●2代目カローラのメカニズム

2代目カローラはT型エンジンの投入などエンジンのバリエーションが豊富であったが、 その他のメカニズム面でもキッチリと進化している。特に高速道路網が発達した事を受けて 車体のディメンションだけでなくあらゆる部分で手が加えられている。

2代目カローラのサスペンションは前/後:マクファーソン式ストラット/リーフリジッド を踏襲しているが、前後ともそれぞれに細かい改良が施されている。 マクファーソン式ストラットは初代カローラに装着されていた横置きリーフスプリング を廃止し、代わりに一般的なトーションバー式のスタビライザーを採用した。 その理由とは、
1)ストロークを大きく取ろうとしても横置きなのであまりスパンが大きく取れない。
2)バネ定数をやわらかくできないので乗り心地が硬くなってしまう。
3)リーフの間に泥や砂が詰まってしまい騒音が発生する事が分かった。
でからであるという。
初代モデルの横置きリーフスプリングを補助ばねにし、スタビライザーとしても 利用しようという試みは、面白かったが、一つの部品にあまりに多くの目的を持たせてはいけないということだったと 当時の担当者は語っている。 また、ロアアーム形状も初代のA字型にかわってI字型に変更し、前後方向の入力はテンションロッドで受けるという 方式に変更されている。 リアサスペンションはリーフスプリングのスパンを50ミリ延長した。 サスペンションの改良とトレッド、ホイールベースの延長のおかげで、2代目カローラの走りは以前 よりも安定し、特にピッチングが減り、ロール量も少なくなったという。

ステアリング方式も従来のトヨタ車が数多く採用していたウォーム&ローラー式から、 よりガタの少ない高級なボール循環へ変更している。 このことで効率をあげることができ、ステアリングフィールは向上している。 ブレーキ面では全車のマスターシリンダーとホイールシリンダのサイズアップを行っている。 前輪ブレーキには2リーディング式ドラムブレーキの他に、 ハイデラックスとSLにディスクブレーキを標準装備した。 後輪ブレーキは一部グレードには自動調節機構つきドラムブレーキを採用してサービス性を向上させた。 また全車に高速走行時の急ブレーキでふらつきを防止するプロポーショニングバルブも採用している。

クラッチも進化をした。K型エンジンシリーズ搭載車ではケーブル式のクラッチを継続採用したが、 ペダルやレリーズレバーのレバー比を約26%も大きくとったことで、踏力の軽減と半クラッチ領域の拡大を実現して 操作性を大幅に向上させている。また、新たに追加されたT型エンジンシリーズ搭載車は油圧式クラッチを採用した。 これはクラッチのレリーズを油圧(ブレーキフルードが使われる)を用いて行うもので、 エンジンからの振動を遮断できるほか押付圧力も高くすることができる。また、クラッチカバーでは プレッシャープレートとクラッチカバーの接続を従来のラグドライブからストラップドライブに変更した。 これにより、クラッチの摺動部分が減ることでガタが発生しにくく、高回転時のアンバランスも減少した。 このダイヤフラム/ストラップドライブという方式のクラッチは現代のクラッチにより近づいた。

高速走行を行うために、車体寸法も変え、エンジンやブレーキの強化を行い、燃料タンクも余裕のあるものを 用意した2代目カローラであるが、安全面についても新しい配慮がなされている。 輸出が多くなってきたことで輸出仕向け国の保安基準に適合するような改良であるが、 2代目カローラでは、脱落式インナーミラー、三点式シートベルト、 ハイバックシートを全車に採用した他、一部グレードには 衝撃吸収ステアリングやディスクブレーキ、熱線式リアデフォッガーが採用されている。 当初は上級グレードのみであったが、後に一部オプション設定になっている。

トランスミッションは、従来どおりのトヨグライドフロアシフトと、 4速フロアシフトが採用された他、一度消えたはずの4速コラムシフトが復活している。 (再び消滅するのであるが・・・) 1971年4月のMC時にはT-B型エンジン搭載車に、このクラス初の5速ミッション組み合わされた。 このころ4速ミッションが全盛の時代にまたしてもカローラは進んだトランスミッションを採用して 話題になった。 この5速ミッションは、セリカ/カリーナ、カローラ/スプリンター用にに開発され、既製の4速ミ ッションのコンポーネンツを最大限利用して設計されたので、4速ミッションと部品共用化率が高く 、その分大量生産に向いていてコスト的にも有利に働いている。 ギア比も単純に4速仕様にODを追加しただけであるのだが、最終減速比は4速仕様と比較すると 低められている。最終減速比が低められているため、最終的なギア比では4速仕様のトップと5速仕様の ODでは同じ速度で走ったときの回転数はさほど変わらず、同じトップにいたっては回転数が高くなってしまう という状態であった。

何故そのようにしたのかその真意は分からないのだが、 かつての一般的なドライバーはなるべく高いギアで走らせようとしていた。発進後すぐにシフトアップを繰り返し 、後はトップギアで走り続けるようなことが多かった。オートマチック車がそれ程発達しておらず、シフトチェンジが 面倒であるからであるという理由や静粛性を考えたのではないかと思われる。 そのような当時のドライバーが5速ミッション車に乗った場合、ODに入れてしまうことが多くなるであろう。 もし最終減速比を低め無かった場合、その走りっぷりが悪くなり(当然といえば当然なのである)ユーザーから 不満を言われてしまうことを恐れたのではないだろうか?当時の雑誌でも小排気量者であるのに 「ODで追越が出来ない」などといった、的外れなクレームも多かったという。 実質的には、小排気量者ではギア段数を細かく区切ってエンジンの力を効率よく使って走ることが 適しているのでこれで十分理に適っていると言えよう。

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