直線上に配置

交響曲1

トップ アイコン
M.アーノルドの部屋

交響曲第1番 Op.22


作曲年 1949年
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 ヴィヴァーチェ コン フォコ

作曲家として生きていくことを決意した時、28歳のアーノルドの初の交響曲。
結婚しイタリア留学時とも重なっているのでさぞかし明るい曲をとも思われるが
第1楽章から荒れる冬のドーバーの断崖で立ちすくむような北の響きから始まる。
シベリウス、ニールセン、マーラー、ショスタコヴィッチなどの片鱗がのぞかないではないがアーノルドの個性ははっきり刻印されており、技術的にもすっかり完成されている。 形式は自在で時に民謡の調べや冒頭のモチーフのこだまが聞こえる。
第2楽章は、優しいメロディで始まり、浮遊感漂う瞑想的な中にもブラスとパーカッションで目を覚まされるが、基調はやさしい。
第3楽章は一転リズミックでジャジーなノリを見せる。おどけたピエロ的な軍隊音楽が出てきたかと思うと中断され荘厳なマーチとなる。曲想は変転する。
ああ、アーノルドの世界だ。
泣いているのか笑っているのかわからない行進が続き、終わる。

演奏 指揮者 オーケストラ レーベル 録音 第1楽章 第2楽章 第3楽章
@ ヒコックス ロンドンSO シャンドス 1994 12:03 10:04 7:58
A ペニー  アイルラン国立SO ナクソス 1995 12:00 8:39 7:48
B ハンドリー RPO コニファー 1995 9:51 9:30 7:55

ヒコックスは、切れ味とメロウさを併せ持った好演。録音もすばらしい。
ペニーは、悪くないがヒコックスに比べればよりなだらかな感じ。
ハンドリーは豪放で極めて男性的な音楽を作っている。顔がひきつった音楽だ。ロイヤルフィル得意のホルンセクションの鳴りには恐れ入る。
で、結局ハンドリーも捨てがたいが、総合的にはヒコックスとなる。

交響曲第2番 Op.44

作曲年 1953年
第1楽章 アレグレット
第2楽章 ヴィヴァーチェ
第3楽章 レント
第4楽章 アレグロ コン ブリオ

1番よりも旋律的な親しみやすさがあるからか、交響曲として最初の成功作。
第1楽章は、短い警句の後にいきなりフォーク調の主題が提示されそれが展開される。親しみやすい音楽。
第2楽章は、アーノルドお得意の行進。スネアドラムとブラスの縦の線がバシバシと決まる。
第3楽章は、突然真夜中の森の中に放置されたような気配で始まる。時々暗闇の中から鶫の声が聞こえる。
せっかく親しみやすい第1楽章で始まったのに何でこうなるの。次第に葬送行進曲が形成され終わる。
第4楽章は、快活なアレグロ。陽気な「軽音楽」テーマがいろいろな楽器で展開される。しかし、そこにじわじわと第3楽章の影。
しかし結局は陽気な舞曲が勝って大団円に。このお気楽さがいい。

演奏 指揮者 オーケストラ レーベル 録音 第1楽章 第2楽章 第3楽章 第4楽章
@ グローブス ボーンマスSO EMI 1976 6:28 4:14 11:00 5:59
A ハンドリー RPO コニファー
B ヒコックス ロンドンSO シャンドス 1994 6:18 4:33 13:51 6:10
C ペニー  アイルラン国立SO ナクソス 1995 6:29 4:26 9:56 6:22
D ボストック RLPO RLPO LIVE 2001 6:23 4:19 10:50 6:25

遅い楽章はより遅く、早い楽章は勢いよくというヒコックスの特徴がここでも出ている。第3楽章、宇宙空間にでも漂うかのごとき音楽が仕上がっており、その前後の楽章とのメリハリがものすごい。
初演者グローブスとボーンマス饗のコンビの録音もあるが、ヒコックスを聞いた後では録音・オケともにやや分が悪い。
ペニーも頑張っているがここ一番のパンチに欠ける。
ボストックは、アーノルド80歳記念アルバム。


交響曲第3番 Op.63


作曲年 1957年
第1楽章 アレグロ− ヴィヴァーチェ
第2楽章 レント
第3楽章 アレグロ コン ブリオ−プレスト

第1楽章は夢見るように優しく始まるメロディが輝かしく展開していく。但し、一筋縄でない。どこかに不安や影が付きまとう。
ヴィヴァーチェになってからも快活というよりシリアスの度合いを強めるが最後はまた優しさが戻り閉じる。
第2楽章はレントであるが甘美な感じではない。荒涼とした寒々しさがあたりを包む。寒すぎて幻覚を見ているような
浮遊感がある。シベリウスの4番にも通じる寂寥感だ。
第3楽章は気を取り直してというか滑りながら弾むようなプレスト。第2楽章との段差に戸惑う暇もなくどんどん進む。
気分の転換が遅い人はひとつの交響曲の中でのこの変わり身に戸惑いついて行けないかもしれないななどと心配になるが、
アーノルド好きにとってはこの切り替えの爽快さがなんともいえない。

演奏 指揮者 オーケストラ レーベル 録音 第1楽章 第2楽章 第3楽章
@ アーノルド LPO エヴェレスト 1959 13:28 13:44 7:32
A ヒコックス ロンドンSO シャンドス 1993 12:16 14:11 7:06
B ハンドリー RLPO コニファー 1995
B ペニー  アイルラン国立SO ナクソス 1996 11:07 12:56 7:04

作曲家自身の指揮したものは、まさに夢見るように始まるがどうもアーノルドの指揮がいまいちなのかオケがやや危ないところもある。録音はステレオ初期の左右分離のはっきりした近接音中心。表情はくっきり克明で素朴な感じ。
それに比べるとヒコックスはさすがに洗練されており音楽が上手く流れている。なんとも言えない空気感ではじまりレント楽章は一番ロマンティック。録音も優秀。
ペニーはさっぱりしひんやりした感触でさらさら進む。
全体のバランスでやはりヒコックスに軍配が上がる。