●6代目カローラのメカニズム

6代目カローラはボディ性能が大きく向上した。 カローラは初代からフレームレスモノコック式を採用しているが、そういった車 の場合ボディ剛性がかなり重要視される。 それはボディ剛性がその車のポテンシャルのほとんど決定してしまうからである。 6代目カローラは骨格構造、部材断面形状やパネルの面形状など、コンピューター構造解析によって 最適化し、剛性を大幅アップ。また各パネルの結合部に補強材を多用し、 特にねじり剛性の大幅向上に力を注いだ。 その結果、前モデルと比較してねじり剛性は50〜60%アップしたという。 また、サスペンションの取り付けを従来のように車体に直接取り付けるのではなく、 前後共にサブフレームを介して取りつける方式になった。 この方式をとった事でサイドメンバー類がサスペンションからの応力を負担する事なく、 ボディ応力だけを受ければよい構造となって、乗り心地、操縦安定性がアップした。 また、ボディ剛性を上げるが為に車体重量が重くなってしまうことを嫌い、 カローラは高張力鋼板を大幅に採用(重量比24%)して重量増加を抑えた。 また防錆処理を入念に行い、防水ワックスの注入、車体下部への耐チップ塗装によりロングライフ化を図っている。

足回りは5代目カローラ同様の4輪ストラット式サスペンションを踏襲している。 しかし、構成部品を一新し、基本性能の向上を図った。 フロントサスではL型ロアアームを採用したことは先代と同じだが、アームのフロント側取り付け位置を 40mm前にずらすことで取り付けスパンを拡大し十分な横剛性を確保した。このことでタイヤが受ける 応力を受けても、設計どおりにサスが動くように配慮されている。リアサスのアームは従来の 鋼板プレスから中空パイプ式に変更されねじり剛性を高めたほか、アームの長さを150mm延長して リバウンド時のトレッド変化、キャンバ変化を最小限に抑えている。 また、電子制御可変減衰力ダンパーTEMS(Toyota Electoronic Modulated Suspenstion)が 新たにレビンGT-APEXとレビン以外のGTにオプション設定されている。 これは走行状況に応じて最適な減衰力を得られるように制御するもので、上級車種には3ステージTEMSの 設定があったが、6代目カローラでは簡素な2ステージタイプが採用された。 減衰力は低めのSOFTと高めのHARDの二種類があるが、普段はAUTOモードにしておけば、 走行状態に合わせて減衰力を切り替える。 通常走行時はSOFTで走行するが、100km/h以上の高速走行時は自動的にHARDが選択される。 また、50km/h以上からの制動時はノーズダイブを防ぐために自動的にHARDが選択され、 ブレーキ操作終了後2秒でSOFTに復帰する。 操作スイッチをSPORTにすればHARDを維持し操縦安定性を重視したセッティングとなる。 減衰力を切り替える仕組みはスイッチ操作により、アクチュエータを駆動して ショックアブソーバ内のオリフィスを通過するオイルの流量を変化させることにより行われる。

ブレーキも強化された。全車FF化されたことを機にブレーキ機構はFF系に統一され、従来型よりもフロントブレーキ及び ブレーキブースターのサイズアップを行った。また安全性を向上させるべく、ブレーキの配管をX字配置に改めた。 ブレーキは3種類ある。シリーズ最強となる4A-GZE型エンジン搭載車用、4A-GE型エンジン搭載車用、そしてノーマル用である。 ブレーキのマスターシリンダーはアルミ合金を使用すると共に全長を短くするなど小型軽量化している。 また、ブレーキブースターは全車にサイズアップを行い、踏力の軽減を計った。 ノーマル系には8インチ、スポーツ系にはクラス初の9インチの大型ブースターを採用した。 フロントブレーキは全車ディスクであるが、4A-GZE型エンジン搭載車は14インチの大径ローターを採用。 その他車種は13インチローターを採用しているが、4A-GE型エンジン搭載車ではベンチレーテッドを採用した。 リアブレーキはノーマル系とレビンGTグレードはドラムブレーキだがスポーツ系ではディスクブレーキを採用した。 1989年のマイナーチェンジではエンジン性能アップに伴って4A-GE型エンジン搭載車のブレーキローターは 14インチにサイズアップされている。

マニュアルトランスミッションは、従来型と大きな変更は無かったが、クラッチカバーはダイヤフラムスプリングを 直接クラッチカバーで保持するDSTタイプとなった。 これにより、クラッチ切れ性能の向上と製造コストの低減を図った。また、4A-GZE型エンジン搭載車には クラッチペダル操作力を低減するためにターンオーバー式クラッチペダルを採用した。これは予め縮めておいた スプリングを仕掛けておいて、クラッチ操作時に拡張しようとする力を利用して踏力をアシストする効果がある。 オートマチックトランスミッションも全てのエンジンに対応するものにロックアップ機構を採用した。 またECT-S車にも新たにN-Dスクウォト制御という制御が加わった。 これは、NレンジからDレンジにシフトしたときに、直接1速にシフトせずに一度2速にシフトしてから 1速にシフトすることで出力軸への急激なトルク変動を抑える事で車両の沈み込み(スクウォト)やシフトショックを 軽減させるものである。

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