●初代カローラの広告

初代カローラの広告作戦は記者発表1ヶ月前からいわゆるティーザーキャンペーンの手法で 始められた。 まず9月頃に『トヨタ・カローラ1100』という車名のみを発表し、発表1ヶ月前には 新聞などにティーザー広告を掲載した。 本来ティーザー広告は発表のかなり前から執拗に繰り返していくのが 常であったが、デラックスを追加して売行きが良くなったパブリカの事を考慮して キャンペーン期間を1ヶ月に短縮していた。

そのティーザー広告の内容は『これが話題のトヨタの新車です』というコピーを最上段に配置し、 そのすぐ下には『トヨタカローラ1100』の文字が3段並べられていた。肝心のスタイル写真は 正面から撮った写真のフロントガラス部分とヘッドライトとグリルの部分が消されていて、そこには挑戦的な文章が 並んでいた。フロントガラスの部分には『プラス100ccの余裕』という有名なキャッチコピーが 、ヘッドライトの部分には

ご想像以上です。
四つのタイヤの上に
あなたの夢のすべてを
のせました。
トヨタカローラ一一〇〇。話題の車です。スタイルはカローラ(花の冠)という名前にぴったり。
華やかで美しい。その上力強く、堂々としています。全貌は写真からご想像下さい。
実物はきっとあなたのご推察以上です。しかもカローラの魅力はスタイルだけではありません。
カローラは一〇〇〇ccカーではないのです。

カローラのプラス一〇〇ccは
単なる一〇〇ccではありません。
カローラは一一〇〇cc。ヨーロッパでもこのクラスの主流はすでに一一〇〇ccに移りました。
必要な条件を満たすには一〇〇〇ccではムリなのです。プラス一〇〇cc。この一〇〇ccは
二〇〇ccにも三〇〇ccにもあたります。ヨーロッパのこのクラスの車とくらべて高速性能は、
カローラがはるかにすぐれています。一三〇〇cc級以上むしろ一五〇〇ccクラスの実力です。

室内の広さ、快適さにも
この余裕がものをいいます。

室内の広さはご家族みんながゆったり。リビングルームそのままの快適さです。
しかもすごく静かです。騒音を出さない、伝えない、入れない、この三原則をこんなに追求した車はありません。
経済性、耐久性、安全性にも心を配りました。

お待ちいただく
値うちのある車です。
クラウン、コロナ、パブリカと各クラスのトップ・セラーを生んだ、トヨタ技術がこの カローラに結晶しています。理想のファミリーカーとは何か?
という問に対する、これがトヨタの答えです。
この車こそ<日本のハイ・コンパクトカー>。カローラは日本の自動車の歴史をかえるでしょう。外貨も獲得します。
発売までもう少しお待ち下さい。お待ちいただく値うちのある車です。

・・・と書かれていた。とりわけ『お待ちいただく値うちのある車です。』というフレーズは 明らかにライバルメーカーへの挑戦文であり、これにはライバルメーカーはさぞ驚いた事だろう。

さらに10月22日には新聞全ページ広告の掲載、 さらに10月26日発売の『サンデー毎日』にはカバーストーリーに登場し、注目を集めた。 それからあとの11月の新車発表会には130万人という未曽有の来場者を集める結果となった。

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