●第1回  リズムと呼吸
●第2回
外国人と日本人と何でリズム感が違うのか
●第3回
外国人と日本人と何でリズム感が違うのか-その2
坂田水雅子の「リズム研究所」

 
坂田水嬢が、日頃の研究結果を時々発表いたします。
共同研究をしたい方、他説を発表したい方など、どんどんメールください。
また質問、疑問、鋭いツッコミ、
取り上げてほしいテーマなどもお待ちしています。

●第1回 「リズムと呼吸」
プロでもアマチュアでも、子供でもお年寄りでも、自分のうたいたい (もしくは弾きたい)
メロディーの中には単なるドレミといった音の並び だけでなく、その人の呼吸があります。
そしてその呼吸こそがリズムをう むのです。リズム感がある、ない、などといいますが、
「だれの発するメロ ディーにも、わかりにくかろうがはっきりしなかろうが、必ずリズムはある」
と私は考えます。なぜならみんな呼吸しているからです。

深い呼吸、浅い呼吸、弱い呼吸、強い呼吸など、それは人によっ て千差万別であり、
アンサンブルする相手の呼吸をわからないことに は、心地よい合奏にはなりません。

相手のメロディーの中にある呼吸に注目するのです。
呼吸の結果と してうまれた音符一つ一つのタイミングにとらわれすぎてはいけません。
それにとらわれた時点で流れは止まり、音楽を生みません(たぶん)。

リズムを呼吸としてとらえられた時点で、あなたはずいぶん楽にアンサ ンブルできるようになるはずです。
しかし、それでもなにかうまくいかない とき、この呼吸に何が起きているのか、みてみましょう。

●うまくいかないとき考えられる原因
1.呼吸の質が違う

アンサンブルする相手と呼吸を融合させることでサウンドするとして、
たとえば誰かが呼吸を止めていたり、すうべきところではいていたりする と、
お互いの呼吸のしかたが違いすぎるので、なかなかサウンドしませ ん。
あわせようとすればするほど、演奏上で誤解が広がるような結果 になるときは
このパターンを疑ってみるとよいでしょう。
この場合、呼 吸の質をそろえることがまず必要になってきます。
では、どのようにそろえたらよいのでしょう。もっとも良質で無理のない 呼吸を
みんながするのが一番です。(良質で無理がなければ、多少 の違いがあっても不自然にはきこえないものです。)
質のよい呼吸は、しっかりと腹で支えられた、体全体からでる深い呼 吸です。
そしてメロディーと密接に結びついています(口笛を吹いてい る時のような息?)。
これは特に息を使わない楽器の時も同じです。 肩でぜいぜい吸ったり、息を止めたままではメロディーは歌えません。 うまくアンサンブルしない時は、自分や相手が今そうなっていないか チェックしてみて下さい。

2.呼吸の量が違う みんなの呼吸のしかたは無理がなく、あっているのにアンサンブルし ないときは、
呼吸力の差に注目してみてください。

例えば、私のように毎日運動もせずに過ごしている者と、一流マラソンランナーが
一緒にジョギングをすることになったとします。どちらもが 自分のペースで走れば、
どんどん差がついてきて、お互いが見えなく なるでしょう。
そういう状態が演奏上でおきているのが、このパターンで す。自分の方が呼吸力がある場合は、相手がとろく感じたり、相手が 先に失速する感じ、相手の方がある場合は自分の
音の鳴りが短くて 足りない感じになります。その場合、横に並んで共に走るには、私が
死ぬ気で猛ダッシュするか(しかし、一曲終わらないうちに力尽きて死 んでしまうかも)一流の方にゆっくり走ってもらうとよいですよね。実際 は、続けてバンド活動などする
場合は、なるべく呼吸力をあげるように 訓練していくことで、差はうまってくると思います。呼吸のしかたが自然 であれば、1.の場合ほど誤解はうまれにくいものです。
3.その他 これは、どちらかというと技術不足の為、思っているようなメロディー が楽器で
表現できず、誤解が生じているパターンです。本人が技術 力をあげるのはもちろんですが共にアンサンブルをする人たちも、この 人が何を言いたいのか、注意深く聞き、
わかりにくいところは補足する という方法がよいでしょう。ちょうど、話し下手の人の
真意を汲み取ろ うとするように。

このように、アンサンブルしないといっても、原因はさまざまで、それによ って対処法も違うので、
まずそれを見極めることが必要です。そうすれ ば、アンサンブルがもっと楽しくなるのではないでしょうか。
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