Letter From Yosuke


2017年


1月1日|2月6日|2月23日|2月25日|3月23日|4月21日|5月24日|




6月19日

吉田美奈子THE TRIOのツアーが大詰めを迎えました。
今回、誘っていただいて参加することでとても多くのことを学ばせていただきました。
ジャンルを超えた音楽そのものに向き合う時間はとても貴重で
そんな3人が3人でしか生み出せない音楽を目指し日々演奏する。
そこには邪念もエゴも入る隙のない、しかし人の心に届かせることのできる音楽。
そんな、理想的とも言える音楽の面影を追った3ヶ月でした。
そして音楽というものを根本から捉えることのできる文化の成熟というものも必要と感じました。

各地では色々な方、幼馴染、などなど、再会も。そして新たな出会いもたくさんありました。
音楽が人と人とを結びつける、そんな音楽そのものの力も感じるツアーでした。
この経験を生かしてますます、懐の大きい、魂を揺さぶるような音楽を演奏していけるように精進しますので
どうぞよろしくお願いします。

今年のNBAファイナルはGSウォーリアーズの圧勝でしたね。レブロン、残念。
3年連続の同じ組み合わせでした。来年はどうなることやら。


5月24日

本当に久しぶりにソロコンサートをやりました。
連休最後の日曜日、5月7日に埼玉県立近代美術館にて。
美術館らしい響の長い部屋に助けられて気持ちよく演奏できました。
普段のライブとは違い一人になる場面しかない状況がずっと続くのですが
自分の奥底にあるものの全てと向き合える機会があって楽しかったです。
以前にも2度ほどソロコンサートはやりましたが、今回が一番自然に演奏できました。
技術、構成、音楽性、そしてそれにも増してエモーショナルな部分を見つめ直す機会にもなりました。
たくさんの人に聞きに来ていただいてありがたかったです。
また機会があれば挑戦していきたいと思います。

ゴールデンウィーク前から大西順子トリオの大阪と名古屋でのまとめてのライブでは
このトリオの新しい方向性が見えてとても面白かったです。
活動を初めて1年が過ぎましたが、同じメンバーで掘り下げていくレギュラーグループの重要性を感じました。
一過性のセッションの面白さもありますが、音楽シーンをよくするにはこういった志高いレギュラーグループの活動が重要です。
自分たちのカラに閉じこもらないように気をつけなくてはなりませんが。

5月4日には新宿ピットインにて辛島文雄を偲ぶ会がありました。
辛島さんが生前やられていた活動を共にしたメンバーとその日に飛び入りに来てくれたメンバーで演奏しました。
ゲストには日野皓正さん、そして辛島さんの代役を務められた石井彰さん、素晴らしい演奏でした。
これにて僕が辛島さんと共に旅をしてきた音楽の冒険はひとまずおしまいです。
文字通り、いろいろなところに行き、いろいろ経験をさせてもらい、いろいろな話をして
その中からしか生まれない数々の演奏が心の中に刻まれています。
これからはそれを胸に一人で歩むのかと思うと寂しいです。
しかしもっと良い演奏ができるように精進していきますので
どこかで聞いているかもしれない辛島さん、見守っていてくださいね。

そして吉田美奈子さん、森俊之さんとのツアーが続いています。
各地で多くの待ち望んだファンが美奈子さんの歌声を聞くのを楽しみにしています。
そこに参加させてもらって多くのことを学ばせていただいています。
美奈子さんは即興性を大切にされているので
演奏が日々、変化していきます。
その成長記録を体験させていただいているようなツアー。
今後のスケジュールもとても楽しみです。


4月21日

吉田美奈子さん、森俊之さんとのThe Trioがツアー中です。
3月の末からリハーサルに入り、4月の頭からスタートしております。
ご存知のように吉田美奈子さんは日本のポップス界を支えてきた重要人物。
しかし音楽の高みに向かってひたすら活動を続けてきている至高の人物です。
森さんとは久々の今額活動となりますが、同郷の同世代とあって共通の知人も多く
育ってきた音楽環境もよく似ており、音楽に対する考え方にたくさん共感する部分があります。
このお二人と毎日、真剣勝負の演奏をして全国をツアー中です。
普段、ジャズのライブだけでは気づかないような繊細な部分、
染み入るように歌詞に寄り添う部分など、とても勉強になります。
そしてお二人ともオープンな心で普段から接してくれるのでとても楽しいです。
ツアーは7月の1日のブルースアレイまで続きます。
ぜひ、本物の音楽を体験したい方は聞きに来てください。
僕自身もツアーを通して成長できることを楽しみにしています。
ツアーの合間に自分のカルテットのライブも行います。
これも先月のツアーを通して磨きをかけられたレパートリーの演奏をお聞かせできると思いますので是非!
音楽とは不思議なもので、同じメンバーで同じやり方をやっていてもだんだん変化してきます。
人間というものが行う楽しみや意味もそのあたりにあるのではないかと思います。
常に音楽というものを探求している過程の中での演奏をお聞かせしていることになりますが
それはそれで良いものではないかと、最近は思えるようになってきました。
皆様にもその成長する音楽を楽しんでもらえたら幸いです。


3月23日

ようやく春の気配が感じられるようになってきました。
3月の頭からは、いよいよCD「Good Time Again」の発売記念ライブとツアーでした。
おかげさまで、各所ともたくさんのお客様に来ていただき、心に残るツアーとなりました。
ありがとうございました。
東京公演でもたくさん来ていただき、徐々に僕たちの奏でる音楽が
皆様の賛同を得ているのだという実感を得ることができました。
音楽家にとって、お客様とのつながりは、最終的には自分たちの出す音にかかっていると覚悟して演奏しております。
今後とも精進して磨きをかけていきますのでよろしくお願いします。
次のコンサートは4月28日に二俣川のサンハート。
ツアーで進化したバンドのサウンドを楽しんでいただけたらと思います。

今回、岡山のルネスホールでのコンサートを企画していただいた藤原さんがライブの直後に亡くなられてしまいました。
物静かですが、音楽に対してはピリッとした意見を持っていた方で、
僕の音楽も応援していただいて、いつもたくさんのお客様を読んでいただき
岡山の音楽シーンに多大な貢献をしていた方でした。
コンサート当日も残念ながらお会いすることはできませんでしたが
藤原さんに届けと精一杯演奏させていただきました。
ご冥福をお祈りいたします。

続いて行われた大西順子トリオの東北ツアーも充実の時間でした。
音楽に対してジャズに対してとても真摯で謙虚なリーダーの吸引力で
だんだんと高みに到達していく演奏は他のグループではなかなか味わえないものでした。
若い山田玲くんのドラミングも毎回驚きの進化で推進力をもたらしてくれます。 どの会場も満員で、お客様の方の期待の大きさを物語っていました。
トリオも1年間活動を共にしてきて、その期待を裏切らない演奏ができたのではないかと思います。
これからの活動がますます楽しみです。

やっと暖かくなって体も楽になってきました。冬は苦手です。


2月25日

追悼 辛島文雄
ジャズにこだわりジャズの演奏での評価にこだわった信念の人。
豪奢で磊落な反面、繊細で気遣いの心を持つ人。
一流のミュージシャンとは何かという美学を教えてくれた人でした。
エルビン、トニー、ジャックという最高のモダンドラマーと渡り合えたピアニスト。
長い闘病生活から解放されて2月24日、旅立たれた。安らかにお眠りください。ありがとうございました。


2月23日

今月は演奏よりも取材が多くて、たくさんお話をさせていただきました。
ラジオから聞く自分の声は未だにどうも好きになれませんが、拙いなりに一生懸命伝えたい事を話しました。
アルバムに込めた思い、というものを中心に話しますが
聞き手によってもいろいろと引き出しをあけていただく事ができて
改めてhなす事を生業としている方々を尊敬します。
演奏の方では久々の大西順子トリオは素晴らしく刺激的でした。
山田玲くんの成長が頼もしく、これからの日本のジャズ界を引っ張って行ってくれる事でしょう。
レパートリーもこのトリオとしては新しく昔のレパートリーを取り上げたりして
バンドもお客様にとっても新鮮なライブとなりました。
闘病中の辛島さんのライブは辛島さんが体調の悪い中、セカンドセットの途中まで
魂から絞り出すような、それでいてみずみずしい音を出していました。
ジャズに命をかけた男の生き様をしっかりと目に焼き付けました。
いよいよ、自分のCD発売ライブ、ツアーと続きます。
一期一会の心を忘れないように演奏したいと思います。


2月6日

新年が明けて一ヶ月が経ちました。
皆様の新年はどのようなものでしょうか?
僕は新年明けてからは少し時間があり
大阪の母を訪ねたり、ゆっくりと充電する時間を得ました。
その一方でライブ活動が日常に戻った時に
その1日に使うエネルギーの消耗量の多さに改めて驚きました。
こんなにたくさんのエネルギーを使うことを毎日やっているのかと。
現在は肉体的、精神的にもクタクタの日々です。
しかし、やはりライブというものは特別なもので
その日にしか生まれない音楽、そして人々の中に流れるバイブレーションのようなものが、
人生においてはとても大切なもののように感じます。
このようなリアルな体験というものも世の中的にはどんどん減少して行っているように感じる今こそ
音楽家は頑張って良いライブを続けていかなければと思います。
このあたりのことはCD「Good Time Again」発売に伴い数々のインタビューをいただいた中で
熱く語っているので是非チェックしてみてください。

先日、僕が講師を務める国立音楽大学の卒業試験がありました。
設立して間もないジャズ専修コースですが、今年初めてベース科から卒業生が巣立っていきます。
入学前からの付き合いとなりますが、4年間の大学生活を通して悩み、苦しみ、時には喜びもあり。
その中で指導をするということはこちらにとっても重圧の仕事で、
果たして良い方向に導けているのかいつも自問自答の日々でした。
しかし、卒業演奏を聴いてその疑念も吹き飛ばしてくれるような素晴らしい演奏で、
誇らしい気持ちにしてもらいました。ありがとう。これからが本当の人生の本番です。
言葉ではうまく伝わらなかったけど、人の心に寄り添うような温かかくて力強く、勇気を与え、微笑みを導く、
そんな僕が理想としている演奏でした。
他の卒業生もそれぞれが自分というものを最大限に表現していて素晴らしいパフォーマンスでした。
こんなムードにしていただいた先生方々、スタッフ、そして在校生、卒業生、みんなの努力で、
素晴らしい学校に作り上げたのだと感動しました。来年度からも尽力を惜しまず頑張ります。

アメリカでは歴史転換とも言える大統領の交代があり、世の中はどんどん反知性の方向に向かっているような気がします。
というよりは知性があまりにも権威と結びついて人々の不満が噴き出したように思えます。
これからは利権を求めてのずる賢い駆け引きをすることが通じなくなるかもしれません。

恩田陸さんが直木賞を受賞しました。とても好きな作家だったのでとても嬉しいです。
同じ歳なんですね。江國香織も同じ歳でなんとなく通じ合うものを感じます。

つらつらといろんな思いを感じる日々ですが、
何と言っても自分の演奏と奏でる音楽をもっともっとよくしていくのが自分の最大限にできることだと
肝に銘じて日々精進していきますのでよろしくお願いします。
3月から始まるCD発売記念ライブ、ツアーもどうぞよろしくお願いします。



1月7日

みなさま、遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年も、真摯に音楽に向き合い演奏していきたいと思います。
新しいアルバム「Good Time Again」も皆さんに楽しんでもらえますように。
時代の潮流が大きく変わって行こうとしています。
皆さまの元に幸せが届きますように。


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