●初代カローラのバリエーション

当初、初代カローラは2ドアのスタンダード/スペシャル/デラックスの3グレード構成だったが、 1967年5月に待望の4ドア車とバン、トヨグライド車が追加された。 ファミリーカーには4ドアは、いわば必須のバリエーションであった。 なぜなら家族づれは、子供が後ろのシートに座る場合が多く、 子供の乗り降りに専用のドアを設けた方が乗り降りがしやすいからである。 一方バンは、セダンの後ろ半分をバン専用ボディーとしたもので、グレードもデラックスと スタンダードが用意されていた。メカニズム的には減速比を若干ローギアードにしてある程度で、 基本的にはセダンと共通したつくりであった。。

トヨグライドとはそもそも、1959年に発売された半自動2速オートマチックの事で、 ギア比は1速で1.82、2速で1.00という設定であった。 ギアポジションは現在のATと同じでP・R・N・D・Lであるが、その機構は現代のフルオートマチックと大きく異なる。 トヨグライドはGMが開発したパワーグライドという半自動オートマチックを模倣したもので、操作方法は Dに入れてアクセルを踏むだけ。面倒なクラッチの接続やシフトチェンジが必要ないという面では 現代のフルオートマチックと変わらないが、Dに入れた場合は2速のギア比で発進から最高速までをこなす点が フルオートマチックとは異なる。急な坂を上る際はドライバーがLにシフトすると1速に変速して必要な駆動力が 得られるようになっている。つまり、LからDまでの変速を自動でやらずクラッチ機構のみを自動化したので 半自動変速機と呼ばれているのであり、必要に応じてLにも自動で変速する。 初代カローラに搭載されているのは新たに自動変速機構を追加したフルオートマチックである。 カローラが発売された時期には既に高級車用に3速フルオートマチックのトヨグライドが開発されていたが、 ライバル車は既に外国製3速フルオートマチックを採用していた。

1968年にはマイナーチェンジが行なわれ、その時にスポーティグレードSLとコラムシフト車が追加された。 SLとはスポーティ&ラグジュアリーの略で、エンジンはK型をツインキャブにしたK-B型を搭載。 タコメーター、前輪ディスクブレーキ等を装備し、最高速度155km/h、ゼロヨン17.5秒の 俊足を誇り人気を博した。 コラムシフト車は、営業サイドからの根強い要望で追加された仕様ではあったが、結局 販売の方はふるわなかったようである。 このころからユーザーは当時の常識だったコラムシフトよりもフロアシフト車を選び始めるようになった。

1968年5月には、カローラのクーペモデルである『カローラ・スプリンター』 が追加された。これは、カローラをベースにファストバック化(当時はスイフトバックと呼んだ)したものだといわれているが、 事実は違う。 実際の開発時にはスプリンターのファストバックで開発されていた。しかし、 『ファミリーカーはやっぱりセダンだ。』という首脳陣の意見により、ファストバックから セミファストバックのスタイルになったのである。 しかし、ファストバックのスタイルがスタイリッシュであり、お蔵入りにすることが出来ずに、 1968年5月にカローラ・スプリンターとして復活を果たしたのだ。 カローラ・スプリンターは当時新設されたトヨタ・オート店(現ネッツ・トヨタ)が販売を担当していた が、スタイルが良かった事もあって一躍人気車種となった。

1969年2月には比較的大規模なマイナーチェンジが行われ、衝撃吸収ステアリング、ヘッドレスト、 サイドベンチレーター、更に、部分強化ガラスを採用したりと、安全面、機能面での充実を図った。 また、新グレードであるハイ・デラックスが追加され、このグレードには、専用木目インパネや、 高圧縮比エンジン、前輪ディスクブレーキ等が採用されて豪華さをアピールしている。

1969年9月にはエンジンが1100ccのK型から 1200ccの3K型に変更した。このときは外装はあまり変わらず僅かに バッチ類が変更された程度で、エンジン変更前のモデルのユーザーに配慮した。

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