What's Alfaromeo Spider Quadrifoglio??
私の元にやってきたアルファスパイダ−とはこんなクルマです。


1966年にスイス・ジュネーブショウでデビューしたアルファスパイダ−は、ピニンファリーナによりデザインされ、1992年までの26年間ピニンファリーナの工場で依託生産されました。実際を見て来た方の話によれば、ボディ製造、内装、塗装までをトリノのピニンファリーナ工場で行われ、その後にミラノのアルファロメオの工場へ陸送され(大型トレーラーで一度に4台)てエンジン等ドライブトレーンを組み付けられ「完成」と成ったそうです。
契約などが原因でしょうが、なんとも非効率な工程です!


メカニズム的にジュリアTI、ジュリア・クーペを兄弟とするショートホィ−ルベース版(2.250mm)として、またジュリア・スパイダ−(ジュリエッタスパイダ−の1600cc版)の後継車として登場したのです。26年間もの異常ともいえるモデルスパンはひとえに新型車を開発できなかったアルファロメオ社の経営状態を表していたと言えるでしょう。

ここに登場するスパイダ−は`89年型で、20年以上生産されてきたスパイダ−の中の1バリエーションです。
アルファスパイダ−クァドリフォリオは俗に4世代に分類されるスパイダ−の中で、3代目にあたるクルマの最終型に当たります。アエロディナミカと呼ばれたエアロパーツを装着したタイプの発展型です。
日本に正規輸入されたこのタイプは、米国向けの車両をベース(Tipo 115-41)にしておりメーターがマイル/km並記表示になっています。
雑誌、評論家には「エンジンがとろい」「エアロパーツが大袈裟/厚化粧」「シンプルなデュエットのほうがいい」などと酷評されるデザインではありますが、個人的には80年代流行のスタイルを反映した好きなデザインです。
インジェクション仕様の為キャブ時代のアルファ・レスポンスには程遠くなっていますが、まだまだ魅力充分。引き換えに燃費が向上し、取り扱いが楽になっています。防錆処理も充分で、10年以上経た現在も錆は発生していません。途中6年間青空駐車(カバー付)だったにも関わらず!
当HPにて紹介する内容は全てのモデルには共通しません。使用されてきた状況によっても耐久性に違いがでてきます。
そこの所をふまえて読んでいただければ幸いです。
とは言っても基本的ボディデザインや、エンジン(排気量、燃料マネージメントを除く)、サスペンション形式、ドライブトレインはほとんど変更されていないので参考になると思います。
 

スタイル--Alfa spiderデザインについて


パイダ−のデザインは、スポーツカーを論じる上での公式に当てはまるものが数多くあります。さらに、その中において美しさを兼ね備えたクルマは他には存在しないでしょう。イタリアのクルマ達の多くにこの「美しさ」を感じてしまうのはなぜでしょうか?
私見として、国内メーカーと比べ、最初からの取り組み方が違っているのだと思っています。まず、魅力的なスタイル(外観)デザインをイメージし、それからそれに見合う機能をなんとかして詰め込んでいく(笑)そう思えてなりません。

ピニンファリーナによって提案されてきたコンセプトカー「スーパーフロー」シリーズはストリームデザインを前面に出した、未来指向のデザインでした。生産型のスパイダ−も大きく外れたものではありませんでした。ここに紹介する写真は、1956年からモーターショウにて発表の始まった、スパイダ−の原形となったコンセプトモデルの一部です。初期からサイドのえぐれが採用されており生産車との繋がりが感じられ、興味深いものになっています。回を経るごとに、より現実的なフォルムに変化してきます。

その中で気になるのが、あの丸いヘッドライトです。あの時代の典型ともいえるヘッドライトの後に続く丸い峰は、スパイダ−だけでなく当時のスポーツカーに取り入れられていました。なぜあのストリームラインの中にあのデザインを採用したのでしょう。ボディに溶け込む異形ヘッドライトもあったはず。でもそのお陰で30年以上を経た今、あの丸いライトは「走る」意志の強さを表すスポーツカーの典型の「顔」になりました。
スパイダ−のデザインが魅力的に感じるのは時代に関係があると思います。`60年代におけるボディデザインのトレンドは丸いカタチでした。その後に角形の時代がやって来ます。21世紀になる今、再び丸いクルマが見直されている事なのだと思うのです。クルマがクルマらしかった時代、レースが華やかだったあの時代への甘いノスタルジーも大きな要素でしょう。

`60年代のイタリア車のデザインは、スパイダ−も含めて「かたまり」感のないカタチをしています。他国のクルマはしっかりと内と外を遮断する造形として感じさせてくれますが、スパイダ−などはどこかスカスカで、中を風が吹き抜けていくような感じがしています。良く言えば外に広がりを感じさせるデザイン、悪く言えばしっかり感のない華奢なデザインというところ。パネルどうしの合わせもいいかげんなところもその一因でしょうね。工業製品としての精度が低かったという事でしょう。通常なら国際社会において淘汰されるものなのですが、補って余りある魅力によって生き残れたということでしょうか。
この後1966年3月ジュネーブ・ショウにおいて正式に「スパイダ−1600」としてデビューしました。ニックネーム「デュエット」は一般公募にて採用されましたが、大手製菓会社からクレームをつけられ(商標権を主張)、正式にアナウンスされる事もなく消えて行きました。
この年の4月3日、ジョバンニ・バッティスタ・ピニンファリーナが亡くなりました。初代ピニンファリーナの最後に手掛けた作品となったのがこのスパイダ−となりました。




資料:二玄社刊「アルファロメオ・デュエットスパイダ−」より
機能--Alfa spiderとはどんなクルマなのか


このクルマは2人乗りのオープンカーです。そして「普通」の自動車です。操作に関しては特別な事は大してありません。ただ、気を付けなければならない事はいくつか存在します。日頃の接し方によって状態に違いが出てきます。

ボディ.....
全体的に「ゆるい」こと。大き目の段差にボディは敏感にシェイクします。とてもダートを走る気が起きません。常に路面をチェックしながら走る事が大事です。ただ付け加えておきたい事は10年を過ぎたその後も「ゆるさ加減」に変化はありません。ブッシュ類を交換していけば素性の良いボディのようです。サビには強い処理がされています(’85以降)が、気をつけましょう。
ステアリングが重い......
いわゆる「すえ切り」は相当重いのですが、少しでも動き出せば問題はありません。これはタイヤサイズの問題のようです。195から185に幅を小さくするとかなり改善します。それでも最終型ではパワーステアリングが装備されたくらいですからやっぱり重い部類に入るって事でしょうか?。

エンジン......
暖気が大事です。特に冬期は注意しています。冷たいうちにスタートするとギクシャクしてスムースに回ってくれません。115馬力ではありますが、低速トルクが充分あるのと比較的軽い車重のため不満は感じません。燃料噴射はインジェクションです。サウンド自体はキャブに劣りますが、大した問題ではありません。マネージメントはボッシュの「LE-ジェトロニック(燃料系、点火系の2つのCPUを搭載しています)」気温、気圧にあまり影響を受けないのが助かります。キャブ車に比べて燃圧が高く設定されている為ゴムパイプに注意を要します。特に接合部でのガソリン漏れ(多分に経年劣化ですが)はいくつか報告されています(私も経験済み)

この4気筒DOHCエンジンは、バルブタイミングをダブルチェーンで駆動している為に後年に登場するエンジンのベルト切断のようなトラブルはありません(100%とは言えませんが)ので精神的にも不安がありません。

ミッション.....
FRのアルファロメオ全般にいえることですが、1速のシンクロが弱く、2速をなめてから入れる事が必須です。でないと必ずギア鳴りを起こします。また、急発進はしないほうがいいと思います。あとでデフを傷めてしまいます。「バックラッシュ」の原因になります。

幌の耐久性......
オリジナルの幌は5年は機能します(開け閉めの頻度にも因りますが)。ピンホールの穴、外観の擦り切れを我慢すれば、後3年は使えます。 2010年現在、交換後12年経ちましたがまだ目立った劣化は見られません。以前に比べて開閉の頻度が下がった事も関係あるようです。またオリジナルの幌素材がチープだったことも無視できませんが、これから交換するには良い素材のみ生き残っているようなので長期間もつようです。
雨漏りについては、直接の雨は防げますが漏れは防げないため多少の開き直りが必要です(笑)
濡れたら後でしっかり乾かしましょう。これでいいんです!

メンテナンス.....
国産車と比べて消耗パーツの寿命が短い事が挙げられます。それを前提にクルマをチェックする必要があります。言い換えれば手が掛かります。全ての個体に当てはまらないのですが、走りに関係ないマイナートラブルは結構報告されています。ともかく、焦らずゆったりした心構えを持つ事が大事。心配ばかりしてると疲れます(笑)

2010年9月に、購入以来初めて(21年振りに)ブレーキキャリパー、ローター、ブレーキホースを一新しました。それまで液漏れなどなく、機能を維持してくれました。キャリパーやホースなどを確認しましたが、ひび割れなどなく綺麗なものでした。ことの外、耐久性は高いようです。勘違いしてはいけないのは「放っておいてはいけない箇所」であるということです。ここまで放っておいたのは自分の責任です。

 
上記に挙げた事は注意点というよりデメリットな点ですね。こんなことが挙げられるのは、もう設計が旧いという以外ないと思われます。が、しかし今のクルマが切り捨ててきた良い所が体感できます。
●スパイダー専用(ここが大事)のボディ設計。フロントからリヤエンドまで流れるライン。生産効率を考えなくても良かった時代の置き土産。

●Aピラーが細い事とフロントガラスが立っている為オープン時の解放感が素晴らしく良い。


●ボディサイズがコンパクト(5ナンバー)な為、取り回しが楽。五感が行き渡るジャストな大きさ。

●車重が軽いこと(1180kg)がブレーキ容量、パワー絶対量、慣性モーメントなどスポーツカーとして全てに好影響をおよぼす。

●三角窓。導風、排気、こんなに便利なのにどうして今のクルマにないの?

●クラスレスなデザイン。もう旧いとか新しいとか比較される事のない孤高の存在。モンク無しにカッコイイでしょ?

Alfa Spiderスポーツカーなの

「スポーツカー」の定義は非常にメンタルな要素を持った言葉です。そもそもクルマにおける「スポーツ」って何を指すものなのでしょうか?サーキットで走る事?ドライバーが汗をかくまでドライブする事? 自動車が人を運搬/移動することからスタートした乗り物である以上、クルマの「スポーツ」は道路を限定するものでなくてもいいはず。サーキットは便宜上定められた舞台な訳です。ならば「スポーツ」は人の「」にある事になる。

私の個人的見解として、「スポーツ」とは「遊びの中で競い合う事」だと思っています。何と競い合うのか?ここが大事なんですねぇ。決してクルマだけではありません。自分自身もその対象となります。だから個人プレイが成立します。複数以上で競い合えば団体プレイもある訳です。スポーツが健康に良いといわれるのは競い、勝つ為にカラダを鍛える事を要求される種目があるからです。
話がずれましたが、そんなスポーツ心に応えてくれるクルマが「スポーツカー」という事になります。ドライバーの手足の延長として、その意志に応えてくれるクルマ、という事になるでしょう。そのクルマをスポーツカーと認定するのはドライブした本人の「」なのです。

さて、スパイダ−はどうでしょう。
これは私オーナードライバーの判断として「スポーツカー」と言ってしまいましょう。他のアルファと比べた訳ではありませんが(105、75、等々)、なんといってもボディ剛性の低さはサーキットには向きませんが、これ自体はスパイダ−の意図とは思えません。私の意志とも違います。
しかし、私の好きな路面の良い峠道などをとばすには充分なのです。タイトなターンや急坂でも軽い車重と太いトルクのおかげでグイグイ登ります。まあ基本的には高速などをを含めてゆるゆると流すのが似合っているようです。絶対的スピードではなく「意のままに反応する(ハンドリング、アクセルレスポンス)」事はアルファスパイダ−のスポーツカーらしさとして大事な事でしょう。

スパイダ−をオープンにして走るのは本当に気持ちいい。解放感が素晴らしいと感じます。外界との一体感、クルマとのコミュニケーション、適度な緊張感などが自分の内側に意識されて自分なりの「ドライビング・ハイ」を体験できます。やはり独りでドライブする時が一番いいですね。風を感じながらステアリングを操りコーナーをクリアしていくと、「あ!これってスポーツドライビング?」などと満足してしまいます。いつもの自分より、より早く走りたい!一体スポーツカーの定義とはなんなのでしょう。「自己満足」でもいいのかもしれません。



仕様表 アルファロメオスパイダ− クァドリフォリオ 型式E−115410
エンジン 直列4気筒DOHC/8バルブ
総排気量(cc) 1961cc
最高出力(PS/rpm  DIN) 115PS/5500rpm 
最大トルク(kg-m/rpm  DIN) 16.5kg-m/2750rpm
燃料供給装置 E.I.M.
点火装置 E.D.(インジェクション)
バルブタイミングフェーズバリエータ− 装着(U.S.仕様がベースに為)
全長×全幅×全高(mm) 4270×1630×1290
車両重量(kg) 1180kg
最高巡航速度(km/h) 185km/h
ブレーキ(前/後) ディスク/ディスク
ホイールサイズ 6J×15inch PCD 108 mm
タイヤプロフィール 195/60R15(後に185/65に変更)
エアコンディショナー 装着(冷却性能は低め)2008年に1年を経て復活
JVCカーオーディオ 装着(ただし2007年よりラジオのみ生存)
E.I.M.=エレクトロニック インジェクション モトロニック
E.D.=エレクトロニック デジタル
以上カタログより。ただし、モトロニックは、LEジェトロニックであることが判明しました。結構いいかげんです。
LEジェトロニック=燃料系、点火系それぞれ別個のCPUを装備している)

スパイダーのモトロニックは1990年型から採用。


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