●3代目カローラのメカニズム

3代目カローラは、排ガス対策以外にも快適性を高めるという目標の下、車を使う人への気配りを徹底した。 それはユーザーだけでなく、自動車を使わない人や社会、環境への気配りも含めての「気配り」である。 この目標の為に惜しみなく技術が投入された。

サスペンションは従来どおりの前/後:ストラット/リーフリジッドであるが ボディが新しくなった分、ジオメトリーやスプリングレートは変更されている。 T型系エンジン搭載車はリアアクスルとハウジングが分割式から一体になったチューブ型に 変更され剛性アップが図られている。 ステアリング装置は従来どおりのリサーキュレーティングボール式であるが、 上級車種と同じ18.0から20.5に変化するバリアブルギアレシオが採用された。 カタログでは「車庫入れなど、低速での大きなハンドルさばきには軽く、 高速走行時にはどっしり安定した手応えが得られます」と謳われた。 また、ステアリングコラムの角度をより推定に近づけ、ドライビングポジションの適正化と 衝撃吸収ステアリングの吸収効率を上げた。 ブレーキは車重アップに対応して1200では ブレーキロータの有効径が拡大されたり、ディスクブレーキ車にサーボが付き、踏力の 低減を図った。またリアのドラムブレーキの早期ロックを抑えるPバルブがディスクブレーキ 装着車全てに備わる。細かい点ではブレーキペダルの配列や角度が変更されたほか、T型エンジン系の ディスクブレーキのキャリパーにブレーキパッドの残量を目視できる点検窓が付いたことが新しい。 また、タイヤは12インチ、13インチがあり、グレードによって様々なタイヤが選ばれている。 ラジアルタイヤを履く仕様もあれば、バイアスながら扁平率の低いZ78-13タイヤもある。

ボディは従来同様ユニフレーム式モノコックであるが、3代目カローラでは 衝突安全性を高めるためにフロント部やトランクにストレート型フレームを配置した。 そしてキャビンを相対的に強く、フロントとリアをクラッシャブルゾーンにする構造 を採用して安全性に配慮した。また、横転時に屋根が潰れるのを防ぐために、 ガードバーも装備した他、横からの衝突に配慮してドアを分厚くした。 (対米輸出車用にサイドドアビームを入れるためではないだろうか?) 安全基準は、日本のものだけではなく、米国安全基準(FMVSS)、欧州安全基準も満たしている。 また、ドア開口部に突起のないフランジレス構造を採用しここでも安全性に配慮している。 ボディは結果的に40kg程重くなってしまったが、安全上やむをえない増加であるという。 このほか、「連続ウェビングタイプ」と呼ばれるシートベルトの採用も大きなトピックである。 連続ウェビングタイプとは現在の3点式シートベルトと全く同じもので肩ベルトと腰ベルトが 一本になっている形式である。海外では良く使われてきた方式というが日本ではこの3代目カローラが 初となる。それまでの肩ベルトと腰ベルトを連結する必要がないのが大きな特徴である。 またリアの灰皿は従来運転席の背もたれ部に取り付けられていたが、センタートンネル上に配置したことで 後席の乗員への加害性を低減している。また、ハイバックシートの構造を変更し、従来の鋼管フレームから、 鋼板プレスフレームに変更したことで座り心地が良くなるとともに、衝突時の衝撃吸収性が向上する。

また、自動車を使わない人への気配もより進化した。バンパーが歩行者を引っかけてしまわないように車体と バンパーの間を塞ぐゴム部品を追加した他、角を落としたプラスチック製エンブレムなど主に対人事故への 配慮がこの3代目カローラではなされていた。もちろん現代車のように衝撃吸収ボンネットのような装備ではないが 当時なりに考えた形跡が伺える。

駆動系もリファインされ、プロペラシャフトの直径を従来より10mmアップさせている。 トランスミッションはMTは2代目で追加された5速MTを踏襲し、 従来どおり4速と5速のラインナップに変わりはなかったが、ギアの かみ合い率を見直して騒音低減を図った。 オートマチック車は従来の2速AT仕様も継続されるが上級車に使われてきた 3速AT仕様がついにカローラにも搭載されることとなった。 この3速ATはT系エンジン搭載車に用意されたもので3K系エンジンには従来どおり2速ATのみの設定である。 それまでライバル車はいち早くきめ細かく変速できる3速ATを備えておりこの点ではライバルに対して カローラは遅れを取っていたが、ようやく追いつくきっかけになった。機構的には従来型の2速ATも1400に限って 残されており(バンを除く)、価格も3ATより2万5千円安く設定されている。(それ以前に2速ATは8千円値下げされた)

内装は、フルトリム(ハイデラックス以上)となった。また、天井は上級車で採用された 成形天井をカローラにも採用した。ルーフパネルに圧着するこの天井の採用により防音効果が向上した。 成形天井は繊維を用いた吊り天井と異なり、塩化ポリエチレンの一体プレスによって作られているため 断熱効果が高く、熱放射からの保護、火災等による類焼防止の他に天井剥がれなどの防止にも役立つ。 このほか、フロアの防音材を従来の6mmから10mmの厚い素材に変更した他、ダッシュボードサイレンサーも 従来から更に改良が加えられている。ウェザーストリップも現代では常識とも言える中空式を採用したことで ドアの密着度を高め、静粛性を向上させている。

スイッチ類も一新された。従来型ではシートベルトを締めるとスイッチに手が届きにくいことがあったが、 ステアリングコラムにスイッチを集中させる現代の自動車と同じ方式にすることにより 操作性が大幅に改善された。シートはハイバックシートを継承したが、2ドア車に助手席ウォークイン 機構を採用することにより乗降性を高めた。 空調設備も頭寒足熱を実現できるバイレベルヒーターが新たに装備された。 これは、上部吹き出し口からは比較的温度の低い風を、下部吹き出し口からは温度の高い風を 流すことができ、暖房中に暖かい空気が車室上部にたまり頭がボーっとするのを防ぐことができる。 また、全車にエアコンが装備可能でヒーターコアをエアコンに変更することで、美観を損ねることなく 美しくビルトインされたエアコンとなった。これにより暖房をかけながら除湿することができるなど 空調は大きな進歩を遂げた。

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