●"いい友"4代目カローラ

1979年3月、4代目カローラは『総合特性に優れた80年代をリードする高級大衆車』 として発売され車両形式70系を名乗った。大衆車としての社会的な要求を十分に満たし、 かつユーザーが満足と誇りを持って使えるように、環境保全、安全、省資源、省エネルギの推進、 新技術導入による品質性能の向上、幅広い大衆需要層への対応と国際水準を越える車両を目指した。 ボディータイプは従来どおりセダン・ハードトップ・クーペ・LBの4種類で同年8月にはバンが追加された。

エンジンは従来型のモデルライフ中盤に登場した1300cc4K-U型、新開発された1500ccの3A-U型、 従来型を継承した1600ccDOHCの2T-GEU型の3種類で OHV、OHC、DOHCと3種類もの動弁機構がいちどにラインナップされることになる。 ボディサイズは全長ではバンパーが変更されたことで100mm以上短縮された(衝撃吸収バンパー装着車は60ミリ増えた)。 更に全幅は30mm、ホイールベースは30mm、トレッドは前/後:25ミリ/50mm拡大されている。 軽量化と空気抵抗を考慮して積極的に外寸を増やさなかったが、トランクスペースとキャビンスペースは出来る限り拡大した 結果、室内長や室内幅も拡大され、トランクスペースは12%増えた。

4代目カローラは、80年代の省資源・省燃費・ライフスタイルの変化に対応して開発された。 暗い排ガス規制の波を乗り越えて技術的にも大きな成長を遂げた時であったが、 市場ではまだ暗い余韻が残っていた。そのような中、VWゴルフに代表されるようなFF、2ボックス車 が次第に大衆車市場で大きな支持を得るようになった。カローラはどうなるのか?と世界の注目が 集まっていたが、世界的流行を尻目にFR、3ボックスの伝統的なスタイルをを守った。 新しい技術にトライした車はトヨタの中でもターセル/コルサがあり、カローラは 既存の枠組の中に新技術を投入し魅力的なコンパクトカーを創造することを目指したのである。 後輪駆動でも車室を広くとり、徹底した軽量化によって燃費を向上させ、トランク容量も 大幅に拡大した。更に、アクセサリー類を充実させ機能面でも従来型を上回る豪華さを目指した。

ボディスタイルはセダン系とクーペ系の二つの基本ボディを持つ。 セダンは丸みを帯びた先代の面影は無く、完全に直線のみで構成されており、ボンネットからトランクまで一直線の ラインを引き、これまでのセミファストバックスタイルから完全に脱却した。 カローラでは初となる丸目4灯式ヘッドランプを持ち、ハニカム状のグリルとあいまって豪華さを表現している。 サイドビューはパキッと折られたプレスラインが斬新で光の当たり方による影のグラデーションが美しい。 ボンネットはスラントし、トランクはグッと持ち上げられたハイデッキ形状であった。 ハイデッキで高くなったリアビューは横基調のコンビランプが配置され先代カローラを思わせる数少ない継承点となった。 このスタイルは流体力学的にも有利なものである(詳しくは別項で)。 セダン以外のハードトップ、クーペ、リフトバックのスペシャルティ系は車高の低い専用のスタイルを持つ。 角型2灯式のヘッドランプを採用した低いボンネットを持つ。低く抑えられた車高ながら、 ベルトラインは従来型と比較して下げられ、スタイリッシュながら閉塞感があるというわけではない。 サイドビューはドア以降は各車型で違うものとなる。ハードトップはセダン同様セミファストバックを廃し、 ハイデッキな端正な3ボックスとなった6ライトスタイルで、Bピラー直前の小さな窓は全開する事ができ開放感を得ることが出来る。 従来の4ライトで、Bピラーのないハードトップよりも開口部は少なくなったが、ガラス面積が増えピラーが細くなることで視界を広げ、 またBピラーがあることで車体の強度も確保することができ、開放感と安全性を両立させている。 ハードトップのBピラー以降のキャビンを延長してハッチバックをつけたものがリフトバックである。 従来どおりのユーティリティ面のメリットは確保しつ、Bピラー前の窓が全開することで 後席の乗員の快適性を大幅に高めることが出来た。クーペは従来型から大きく変わりリフトバック同様 大きなハッチを持つが、そのハッチの傾斜はBピラー以降から始まる。 クーペは特に後ろ上面から見ると面構成が複雑で美しい。 デザイン開発はジウジアーロも参加したのではないか?とも噂されるこの美しいボディースタイルは カタログや広告で『スーパーシェイプ』と呼ばれ、80年代らしい近代的なデザインとなり人気を博した。

インテリアデザインも大幅な進化を果たした。インストゥルメントパネルは 運転席側と助手席側で高さを変え、助手席側は特に低くして視界を良くし、圧迫感を低減した。 内装色もボディカラーに合わせて3種類が設定されカラーコーディネイトも考慮されている。 またグレードによってはメータークラスターやコンソールに木目調、アルミ調のホットスタンプが施され 、DOHCエンジンを積む応用車種(ハードトップ、クーペ、リフトバック)には黒色の縮み塗装が施された。 メーター類は一部グレードに透過照明、置針式を採用し視認性を大幅に向上させたほか、 ステアリングの形状も全車2本スポークにし、ステアリング操作中のメータ視認性も考慮された。 シートは従来型のハイバックシートに加え、ヘッドレストの高さが調整できるヘッドレスト分割式 ローバックシートが採用された。クーペには専用のバケットタイプシートが設定されている。 後席シートはセダン、ハードトップには固定式であったが、クーペとリフトバックには 可倒式シートが採用され、使用目的にあわせて使い分けられるようになっている。 特にリフトバックでは簡易的なリクライニング機構を採用し後席居住性を向上させた。 また、シフトレバーの位置は操作しやすいように100ミリ後方に移しほぼ垂直に立つことになった。 内装も吸音材などを増やし静粛性を向上させ、さらにトリム面積を拡大することで量販グレードでは 鉄板がむき出しになった場所が見当たらないほど豪華なキャビンを実現した。

4代目カローラは豪華さを表現する一方、軽量化を推進した。 セダン・ハードトップ・クーペ・LBの4車型のエンジンルーム部分のフェンダーを含めたプレスと アンダーボディーを全車共通にして合理化し、コンピュータ解析によって余分な重量を削っていった。 また、三代続いたサスペンション形式を以前の前/後:マクファーソン・ストラット/リーフリジッドから 前/後:マクファーソンストラット/ラテラルロッド付き4リンクリジッドへと変更して、 足まわりで3代目より19kg軽量化した。このほか変速機も新設計した事により8kgの軽量化に成功し、 さらにホワイトボディーでは18kgの軽量化に成功している。 結果として、3代目と比べると1300シリーズで10〜40kg、1500シリーズでは60〜100kgも軽量化に成功している。 空気抵抗低減にも本格的に力を入れたことで総合的に燃費を低減することに成功している。

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