●80点プラスαの思想

カローラという車を語る上で忘れてはならないものが『プラスαの思想』という考え方である。 トヨタ広報資料『カローラ生産1000万台』のなかで、初代パブリカや初代カローラの主査を 担当された長谷川龍雄氏はプラスαの思想について次のように語っている。

頭の中でカローラの構想を練り始めたのは昭和37年の後半です。実際に技術部で企画しようじゃないか ということで、仕事として始まったのは昭和38年に入ってからです。パブリカの苦い経験 を充分に参考にして打ち出された方針が"80点主義+α"というものだったのです。 この"80点主義"は当時誤解されてしまったように思います。 パブリカは経済性等については合格点を取りましたが、他の所は70点以下がありました。 これでは商品としてはダメなのです。落第点はひとつでもあってはいけないというのが80点主義ですが、 カローラはこれに"+α"を付け加えました。つまり全部80点でもダメで、90点を超える物も いくつかなくてはいけない。それが大衆の心をとらえるキーポイントだというのが"+α"の 思想です。

プラスαというのはどういう内容かというと、スポーティ性というものを選んだ訳です。 それも一見してすぐ分り、乗ってすぐに分るというように、全体ににじみ出ていなければならない。 具体的にいうと、強力なエンジンをはじめとして、フロアチェンジの4段トランスミッション、 バケット型のセパレートシート、丸型メーター、曲面ガラスを使用したセミファーストバックの スタイルなどです。 とにかく、どれをとってもスポーティ性という魅力でまとまっている物にしたのです。・・・

初代カローラは80点プラスαの「α」としてスポーツ性という要素を選んだ。 確かにこの当時のユーザーは、確かにスポーティムードを好んだので、スポーティ性を強調させる というのは、正解だったと思う。

長谷川龍雄氏が挙げた点を詳しく説明すると、 例えば、カローラはフロア4段のトランスミッションを持ちコラム3段車よりも 操作時に心地よいダイレクト感が得られ、更に4段ギアによる俊敏な加速を実現した事でスポーティ性を高めた。 また、丸型メーターやバケット型セパレートシートも当時の常識であったベンチシート、 ラジオ型メーターとは一線を画すスポーティな魅力でまとめられている。

カローラにはパブリカには無かったプラスαがある。このプラスαの思想こそ、カローラを世界の ベストセラーに押し上げた秘訣なのである。

初代カローラ目次
トップページ
初代カローラの広告