●3代目のカローラ広告

3代目カローラの広告キャンペーンは、大々的には行われなかった。 何故ならば、折からのモデルチェンジ批判の中、世論からの批判を恐れ、 トヨタが大量に押さえてあった広告スペースが新聞社からキャンセルされたからである。 トヨタは3代目カローラを当時フルモデルチェンジモデルとしてではなく20系(2代目)の追加モデルとして 登場させた。2代目カローラは生産中止されるはずがこの判断で生産が継続されることになった。 継続されるのは3K系エンジンを積むスタンダード、デラックスの両グレードと バンに限られる。 本来はもちろんモデルチェンジとして計画されていたものの、名目上「20シリーズに30シリーズを追加」 しただけだという事にしておいたのである。こうすれば、車両価格値上げに反対する向きには20シリーズがあると 弁解できるので批判をかわすことができる。

その3代目カローラの新聞広告は、発売から二週間ほど経ってからようやく 掲載されることとなった。この時も「安全性、快適性、経済性、50年排ガス規制に備えたボディ設計」 を説いて3代目カローラの必要性をアピールした。また、この時代からはそれまでの自動車広告の トレンドから進化しイメージを訴求する広告に移り変わりつつあった。 性能や機能をアピールするだけではなくその車を持つことの楽しさ、 魅力をまずアピールするという手法で、日産自動車の「ケンとメリーのスカイライン」の広告 キャンペーンが人気となり、スカイライン自体の売り上げも大きく伸びたことから 一斉にその流れが波及したものである。3代目カローラの広告も タレントの一家が出演し、3代目カローラの快適性を大きなイメージ写真でアピールする方法をとった。 車の写真はその下の段に小さく掲載され、キャッチフレーズ「ぴったりサイズで大きなゆと り」などが謳われた。3代目カローラの愛称として型式名そのままの「さんまるカローラ」を 名乗り、「のびのびさんまる」として親しまれた。 広告中、カローラ30「新登場」と謳われているのは、例の「モデルチェンジ批判」の影響で 新発売と書けなかったのである。トヨタは徹底した低姿勢を貫いた。

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