斜めから見たF1
2000年02月23日 発行 第59回 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ■コラム『斜めから見たF1』 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 正面から見ていては気づかない事がある。 ちょっと角度を変えると、見えてくるものがある。 そんな、いつもとちょっと違った見方で、F1を眺める『斜めから見たF1』 第59回目は「ホンダ VS ???」 ホンダはF1界、いや、フォーミュラの世界でのビックネームだ。 特に第2期F1参戦時は、圧倒的な強さを示し、ホンダいじめと思えるようなレギ ュレーション変更も経験している。 有名な16戦15勝は圧巻で、F1をつまらなくする張本人という汚名まで着せら れ、それでも完膚なきまで勝ちつづける。 ホンダが本気になれば、誰にも止められない。 この姿勢はCART参戦でも受け継がれ、アッと言う間にアメリカン・モータース ポーツも制覇してしまう。 ホンダがいる限り、F1には日本の自動車会社は出てこないだろう。 誰もがそう予想していた。 ホンダの第3期F1参戦。 それを知った上で、トヨタがF1参戦の名乗りをあげた。 国産他社に負ける事を極端に嫌う傾向のある、日本のモータースポーツ界にあって、 これは、大事件である。 トヨタが本気である事が、伺えるからだ。 お得意のル・マンも止めてのF1参戦は、まさしくトヨタにとって「兆戦」である。 そして、参戦発表に際して「F1参戦はトヨタの長年の夢だった。」というコメン トが出され、私は個人的に少々感動したものである。 トヨタのF1参戦の噂が流れる度に、 「市販車スポーツ・カーのエンジンすら他社に頼んじゃう会社が、F1という最高 峰の舞台で通用するエンジンが作れるのか?」 「トヨタって書いてある、ヤマハなんじゃないの?」 等と悪態をついていた事を反省したくなったものだ。 と、思っていたら。。。。。。。 トヨタF1プロジェクトにヤマハの名前が出てきたのである。 名目は「エンジン開発にヤマハ発動機の協力を仰ぐ」というもの。 出た! やっぱり出てきた。 トヨタはCARTに続き、F1という最高峰の舞台に挑戦するわけだが、 その割りには、業界での定評は、 「トヨタが苦手としている技術=高回転・高出力のエンジン」 と言われている。 F1では当然、高回転・高出力が求められる。 苦手なんだから得意なところにてんで、F1経験のあるヤマハの登場となるわけだ。 トヨタとヤマハは市販車の世界でもOEM(相手先ブランドによる生産)という、 協力体制を築いている。 つまり、トヨタのスポーツ・カーのエンジンをヤマハが作っているわけだ。 前述の悪態はこの事に起因している。 しかし、今のところはあくまで「協力」である。 全面的にヤマハが作るわけでは無い。 市販車部門で協力関係にあるヤマハが、たまたまF1経験がある。 だから、協力をしてもらって、1戦でも早く戦闘力のあるマシンを開発する。 そういう事であるなら、いや、そうであってほしい。 絶対に、どこかの高級車のメーカーのように、金だけ出して出来あがったエンジン に自社のロゴだけ入れるてな事になって欲しく無い。 日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ。 ホンダと真っ向から勝負して欲しいものだ。 それとも、ホンダ VS トヨタ ではなく、 ホンダ VS スポンサーのいるヤマハ の戦いか!? でも、そう考えると益々面白くなる。 ヤマハはかつて、資金難で思うような開発が出来ず、結果を出せぬままに撤退した。 F1での兆戦はヤマハにとって屈辱だったはずだ。 もし、いわゆる協力以上の支援であるなら、それはトヨタと言う大きな後ろ盾を付 けての再挑戦とも言えるわけだ。 しかも、今回は本業であるバイクの世界でもライバルであるホンダがいる。 このプロジェクトに関わるヤマハ技術陣は、気合が入る事この上ない。 こう考えるとトヨタの参戦は、どうも2重の対決が見え隠れする。 日本の4輪トップメーカーの戦いと、2輪トップメーカーの戦い。 ホンダの日本のライバルは、果たしてトヨタなのか、それともヤマハなのか? こうなると、どちらが相手でもおもしろい! ものは考え様だ。 *************************************************************** このコラムはメールマガジン「週刊 フォーミュラー雑技団」に連載されている ものです。 まだ購読申込みをしていない方は、ぜひ登録を! もちろん無料です。 詳しい説明と登録はここまで。
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