JA22(旧型K6A)の燃料の限界について

MRS製マフラーでのハイブーストでの限界を試してみました


●MRSマフラーに換えてから何度か排気温度の確認などのために全開テスト走行をしているうちに

ふと「現在の仕様でどのへんまで燃料供給が追いつくのだろう?」という疑問がわいてきました。

このマフラーにしたことで低回転から高回転まで全域でトルクアップ(&パワーアップ)したのは

喜ばしいことではありますが私のK6Aエンジン、JA22の現在の燃料系はインジェクターを260cc

にしているだけで、燃圧レギュレーターや燃料ポンプはノーマルのままです(以前にV6エスクード

用燃圧レギュレーターを試したときには全開時のA/Fが9.0くらいまで濃くなりすぎてしまいNGで

したので結局ノーマルに戻しました)。

という訳で、今までは燃料不足を感じたことはありませんでしたが、いくらエンジン本体がノーマル

とはいえパワーから考えてもそろそろ燃料噴射量の限界も近いのではないかと思いはじめました。

そこで、今回は現状のままでどこまでブーストを上げて燃料が追いつくのかを試してみました。

 

●方法

まず、現在基準として設定しているブースト圧(1.5kg/cm^2)から少しづつ上げていき、その度に

5速全開で一定距離をキープして排気温度の落ちついたピークでの数値変化を見ていきます。 そして

排気温度が上がったらSFC-MULTIのHIボリュームを少しづつ上げて空燃比を濃くしてやり、どのくらい

のブースト圧になると排気温度の上昇が抑えられなくなるのかを見極めるというものです。

つまり、全開時の排気温度の制御ができるうちはまだ燃料が足りていると判断し、逆に、増量しても

排気温度が下げられなくなった段階で「これが増量の限界」と判断するというものです。

まあ、かなり大雑把な方法ではありますが、現在の仕様での限界を探るにはもっとも単純な方法かと。

本当ならGRIDのLM-1空燃比計もつけて同時に見極めればいいのですが、今回はとりあえずの限界

が見れれば良い、早い話「燃調が合ってるかどうかではなく、燃料が足りてるかどうか」だけ解れば

いいので排気温度だけでの判断で充分としました。 もちろん簡易空燃比モニターはいちおうの目安と

して使用しています。

↑排気温度はMAX900度〜910度を限度とし、その数値に抑え込める限界のブースト圧を探るという

方法でおこないました。


●結果

これは何度も何度も調整しては走りをくり返したのでかなり時間はかかりましたが結論から先に書くと

現在の私の仕様、つまりエンジン本体ノーマル+ボルトオンHT07-A/R12スペシャルタービンの場合

は「ブースト圧1.65kg/cm^2」あたりが燃料の限界という感じになりました。

このブースト圧以下であれば排気温度を900度〜910度あたりで抑え込むことができましたが、これ

以上に過給圧を上げると、たとえば1.7kあたりにすると920度を超えてしまい、それ以上SFC-MULTI

のボリュームを濃くしても3つのボリュームすべてが赤く点灯し(SFC-MULTIは増量の限界になると

ボリュームツマミが全て赤く点灯することで教えてくれます)これ以上の増量ができない状態になり、

ここから上では排気温度は上昇するばかりとなります。 つまり私の現在の仕様においては、ブースト

1.65k(少し余裕をみて1.6k)あたりが燃料の限界で、1.7kになるとガソリン供給量が追いつかなくなる

ということがたいへん大雑把ではありますがわかりました。

以前のサクソン改マフラーのときにもブースト1.7kを試したことはありますが、このときは排気温度

は900度程度で抑えられていました。 しかし今回はMRSマフラーによるパワーアップでさすがに同じ

ブースト1.7kでも燃料が足りなくなる(言い方を変えるとより燃料を必要とする)ようです。

まあ、それだけこのMRSのマフラーが低排圧で高性能であると言うことができると思いますが。

なお、今回の走行時の気温は3月としては珍しく5度くらいと寒い日でしたので、気温が上がってパワー

が落ちてくれば排気温度にはもう少しは余裕は出る(吸気温度が上がる→酸素密度が下がる→空燃比が

濃くなる)ものと思います。 吸気温度が上がるとそのぶん燃焼温度にプラスされるのでかえって排気

温度も高くなるという考えもありますが、たとえそうであってもそれよりも酸素密度増加によるパワー

アップでの熱量増大のほうが上回ると思います。 実際、以前つけていた「APIOの静香御前 舞マフラー」

のとき、同仕様のままで真夏と真冬で全開走行をおこなった際の排気温度は20度〜40度程度の差が出て

おり、当然ながらパワーの出る冬場のほうが高くなりましたので。 そういう意味では今回の気温は極限

状態での限界ポイントを探るには都合の良い気温条件だったと言えます。

 

↑SFC-MULTIのセット

HIボリュームはちょうどセンター位置ですが、この時点でもう全開状態ですのでこれ以上ボリュームを

増量方向に振っても意味がありません。 つまりこれがソフト的な増量では限界ということです。

もっとも、e-manageでも使って噴射時間の延長などでもう少し増量できる可能性もないわけではあり

ませんが、噴射時間延長での増量はバルブ開弁時間の短い高回転ではあまり意味がないというか限界が

あります。 やはり単位時間内での噴射量そのものを増加させないと高回転では追いつきませんので。

そのため、燃料ポンプそのものの限界にはまだ余裕はあると思いますので、もしこれ以上燃料が必要に

なった場合は燃圧レギュレーターを以前に試したエスクード用に換えるなどすればもうちょっと馬力が

上がっても対応は可能かと思います。 それ以上になるとさすがにポンプの交換が必要になるでしょう。

 

●まとめ

とりあえず現時点の仕様での「限界」がなんとなくとはいえ掴めたので手間はかかりましたがやってみて

良かったと思います。 今後、どのように手を加えていくかはわかりませんが、たとえばエキマニとか

アウトレットパイプ交換等でより効率化を図った際には現在のブースト圧でも燃料不足になる可能性もある

かと考えます。 なお、今回のテスト走行でもノッキングやデトネーションの兆候は見られませんでした。

これには軽自動車のエンジンは基本的にボア径が小さいうえ、K6Aはノーマルでメタルヘッドガスケット

なことから素性としてアンチノック性が高いというのもあるのではないかと思います。

最後に燃費ですが、今回はほぼ1タンク使ってこのような全開走行のくり返しをおこないましたのでかなり

ガソリンを無駄使いしたため相当燃費は悪いだろうと思っていましたが、意外にも燃費はそれほど悪くは

なく、満タン法で計算してみると11.8km/lほど走っていました。

 

↑今回のテスト走行後しばらくして排気温度計のセンサーが死亡したので新品に交換しました。

今つけている排気温度計はワークスRタービン時代から使用しており、今までにも1回センサーを交換して

ますので、私のジムニーの場合だいたい4年〜5年くらいがセンサーの寿命のようです。


<お断り>

今回、排気温度の上限を900度〜910度としたのはあくまでも私の個人的な経験および考え、そして「勘」

によるものです。

当然ですが人によって、チューナーさんによって基準や限界となる排気温度は変わってくると思いますし、

空燃比が一定でも点火時期の進角、遅角によっても排気温度は大きく変わります。 ですので、今回の私の

車の場合で大丈夫だからといってすべてのK6Aエンジンがこの条件でトラブルなく走れるとは言えません

ので、実際のセッティングの際には空燃比、排気温度、点火時期、そして危険な高速ノッキングが発生して

いないかを確認したうえで慎重におこなってください。 エンジンブローさせたら大変ですので。

 

また、今回のような全開全負荷時の排気温度の管理は非常に重要ですが、普段の街乗りや巡航時の走行での

排気温度をけっこう気にしている人も多いようです。 ですが、たとえばちょっと加速しただけで900度

を超えてしまうとかなら問題ですが、そうでなければ普段の軽〜中負荷程度の走行での排気温度はあまり

気にする必要はありません。 ちなみに私の車の場合はアイドリング時で350度前後、街乗りの60km/h〜

70km/h程度までの走行時で700度前後、高速の100km/h〜120km/h巡航時で800度前後、そして全開

全負荷という条件で900度前後という具合です。

ただ、これはあくまでも私の車の年代のエンジンの基準であって、最近の環境対策の進んだ高性能エンジン

はストイキ領域(理論空燃比領域)の制御が広範囲になっていますので、ノーマルで全体に高めの排気温度

になっているのが普通です。 ですので同じK6Aエンジンでも、私のJA22世代のものより現在のJB23世代

のK6Aのほうが全域で排気温度は高めになっているのではないかと思います。 R35GT-Rのエンジンなどは

ノーマルで排気温度が1000度にもなるという話ですので。 もう「ターボエンジンは高出力時はとりあえず

空燃比を濃くしてガソリン冷却してやればいい」という時代ではないようです。 もはや次元が違いますね。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~