コンデンサー

いわゆるホットイナズマもどきです。


巷で流行っているコンデンサーチューン。

現在のブームに火をつけたのは言うまでもなくサンのホットイナズマです。

これについては私の周りでも賛否両論でして、その効果は…と、ハッキリ書くとまた業者

からクレームがつくと困るので(最近、当ページもいろんな人が見てくれるようになった

のは嬉しいのですが、反面、特定の製品についての批判のようなことを書くと販売業者から

のクレームを受けることがありますので…かなりやりにくくなってきました)、このへんは

推測してください。

 

期待は全くしていませんが、とりあえず自分でも形だけでもやってみようと作ってみました。

金と手間のかかるものは別として、簡単で安価なものは実験してみるのがいちばんですので。

↑製作したもの。

ケースはエーモンの端子の空きケースです。 かなりコンパクトです。

ヒューズもいちおうつけました。 本当は10A程度のものがいいと思いますが、手持ち

がなかったので、写真ではとりあえず30Aがついています。

見てのとおり、手元にあった廃材を集めて作ったようなものです。

※車両に取り付けるときに15Aヒューズに取り替えました。

 

↑中身はこうなっています。

4700μF、1000μF、470μFのコンデンサー(耐熱105度)を並列に配線しただけのものです。

このあと、内部に接着剤を適当に充填し、ケースの縁の部分とコードの引き出し穴にシール剤を

塗って蓋を閉じて防水します。

 

これの理屈は、まぁ、燃料系統にたとえれば、コレクタータンク(中間タンク)のようなもの

で、瞬間的な不足を補おうとする機能を持たせようという考えのようです。

コンピューターのCPUで言えば、メインメモリとのアクセスラグを埋めるセカンドキャッシュや

サードキャッシュのような役割なのでしょう。 

ただ、クルマの消費する電流から考えると、本当ならばもっと大きな容量でないと効果がないよう

な気もしますが、正直よくわかりません。

異なる容量のコンデンサーの組み合わせも、どのような理屈があるのかよくわかりません。

ちなみに、バイクのバッテリーレス仕様も大容量のコンデンサーを使用していますね。

 

詳細については、他のページでたくさん自作ホットイナズマは紹介されていますので、適当

に検索してみてください。 みなさんいろいろな工夫や考察が見れて面白いですし、アーシング

同様、肯定派、否定派それぞれの意見も多々あります。

私の周りでは90%が否定派ですので、私は今回はあえて深く考えないようにします。


●取り付けは至って簡単です。

↑バッテリーのプラスとマイナスに繋ぐだけです。 逆接続には注意。

それと、もちろんECUリセットされるとそのせいでの体感が変わってしまうので、電源ケーブル

は外していません。


●取り付けてみて

まず、コンデンサーなのですから電圧の安定については効果があって当然ということで、それを

テスターで確かめてみます。

ですが、私の場合はバッテリー直でもアイドリング時の電圧は14.3Vで安定していました。

もうちょっとフラついているかと思っていたのですが。

試しにハザードおよびヘッドライトを点灯させたら多少はフラつきますが、それでも0.5V程度

のものです。

次に、コンデンサーをつけて同様に測ってみましたが、同じように安定していて、全く差はあり

ませんでした。 これには高性能なOPTIMAバッテリーの効果もあるんでしょうか。

 

ちなみに、コンデンサーチューンをした人の意見の中にはヘッドライトが明るくなったというのを

たまに見ますが、その理由はおそらく、このアイドリング時の電圧のフラつきが改善されること

によるものがあるのだと思います。 私の場合はまったく変化ありません。

しかし、たとえフラついていたとしてもこれは発電量の乏しいアイドリング時などの低回転域のみ

ですので、エンジン回転が上がった実用域では意味ないでしょう。

もちろん、バッテリーやオルタネーターの能力低下や、劣化、オルタネーターのベルトが滑って

いるなどというのは論外ですので、そういった他の要素は問題ないことが前提の話となります。

 

↑これはエンジンを停止して、ヒューズを抜いてコンデンサーのプラスマイナス間の電圧です。

きちんと蓄電されていることがわかります。

 

●実走インプレッション

さて、実際に走ってみてですが、はじめから期待はしていなかったので当然ですが、体感できるよう

な変化は感じられませんでした。

若干、アクセルを踏み込んだ瞬間のピックアップに変化が出た感じもしますが、プラシーボの領域を

出ていないでしょう。

もともとこういったものは、サイクロンなんかと同様、一定ギアでのアクセル全開加速テストや

シャシダイのようにアクセル全開での単一状況では理論上数字に表れないもの(この類のパーツ

は理屈から言って、頻繁なアクセルON/OFFをおこなうような状況でのレスポンスを改善するもの

なので、アクセル全開の一定ギアでの加速データや最高速、最高出力などには現れないのは当然で

す)なので、数値で表わすのは難しいものです。

ただ、自動車というものが人間が操る以上、こういった感性的なチューニングも非常に大切な部分

であるとは思います。

 

あと、よく燃費が改善したとの話も聞きますが、これも私の場合はまったく変化ありません。

よくこうしたものの販売宣伝に使われる「ユーザーの声」などでは大袈裟極まりない絶賛をする

ような意見もありますが、こういうのは売り手の宣伝であり、テレビショッピングでもよくある

「使用者の感想」という名のヤラセが殆どですので、まともに信用してる人はいないと思います

が、消費者としては過剰に踊らされないように注意することも必要です。

もともと、排気量が小さく絶対的なトルクの乏しい軽自動車のエンジンでは、こういった微妙な

パーツよりも、アクセルワークなどの乗り方のほうがよっぽど燃費に影響しますし、たとえば

タイヤの空気圧が0.2〜0.3kほど変わっただけでも平気で1km/l程度は燃費は変わるものです。


●それと、直接関係ありませんがこうした電源系の作業でひとつ気になることがあります。

これらの作業をするときに、バッテリーのマイナス端子を外すことがある場合です。

当然ながらバッテリーからの電力がきれるとECUの学習がリセットされてしまいます。

通常、ECUのリセットは数十秒〜数分おかなければいけないことになっていますが、これは確実に

リセットがおこなわれるために余裕をみて設定されている時間ですので、とくに国産車の場合は実際

には数秒でリセットされることが多いです。

これは私の推測ですが、こういった電装系チューン、たとえばなんとかヒューズなどもそうですが、

交換後のエンジンインプレッションの変化を感じている人はじつはこの交換後のECUリセットによって

その変化を感じてしまっているものもあるのではないでしょうか。

もちろん、メーカーや機種によってリセットのかかりかたには差がありますが、国産車の多くは

実際には数秒間電源を経つだけでリセットがかかることがあります。 これによってエンジン特性

が一時的に変化したことをこういったものの変化と勘違いしているのではないでしょうか。

インプレッションの多くは2000rpmとか3000rpmとか低い回転数に集中していることが多いです

が、これはA/Fフィードバックやアイドリングの学習がまだなされていないことにより通常よりも

濃いめの空燃比になっていたことによる変化とも取れますし、作業後すぐにエンジンをかけたら

明らかにエンジン音が変わったが、その変化も最初のうちだけしか感じられないなどの意見が多い

ことも、その学習後はもとに戻るなどのことから考えると、そのように推測することでほとんど

合致してしまうのです。  これは疑いすぎでしょうかね。


●ヒューズの話がでたついでにちょっと。

最近見るようになった○○○○ヒューズというものがありますが、これはクライオ処理という処理を

されたものなのですが、これは液体窒素などを使用して-100度以上に急冷させることで、たとえば

引き抜きやプレス成形などで金属内部に生じた加工歪みや応力などによって起きた結晶組織の歪みや

不均一を整えてやろうというもので、主にオーディオ関係の端子、ケーブルなどに用いられるものです。

ですので、たとえば接点に金や銀メッキをしたものや、接点復活剤を塗布するのとは根本的に異なり

ます。

熱処理に詳しい人ならこれを聞いてすぐに思いつくと思いますが、私たちの業界でいうサブゼロ処理

に近いものがあります。

サブゼロプロセスというのは基本的にはこれと似たようなもので、要は焼き入れ後に液体窒素を使用

して冷やし、焼き入れ後の不安定な金属組織の残留析出を強制的に起こさせることで組織変態を

無理矢理完了させてしまうものです。

これによって、焼き入れしっぱなしでは常温で長期に渡っておこる炭素の析出などによる寸法変化を

押さえることができるためブロックゲージをはじめ、測定器関係ではよくおこなわれている処理です。

このとき、金属組織内ではある種の運動がおこりますので、このときに加工歪みや加工時の残留応力

によって発生した組織の不均一をある程度改善できるのですが、この手のヒューズにおこなわれる

処理もそれに近いものがあります。

 

ただし、この手のヒューズは極性があるものもあると聞いています。

どういうことなのかはわかりませんが、たとえば鋼材などは磁気変態点以上の温度から冷えるときに

磁力を与えると磁気の方向の影響を受けますが、(地学などで溶岩の磁力の方向と、その時代の地磁気

の方向とを照らし合わせることで、その年代がわかるのと同じです)これに似たような感じで、この

ヒューズも上記の窒素冷却時に磁力を併用して組織の方向性を揃えようとしているのかもしれません。

もちろん、あくまで推測ですが。

確かに理論的には効果があるかもしれませんし、オシロスコープなどでは変化はあるかも知れませんが

実際の走行でどれほどの変化があるかはわかりません。 比較的シビアな弱電部品なら違いは大きく

出るでしょうけど、車の電装系でそこまで変わるとは考えにくいです。

 

●最後に

本家ホットイナズマはご存知の通り、タイプMRで20000円近くする商品です。

たしかに中身を知ってしまえばかなり割高のように感じますので、それを批判するコメントも多く

見かけます。 それもあってか、個人製作や業者製作でも割と安価でコピー商品が多く出てきて

おりますが、まぁ、これについてはサンのほうで特許や実用新案などがない以上は適切な競争だと

思いますので、購入側からすれば選択肢があるのは良いことだと思います。

ただ、どんなものでも先行メーカーには敬意を払うことは必要で、類似品や後発コピー商品で

儲けることができるのも本家の商品があってからこそのもので、サン側も高いとは言われても

きちんとテストや開発に金と時間をかけ、また、製品保証もつけての商品化ですので、大人で

あればそれについては理解してあげる必要があると思います。

また、あのアルミケースがもっとも高くなっているとも見えますが、あれも万が一のコンデンサー

のパンクや発火に対しての安全上の備えと考えれば、決して過剰なものとも言い切れませんし。

商品の価格というのは原価に基づいて決める場合と、原価とは別に、ブランドバリューや他にない

独自商品としての感覚的な価値観に基づいて決められる場合など様々です。

 

結局、高いのであれば高いで自然と売れなくなるのが市場原理ですので、そうなればメーカー側

も何かしら対処をせざるを得ないでしょうし。 売れているということは、それはそれで市場に

おける「適正価格」なのではないかと思います。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~