はじめに

社会現象にまでなったスーパーカーブーム


漫画「サーキットの狼」は、「週刊少年ジャンプ」誌上で、 1975 年 1 月から 1979 年 6 月まで、約 4 年半の長きに渡って連載された、 池沢さとし氏の人気漫画です。 ただの走り屋でしかなかったロータス・ヨーロッパを駆る主人公の風吹裕矢が、 "走る事" を通じてライバルと出会い、 別れ、成長し、レーシング・ドライバーの頂点とも言える F1 ドライバーにまでのぼりつめていくというお話でした。

社会現象にまでなった「スーパーカーブーム」の火付け役とも言われ、 その頃中学生だった私も、スーパーカーという渦の中に巻き込まれて、写真集やカード、プラモデル、 果ては炭酸飲料水の瓶の蓋までと、夢中になって熱い視線を送っていました。 不幸 (幸い?) にも、東京に住んでいたわけではないので、そうした外車を取り扱っているショールームなど近所には無く、 都心の子供たちとは接する事のできるスタンスが幾分異なると思いますが、 それでも市内や隣の市で「スーパーカーショー」なるものが行われたりした事もあり、 そんな時は両親に連れて行ってもらい、夢中でカメラのシャッターを切っていたものでした。

当時、「サーキットの狼」は「ジャンプコミックス」として、全 27 巻が刊行されていましたが、 1996 年になって株式会社マインドカルチャーセンターより「MCC コミックス」全 18 巻の新装完全版として再刊されました。 「サーキットの狼」が新装完全版として再刊され、1 巻ずつ買い揃えながら読み返してみると、 当時は気が付かなかった事や、その頃から既に気になっていた事などがあり、少しずつ整理してみようと思いました。

なお、文中のページ数表記においては、株式会社マインドカルチャーセンターの MCC コミックスを「MCC」、 集英社ジャンプコミックスを「JC」とし、それに続けて巻数、ページ数を記しました。
(例: MCC2-P28 とあった場合、MCC コミックス第 2 巻 28 ページのことを指します)