●花冠meetsCOROLLA(AE91)

ある年の冬、私は友人が車を買うというので付き添いで愛知県三好町にある某ディーラー系中古車 センターへ行った。 そこで、廃車待ちになった6代目カローラSEリミテッドのAT車を発見した。 中古車屋の人に了解を得てホームページ用にちょっとだけカギを借りることが出来たので 色々と触ってきました。

#外から見てどうだったか?
この車は痛みがひどかった。特に左フェンダーは大きくへこんでいてこの車は内装以外はひどい状態だった。 そんな傷に目をつぶれば、実用一辺倒ではなく流麗なボディラインだと思う。

#居住性はどうだったか?
シートポジションを165cm胴長男に合わせた場合、各部のゆとりは頭〜天井までがこぶし1.5個分、肩〜Bピラーまでが こぶし1個分だった。室内は平均的に広かった。 そのまま後席に移った。この時の各部の余裕は頭〜天井がこぶし1個分、横方向が2個分、膝〜シートバックがこぶし2個分。数値的にはそこそこだと思うが、 リアガラスに傾斜がありすぎて直射日光が直撃するのはマイナスポイントだった。短い全長であるにもかかわらず、 伸びやかなスタイルを実現したしわ寄せがこの「日光直撃リアガラス」に象徴されている。

#使い勝手はどうだったか?
運転席に座ってみる。発表から15年以上経過しているので、さすがに新しいとは思わないが、 当時考えうる豪華でスポーティな室内は「おっ」と思わせるものを持っていると思う。 但しそれは見た目の話であって実際触ってみると、質感はそれほどでもない。 試乗したグレードは最高級バージョンのSEサルーンだったので装備品に不満は全く無かった。 使い勝手は非常に良好だった。その中でも際立っていたのがカローラ伝統のラジオのインパネ最上段配置と 車両感覚のつかみやすさだった。 FF初代でノウハウの無かった5代目では途絶えていたが、3代目、4代目と続いてラジオの位置を インパネの一番上の位置に配置していた。 今回もその例に漏れずしっかりとインパネの最上段に配置されていてクラス最高の使いやすさを実現していた。 しかし、GTなどのグレードの場合ラジオの位置に補助メーターが付いているのでラジオは使いにくい場所に 移動される。 また車両感覚がつかみやすいのも大きなポイントだ。運転席に座りミラーを調整したら、車体の4隅が 見えて、車庫入れしやすそうだなと思った。またサイドマーカーがついていたが、このようなものは 要らないのではないかという位に車両感覚がつかみやすいと思う。このあたりはボンネットの長い 旧パッケージングの車の強みだ。 例えばヴィッツ等は室内のゆとりはすばらしいが車両感覚がつかみにくいので、 それまでに慣れを必要とするのに対し、6代目カローラにそのような慣れは必要ない。 エアコン、ラジオ、ATセレクトレバー等は座った姿勢で軽く手を伸ばした範囲に操作系、スイッチ類が 配置されていた。ただしハザードは位置が遠く、少し体を起こさないと使用することができなかった。 空調は当時オプション設定されていたオートエアコンが装備されていた。プッシュ式で操作性にも問題はなかった。 この6代目からはカップホルダーが装備されていた。当時このクラスでカップホルダーが装備されていた車は 少なかったはずでクラス初の装備だったはずだ。また格納式電動ドアミラーが装備されるというこの気配りがうれしい。 スイッチの設置場所がハンドブレーキのすぐ後ろというのは使いにくい。確かに使用頻度は低いこの装備だが、 インパネ右端にでも置いたほうがよかったのでは?と思った。

#エンジンをかけてみた
ちゃんと中古車センターの人に断わってエンジンをかけた。もちろん一発で始動。 特に不快な音はしない。ちなみにバッテリーが弱っていたせいか、初期のアイドル回転数が1800rpm というのにはびっくりしたが数分たったころには700rpm程度に下がっていた。 ドラポジをあわせ、シートベルトを閉めた。ステアリングは割としっかりとしていて 軽すぎるということはなかった。ちなみにロックtoロックは3.25回転程度だ。 アクセルを踏み込むとカローラ独特の音がする。調子に乗って4000rpmくらいまで回してみたが、 騒音は少なめだ。しかし気になったのが、1700rpm付近でエアコンの吹き出し口がカタカタと振動することがあった。 (5回ほど試してみた)ただし、私が乗ったのは10万kmを突破したカローラなのでデビュー当初も このような振動が発生したかどうかは正直分からない。基本的には意外なほど静かな室内だった。

#その後、6代目カローラに試乗させてもらった。
オーナー氏はレガシィに乗るEYESさん。実家で乗られているカローラに乗ってきていただいた。 一般車両が間違って入る事のない安全な場所へ移動し運転席に座らせていただいた。 今回試乗させてもらったカローラはEFIが追加された1988年型のSEリミテッドの白で内装色は メーカーオプションのグレーが選択されている。(一見GTの様) キーをひねり、走り出す。MTなので発進には気を遣いつつゆっくり走り出す。 最初に感じたのはとても運転がしやすいということで例えばハンドルを切れば軽快に曲がり、 アクセルを踏めば軽快に加速する。 同じ事を何度も書くようだがとにかく軽快に走るのである。 現代の車よりも車重が軽いからなのであろうか?とにかく軽い車という印象で、それがとても 好印象なのである。 また廃車に乗ったレポートでも書いたがカローラは見切りがいいので常に車両感覚が つかみやすいのも大きな美点である。 ゆっくり走って慣れてきたところでちょっとペースをあげてみる。(50km/h〜60km/hくらい) カローラは相変わらず高い静粛性を保ち快適な運転が可能だった。 乗り心地は極良路のみの走行であり悪路での印象は分からないが、とにかく不安なくしっかり走る。 また内装のデザインが巧みに人間工学を取り入れておりメーターの文字も非常に見やすく、 エアコンやオーディオの運転中の操作性もかなり優れており、このあたりは現代の車にも十分に 対抗しうる「優しさ」を持っている。

#まとめ
6代目カローラはそのクラスを超えた風格と大衆車の重要な要素である使いやすさを両立していた。 当時たくさん売れたのも納得ができる。

6代目カローラ目次
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当時の試乗記より