●7代目カローラのバリエーション

1991年6月のフルモデルチェンジでは、セダンとレビンのみモデルチェンジされた。 その3ヶ月後の9月には、セダンの4WDモデルとワゴン、バンが追加された。

4WDは1600の4A-FE型とディーゼルの2C型が搭載されており、システム的には 従来の4WDと変わらないセンターデフ式フルタイム4WDであり、差動制限機構も変わらない。 ただし、リアサスペンションが5リンク式リジッドから独立懸架式のストラットとなり、 後輪のトレッドが大きくなっている。

ワゴン、バンは従来通りセダンの屋根を後方に伸ばしてバックドアを増設した車体だが、 従来の切り立ったバックドアではなく、少しスラントさせることでバックドアを開けた際の スペースを考慮した。実用性一辺倒のバンの中ではスタイリッシュさが際立った。 車種構成は変わらず、エンジンのラインナップは変わらなかった。 先代で好評を博したワゴンのツーリング系は新たにルーフレールやLEDハイマウントストップランプ付き リアスポイラーなどが装備され、乗用ワゴンとしての魅力が大幅アップした。

1992年5月には6代目のモデルが継続販売されていたハッチバックスタイルのFXが フルモデルチェンジされ、さらに新機種である4ドアハードトップのセレス(スプリンターはマリノ)が同時に追加された。

新型FXは、国内で需要が少ない5ドア車を廃止し3ドア車のみのラインナップとなった。 欧州を強く意識して開発されたFXであるが、国内ではスポーティ性能を際立たせ、 3ドアのみとなっており、イメージカラーの強烈なオレンジと組み合わせられてスポーティで精悍なイメージが与えられた。 エクステリアはフロントドアまでカローラセダンと共通の骨格、外装で作られているが 専用プロジェクターフォグランプ付きバンパーと専用グリルが装備された。サイドは ハッチを大きく寝かせたウエッジシェイプとなっており、従来型よりはルーフは短くなっている。 これにより、ヒンジが前方へ移動し、ハッチを開けた際の後方への張り出しが77.5mm小さくなったという。 また、空力特性の観点から後端はダックテール形状となった。 リアはカローラファミリーを意識したコンビランプ形状であったが、 ターンシグナルとバックランプが同色系のクリア色となっており、セダンとは違っていた。 (もっともこれは1993年のマイナーチェンジでセダンもクリア色になった) 内装もセダンと共通であったものの、スポーティな味付けで若々しさを保っている。 リアは本格的な座面一体引き起こし式の6:4可倒式シートが採用されたあたりはやはり、 欧州市場を強く意識した結果だろう。メーターパネルも専用の電圧計を加えた3眼式が採用されている。 エンジンは1600ccの4A-FE型エンジン(最高出力115ps)と1600ccスポーツツインカム4A-GE型(最高出力160ps)の 2種類に絞られた。特に4A-GE型を搭載するGTグレードにはSSサス装着車も設定されている。 ハッチバックブームが過ぎ去り、ランドクルーザープラドなどのクロスカントリー4WDが注目され始めた時期であったために FXはデビュー当初から販売は苦戦したが、欧州を強く意識した強烈な個性から独特の存在感があった。 また、後々にはカローラセダン/ワゴンをカスタムする際にFXのグリルやバンパーを装着するのが人気となり FX本体よりも特にバンパーが良く売れたいう伝説的なエピソードがある。

一方、カローラセレスはカリーナEDから始まった車高が低いハードトップスタイル車ブームに 乗り遅れまいと追加された機種である。カローラレビンの4ドア版というキャラクターを持ち、 スタイリッシュなクーペが欲しいが実用面から後席ドアがあったほうがいい、という発想から生まれた。 カローラセダンと比較して全長で+95mm、全幅で+10mm、 全高で-65mmというボディサイズのセレスはスタイル優先の中にも必要十分な居住性を有し、独自の存在感のある ボディスタイルを持っている。デザインの流行は「丸」と「角」が入れ替わってきていたが、 セレスは「丸」を精一杯強調したオーバルイメージのエクステリアとなっている。 薄く幅広いヘッドランプとコンパクトなグリル、コンパクトなキャビン、サイドまで大きく回りこんだコンビランプ 、そしてボディと面一化されたバンパーが特徴である。 内装はレビンと同じ低いインパネとセダンのステアリングが組み合わせられている。 また、セレス専用装備としてマルチインフォメーションディスプレイがある。 これは、時計表示のほかに、日本語による警告表示(半ドア、球切れ、油圧低下)を行うという装備で 分かりにくい(人もいる?)イラストによる警告灯と違い日本語で表示されるところがミソである。 エンジンは1500の5A-FE型、1600の4A-FE型、1600スポーツツインカムの4A-GE型の3種類が用意され、 グレードも一エンジン一グレード(F、X、G)という簡素なものであったが、 新たにパッケージオプションという形式で多様なニーズに応えた。 ファブリック張りコンソールボックスやキーシリンダー照明、マルチインフォメーションディスプレイ、 間欠リアワイパー等がセットでエクストラパッケージとして設定された。 4A-FE型搭載のメイングレードXでは専用に革巻きステアリング&シフトノブ、専用シート、リアスポイラーを セットとしたスポーツセレクションとして設定した。これはスポーツエンジンは要らないがスポーティな雰囲気を 求めるユーザー向けでXグレードに限りエクストラパッケージとスポーツセレクションを同時に選択することもできる。 このように、スタイルを最優先した4ドアであるために、後席の屋根が低く、居住性は厳しいものがあった。 メーカーは「従来型セダン程度のスペースは確保した」というが、ヘッドクリアランスが圧倒的に少ない。 あくまでも「4ドアクーペ」なのである。キャッチコピーも「2+α=セレス」であり、 後席はあくまでも子供向け、もしくは緊急用と割り切られている。


カローラの海外仕様車は従来同様に北米向けと欧州向けに二分され、 更に国別に細かい仕様、バリエーションが変更されている。 特に欧州ではメインがハッチバックであることから、6代目では国内でも販売された カローラリフトバックを名乗るスプリンターシエロの新型と、7代目でもスポーツモデルのみ残されたFXが 5ドアも合わせて販売された。搭載されたエンジンは、1300ccの2E型と1600ccの4A-FE型と、 EFI無しの4A-F型、そしてディーゼルの2C型が搭載されている。インテリアも国内仕様と比較すると アクセサリー類は、電動格納無しのリモコンドアミラーや国内向けよりも明るい色調の セミファブリックシートに変更される一方で、ヘッドレストが穴あきタイプを採用したり、 シートの上下調整ダイヤルやランバーサポートが装備されるなど、質実剛健な内容となっている。 モデルライフ中盤で1300ccの2E型から4E-FE型エンジンに切り替わっているが、面白い事に 一部の国ではこれを1400ccと呼んでいる。これは1331ccという排気量であるためで、欧州の一部の国では 税制上1400ccが境になるためであるとされている。また、安全装備がかなり充実し、最終モデルでは 国内仕様車とは全く仕様の異なる後席分離式ヘッドレストが装備されている。

北米向けでは、欧州向けとは異なり、アクセサリーが充実したラグジュアリーな方向に 味付けされている。6代目ではクーペが輸出されていたが、7代目ではセダンとワゴンのみの ラインナップに整理され、クーペ市場はセリカとパセオが受け持つこととなった。 北米仕様は、専用の5マイルバンパーが前後に装備されるため、国内向けとは 一味違う迫力のあるスタイルを持っている。また、エンジンは新開発の1800ccの 7A-FE型と1600ccの4A-FE型が搭載されている。標準仕様以外のグレードには 全車のエンジンが組み合わされ、トルクフルで余裕のある走りを実現している。 また、アメリカでGMと合弁で立ち上げたNUMMIで生産されているジオブランドの コンパクトセダンのプリズムは国内向けのスプリンターをベースに開発され、アメリカ色が 非常に強いモデルとなっている。プリズムはカローラよりも若干上級を狙ったセダンで プレスドアがスプリンターと共通である以外は前後とも独自のデザインで、内装もスイッチ類、 インパネ、本革や撥水生地を用いたシート、オーディオなどが独自のデザインとなっている。 エンジンは1600ccの4A-FE一本である。 また、台湾向けカローラは北米仕様をベースにしているため、基本的には北米向けに準じたモデルが輸出されている。

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