●花冠meetsCOROLLA(AE111)

ある他車種のオーナーズクラブのオフ会で知り合ったamoさんがカローラセダンを購入したというので 試乗会を開いていただける運びとなりました。当日は天候に恵まれ丸一日たっぷりと、 AE111を堪能させていただきました。

#居住性はどうだったか?
まず待ち合わせ場所からはしばらく助手席に乗せて頂いた。 シートはGT専用のざっくりとしたシート生地でスポーティな柄となる。形状も独特で サイドサポートのしっかりとしている。シート生地自体は先代GTのほうがコストがかかっていたように思われる。 ただ、あちらは毛足が短いのでシートに座ってからの微調整がしにくく、サイドサポートが若干甘い感があった。 その点では新しいシートの方が遥かに快適に座ることができる。運転席はレカロシートに取り替えてあるので直接比較はできない。 頭上空間は先代からは若干拡大されておりサンルーフをオーダーしない限りほとんどの人からOKがもらえるほどの クリアランスを確保している。後席はマイナーチェンジで追加されたリアヘッドレストに目がいく。 従来からのシートバック一体式ヘッドレストではヘッドレスト本来の機能に対して不安があり、 あくまで居眠り用枕の域を脱していなかった。8代目カローラ後期モデルに採用された分割式ヘッドレストは しっかりと頭部をサポートする心強い安全装備である。シートバックは相変わらず寝かせ気味の角度で ルーフが迫ってきているので頭上空間はギリギリである。足元空間はさほど狭くなく、 十分な寸法を確保していると感じたが、単に私が短足過ぎるだけなのかもしれない。 足元の前後長が例え余裕があったとしても、頭上空間の寸法が余りに不十分だったりすると そのメリットは得にくいと考えている。「〜並みのレッグスペース」を謳うクルマは数多いが、 レッグスペースは足が組めるくらい広いもののヘッドクリアランスが窮屈であったり、 シートそのものがリクライニングなどのシートアレンジを重視し過ぎて平板で安っぽいものがある。 8代目カローラ後期モデルはさすがに、ワールドカーだけあって コンパクトなサイズから必要十分な室内寸法でシートもしっかりしている。 居住性という面では旧モデルと比較して細かい点でリファインされており、 旧来のパッケージングの中ではかなり良いほうに属するといえるだろう。

#使い勝手は良かったか?
お約束の各部の使い勝手をチェックした。 8代目カローラ後期型ではマイナーチェンジによりインパネが作り直されるという 歴代の中でも規模が大きい手直しが行われた。材質は寒々しい硬質プラスチックから ソフトパッドの豪華なものへと帰られている。 直線基調であった前期モデルからは丸みのある立体的な形状となった。 カローラ伝統のオーディオスペースはカーナビゲーションシステム(以下カーナビ)を装備した時の 視認性のよさにも配慮されて、インパネ最上段から更に高い一等地を与えられている。 丁度カーナビやTVの画面を注視したため前方不注意で交通事故を起こすドライバーが増えた時期で、カーナビ の画面をドライバーから見易くするようなニーズが高まっている頃であった。 オーディオ用スペースが移動したことで、空調パネルやカップホルダー、灰皿は 更に使いやすくなった。空調パネルはGTグレードではダイヤルを併用したプッシュ式で 使いやすい。そのほかのグレードも基本的にダイヤル式を採用しており扱いやすくなった。 そのほかワイパースイッチやヘッドライトスイッチはこの時代のトヨタ車共通のデザインで 操作性、タッチに至るまで上質である。

#早速走ってみた
私が実際に運転させていただく時が来た。基本的にAE111のセダンというのは私が「将来乗りたいリスト」 のかなり上位をキープしているクルマなのでかなりドキドキしていた。カローラGT同様の パワーユニットを与えられた後期型のAT210カリーナはAT、MT共に 運転したことがあるのでその印象とどう違うのか非常に楽しみであった。 イグニッションキーを捻るとブルブルッとエンジンの振動が強めに伝わる。 ノーマルエンジンのカローラと一線を画す振動である。真面目に考えればこのような 振動は無いに越した事はないが、不思議なもので乗る者に言い知れぬ期待感を与えてくれる。 アイドリングは安定していて静かである。エンジンがかかってしまえば静粛性は高い。 シートポジションが低いレカロシートに座っているがそれでもコンパクトな車体のおかげで 初めて乗っても大きいと感じさせないサイズである。 住宅地のような狭い路地を走る際にはこのコンパクトさが非常に便利で大抵の狭いところには 入っていける。この時、ステアリングは若干重めで乗り心地も硬めなのだが、 不快というところまで行かないあたりが実に絶妙なチューニングとなっている。 市街地走行などでおとなしく走っている分にはエンジンはただ静かに仕事をしているといった感じで、 低回転でもぐずつく事は全く無い。信号の無いような田舎道を普通のペースで走っていれば 6速が問題なく使え、そんなときは静粛そのものでスポーツモデルであることを忘れそうになる。 高速道路に差し掛かるとカローラGTの真価が発揮されるステージとなる。 合流車線で3速のまま加速するような場面ではとても力強く安全に合流することができた。 合流してしばらくは、走行車線の遅めの流れに付いていく。 6速100km/h時の回転数は3000rpm程度でノーマル系の5速で2500rpm程度という 回転数からは若干高く思えるが、エンジン自体が静粛であるのでそれ程騒がしいという印象がない。 カローラGTはおとなしく走っている時は基本的に快適なセダンそのものである。 そのままかなりきつい坂になっても6速のまま登ることができ、 5速にシフトダウンすることで即座に十分な加速が得られる。 狭い路地では若干重く感じたステアリングもこの速度域では逆にしっかりとした印象を与え、 同様に足回りも高速域ではしなやかに路面のショックをいなす。 追い越し車線の速度帯へ加速してもエンジン音は遠くに感じられ、 フロントスポイラーの効果もあってか浮き上がるような不安な挙動は一切無い。 高速を降りてワインディングへと向かった。 山岳地帯を抜けるループ橋を目指した。このあたりは標高が高いので気温が低く、 エアコンを切った。先ほどまでは通常の使用条件を考えて敢えてエアコンをつけていたのである。 エアコンを切るとカローラGTは更に元気が良くなりレスポンスが上がってきた。 カローラGTはハイペースを維持しながらワインディングをクリアし、 長いトンネルに入った。窓を開けていたのでトンネル内で共鳴した4A-GE型の スポーティな音が容赦なく室内に入り込むがこれがとても気持ち良いので、 ついアクセルを踏みたくなってしまう。トンネルを抜けるとループ橋がある。 回転数を合わせつつシフトダウンを行うが、ブレーキとアクセルの段差が気になった。 ブレーキの方がかなり手前にあるのでブレーキを踏みながらアクセルを踏むことができない。 TE71の時はヒールアンドトウがしやすいようなペダル配置になっていたが、AE111では ブレーキとアクセルの踏み間違えに配慮したペダル配置になってしまっていた。 さすがにスポーツモデルのペダルなのでそのあたりは考慮して欲しいと思ったが、 本当はそんな配置でもヒールアンドトウできない私の腕の問題なのだが。 言うまでも無く4A-GE型エンジンは8000rpmまで回すことができるが、 直線ならまだしもワインディングが続く場面ではその回転域を試すことができなかった。 高回転域では暴力的なパワーが爆発するので私ごときが運転するには中回転域で十分、なのである。 オーナーのamoさんに運転を代わって頂いたがさすがに高回転域までキッチリ使いこなしていたのが 印象的でした。

#まとめ
8代目カローラの後期モデルを象徴するGTモデルに半日乗せていただきました。 FFになった5代目からの流れの最後のモデルであるため私自身、少しホッとするような車でした。 カリーナにも乗ったことがありますが、気のせいかカローラの方が乗り心地が堅い印象を持ちました。 カリーナは更にコンフォート指向のサスセッティングであるように思います。 シートも違うのでそれも関係あるかもしれません。 街中ではあくまでも扱いやすいが、鞭を入れると即座にスポーツカーに変身するという、 この意外性がカローラGTの魅力の全てである。

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