●花冠meetsCOROLLA(KE10)

4月のある日、私宛てに一通のEメールが届きました。KE10オーナーの方からでした。 内容は、31年間連れ添ってきたカローラを廃車にしようと考えているという内容でした。

オーナーのAさんは新車でカローラ1100デラックス(後期型)を購入し、31年間 家族の方とともに乗りつづけてこられたそうです。 しかし、ボンネットの錆やその他諸事情によりカローラを廃車にする事にしたのだそうです。 私はオーナー氏と連絡をとり、初代カローラを見せてもらいに行きました。

#居住性はどうだったか?
外寸はとってもコンパクトな初代カローラ。 中の居住性もさぞコンパクトなのだろうと考えていたが、 カローラの室内空間は私の予想を良い意味で裏切ってくれた。 意外に広々間があり窮屈だと思わせない非常にルーミーな室内であった。 先ず後席に座ったが、前席の位置をドライバーに合わせても狭いという印象は無かった。 さすが、後席の居住性も重視したというカローラだと思った。 後席の両脇にはアームレストがあり、ファミリーカーらしく後席の同乗者にも優しい配慮が行き届いていた。 前席はヘッドスト付きのセパレートシートで、前後方向の調整とリクライニング機構がついている。 レバー機構は使いやすく工夫された現代のものと勝手が違ったので少々戸惑ったが、 基本的には現代の車のシートと同じようなシートだった。また、当時OP設定だったヘッドレストが装着されていた。 オーナー氏の話によると、車を購入の際急にヘッドレストの装着が義務化されて勝手に付いたものということだ。 前席に座った時の印象は高めの天井とタンブルがきつ過ぎないおかげで広々感があった。 また、豪華でスポーティな印象のインパネでありながら薄めに作ってあった事がより感覚的に広々感を アピールしていた。

#室内の装備品はどうだったか?
今回チェックさせていただいたカローラは1100デラックスというカローラ最上級グレードであった。 装備品は当時の上級装備であるヒーター、AMラジオが装備されていた。 ヒーターは足元の吹き出し口しかなく、顔に直接風は当たらない。(ヒーターなので当然と言えば当然) また、デラックス専用装備としてはシガーライターが装備されていた。 ラジオはスイッチを押すとアンテナがぴょんと飛び出るオートアンテナで当時、アンテナをへし折る いたずらが多かったのでそれ対策のオートアンテナなのだそうだ。 装備品は現代の目から見ればスパルタンな印象があるが当時としてはなかなかのもので、 1500ccクラス並みの装備内容である。

#ドライブモードに入ってみた
運転席に座り、シート位置を調整し、シートベルトを締めた。 このシートベルトというのはすでに3点式が装備されていた(助手席も)のだが現在のシートベルトとは違い、 肩ベルトの部分は固定されていて、腰ベルトの方にELRがついている。 また、脱着の方法が特殊だったので少々の違和感があった。このシートベルトをつけてみて 逆に現代のシートベルトがいかに気軽に装着できるよう工夫されているかを感じることが出来た。 中央にTと書かれた細い2本スポークのステアリングを握った。 見切りは良い。これなら自分でもバンパーをこすらず路地を曲がれるだろう。 シフトレバーは遠すぎず近すぎずといった丁度良い場所にある。 ただレバーが長いため現代のものより大掛かりな操作が必要である。 スイッチ類は押引式であった。若干の違和感はあるが当時この方式が主流だったようだ。 人間工学的には若干は不利であろう。(配置など) メーターパネルであるが、カローラの特徴である丸型デザインのメーターであった。 ラジオ型のメーターが多い中、カローラはスポーティ製を高めるため丸型メーターが採用されている。 左には160km/hまで目盛が刻まれた速度計があり、右には水温計、燃料計、各種ウォーニングランプ が配置されているがこのあたりは特に現代の車の様に見やすいメーター類であった。 アクセルペダルとブレーキペダルを踏んでみた印象であるが、アクセルは重め、ブレーキは軽めといった 印象を持った。

#乗せてもらいました?
オーナーさんご一家の嬉しい配慮のおかげで初代カローラに乗せていただける事になりました。 私は免許が無いので運転はオーナーの方の息子さん。エンジンも一発でかかり31年選手のカローラ1100は すぅっと走り出しました。 当時の悪路をトラブル無く走る抜けられるように設計された初代カローラは、現代の目で見ると なかなか堅めの乗り心地であると思いました。 騒音の面では、やはり現代の車から比べれば騒がしく感じます。しかし現代の騒音レベルと当時の レベルは違うので当時の車と比較してこそ公正な評価ができるのだと思います。 私の中では全然許容レベルです。私の場合、騒音や振動なんて「カローラに乗る」という楽しさで 完全に相殺されてしまいました。

#まとめ
ついに念願の10系カローラに触れる事ができました。 スポーティなデザイン、使いやすい装備品、経済性・・・写真で見るよりも、文章を読むよりも もっと鮮明に「80点プラスαの思想」が良く理解できました。 またピカピカのカローラ1100からはオーナー氏とその御家族がカローラを家族のよう に大事に愛情を込めて乗ってこられた事が良く感じとれました。 こんなに幸せだったカローラも珍しいでしょう。

初代カローラ目次
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当時の試乗記より