに問い合わせをしました。
メーカー公称の走行抵抗はどのような状態を想定しているのかどうか確認したところ、
メーカーの回答では、走行性能曲線に記載している走行抵抗は、
ライダー乗車時の抵抗を想定しているそうです。

 すなわち、走行抵抗にはライダーによる空気抵抗も含まれているのです。
その時に、ライダーの服装についての質問をしておくべきでした。
恐らくフルフェイス+ツナギなのでしょうが、
服装の違いによる抵抗の差はどれくらいなのでしょうか?

(ちなみに、「このような質問は初めてです。一体どんな事をされているのですか?」と
聞かれてしまいました。まあ、適当に誤魔化しましたが…。
おかげでちょっとビビってしまい、ライダーの服装について聞けませんでした。)


 今回の計測の際の速度域は30km/h程度と予想されます。
この速度域での誤差はおよそ10%程度でした。
2ストの場合は、50km/h前後で計測していたことを考えると、
誤差はより一層大きかった可能性が考えられます。


 <参考文献、謝辞>
 Apeを計測させていただいたM君、有難うございました。
事故らないように楽しんでください。あと、学校にバレないことを祈ってます。
愛車紹介でも、Ape50の紹介をさせていただきました

ホンダお客様センターの担当者様、
お忙しい中、丁寧な対応有難うございました

Apeのデータにつきましては、株式会社本田技研工業ホームページを
参考にいたしました。

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