音楽史(西洋編)

〜古代からルネッサンス〜


音楽の起源
  ギリシャ・ローマの音楽 

 キリスト教の音楽 世俗音楽  ルネッサンス 

以下は作曲家と音楽用語の説明です.

ピュタゴラス アンプロジウス グレゴリアT グレゴリオ聖歌 ネウマ譜 ロマネスク セクエンティア ゴシック 

アルス・アンティク  トルバドール トルヴェール ミンネゼンガー マイスタージンガー  ノートルダム 

アルス・ノヴァ アルス・ノヴァ ゴシック ネーデルランド楽派 シャンソン ヴァージナル コラール 定量記譜法

オルガヌム モテト バラード グィド・ダレッツィオ ドレミ唱法 パレストリーナ ラッソ



                    ■音楽の起源 (古代) 紀元前

 音楽は人類が文明社会にはいる以前の原始時代から存在していました。
 彼らにとって音楽は精神に働きかける魔力を持ったものとされ
 宗教儀礼や医療の手段として重要な役割をもち、楽器は神聖視されていたようです。
 メソポタミア・エジプト・インド・中国に古代文明が起こると、音楽も飛躍的な発達をしたようです。 

             音楽の起源については諸説※があります。ぜひ参考になさってください.

    紀元前5C末南イタリアで杯に描かれたもの    
      左から ハープ・キタラ・リラ
                             紀元前15C頃の壁画より
                                                       左から、ハープ・リュート・アウロス・リラ



旧約聖書にはユダヤで使われた楽器の記録があり、オリエント文明では、ハープやリラのような撥弦楽器ラッパシンバルなどが使われていたそうです。

古代の音楽は,言葉との関係が密接で,声楽が中心であったと推測されますが,楽器も弦楽器管楽器打楽器と各種のものが遺跡や彫刻からわかります。

使われる音階音程もさまざまであったと思いますが,古今東西の古代音楽の共通した特徴は,祭祀宗教との密接な結びつきにあると考えられます。

(ギリシャでは,文芸と音楽の関係が顕著になり,また楽器旋法と並んで,その道徳的な性質を云々されるようになりました。)

ヘブライ音楽ギリシャ音楽キリスト教音楽の源泉となったことは明らかで,西洋音楽がキリスト教抜きでは語れないことを鑑みれば,古代への憧憬がさらに深まるのです。)

楽器はギリシャに伝えられましたが、どんな音楽であったかは記譜法が未発達であったためわかりません。
再現してみたいとはおもいますが・・






                   ■ギリシャ・ローマの音楽 (古代)

古代ギリシャの音楽はエジプトクレタの影響を受け発達しました。

ギリシャではポリス社会の自由な市民の生活を基盤に詩や演劇が盛んで、それらに音楽は欠かせないものでした。演劇における歌舞隊をcoros,それが歌ったり踊ったりする舞台前面の円型の場所をorchstraといい,コーラスオーケストラ語源になったのです。

またギリシャ演劇は,後にオペラが創られたときの規範とされたことでも重要です。

楽器としてはリラ・ハープなどが歌の伴奏として愛用され他にアウロスが踊り等には使われていたようです。
楽器が独立した音楽になるのはまだまだ先の事です.)

科学の発達とともに、ギリシャ人は音響理論音楽理論も発展させ、ピュタゴラス音階のような音律論を作り、文字譜も発明しました。その文字譜より,ギリシャ音楽は単音音楽であることがわかりました。
 (分析してギリシャの音楽も再現したいものですね,再現されてはいますが・・・)

ギリシャ人の音楽に対する考え,「良い音楽は人間の徳性を養ううえで不可欠

これに対しローマ人は、軍事と政治にすぐれてはいましたが、
音楽はギリシャ後期のヘレニズムを受け継いだに過ぎず、娯楽として音楽を愛用していました。


      ピュタゴラスの楽器            ネウマ譜






                    
■キリスト教の音楽(中世)

音楽史でいう中世も一般の文化史と同様とかんがえてよいと思います。(400〜1450年頃)

この時代は長いためいくつかに分割します。(この分け方は目安とお考えください。)

 1)初期キリスト教時代 400〜600年   (資料はあまり残っていない)
 
   ギリシャ・ローマ音楽とはっきり区別することはできませんが,ユダヤの礼拝から由来すると考えられる
   聖歌(アンプロジウスなど)がありました。

 2)中世初期 600〜850年

   グレゴリウス1世による聖歌統一後,そのグレゴリオ聖歌は頂点に達する.

 3)初期ロマネスク 850から1000年

   グレゴリオ聖歌が増大し,トロープスセクエンティアが生まれる.
   複音楽の発生.(オルガヌム

 4)後期ロマネスク 1000〜1150年
や彼の先駆者による譜表の発明.

 5)初期ゴシックアルス・アンティク 1150〜1300年

   フランスの聖マルシャル修道院,つづいて,パリのノートルダム寺院を中心とする複音楽の発展.
   
   アルス・ノヴァのはじまり.

   モテト※の出発点としてのトルヴァドゥルトルヴェールミンネゼンガー世俗的騎士歌謡.
    (↓の世俗音楽参照)

 6)後期ゴシック 1300〜1450年

   世俗的バラードマドリガルの胎動.
   プルグンド楽派は次第にルネッサンスへの道を開く.

 
キリスト教徒は、ローマ帝国で迫害を受けていた時代から、礼拝のための聖歌をもっていました。

4世紀にローマでキリスト教が公認された後、各地の教会は其々独自の典礼と聖歌を用いていましたがローマ教皇グレゴリー1世(590〜604)聖歌統一の事業をすすめ、その結果、ローマカトリック教会ではグレゴリオ聖歌が歌われるようになったのです。

9世紀頃になるとグレゴリア聖歌他の旋律を重ねて同時に歌うことが始まりました。
これが多旋律(ポリフォニー)音楽※です。以後音楽は多旋律時代がしばらく続くことになります。

   最初は平行四度(ドから歌い始める人と、ファから歌い始める人が同時に歌うと考えてください)
   か五度だけでしたが、12〜13世紀には三度や六度も使われるようになり、
   さらには各声部が独立性をもつようになり対位法(体位方じゃない!まちがえないで)
   の発達へと繋がりました。

そのためには正確な記譜法も必要になり、定量記譜法※の成立となりました。
この頃は未だ4線譜です。また,ドレミ唱法※もはじまりました。

    
                                    11世紀頃のグレゴリア聖歌です♪キリエ単旋律♪





                ■世俗音楽 (中世) 11〜13世紀が最盛期〜ルネッサンスへと

                                    
                               ミンネゼンガーのマイセン 


西ヨーロッパの封建制度十字軍の遠征(11〜13C)が行われた頃が最盛期を迎えました。この時代の文化の中心は騎士階級です。

音楽もトルバドゥール(南フランス)・トルヴェール(北フランス)・ミンネゼンガー(ドイツ・
マイスタージンガーへと繋がる)と呼ばれる騎士の楽人(今でいうシンガーソングライター?)が現れました。

彼等は自由な表現と自由な旋法教会旋法に縛られない)で人間の感情を歌いました。

彼等の音楽がアルス・ノヴァに影響を与え,ルネッサンス音楽の礎となったことはいうまでもありません。
                       



                        ■ルネサンス時代

ルネッサンスthe Renaissance 再生の意)とは13世紀〜15世紀末にイタリアで起こり全ヨーロッパへ広がった,芸術学問上の革新運動です。この運動は,個人の解放人間性の自覚)と自然の発見を主眼とするとともに,ギリシャ・ローマ時代の古典文化の復興を唱えました。

そして,政治・宗教にまで精神革命が及んでいくのです。(神から人へ

 この時代忘れてはならないのが、ルーテル(ルター)の宗教改革です。
カトリック教会への批判として始まったこの改革はルネッサンス精神と共通であります。

ルーテルは教会の典礼を民衆的に改め、ラテン語の変わりにドイツ語によるコラールを採用しました。民謡風簡単な旋律でできているコラールは、プロテスタント教会の音楽の中心となったばかりでなく、学校教育を通じてそれ以後のドイツ国民の生活に深く浸透していきました。

Martin Luther............................                ............             ......................
(1483〜1546 独)                         .                        定量楽譜
  ♪ルター作詞・作曲コラール        
メロディだけですがEin’ feste Burg ist unserGott                    
        (神はわがやぐら)という出だしです。.................        


ルネッサンス精神が音楽に最も顕著に現れたのは16世紀です。音楽史上ではゴシックバロックの間をいいます。

この時代の音楽は,声楽と器楽を分離し,簡明で直接的な方向をとり,合理的に音を把握しようとする音楽であるとといわれてます。

言い換えれば,モテトマドリガルが新しい感覚を持って再生し各種の器楽曲が生まれたのです。

このような時に,

     ヴィラールトを祖とする華麗な様式きを好むヴェネツィア派が誕生し,
     パレストリーナを中心とするローマ派もあり,
     ラッソ(モテトの大家)の出現など,

         イタリアを中心にルネッサンス音楽が花開いてしていました。

Giovanni Pierluigi Palestrina
(伊 1525〜1594)

                    ルネッサンス時代の対位法の大家

生地パレストリーナの教会の楽長およびオルガニストをつとめ,のちに
Maestro compositoreの名誉称号を受け,
聖ピエトロ寺院の楽長の地位に長くとどまった.

作品のほとんどは,教会音楽であり,ネーデルランド楽派的対位法に基づいてはいるが,
単純化・和声化され,ルネッサンス的崇高な音楽といわれている.

その様式はローマ様式あるいはパレストリーナ様式と称される.

作品には「法王マルチェルスのミサ」,キリストの受難を歌った「インプロペリア」などがある.


ラッソ Orlando Lasso 



(ネーデルランド 1520〜1594年)
16世紀のルネッサンス音楽を代表する巨匠.作品は,ミサモテトから始まり,シャンソンにいたる.




一方,ドイツでは,プロテスタントの衆賛歌コラールが発達し,

イギリスではエリザベス王朝時代に華やかな音楽的動きがありました。すなわち,ヴァージナル様式と呼ばれるヴァージナルのための音楽も発達していたのです。

そして,全体的に,従来の教会旋法からの脱し長と短の2種の音階を基礎において,調性感を打ち出す方向をたどり,和声的な音楽への接近を見せ始めているのです。



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語句(作曲家)の説明
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ピュタゴラス Pythagoras

希 B.C.582頃〜B.C.500頃
自然哲学者音響学者
B.C.529年頃イタリアに移住.宗教・政治団体を組織.
音程の協和度を弦の長さの比で説明したと言われてます。(後世の音楽理論に貢献)

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アンブロジウス Amburosius(340頃〜397年)

ミラノの司教で死後聖者となる.
アンブロジウス式典礼創始者で,
聖歌を改良し,4つの教会旋法を制定.教会聖歌の父と呼ばれる.


グレゴリウス1世 GregoriusT(540〜604年)
590年にローマ法王となる.
カソリック教会における典礼の改革者.
法令により従来の聖歌を整理し,今日の形におけるグレゴリア聖歌を制定したといわれる.


グレゴリオ聖歌(グレゴリアンチャント)Gregorian Chant

カソリック協会の典礼に用いられる単声聖歌法王グレゴリウス1世にちなんでこう呼ばれる.
小節縦線をもたない4線記譜法のネウマにより記譜される.
種類には,応誦交誦賛歌などがある.

ユダヤ・シリアの音楽と,ギリシャ・ローマの音楽および理論に基づき発展し完成

教会の支配的な地位とともに,11・12世紀に最高潮に達し,
続誦進句などの楽種も生まれた.

その後教会音楽の分野への世俗音楽の進入によって次第に衰えたが,
19世紀に復興され,現在はフランスのソレーム・ドイツのボイロンなどの修道院を中心に
伝統が保持されている.

「6C世紀〜12世紀くらいまでの教会で歌われた音楽で、教会旋法による単音・無伴奏の歌.」です.


ロマネスク音楽 romanesque music
ローマ風の音楽という意味.


セクエンティア sequentia
グレゴリア聖歌のトロープスから独立したもの.
レクイエムの時にはディエス・イレー(「怒りの日」の意)が用いられる.
「続誦」と訳されている.


オルガヌム organum
@
9〜13世紀に中頃に行われた初期の多旋律音楽.
1声部(ふつう低音部)がグレゴリア聖歌を歌い,それに1つ2つ3つ等の対声部がついて
同時に歌われる.
はじめは,平行4度,5度だけの平行オルガヌムであったが,
次第に複雑な音程と自由な進行を使う自由オルガヌムがうまれ,
後年の複雑な対位法音楽へとうつっていく.

A
音楽史上で初期の定量音楽
(リズムの不明瞭な単音聖歌に対し,音の長さのはっきり規定された音楽.)


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定量音楽 mensural music

音楽に使われる音符が厳格に定められた時価をもつ音楽のことを言います。
広義には,近代音楽も含まれますが,音楽史的には,
ポリフォニーの発達に伴って生じた中世の定量記譜法による音楽をさします

定量記譜法

グィド・ダレッツオ(伊 995?〜1050?  音楽教師 フランス出身という説も)によって確立された,
(それまでの記譜法に改良を加えたorまとめた?)
近代記譜法
のことで音符が厳格な時価をもつ..
(四分音符は正確には全音符の四分の一音符です。各音符に決められた時間を与えたと考えましょう)
               
この頃はまだ四線譜です。
階名唱法=ドレミ・・・も始まりました。


ドレミ(階名唱法)

↑のグィド・ダレッツオが音に名前をつけるときに利用したものがあります。

聖ヨハネの夕べの祈り」というラテン語で書かれた賛歌です。

この賛歌は次の各節からなっています。
  
Ut queant laxis
Resonare fibris
Mira gestorum
Famuli tuorum
So
lve polluti
Labii reatum, Sancte Ioannes

この賛歌は,一曲ごとに,1音づつ上がっていくんだそうです。最初の文字を見てください。

Ut・Re・Mi・Fa・Sol・La 」ですね。これがもともとの音名です。
Ut(ウトゥ)は歌いにくさからDoになりました.Dominus(支配者)のDoです。

7音のはずなのに6音しかありませんね。当時はソをUtとして歌っていたそうです。
Siができたのはず〜と後のことです。
Sancte Ioannes(聖ヨハネ)の頭文字をとってSiとしたのは17世紀のことでした。)

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記譜法(ネウマ〜)の歴史

記譜法とは音楽の視覚的表示法のこと.
現在一般的な記譜法は,譜表記譜法とよばれ,
音部記号によって音の定位置の示された5線の譜表上に,
音の相対的時価のさだまった音符を配列し,速度・音力の表示は文字によって行っている.

このような記譜法は17世紀以後のことで,以前は,音楽や楽器の種類によってさまざまであった.

現存する最古の楽譜は,メソポタミアのものであるが,これは未だ解読されていない.

記譜法の体系が一応完成したのは古代ギリシャで,ここでは,
特定の字と音高とを相応させる文字記譜法が用いられ,

リズムの表示は付加的記号によるきわめて不完全なものであった.

中世には,旋律の概要を示す記号によるネウマ記譜法が行われましたが,
これも耳による記憶を補う程度のものでした.

11世紀頃から,ネウマの形態も次第に正確になり,同時に譜表最初は1本)も現れた.

今日カソリック教会で用いている方形音符の作られたのは1200年頃.(リガトゥーラ)

ポリフォニーの発達につれて,音符の価値を決定することが必然的要求となり,
13世紀に生まれたのが定量記譜法.

そのご,いろいろな変化が加えられ今日に至る.

定量記譜法とともに,1450〜1600年頃には,鍵盤楽器やリュートのための奏法を示す
タブラチュアという特殊な記譜法も用いられた.

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                ゴシック音楽 Gothic music     

9世紀頃から15世紀までのロマネスクルネッサンスにはさまれる時代の音楽.
ゴシックは「ゴット人の」という意であるが,
音楽では複音楽が生まれてネーデルランド楽派でそれが頂点に達するまでをさし,
ゴシック建築複音楽の構築性との関連からそう呼ばれるようになった.
ノートルダム楽派アルス・ノヴァなどの音楽も含まれる.


トルバドゥール troubadours
11世紀〜14世紀
南フランスのブロヴァンス地方を中心に活躍した,貴族出身の吟遊楽人(音楽家)たち.
その詩は,恋愛に関するものが多く,モテトの成立に寄与しました。

アルス・ノヴァやルネッサンスの文学と音楽に多大な影響を与えたとのことです。


トルヴェール trouveres
12世紀〜13世紀後半
フランス北部で活躍した貴族出身の吟遊楽人(音楽家)たち.
トルバドールの模倣からしだいに独自の様式を形成.
北部ヨーロッパのアルス・ノヴァルネッサンスに影響.

ミンネゼンガー Minnesanger
12世紀半ば〜14世紀
トルバドゥールの影響下に発生した,ドイツの貴族出身の吟遊楽人たち.
中世ドイツの世俗音楽の代表.

マリアへの賛歌を歌った作品が多い.(タンホイザーは実在したミンネゼンガー)

マイスタージンガー Meistersinger
15〜16世紀
ミンネゼンガーの後身で,ドイツにおいて5つの階級制度下におかれた
市民的な文学・音楽運動とその組合員たち.

無伴奏の単声音楽で道徳的な要素が中心.

ヴァーグナーの「ニュールンベルクのマイスタージンガー」
は実在のマイスタージンガー,ハンス・ザックスを題材としている.


アルスノヴァ ars nova
「新芸術」の意味.
音楽史上,14世紀にイタリアおよびフランスで起こった音楽様式をさす.

教会の厳格な慣行を脱し,人間味を加え,叙情性を増し,

3度6度の音程を承認し,平行5度・平行8度を禁止定量記譜法を確立.
バラードマドリガルなどの新形式も生んだ.

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モテト  motet
フランス語mot(語)に由来するといわれる.
12世紀から近代にかけて行われた教会の合唱音楽.

原則としてカソリック教会典礼のためのラテン語無伴奏合唱曲と定義できます。
世俗的なもの,独唱用のもの,器楽伴奏によるものなどあるからです。

中世およびルネッサンス期おける初期のポリフォニー音楽では最も重要な形式と考えます。

マショー※,ジョスカン・デプレ※,ラッソ※,パレストリーナ※
ガブリエリ※ビクトーリア※,バード※ハスラー※

などの優れたモテト作品を経て,1600年代に入ると,オルガン伴奏を加え教会協奏曲の形が生まれた.

一方ドイツではこうしたイタリアの協奏的モテトの影響を受け,
シュッツ器楽伴奏モテト「シンフォニア・サクレ」が作曲され,
やがて,バッハの6曲の無伴奏モテトが作られるに至った.

フランスでも,リュリ,クープラン,ラモー等がモテトをかいている.

近代になっても,モーツァルト,メンデルスゾーン,ブラームス,フランク,ダンディ
などにもモテト作品はあります。


マショー Guillaume de Machault
(1300頃〜1377頃,ギョーム・ド)
フランスアルス・ノヴァの代表者
ボヘミア王・フランス国王に使え1337年フランスで僧となる.


ビクトーリア Tomas Luis  de Victoria
(1549頃〜1611)
1671年,パレストリーナに代わりセミナリオ・ロマーノの楽長となり,後に僧職につく.
16世紀スペイン最大の作曲家.作品は全て宗教的なもの.



ハスラー Hans Leo Hassler
(1564〜1612)

オルガン奏者.16世紀末ドイツの重要な音楽家.
GとAガブリエリの弟子でヴェネツィア楽派に属す.作品には教会旋法から長短への移行が みられる.


アルス・アンティーク ars antiqua
「古芸術」の意.
↑のアルス・ノヴァの音楽に対するそれ以前の12〜13世紀の音楽をいう.
荘厳で開発度の低い音楽をさす.

代表的な音楽家には,
パリのノートルダム楽派の宗教音楽家レオナン※(1150頃),ペロタン※(1220頃)等.


レオナン Leonin
12世紀フランスのノートルダム楽派初期の代表的音楽家でオルガヌムの大家.
彼の業績はペロタンに受け継がれた.


ペロタン Perotin
12世紀頃,フランスの作曲家ノートルダム楽派の代表的音楽家.
レオナンとともにフランスの多声音楽の発展に寄与.定量記譜法の発達にも貢献した.


ノートル・ダム楽派 School of Notre-Dame
12世紀後半から13世紀にかけて,パリのノートルダム寺院を中心として活動した楽派で,
パリ楽派と呼ばれることもある.アルス・アンティクの中心的存在であった.
レオナンペロタンが代表的音楽家で,複音楽の発展に貢献.


コラール choral 衆賛歌

コラール
の語源はchoraliter単旋律で)に由来している.
意味どおりにはグレゴリア聖歌も含むが,一般にはプロテスタントのコラールをさす.
歌詞や旋律をカソリックの賛歌世俗歌曲から借りてきて,会衆が自分たちで歌えるように作曲したもの.
バロック時代を通じて,衆賛歌前奏曲,コラール・カンタータの基礎として役立った.


衆賛歌前奏曲 choral prelude
プロテスタントのコラールの旋律を用いて前奏曲風に書かれたオルガン曲.
会衆のコラール歌唱に先立って演奏された.(バッハの作品等)


カンタータ cantata
バロック時代の声楽曲で,一続きの物語風なテキストにより,
アリアレシタティーヴォ二重唱合唱などからなる多楽章の曲.

世俗カンタータ教会カンタータがあり,前者の歴史はより古く,
主として17世紀のイタリアに発展し,
いくつかのアリア・レシタティーヴォからなる独唱であった.

一方教会カンタータは,17世紀の終わりから18世紀の初めにかけて,
ドイツに発達し,コラール旋律が好んで使用され,合唱は著しく重要視される様になった.
バッハのカンタータはこの教会カンタータの完成といえる.
コラールカンタータはこの教会カンタータの一種.


ネーデルランド楽派 Netherlands school
15世紀後半から16世紀後半にかけて,
ベルギーオランダ北部フランスなどのいわゆるネーデルランド地方で栄えた複音楽の楽派をいう.
アルス・ノヴァの音楽の上に,イギリスのダンステーブル(1370?〜1453 この時期イギリス最大の音楽家
の音楽の影響を受けて生まれたもので,のちに各地の音楽に多大な影響を及ぼした.

この楽派の特徴は,
対位法とくに模倣を重要視し,各声部の関連により全体の統一をはかったこと,
多くは無伴奏合唱,宗教音楽ではミサモテト,世俗音楽ではシャンソンマドリガルなどの
曲種を好んで書いたことなどである.

時代的区分は各種あるが,3期に分けられることが多い.
第1期
ダンステーブルとその門人バンショワ
1400頃〜1460 シャンソンを得意とし、シャンソン・ミサの先鞭者.)と
デュフェ
1400頃〜1474 循環ミサ曲の構成を定形づけ,黒符による記譜を白符に改めるため貢献)
を代表とする.カノン風模倣発展の時期で,
ブルグンド
(独と仏の間にあって16世紀前に滅亡した)楽派(3度の進行を好んだ.)を生むにいたる.

第2期
オケゲム
1430?〜1495 デュフェ,バンショワ等に学ぶ.フランス宮廷楽長をつとめた.
オブレハト
1453?〜1505 対位法技術の発達に貢献)等の時期をいう.
自由模倣や継続模倣が著しく発達し,カノンも複雑化.

第3期
ジョスカン・デ・プレ
1450?〜1521 オケゲムに学ぶが,師とは傾向を異にし,ラッソの先駆となる.)や
ジャヌカン
1560?没 ジョスカンの弟子.フランスのポリフォニー的シャンソンの創始者といわれる.)などの時代.
極度な技巧化に対し,明瞭な構造が好まれ,和声的基礎が認識されてきた.
そして,表現力と効果に注意が払われるようになった.


ヴァージナル virginal
15世紀末〜17世紀イギリスで流行したハープシコードの一種で鍵盤つきの撥弦楽器.
特に女性が愛好.ヴァージナルという名称は,女王エリザベス1世の異名Virgin Queenから.


シャンソン chanson
11C頃伴奏付きの単旋律音楽としてフランスに起こり、16Cに声合唱曲として開花した民衆歌。
イタリアなどのマドリガルに相当する.今日ではフランスの流行歌をさす.

マドリガル madrigal

イタリアで起こった多声世俗声楽曲.14世紀におもに北イタリアで,牧歌的な抒情詩マドリガーレ
歌詞にもちいた2声または3声のものが盛んであったが,その後バラータにとってかわられ衰退.

16世紀になり,イタリア在住のネーデルランド楽人の手で新しいマドリガルが生まれ,
洗練された芸術として発展.
声部は3、4声から5声,さらに8声のものも生まれ,最後にはソロ・マドリガルも行われた.

イタリアにとどまらず,イギリスやドイツにも波及した.
代表的作曲家として,モンテヴェルディバード等.

バラード ballade
12〜13Cにフランスで活躍した吟遊楽人トルヴェールの歌の一種.
ロマン派以後はリートに対する意味で叙事的な詩につけられた歌曲をさした.
後にはこの歌曲の性格をとった器楽曲にもこの名がつけられた.

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2001年1月21日