
子供が生まれて以来ツーリングらしいツーリングはまるでしていない。結婚とともにバイクを降りる人が多いのは、仕方ないことだと納得である。
そんな中、奥さんが子供を連れて長期お里帰り。
お義父さんが倒れて心配だし、入院費の工面も頭が痛いとか、もうじき1歳になる娘と2ヶ月半も離れていたら、しゃべりだすときや歩きだす瞬間に立ち会えないかもしれないとか、帰ってきたときパパの顔みても、知らない小父さん状態だったら泣いちゃうかもとか……。
なんやかんやそ〜〜んな心配よりも、桃や桜の季節にツーリングができる期待のほうを優先して、2ヶ月半もの帰省をOKしたオレは人間失格だよなあ(怒)
実は今シーズンのツーリングはこれが3度目だったりする。
先々週は、やっぱり、おやじん・まなさんと、和田峠・秋山道・道志道・富士吉田・奥多摩のお散歩と楽しんだのだ。そして先週は新品タイヤに浮かれて一人でお出かけ。極寒の秋山道・道志・富士宮・沼津を走り回ってきた。
一人で走るツーリングはなんともさびしい。氷点下の道志で温泉に入らず、昼時の富士宮駅前でガソリンは入れても焼きそばは食わず、お魚を求めて尋ねた沼津で混んでるから店に寄らず、結局帰りの海老名SAでミソラーメン、それも混んでるから立ち食いだ。
というわけで、今回は個人的に「リベンジ富士宮やきそば」なのであった。2ちゃんのログも徹底的にリサーチして、4店舗ほどピックアップしてナビにもセットしたのは内緒。

八王子集合は7時。与野から来るまなさんにとってはちょっと早すぎた時間設定。前日からすでにまなさんの遅刻宣言があったけど、言いだしっぺの責任で6時半には集合地点へ。しばらくしておやじんが到着し、まなさんの到着を待つ。
ここに3人で集まるのは、先々週とまったく同じパターンだ(先週は8時だったが)。遠くて大変だとこぼすまなさんに、おやじんが悪魔の言葉を囁いた。
「お金持ちなんだから、圏央道でくればいいじゃん。日の出インターはすぐそこだよ」
その方法論にいたく感心したまなさん、今朝はそれを実行しているはずである。与野からは、えーと、外環から関越で鶴ヶ島まで北上したら、あとは圏央道で一気に南下だ。高速代がなくて八王子まで20号を走ってきた身からすると、お金持ちがうらやましい。
30分近く遅れてやってきたまなさん、「さぶ〜」を連発しながら到着。あさっぱから100Kmのツーリングをすでに終わらせてきたのだった、いいな〜♪ 次からは迷わず首都高で来るでしょう。
ツーリングの出だしはいつもように陣場街道から和田峠へ。
隊列はこめ、まなさん、おやじん。先々週不調だったぼくとおやじんの無線も絶好調で、ほんとに久々のBSTCツーリングだ。ミラーでまなさんの状態を確認しながらほどほどのツーリングペースで駆ける。最後尾のおやじん、欲求不満にならなきゃいいけど……
和田峠で小休止したあとは、上野原、小菅村、丹波村とひたすらうねうね道を走る。奥多摩周遊道路がないため次の休憩地点は必然的に柳沢峠までない。いやいや、止まろうと思えばいつでも立ち止まって、景色を見ることはできるのはずだのに、そんな考えは微塵も浮かばない。ツーリングで隊列を止めるには、何かしらの理由が必要なのである。

「次の休憩は柳沢峠かなー?」
「あー、そうだ」
「?」
「田中さんの転んだヘアピンの写真取らなきゃ」
「転んだんですかー?」
「田中さん、今晩熱海で合流するから、写真みせて悔しがらせないとねー」
なんとも意地悪な企画。でも、楽しいからもちろん賛成。奥多摩側から柳沢峠へ上る途中のヘアピンにて休憩。転んだのは逆コース、下りカーブで突っ込んだらしい。エンブレの効くおやじんスカブーの後ろを走っていたTMAXの田中さん。ブレーキランプに騙されたのだろうと言う。くわばらくわばら。
それにしてもしばらくツーリングに参加してなかったうちに、おやじんの交友範囲はますます広がってるみたいだ。今晩会う田中さんって、どんな人なんだろうなあ(笑)

ヘンなところで休憩してしまったので、峠での休憩はパスして一気に山梨側を下る。無線からのおやじんのナビげージョンに従って塩山の市街地を避けて20号へ、そして、一宮御坂手前で左折して県道36号へ抜ける。川沿いの2車線道はおやじん先頭ならアクセル全開の「サイッコー」な道だ。浅川の流れから離れると、180°ヘアピンを繰り返して一気に高度を上げ、鳥坂トンネルで峠の向こう側へ出る。
天下茶屋のある御坂みち(R137)がツーリングコースとしては定番だけど、精進湖へ抜けるこの県道のほうが絶対のお奨め。おやじんの発掘した道なのである。エライ!
精進湖を右回りして富士宮へ向かう。富士宮へはR139で1本だが、大型トレーラだらけでとてもツーリングに耐える道ではない。もう一本富士山寄りに鳴沢から富士宮に伸びる県道があるので、ナビの縮尺を操作して、抜道を探して県道へワープ! 残念ながら今週は富士山を拝むことはできなかった。天気がよければ→だったのに……
2車線県道を快走して国道と交差して市街地入り最初に見つけた「オレンジののぼり」のお店へ。
事前調査したお店はいずれももっと市中心で浅間大社近くだったが、10キロ以上市街地を走るなんて我慢できないというおやじんの主張。せっかく調べてきたのにと抵抗を試みるが、おやじんのお腹には勝てなかった。駐車場にバイクがたくさん止まってるのもおいしいお店である証拠かな……。

焼きそばとお好み焼きを堪能したあとは、どうやって熱海に抜けるか作戦会議。
海岸沿いは国道は渋滞だし県道は路地裏みたいな道しかないので却下。先週とうってかわって今日は暖かいから、「富士山の裾野を走ってこう」ということなる。
え〜と、富士宮から御殿場方面に抜ける富士山の裾野ってのは、ようするに富士スカイラインである。地図で見ると、180°ターンの連続ヘアピンで「ある程度」まで高度を上げ、その後は御殿場までダラダラと下る。五合目まで上がるわけでないので、まあ、ちょっと寒いくらいだろうか。
「う〜、けっこうさぶいねえ」
「さぶ〜」
ナビの高度表示で確認すると、現在標高900mである。
「いま、900mです〜」
「さむいわけだね」
「ああ・・・・・・と、もう1000mこえちゃった」
「さむいわけだね」
「え〜と、そこのターンで1300」
「……」

「100m登ると気温って何度下がるんだっけ?」
「100mで2℃じゃない?」と、まなさん。
「ふ〜ん。……それじゃ、いま下界は25℃かよ!」
計算早いおやじんでした。今調べたらほんとは100mで1℃だった(笑)
ヘアピンの連続が終わったところで標高は1400m。そこは一面の銀世界だった。
路面には凍りついた雪がこびりついていたが、四輪のわだちによってバイクが走るだけのグリップは確保されていた。後は下るだけなので、恐る恐るも先に進む。途中にはスリップして立ち往生のベンツ。
しかし、富士山の北端を回ったところで突然路面は乾き風景から雪が消える。どうも西風にさらされる側とで境界がはっきりしているようだった。
御殿場からは、長尾峠、芦ノ湖スカイラインといつものコースをたどり、十国峠で小休止して熱海の隠れ家へ。
四輪でやってきたゆうじさん、TMAXの田中さん、そしてスカブ650のなかのさんの到着を待ち、一向は熱海の夜のとばりにホタテを求めて消えるのであった……

朝、Dolphinさんがやってる。
四輪のゆうじさんと入れ替わり、これで銀翼、TMAX、スカブーがみごとに2台ずつそろった。帰り道は、これもいつもの熱海からの定番ルート、長尾峠〜明神峠〜道志〜都留〜秋山〜和田峠のうねうねざんまいである。
先頭の勤めとして対向車情報などを無線に流すと、Dolphinさんら本格的に一緒に走るメンバーには、実況中継よろしくウケていた。情報ながしてるだけなのに、なぜウケるんだろう? おっと、「穴!」「こめちゃんのバイクの挙動で言われなくてもワカルよ〜」 あっそ。

長尾峠を越したところで、これまで2番手を走っていたまなさんが御殿場から高速ルートでご帰還。
明神峠からバックミラーに映るのはのは、ぶっ飛びTMAXの田中さんだ。直線、コーナー入り口、立ち上がり、いつミラーを見てもそこに青いTMAXがいる。ひえ〜。
道志道に入ると中央線が黄色になる。ここは取り締まりが多い路線なのでおとなしく走る。ミラーに映る青TMAXの列の乱し方が、「なぜ、抜かない」と無言のプレッシャーを与えてくる。休憩した道の駅でその話題を出したら、「この道は危ないっすからね〜」と、おとなしく走ってた理由を知っていやがる(笑)。
無線の無い田中さん」だが、「峠が続いてる限り先に入っちゃって」と先に行かせることにする。水を得た魚とはこのこと。青いTMAXが視界から消えるのに、コーナー1つもいらなかった。

残りのメンバーで編隊組んで、道志都留線、都留秋山線をひた走る。銀翼はほとんど「原付走り」のフルスロットルだが、ミラーには2台のスカブーが常に迫っている。
「スカブー2台、先行きますか〜?(先に行ってほしい!)」
「いやいや、なかなか良いペースだよ〜!(後ろ走るほうが楽しい!)」
ちきしょー。2台のスカブーのうちなかのさんはスカブー初心者だ。せめてなかのさんを引き離したいと意識があるもんだからペースは上がる。道路状況に応じて落とすべき場所では抑えているが、やっぱりソロツーリングだとこんなペースでは走らない。反省です。
「あき山」でカツどんとざるそば。
和田峠からはおやじんの先導で、国立の隠れ家「菓子の木」へ。
楽しいひとときをご一緒いただき、皆さんありがとうございました。