私の元にやってきたアルファスパイダ−とはこんなクルマです。 |
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ボディ.....
全体的に「ゆるい」こと。大き目の段差にボディは敏感にシェイクします。とてもダートを走る気が起きません。常に路面をチェックしながら走る事が大事です。ただ付け加えておきたい事は10年を過ぎたその後も「ゆるさ加減」に変化はありません。ブッシュ類を交換していけば素性の良いボディのようです。サビには強い処理がされています(’85以降)が、気をつけましょう。
ステアリングが重い......上記に挙げた事は注意点というよりデメリットな点ですね。こんなことが挙げられるのは、もう設計が旧いという以外ないと思われます。が、しかし今のクルマが切り捨ててきた良い所が体感できます。
いわゆる「すえ切り」は相当重いのですが、少しでも動き出せば問題はありません。これはタイヤサイズの問題のようです。195から185に幅を小さくするとかなり改善します。それでも最終型ではパワーステアリングが装備されたくらいですからやっぱり重い部類に入るって事でしょうか?。
エンジン......
暖気が大事です。特に冬期は注意しています。冷たいうちにスタートするとギクシャクしてスムースに回ってくれません。115馬力ではありますが、低速トルクが充分あるのと比較的軽い車重のため不満は感じません。燃料噴射はインジェクションです。サウンド自体はキャブに劣りますが、大した問題ではありません。マネージメントはボッシュの「LE-ジェトロニック(燃料系、点火系の2つのCPUを搭載しています)」気温、気圧にあまり影響を受けないのが助かります。キャブ車に比べて燃圧が高く設定されている為ゴムパイプに注意を要します。特に接合部でのガソリン漏れ(多分に経年劣化ですが)はいくつか報告されています(私も経験済み)
この4気筒DOHCエンジンは、バルブタイミングをダブルチェーンで駆動している為に後年に登場するエンジンのベルト切断のようなトラブルはありません(100%とは言えませんが)ので精神的にも不安がありません。
ミッション.....
FRのアルファロメオ全般にいえることですが、1速のシンクロが弱く、2速をなめてから入れる事が必須です。でないと必ずギア鳴りを起こします。また、急発進はしないほうがいいと思います。あとでデフを傷めてしまいます。「バックラッシュ」の原因になります。
幌の耐久性......
オリジナルの幌は5年は機能します(開け閉めの頻度にも因りますが)。ピンホールの穴、外観の擦り切れを我慢すれば、後3年は使えます。 2010年現在、交換後12年経ちましたがまだ目立った劣化は見られません。以前に比べて開閉の頻度が下がった事も関係あるようです。またオリジナルの幌素材がチープだったことも無視できませんが、これから交換するには良い素材のみ生き残っているようなので長期間もつようです。
雨漏りについては、直接の雨は防げますが漏れは防げないため多少の開き直りが必要です(笑)濡れたら後でしっかり乾かしましょう。これでいいんです!
メンテナンス.....
国産車と比べて消耗パーツの寿命が短い事が挙げられます。それを前提にクルマをチェックする必要があります。言い換えれば手が掛かります。全ての個体に当てはまらないのですが、走りに関係ないマイナートラブルは結構報告されています。ともかく、焦らずゆったりした心構えを持つ事が大事。心配ばかりしてると疲れます(笑)
2010年9月に、購入以来初めて(21年振りに)ブレーキキャリパー、ローター、ブレーキホースを一新しました。それまで液漏れなどなく、機能を維持してくれました。キャリパーやホースなどを確認しましたが、ひび割れなどなく綺麗なものでした。ことの外、耐久性は高いようです。勘違いしてはいけないのは「放っておいてはいけない箇所」であるということです。ここまで放っておいたのは自分の責任です。
●スパイダー専用(ここが大事)のボディ設計。フロントからリヤエンドまで流れるライン。生産効率を考えなくても良かった時代の置き土産。
●Aピラーが細い事とフロントガラスが立っている為オープン時の解放感が素晴らしく良い。
●ボディサイズがコンパクト(5ナンバー)な為、取り回しが楽。五感が行き渡るジャストな大きさ。
●車重が軽いこと(1180kg)がブレーキ容量、パワー絶対量、慣性モーメントなどスポーツカーとして全てに好影響をおよぼす。
●三角窓。導風、排気、こんなに便利なのにどうして今のクルマにないの?
●クラスレスなデザイン。もう旧いとか新しいとか比較される事のない孤高の存在。モンク無しにカッコイイでしょ?
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私の個人的見解として、「スポーツ」とは「遊びの中で競い合う事」だと思っています。何と競い合うのか?ここが大事なんですねぇ。決してクルマだけではありません。自分自身もその対象となります。だから個人プレイが成立します。複数以上で競い合えば団体プレイもある訳です。スポーツが健康に良いといわれるのは競い、勝つ為にカラダを鍛える事を要求される種目があるからです。
話がずれましたが、そんなスポーツ心に応えてくれるクルマが「スポーツカー」という事になります。ドライバーの手足の延長として、その意志に応えてくれるクルマ、という事になるでしょう。そのクルマをスポーツカーと認定するのはドライブした本人の「心」なのです。
さて、スパイダ−はどうでしょう。
これは私オーナードライバーの判断として「スポーツカー」と言ってしまいましょう。他のアルファと比べた訳ではありませんが(105、75、等々)、なんといってもボディ剛性の低さはサーキットには向きませんが、これ自体はスパイダ−の意図とは思えません。私の意志とも違います。
しかし、私の好きな路面の良い峠道などをとばすには充分なのです。タイトなターンや急坂でも軽い車重と太いトルクのおかげでグイグイ登ります。まあ基本的には高速などをを含めてゆるゆると流すのが似合っているようです。絶対的スピードではなく「意のままに反応する(ハンドリング、アクセルレスポンス)」事はアルファスパイダ−のスポーツカーらしさとして大事な事でしょう。
エンジン | 直列4気筒DOHC/8バルブ |
総排気量(cc) | 1961cc |
最高出力(PS/rpm DIN) | 115PS/5500rpm |
最大トルク(kg-m/rpm DIN) | 16.5kg-m/2750rpm |
燃料供給装置 | E.I.M. |
点火装置 | E.D.(インジェクション) |
バルブタイミングフェーズバリエータ− | 装着(U.S.仕様がベースに為) |
全長×全幅×全高(mm) | 4270×1630×1290 |
車両重量(kg) | 1180kg |
最高巡航速度(km/h) | 185km/h |
ブレーキ(前/後) | ディスク/ディスク |
ホイールサイズ | 6J×15inch PCD 108 mm |
タイヤプロフィール | 195/60R15(後に185/65に変更) |
エアコンディショナー | 装着(冷却性能は低め)2008年に1年を経て復活 |
JVCカーオーディオ | 装着(ただし2007年よりラジオのみ生存) |
E.I.M.=エレクトロニック インジェクション モトロニック
E.D.=エレクトロニック デジタル
以上カタログより。ただし、モトロニックは、LEジェトロニックであることが判明しました。結構いいかげんです。
(LEジェトロニック=燃料系、点火系それぞれ別個のCPUを装備している)
スパイダーのモトロニックは1990年型から採用。