フルトヴェングラー ベートーヴェン 交響曲第5番


NOOrchDatePlaceLabelCoupling
1
BPO
1926-27
PH
日本協会
Weber
MUSICBRIDGE
Sym5
GREENDOOR
蓄音機再生
SERENADE
CD-R
DG
1st only
CENTER
蓄音機再生
2
BPO
1937.10.8-
PH
東芝
メニューイン
BIDDULPH
戦前HMV
MUSICBRIDGE
Sym5
新星堂EMI
戦前HMV
日本協会
戦前HMV
TAHRA
3演奏
OPUSKURA
序曲
NAXOS
戦前HMV
GRANDSLAM
Brahms4
3
BPO
1939.9.13
PH
TAHRA
未発表集
MUSICBRIDGE
Sym5
4
BPO
1943.6.27
−30
PH
MELODIYA
Brukner6
RCD
音色漂白
DG
Sym7
MELODIYA
2006再販
TAHRA
3演奏
TAHRA
戦時録音集
MUSICBRIDGE
Sym5
SERENADE
1926
OPUS蔵
「田園」
IMG EMI
GCシリーズ
VENEZIA
Sym4
DREAMLIFE
Sym4
DELTA
Sym4
GREENDOOR
ハイバリ
BPH
Sym1
DIEM
Sym4
ALTUS
レーザー
WING
Frank
5
BPO
1947.5.25
TP
CETRA
「田園」
日本CETRA
K33Y-193
KING
KICC-7091
RODOLPHE
全集
KING
「田園」
MUSIC&ARTS
「田園」
TAHRA
「田園」
MUSICBRIDGE
Sym5
ドイツ協会
「田園/Vn」
DELTA
「田園」
ARCHE
Sym
6
BPO
1947.5.27
放送局
ORG
Egmont
MUSICBRIDGE
Sym5
DG
Egmont
DG(OIBP)
Egmont
DG(Eloquence)
Vn.Con.
MYTHOS
Egmont
MYTHOS(CD)
Egmont
フランス協会
3枚組
RX
Egmont
DELTA
Sym1
OTAKEN
etc
7
VPO
1950.9.25
Sto
CROWN
Sym7(1943)
M&A
当日ライブ
KING
当日ライブ
MUSICBRIDGE
Sym5
センター
当日ライブ
8
VPO
1950.10.1
Cope
Danacord
others
MUSICBRIDGE
Sym5
TAHRA
Sym4
9
Roma
1952.1.10
Roma
KING
-
MUSICBRIDGE
Sym5
10
VPO
1954.2.28-
MF
東芝EMI
CC35
東芝EMI
CC30-3361/6
EMI
TOCE-7530/4
MUSICBRIDGE
Sym5
EMI
全集
伊EMI
全集
MYTHOS
バイロイト
GRANDSLAM
「皇帝」
東芝EMI
55975/80
OTAKEN
Sym4
MR2402
FALP
RB2
ALP
DELTA
ALP
11
BPO
1954.5.4
Pari
KING
「第8」VPO
KING
未完成
フランス協会
当日ライブ
TAHRA
当日ライブ
MUSICBRIDGE
Sym5
12
BPO
1954.5.23
TP
NUOVAERA
Sym1
日本協会
田園
EMBLEM
Sym1
TAHRA
3演奏
TAHRA
残響なし
MUSICBRIDGE
Sym5
DELTA
Sym1
SPECTRUM
田園

1
BPO
1926-27
演奏
WFJ-18の解説より
 「1926年10月16日に第3楽章までを録音(マトリックス番号174-179)したが、第2楽章(176-178)を廃棄、同年10月30日に終楽章(214-215)と第2楽章再録(216-218)とを録り、第3楽章から終楽章へのブリッジ・パッセージのあるSP第7面(330)のみは、何回かのテストを経て1927年に収録し全9面が揃う。しかし、この越年は大問題。それは第3楽章のトリオが低弦のピチカートで終わって、すぐスケルツォの第1主題がピアニッシモで再現する部分が9小節(第236-244小節)だけ収録されていない。また逆に第2楽章で重複している部分(第176-185小節の第1拍)がある。
 フルトヴェングラーとしては、この初回に限って第1楽章提示部の反復を省略していたのは、試行錯誤中の電機吹込に於いて収録リミットが読めない録音技術陣の大事をとる方針に妥協したためと思われる。」

「レコード芸術」2004年12月 クリストファー・野澤氏の文章より
 「この録音は電気録音初期のもので、現在のマイクロフォンを使うシステムとは異なった「ライトレイ」システムで録音されたものなので音質面では劣るもの。
 フルトヴェングラーによるSPのポリドール録音中唯一の大交響曲であることと、まさに全盛期のベルリン・フィルを聴くことができるという2つの特別な意味があります。40才という若きフルトヴェングラーの覇気に満ちた指揮とベルリン・フィルの威力は、他の録音では聴くことのできないものです。このレコードではまさしくヒトラーによるユダヤ人楽員排斥以前の、本物のベルリン・フィルの音色が聴けるのです。1926年10月のプログラムのメンバー表を見れば、コンマスは1922年以来のヘンリー・ホルスト、チェロのトップは100万ドルトリオのピアティゴルスキー、ホルンのオスカー・シューマンやティンパニーのパウル・クレッチュマー等、1922年以前からの古参のメンバーの名を見出せます。このメンバー表に出ている楽員たちが、録音に参加していたと考えられます。
 第1楽章での繰り返しの省略や第3楽章での若干のカット等、欠点を指摘されることもありますが、それらを考慮してもこのレコードの演奏の素晴らしさを減ずることはできないでしょう。」

ピーター・ピリー「レコードのフルトヴェングラー」横山一雄訳
 「再現部ではオーボエのカデンツァの前の休止もない。緩徐楽章は軽くいっそう優雅であり、それほど雄大さはない。またトランペットは1937年後のすべての演奏でやっているようには、テクスチャアを切り離してはいない。スケルツォはいつになく速く、この楽章と終楽章との間の偉大な経過はほとんど投げ捨てられている。そして驚くべきことに終楽章は経過句よりもゆっくりとした速度で開始する。トロンボーンの入りで、経過部の活発なアレグロから、きわめて突然な鋭く断固とした休止がある。こうした効果を他の演奏で耳にしたことは一度もない。これは単に奇妙であるにすぎないのだから、フルトヴェングラーがこれを捨てたのは賢明である。しかし電撃的な最終小節を聴いているうちに、これこそ若きフルトヴェングラー、大フルトヴェングラーという印象がいっそう強まる。その奇抜さにもかかわらず、これは偉大な演奏である。」

ジョン・アードイン「フルトヴェングラー、グレイトレコーディングス」藤井留美訳
 「総譜が自然な形で、率直に音にされているものの、後年の録音に見られるような明確な特性はまだない。たとえば冒頭の主題とその展開は、アレグロ・コン・ブリオというよりはただのアレグロで後年の録音ではその後で多少熱を帯びるとはいえ、基本的な定義はそのままである。変わらないと言えば、最初の5小節を二つの独立したフレーズあるいは衝撃ととらえている点も同様で、前半と後半のあいだに、楽譜に書かれている八分休止以上の長さで空白が入っている。フェルマータを二度した後、1回目は冒頭に呼応するフレーズ、2回目は自らを提示するフレーズに入る前を、はっきり区切っているのである。また冒頭にある三つの八分音符に関しては、1つ目にアクセントを付けるのではなく、意図的に後の二分音符に狙いを定めてはずみをつけている。他の指揮者では往々にしてあることだが、後者のやり方では主題のエネルギーが薄まってしまい、主題が前進するどころかうなだれてしまうのだ。繰り返しの省略は、録音上の制約によるもので、金管楽器とくにトランペットの音量を抑えたのも同じ理由だろう。
 第2楽章は、その後の録音よりも速度の揺らぎが大きく、弦楽器の旋律線に重たいスラーがかかっている(4同様)。さらに40小節目から始まるディミヌエンドとリタルダンドは後の録音ではこれほどはっきり出ていない。
 第3楽章の速度はアレグロよりウン・ポコ・アレグロに落ちており、トリオが始まるあたりで低弦がもたついているが、1937年のEMI盤ではこの点は修正されている。
 フィナーレは珍しく意図的なマエストーソになっている。特に目立つのは、楽章も終盤に入り、直前の移行部よりも遅くなっている点だ。しかも最後までマエストーソに固執している。この傾向は後の演奏では修正されているものの、78小節でチェロとコントラバスの上昇音型よりもVnの和音を強調して、和声を水平方向ではなく垂直方向に持っていくやり方はその後も変わらない。最終楽章の繰り返しは省略しており、作品全体を締めくくるCユニゾンの轟きに入る前は、1小節間の休止を長くしている。」

諸井誠 「フルトヴェングラーの『運命』」より抜粋
 「(運命動機)提示<再現<終結と順を追って、拡大して行く傾向をはっきりと示しており、次第に動機強調の度合いが増大してゆく。鳴っている音の長さと、次の音の立ち上がりまでの休止を含んだ長さのバランスが、72-73%と、きわめて整然と揃っている提示部と再現部である。そこに意識的コントロールが感じられるが、この強調は、基本的テンポの変動の幅を少なくとどめていることによって、より効果的に威力を発揮するのである。
第2楽章、非常に豊かな感情表出が行われており、特に強弱のコントロールに細心の注意が払われているのが興味深い。旋律に付されたドルチェdolce(甘やかに)という表情記号に従って、この旋律主題を大いに歌わせる。しかし前半8小節ではリズムの崩れはまったくなく、確実な足取りで「主題」の提示が、その任務をつつがなく果たしている。
第3楽章、これは概して端整な、手堅い演奏である。トリオは、非常に歯切れ良く、今日的といってよいほどモダーンな感じ。
第4楽章、フルトヴェングラーの演奏中、最も中庸を得たテンポで演奏されている。基準ともいえるバランスの良さで、劇的盛り上がり、荘重さ、明晰さ、いずれをとっても過不足のない名演である。」

フルトヴェングラーセンター第29回レクチャーコンサート(2008.5.10)資料より
POLYDOR 69855/59のマトリックス表
170番台は1926.10.16
200番台は1926.10.30
第1面 174bm 第1楽章 再現部Obソロまで
第2面 175bm 第1楽章
第3面 216bm 第2楽章
第4面 217bm 第2楽章
第5面 218bm 第2楽章 再現部とコーダ 176-185 1/3拍目まで重複
第6面 179bm 第3楽章 スケルツォとトリオ
第7面 330 1/2bm 第3楽章スケルツォ再現部から(236-244 2/3拍目まで欠落)
          1927年に再録のため、前後の面と比べてテンポが遅い。
第8面 214bm 1926.10.30録音でテンポが快速
第9面 215bm
*第4楽章提示部第2主題のテンポが遅いのは、翌年の再録のため。
第1楽章のピッチについて、
劉邦氏によると、
「日本協会盤6'00"、英協会盤6'11"、ディスココープ盤6'17"、DGのCD 6'17"、ベルランのHMVでの再生は、およそ 6'17" でした。今回の再生は、およそ 6'15" でした。
というわけで、日本協会盤(CD)はピッチが高いのかも知れませんが、個人としては、「誤差の範囲内」かと思っております。」

ダイナミクスの変化に細心の注意が払われ、pp、p、f、sfが明確に区別されている。

機19小節からの休止がしっかりとなされている。
ザ・ザ・ザと音符通りに演奏されている。
第2主題、Vnの優しいフレーズに始まり、Vc・DBがテーマを明確に浮かび上がらせてくる。
展開部、テーマが高低ともに流れよく奏でられる。
303小節はBnではなくホルン。
供Va・Vcの豊かな歌。 26小節ppの深い味わい。消え入るようなpp、強靭なsfの対比。
ダイナミクスの忠実な再現と確かな造型により、美しさと迫力を兼ね備えており味わい深い。
掘ppの深さ。ソフトな強靭さのsf。VnとVcの分離が良い。
トリオ、Vc・DBが速さのうちにしっかりと奏でられている。
pizzの音の良さ。神秘的なppからの一大クレッシェンド。
検ゥ團蝓嫉瓩蓮峩辰べきことに終楽章は経過句よりもゆっくりとした速度で開始する」と述べているが、上述のように翌年の再録のため、展開部のテンポに合わせることができなかったということだろう。
Vnの浮揚する上昇音型と他パートの力強さとの対比。移行部のアッチェレランド。
第2主題、夢見るようなフレーズと強靭なsfとの対比。
展開部、スケール雄大。低弦の威力と甘美なVn。トロンボーンとTiの打撃からの強烈強靭なff。
スケルツォ回想部、ppからのクレッシェンドの鮮やかさ。Tiの轟きとテーマの輝かしい提示。
再現部、勢いと覇気がある。柔らかなVnとsfの対比。
コーダ、強靭なsfと休止。
Presto、輝かしい。
1
BPO
1926-27
日本協会
日本フルトヴェングラー協会

WFJ-18

機174/175bm 6'01
供216/217/218bm 10'40
掘179bm 3'38
掘検179bm/330 1/2 /214/215bm(1926-1927) 10'02
The ending of 217bm 1'02
The beginning of 218bm 1'14

第1楽章のピッチが高い。
太古の録音とは思えないほど鮮やかな音。ノイズも少ない。
ダイナミクスの変化が忠実に再現されており、深淵なppから強靭なsf、ffまで、十二分に聴くことができる。
黄金期ベルリン・フィルの輝かしい音色。

機ヂ2主題のVnの温かみのある音色。Vc・DBのテーマも明瞭に響いてくる。
供Va・Vcの落ち着きと温かみのある音色。木管群の中からVnの生成されてくるすばらしさ。
掘ppの深さ。ソフトな強靭さのsf。VnとVcの分離が良い。
トリオ、Vc・DBの明瞭さ。
Vnの高音の柔らかさ、力ある強靭な低域、強烈なsfなど、ダイナミクスの幅が広く再現される。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:ウェーバー「魔弾の射手」序曲、ブラームス ハンガリー舞曲第3番
1
BPO
1926-27
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

6:16 11:08 5:32 8:45

「わずかにエコー付加」
音圧が高く、音と音色に密度がある。たっぷりとした音と音色の良さ。
Vnの浮揚する煌く音色、ソフトでふくよかな低域。
第4楽章のffのダイナミクスは忠実に再現され、最大音量となっているのがよくわかる。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:Sym.5 全演奏
1
BPO
1926-27
GREENDOOR
GDCS-0023

蓄音機 "クレデンザ" からの復刻。

6:14 11:07 5:30 8:45

スースーボーボーという音が大きい。残響はない。
Vnは歪みなくきれいに聴ける。低弦が入るときや、ffで音が歪む。
残響のない分、40歳のフルトヴェングラーの音の作りがよくわかる。
第2楽章、Vcの音色は厚みありマイルド。Vnの音色と共にレトロで味わいがある。
金管もおもちゃのようには鳴らず、それなりに聴き応えがあり。

当盤推奨度:★★★

◆Coupling:
「エグモント」:すばらしい。柔すぎたり剛すぎたりしてこの曲を半端あるいは深刻にする演奏が多い中、この柔らかい音色と彫刻でこそ、この曲の透徹した深遠さがよくわかる。
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番、「アリア」:心に染み入る音色。
「Freischuetz」:名演。
1
BPO
1926-27
SERENADE
SEDR-2011

6'12(提示部1'34) 11'05 5'26 8'48

ポリドールSP盤(写真)起し。
ストレートな盤起しで、浮揚するかの高域の音色と地鳴りのように響く 低域のサウンドを聴くことができる。
第1楽章のピッチは正しい。

第2楽章の盤面の切れ目の9小節のダブり(176-185小節)部分、2テイクをボーナストラックに収録。

当盤推奨度:★★★

◆Coupling:「第5」(1943)
1
BPO
1926.10.26
DG
The Fascination of Furtwangler

6'20(提示部1'35) 第1楽章のみ

Polydor 69855

ノイズは少ない。弦の美しさと温かみのある音色。
盤起し的な粗さや太さはない。

当盤推奨度:★★★
1
BPO
1926.10.26
センター
フルトヴェングラー・センター

WFHC-021/022

CD1
ブランスウィック盤(25005-25009)を蓄音機HMV194で、ビストロ・ベルランにて再生空間収録。
盤ごと再生版と、繋ぎ版の2バージョン。
ライナーノートより
 「最後にポリドール盤、グラモフォン盤と比べてあきらかに劣るように見えたブランズウィック盤を再生した見ました。一聴してその場に居た全員が愕然としました。かなりコンデションの良いポリドール盤、グラモフォン盤に対して、あまり綺麗とはいえないブランズウィック盤の再生音は2種類のドイツプレス盤を圧倒してしまったのです。
このCDではこのとき収録したオリジナルのオープンリールテープからプレマスターを製作しました。フルトヴェングラーの最初の「運命」が素晴らしい音質で蘇ったのです。」

CD2
ポリドール盤(69855-69859) 再生ライン収録。
盤ごと再生版と、繋ぎ版の2バージョン。
174bm(3:40),175bm(2:40)
216bm(4:46),217bm(3:36),218bm(3:19)
179bm(3:38)
330 1/2 bm(4:19)
214bm(3:42)
215bm(2:42)
繋ぎ版 6:16 11:04 5:32 8:46

CD1について会報より抜粋。
 「東京、新橋にあったフランス料理店のその大理石のフロアに置かれていた蓄音機の再生音が、そのレストランのもつアーチ型の天井に響く音も含めて、これまでになかった音でこのレコードを再生。その蓄音機による再生音を最良の音で収録。」
その会場で鳴っている雰囲気、空気を感じることができる。

CD2
第1楽章のピッチはこちらが正常。その分WFJ-18よりも落ち着いた雰囲気となる。
音色やVnの浮揚感、音の鳴りの良さは、WFJ-18が勝る。

当盤推奨度:★★★

2
BPO
1937.10.8
演奏について
ベートーヴェン・ザールでのSP録音

凝縮された表現、緊張感ある。加えてこの時期のBPOの結晶化された、一つにまとまる音色。ゆったりと聴けるような演奏ではなく、造形が堅固なためであろうか、「神経質」との評価もある。

機ゼ臑蝓1回目は短く2回目は長いのだが、その短さはフルトヴェングラーの演奏中最短。
第1主題1回目の終わりのVnのスラー。
第2主題、Vnの夢幻的な音色。そこにクレッシェンドしてくるDB。その高低、左右のコントラストの大きさ。そしてそれがffで見事に融合する。
リピート部、第1主題1回目、提示部よりVnの音量が抑えられ、スラーも弱い。意図的にコントラストをつけたのだろうか。
供Vcのマイルドなとろけるような音色。
Trpは遠くfの凄みのある迫力はない。代わりに低弦が充実してよく響く。アンサンブルの緻密さと精度の良さも明らか。
180小節、VcとDB→Va→第2Vn→第1Vnと推移するフレーズの各楽器の音色とまとまりと変遷の見事さ。
掘ゥ曠襯鵑榔鵑で鳴り、手前でDBがよく鳴っていて、遠近感がある。立体的な音響を志向したのだろうか。
VnとDBの大きなコントラスト、こちらは左右への広がりだ。
SP録音でありながら、遠近、左右、高低の大きな広がりがある。これは当時のBPOのこの各楽器が一つにまとまり太いという性能の上に成されている。
ブリッジ部、Vnの透明さ。
最初のffで、それら遠近・左右・高低が一つに見事に融合する。
明るいVn、地を這う太さの低弦、奥行きを与える金管。
展開部、114小節(2:38)のTiは控えめの扱い。
2:50-Vn、DB、Trpで形成される見事なトライアングルのバランス。DBの音色とフレーズをお聴きいただきたい。
弦、木管1本の線になり、再現部で再度、一つに融合する。
ベートーヴェンの意図した音響設計の構築と言えるのではなかろうか。

宇野功芳「フルトヴェングラーの名盤」より。
 「全盛時代のベルリン・フィルだけに、響きがすばらしく、アンサンブルも練れ、フルトヴェングラーの表現も熟しており、最も整然たる演奏といえよう。ことにマイクの位置も関係あるのだろうが、ティンパニーと金管が弱く、弦主体の上品、典雅なバランスが目立ち、フルトヴェングラーの体臭の面では物足りなさを感じさせる。 但し、スケルツォの再現冒頭の大きなリタルダンドと、フィナーレ結尾部の激しい加速は1回目の録音には見られなかったところで、ここだけとってつけたようにおかしい。造形上の問題もあるが、それよりも、そうした極端な解釈を内面から支えるべきエネルギーの不足によって、デフォルメされた形だけが浮き上がって聴こえるからであろう。」

ジョン・アードイン「フルトヴェングラー、グレイト・レコーディングス」
 「まるで音楽の神経末端をむきだしにするかのように、第1楽章の演奏が強烈さを増している。アタックは鋭利で、極端なダイナミクスや速度設定も少なく輝かしさと明瞭さの点で最高の1枚である。燃え上がるような激しさを持っていながら、古典的な抑制感が勝っている。リタルダンドの回数は少ない。59小節のホルン・ソロ、268小節のオーボエ・ソロ、節目を刻む瞬間も見受けられる。大きな終止点に達するまで、絶えず動き続けている不断の演奏。」

諸井誠 「フルトヴェングラーの『運命』」より抜粋
 「第1楽章。全体に古典的格調が高度に保持された好演である。それは、提示部と再現部の差をできるだけなくしていることにも現れている。そのため、かえって「フルトヴェングラーらしくない」という印象を与えるかもしれない。
 第2楽章。フルトヴェングラーの8演奏中最も速い10分5秒。第1楽章の場合同様、「フルトヴェングラーらしくなさ」が感じられる。コーダ(39−48小節)も完全にイン・テンポ。いわゆる数えている演奏なのである。録音技術の著しい進歩で、SP時代のものでありながら、バスはすでにしっかりした音で聴けるし、細かいニュアンスもよくわかる(以下略)。
 第3楽章。主題前半4小節はイン・テンポで静かな予感に満ちてチェロとバスで奏される。後楽節は第1Vnに旋律が移って、心持ち音量を上げ、わすかなクレッシェンドと、明確なリテヌートを伴って奏される。このリテヌートの開始点が問題なのだが、フルトヴェングラーは概して譜面より1小節早く、第6小節から始めるのである。そのために、問いにあたる前楽節と、答えにあたる後楽節との間に、はっきりしたコントラストが生まれ、和声的動きが、ひときわ感情の豊かさを示すことになる。
 第4楽章。頗る男性的な快演であり、骨太に造形性を強調している。従って、再現部に先立つ、第3楽章回想部分もあまり情緒的に強調せず、淡々と演奏している。」

日本フルトヴェングラー協会 WFJ-15/16 田伏紘次郎氏の解説
 「51才のフルトヴェングラー博士と、すでに多くの非凡なユダヤ系奏者たちが退団したため、最絶頂期とはいえないが、ベルリン・フィルとのやはり全盛期に近い条件による演奏だけに、全奏者と一心一体と化し、いかなる細部までも冴え渡った緻密な周到さは、ライブ録音の諸レコードには見られない(特に細部と弱音では博士の異常なほどの神経が打ち震えている)博士の主観の徹底した演奏である。」
 「第1楽章冒頭の4小節からなる運命のテーマの提示は、いかにも全曲を支配する独特の引き出し方であって、自論を体現している以外にないものである。
 第2楽章は微に入り細に入り、殊に弱音に異常な神経が色どられているのは、苦悩するベートーヴェンの心を、悩む我々現代人の心に引き下ろし、かつ、説得して我々の共感を呼び覚ますものであって、おのづとテンポは誰よりも遅くなり、刻一刻と作品を掘り下げて行く。このように緩徐楽章では、演奏家の精神面の次元が赤裸に表れるのであり、博士ほどこの楽章を徹底的に蘇生した演奏は他にない(当楽章で奏者?の咳払いがこれほど明瞭にきこえるこの再生音は、どんな収録音でも完全に収録している証拠の一つである)。
 第3楽章はむしろ普通に近いが、終楽章への最弱音から最強音へのブリッジパッセージの真の迫力、そして壮大な主題の提示から運命との壮絶な闘いを克服し、コーダは圧倒的なクライマックスを築き上げて(そのためにテンポが急変して効果をあげる)、遂に全曲を閉じるのである。」

同演異盤CD比較
1.NOVWLLO RECORDS NVLCD-904 リマスター:オバート・ソーン ×
2.東芝 TOCE-6055 ☆
3.東芝 TOCE-11010 
4.東芝 TOCE-3727 オカザキリマスター ×
5.新星堂 SGR-7180/82 △
6.BIDDULPH WHL-006/7 リマスター:オバート・ソーン ×
7.DANTE NYS-072 ×
8.IDI IDIS-277/8 ×
9.TAHRA FURT-1032/3 ×
10.MUSICBRIDGE MB-4301(6CD-R) △
11.HISTORY ×
12.日本協会 WFJ-15/16 ○
13.OPUS蔵 OPK-2037 ×
14.NAXOS 8.110879 リマスター:オバート・ソーン ×
15.ANDOROMEDA ANDRCD-5008(6CD) ×
16.GRANDSLAM GS-2012 ×
2
BPO
1937.10.8
東芝EMI
TOCE-6055

7'31 10'06 5'41 8'00

音がダイレクトに鳴る。
Vnの高音は甘美な音色で抜けが良い。低域は高貴で柔らかな音色で明瞭明晰、解像度が高い。高低の対比が鮮明で大きい。
ホルンは奥から響き、奥行きのある音響空間として再現される。
遠近、左右、高低の対比を計算した演奏の醍醐味を聴ける。

機Vnが明るい音色で疾走する。緊密なアンサンブル。
第2主題、Vnの夢見心地な音色での歌。Vc・DBも明瞭に聴こえる。
展開部、高から低、低から高へと旋律が明瞭に歌い抜かれる。
コーダ、Vnの夢幻的な高音とソフトな低域が織り成す、サウンド美。
供Vcの音色は明るさもあり、これが本来の色彩的なサウンドであろう。
豊かなDB。
掘ニかなDB。Trpは奥から聴こえる。
トリオ、高低の立体的な音響の見事さ。
pizzからブリッジ部、鮮度の良い、臨場感ある音。
6小節からのVnの上昇部の歯切れの良さ。1音1音が明晰に音化されている。
第2主題、Vnは高音で明確に主張する。高低の対比が大きさ。

長野S氏「良質の金属原盤から復刻したと思われる。低音の厚み、高音の伸びも良い。」

当盤推奨度★★★

◆ Coupling: ロマンスレオノーレ第3番
2
BPO
1937.10.8
BIDDULPH
WHL-006/7

1937.10.8/11.3表記
DB3328/32S (2RA 24335/43)

7'37 10'11 5'49 8'08

NAXOSのマーク・オバート・ソーンの旧リマスター。
ノイズは少なく音に厚みはあるが、その分、音色は暗くモノクロトーン。
Vnの高音など楽器の色彩感がない。

当盤推奨度 なし

◆ Couplimg:戦前HMV録音集
 ワーグナー「トリスタン」、「パルシファル」、チャイコフスキー「悲愴」
2
BPO
1937.10.8
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

7:35 10:11 5:49 8:06

TOCE-6055のコピー?
音圧が高い。
TOCE-6055より音が粗い(迫力はあるが、ベールのかかったような音)。

当盤推奨度★★☆

◆Coupling:Sym.5 全演奏
2
BPO
1937.10.8
新星堂
SGR-7180/82

7:31 10:04 5:44 8:02

新星堂によるSPからの復刻盤。

復刻に使用されたのは金属原盤からLPと同じ塩ビ盤にプレスされたもので、従来のSP盤と比べて音質が柔らかくノイズも少なくなっている。

ノイズは大きい。
低域は重厚で暗めであるが、その暗さ、重さ、重々しさを超越した美しさがある。
Vnは、明るい黄金色かつ浮揚する音色。

機OPUS蔵盤では重々しいが、こちらでは重々しさの中から湧き上がる美しさと柔らかさがある。それによって重さと暗さを相殺している。OPUS蔵盤だと重さが目立つ。
供ニ粗のVcの音色に引きこまれる。リズムも決まっていて、引きずるような重さがない。
.主題も明るい音色でここにふさわしい。
全体的に、柔らかさと美しさ+重厚さのバランスがとれている。

当盤推奨度★★☆

◆Coupling:「合唱」(1937)、「悲愴」、「トリスタン」、「パルシファル」
2
BPO
1937.10.8
日本協会
日本フルトヴェングラー協会

WFJ-15/16

7'26 9'58 5'39 7'65

機2RA2335-3/36-3A
供2337-2A/2338-4A/2339-3A
掘Electrola 2RA-2340-1/HMV 2RA2341-3A
検2RA-2342-2/2343-2A
掘HMV 2RA2340-1A(4'06)/Electrola 2RA2341-3(3'35) 収録

厚みと密度のある音。低域の解像度が良く、細かな音型まで手に取るようにわかる。

機ゼ臑蠅蓮崔,つける」ように置かれる。高低の対比が鮮明に決まる。
第2主題、Vnの浮遊感と温かみのある音色でのレガートな流れはすばらしい。
その美しさの中からVc・DBが主題を奏していく様も明瞭。
供Vc、温かみのある密度の濃い音色。DBも逞しく響く。ffでのDBの逞しさ。 Trpとの重層的な響き。
掘Vc・DBがふくよかな音で全面に広がる。
ブリッジ部のVnの美しさ。
検ffのソフトな大爆発。1音1音がしっかりと音化されている。
第1主題、Vnのビロード色に輝く、輝かしい響き。Vc・DBの対旋律も明瞭。
ホルンが奥から響いてくる立体的な音響空間。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:バッハ 「アリア」、ブランデンブルク協奏曲第3番
 ロッシーニ 「泥棒かささぎ」、「セヴィリアの理髪師」、ベルリオーズ「ラコッツィ行進曲」
 ブラームス ハンガリー舞曲第1番、第10番
 チャイコフスキー 「悲愴」
2
BPO
1937.10.8/11.3
TAHRA
FURT-1032/33

7'37 10'13 5'49 8'08

HMV DB3328-3332S

浮遊感ある飛翔する高音。低域は不足。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:Sym.5(1943.6 / 1954.5.23)
2
BPO
1937.10.8
OPUS蔵
OPK-2037

Mat.HMV 2RA2335-43

SP盤起し。
音圧と入力レベルが高い。ドンシャリ音で、低弦の迫力はあるが、解像度は悪い。
弦の滴るような音色は減退している。
フルトヴェングラー劇場では、「暖かい音」と「色彩の豊かさ」と評価されていた。

機ヂ2主題のVnなど音色に潤いはない。
掘ツ禪垢浪擦妨みがあり重厚に響くが、不自然に大きすぎる。
検ソ奏部の上昇音階部分のVnの伸びがすばらしい。
その後のホルンのファンファーレ部分の音が弱いのが残念。
その後も金管が遠い。Vnが入る部分で低弦の分離が悪くなる。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:エグモント(BPO 1933)POL735-36BE、コリオラン(VPO 1947)HMV 2VH7101-02
2
BPO
1937.10.8
NAXOS
8.11.0879

7:38 10:12 5:48 8:08

マーク・オバート・ソーンによるリマスター。

遠近、左右、高低の広がりがわかる。(録音時に意図されていたのではないか。)
新星堂盤でノイズに埋もれてしまい、OPUS蔵ではアナログ的なLP再生となってしまい損なわれていた立体的な音響はわかる。

当盤推奨度 なし(2005.01.28)

◆Coupling:フルトヴェングラー ピアノと管弦楽のための協奏的交響曲 第2楽章
 ワーグナー 「パルジファル」第1幕への前奏曲、「聖金曜日の奇蹟」
 (「聖金曜日…」の原盤第3枚目は米RCA盤と同じく、Matrix2746-2Aを使用)
2
BPO
1937.10.8
GRANDSLAM
GS-2012

7'35 10'11 5'43 8'02

Electrola E90995
DB3328/32(2RA2335-3A,2336-3A,2337-2A,2338-4A,2339-3A,2340-1,2341-3A,2342-2,2343-2A)

高低の音色さが明瞭にある。
テーマは沈み込む。
第2主題のVnは浮揚する。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:ブラームスSym.4

3
BPO
1939.9.13
TAHRA
FURT-1014/15

7:44 10:12 5:35 8:04

フィルハーモニーでの聴衆なし放送用録音。

75回転盤(マトリックス:EA55971-55980)の内7枚目は喪失されたため、 第4楽章486-668小節(113-295小節)を、1937年盤の同じパッセージで修復している。

ノイズが持続する。聴衆のノイズは皆無。
入力レベルは低く、音像、音色とも弱い。

機ケ震親圧,藁れるように奏される。
第1主題、浮揚感ある追い込みの迫力。
第2主題、後半のアッチェレランド。
提示部 3'06(1回目 1'32)。
展開部、休止部までの推進力とシャープな追い込み。そしてズバッとしたフルトヴェングラー流和音と休止。
303小節はホルンのみ。
供ヌ世襪軽やかなVc。各フレーズはリズミカルに奏される。
掘ppの深遠さ。弦の清らかなフレージング。
スマートでスピード感ある推進力とレガートの流麗さ。
低弦はボコボコし、分離は悪いが、重厚さはある。
ブリッジ部、弱音がさらに弱音に落ち込むようにされる。
検ゥ▲織奪は2小節分長い。Tiが轟く。
Vnの上昇音階の歯切れが良い。エネルギッシュで流麗であり、各フレーズを十分に歌わせている。
113小節-295小節、修復部分は、ノイズが少なく、Vnの高音は澄み渡り、低域の解像度が高い。

当盤推奨度★☆☆

◆Coupling:ヘンデル 合奏協奏曲、 モーツァルト Sym.40、ラヴェル 優雅で感傷的なワルツ
3
BPO
1939.9.13
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

7:40 10:10 5:33 8:02

「TAHRAのコピーと思われる。」

Tiの音が大きい。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:Sym.5 全演奏

4
BPO
1943.6.27-30
演奏
フィルハーモニーホールでの聴衆なし放送用録音

「クラシックCDの名盤」の中で中野雄氏推薦。
弦楽器群の美しさと怒涛のffの一大コントラスト。
凝縮ではなく、広がりを目指すようでロマン的。

機ツ鷦部、レガートでヴィブラートぎみの弦の音色が印象的。広がりがある。流麗なフレージングで随所に美しさを感じさせる。
第2主題、夢見るような境地の美しさ。
再現部、第2主題前の大迫力。一転、第2主題の美しさ。
コーダの「ザ・ザ・ザ・ゾーン」の大迫力。
供ニ粗、Vcの音色は明るめであるが、そのカンタービレは「悲しみ」を醸し出す。 金管が明瞭でリアル。
Trpの驚天動地の大ff!!!その後の弦楽器群の静寂。フルトヴェングラー流ダイナミクスの絶大なるコントラスト。
コーダ、リタルダンドと長いパウゼも印象的。その後の闇夜をつんざく大ff。木管ソロとその後の金管のff部はステレオ並みの音響効果。最後のザーンもすごい。
掘ツ禪垢稜力。舞い上がるVnと地を這うDBのコントラストと左右上下の広がりあり。 pizzも明瞭で音色が良い。
リタルダンドなく、自然に犬悵楾圓垢襦Tiの細かな音型の明瞭さ。
検テ各の大迫力。金管の生々しい大ff。迫力、美しさ、広がりのすべてにおける最高度の音楽的表現。その有無を言わせぬ大迫力に圧倒されるのみ。
コーダ、アッチェレランド、リタルダンドの決めの凄さ!
美しさと迫力、構成力ではフルトヴェングラーの同曲演奏中ベスト。そのエネルギーの発露に圧倒されるのみ。

諸井誠「音楽の聴き所 交響曲 フルトヴェングラーの第5」より
 「第1楽章、この緊迫感に満ちた、ヒロイックな演奏は、全体的に遅めであり、底流に は、悲愴感が漂っている。基本的なテンポの揺れが比較的大きいのに対して、乱れがほとんど感じられないのが凄い。コントロールのいい演奏なのである。しかし第1主題の末尾のフェルマータに入るところとか、、再現部冒頭のフェルマータとか、終結部とかに、思い切った粘りがあるので、全体的にメリハリのきいた、壮大な悲愴感が出てくるのである。戦前の二つの演奏に比べて、大きな内面的変化が感じられるのは、戦前と戦中の人間的変容とみるべきだろう。57歳のフルトヴェングラーは戦争という一大ドラマの中で、内的変容を余儀なくされているのだ。それが演奏様式に根底からゆさぶりをかけた。
 第2楽章、非常に感情豊かな、起伏の幅の大きい、いかにもフルトヴェングラーらしい名演であり、この楽章としてはベストといえる。コーダの前半を閉じる第227-228小節の休符の間に大きな沈黙をもたらすリテヌートは印象的。この前後の深い感情表現のスケールは、ロマン派の情感の最深部に達して絶妙。忘れなれない印象を残す。その他の部分でもppからffへの急激な変化が、これほど見事に表現された例は稀であり、フルトヴェングラーの充実した内容と表現技術のバランスが絶妙にとれていることが証明されている。
 第3楽章、基本的コンセプトは、戦前2演奏と変わらないが、テンポが遅く、全体に悲愴壮麗な印象を受ける。トリオも心なしか徐行であり、歯切れよさより力強さが強調されている。戦争末期の特殊情況の反映がここにもはっきりあらわれているわけで、暗い運命を背負って重い足取りで歩みを進めているような印象を受ける。
 第4楽章、ヒロイックで重厚。ダイナミックスも割合クレッシェンドやディミヌエンドを強調している。例えば、回想に入るちょっと前のffを、いったんpに落としてクレッシェンドするなど、オリジナルにはない演出を加えて、緊迫感を強調している。全体に劇的表現が勝っていて、演出の木目が細かい。プレストはたいへん速い。」

アードイン「フルトヴェングラー、グレイトレコーディングス」
 「この交響曲の内的風景図をフルトヴェングラーが描き直したことがわかる。 金管の大音響、爆発するff、御影石を思わせる和音など、スケールは「ウラニアのエロイカ」に匹敵する。ここでもフレーズは、長い音符の間をはっきり、しかも頻繁に区切りながら(180小節のVn)、長いクレッシェンドをかけることで重たく、劇的な効果を出している。第3楽章に入ると拡張感が出てアクセントも強くなり、フレーズ間に余韻が残る。
 第3楽章は最も変化が少ないが、フィナーレへの移行部は説得力にあふれ、第4楽章の幕開けには強烈な日差しのような和音が差し込む。この楽章で初めて導入された解釈は、程度の差こそあれフルトヴェングラーの第5番を特徴づけるものとなった−それは106小節から始まるVnのリタルダンドで、元の速度に戻るまで6小節近く続いている。この演奏では、123-129小節と240-244小節のトロンボーン・パートにスフォルツァンドがかけられていること、また140-143小節で1度デクレッシェンドした後でクレッシェンドしている点である(規模は小さいが302-303小節にも同じ処理)。Vnの旋律的なパッセージにスラーをかける特徴も多少残っている(339小節など)が、これは演奏スタイルというより表現の必要上出てきた扱いだろう。」

文春新書「クラシックCDの名盤」中野雄氏
 「音楽に何を求めるのか。感動か、慰め、はたまた娯楽か。曲に向かい合う聴き手の精神的姿勢如何によって、選ばれる演奏の質は変わる。ベートーヴェンの音楽を聴いて「この世に生きること」に思いを致したいとするなら、音が多少悪くとも選択はこの1枚(戦時中極限状態におけるライブ)しかない。「戦後復帰コンサート3日目」がこれに次ぐ。作曲者が曲に託した思いが、迸る音符の一つ一つに生き、私たちに語りかけるようだ。」

MELODIYA MEL CD 10 00720 川上剛太郎氏の解説
 「田伏紘次郎氏は、『フルトヴェングラーのレコード化された同曲の録音の中で最も名演と断言する。どの演奏よりもスケールが雄大で、細部も微に入り最も緻密、そして第3-4楽章のブリッジ・パッセージに於ける漸強の自然な移行ぶりから最強の頂点で圧倒的な第1主題の奏出、更にコーダでみるみるうちにテンポをたたき込んでクライマックスへもって行く巨匠ならではの天馬空を馳けるともいうべき名技は、史上2度と聴くことはできないであろう。』と述べている。」

音質比較
WING WCD-203 解説より
 「テープ音源系ではモスクワ放送経由の独DG社のものと旧西側放送局のコピーテープを発掘した仏TAHRA社発売のものが代表的である。しかしながら前者は奇妙な残響の付加とノイズカット、後者は色合いに乏しいマスタリングで硬質な響きになっており、いわゆるプリメロディアレーベルとして1959年頃からソ連で発売された最初期プレスのLPには及ばない音質となっている。」

系列と主なCD
1.ユニコーン原盤
 EMI CE28-5748/9
 TOCE-8520
 TOCE-3732(オカザキ・リマスター)
2.返還テープ系
 DG 427 775-2
 DG 国内盤 F20G-29088
 DG 471 289-2(4CD)
 DG POCG-30070 UCCG-3686
3.MELODIAテープ系
 MELODIYA MEL-CD 10 00720
 RCD-25011
4.新テープ系
 TAHRA TAH-272
 TAHRA FURT-1032/3
 TAHRA FURT-1034/9
 MUSIC&ARTS CD-824(2CD=CD-4824)
 MUSIC&ARTS CD-4049(4CD)
 DANTE LYS-065
 IDEA DIM-6105-2
 ARCHIPEL ARPCD-0115-2
 EMI(IMG Artists) 5 62875 2(1944.2.7演と表記)
 ANDOROMEDA ANDRCD-5061(6CD)
 ベルリン・フィル自主制作CD BPH-0604
5.盤起し系
 SERENADE SEDR-2011(メロディア ピンク?)
 MYTHOS NR-9000-1/4(灯台)
 MPCD-9019
 MYTHOS-LORD NR-9000-19GH(VSG)
 OPUS蔵 OPK-7001(聖火)
 VENEZIA V-1021(灯台)☆
 DREAMLIFE DLCA-7006(SACD メロディア ピンク?)
 GREENDOOR GDCL-0017(メロディア)
6.盤起し+ノイズ軽減
 DELTA DCCA-0006(灯台) ☆
 WING WCD-203(リガ) ☆
7.レーザー復刻
 ALTUS ALT-155(レーザー)
4
BPO
1943.6.27-30
MELODIYA
MEL CD 10 00720

8:10 10:51 5:54 8:52

強度のステレオ・プレゼンス。
音量大きく、大迫力で響き渡る。
擬似ステ度が強く、モヤモヤしているのだが、そのモヤモヤとした霞のような下で音は厚く、楽器、高低の分離は良い。しっとりとした厚みのある音で引き付けられてしまう。
最強音で音がかなり歪む。

機ゥ曠襯鵑ソフトに響く。
第2主題、エコーの中からVnの夢見るようなフワリとした音が舞い降りてくる。
展開部、「運命動機」は聴く者を威圧せずソフト。その後のフレーズの追い込みの速さで迫力を感じさせる。
供ゥ皀筌皀笋涼罎ら、Vn、Vc、木管、Trp、ホルンが、厚い音で分離良く登場してくる、摩訶不思議さ。
掘Vc・DBの迫力と滑らかな流れの良さ。高低の分離も良く、立体的。
検ズ廼音での音割れが惜しまれる。演奏自体の流れの良さはよくわかる。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:ブルックナー 「第6番」
4
BPO
1943.6.27-30
RCD
RCD-25011

8:00 10:51 5:55 8:13

MELODIYA盤のコピーとされる。
MELODIYA盤からエコーを取り去り、ノイズを除去している。
よって、モヤモヤはなく、クリアな音であるが、楽器の音色はない。
ダイソー100円CDの数歩手前程度の音質。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:ブルックナー 「第6番」
4
BPO
1943.6.27-30
DG
427 775-2(F20G-29088)

SFBに返還されたデジタルコピーからのCD化。

OPUS蔵 末廣輝男氏の解説より
 「第1楽章冒頭はフルトヴェングラー式アインザッツから生まれたとは思えないもので、フェイドイン気味にボーと始まる。同じく第2小節、最初のフェルマータの余韻がばっさりと切れる。442-3小節の2小節にわたって(7分08秒)音質劣悪でテンポも違うフレーズが突然飛び出す。また全体を通して過剰なエコーが付加されている。それらの特徴は黒レーベルLP(M10-05800)あるいはCD(MEL CD10 00720)と同じである。」

当盤推奨度 なし

◆Coupling:Sym.7
4
BPO
1943.6.27-30
MELODIYA
MEL CD 10 01110

8'00 10'51 5'55  8'03

2006年11月再販

旧盤より擬似ステ効果が強くなっており、音色は薄くなっている。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:ブルックナー 「第6番」
4
BPO
1943.6.27-30
TAHRA
FURT-1032/33

8'10 11'09 6'01 8'12

テープ系音源。
低域は響きに質感がありソフトで重厚、迫力ある音。地鳴りのように豊かに凄まじく響く。
反面、高域はややかすれており、Vnの飛翔する音色は不足する。
テープ音源系の中ではベストであるが、モコモコした鈍い音で、限界も感じさせる。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:Sym.5(1937 / 1954.5.23)
4
BPO
1943.6.27-30
TAHRA
FURT-1034/39

8'07 11'07 6'01 8'09

FURT-1032/33同音質

当盤推奨度 なし
4
BPO
1943.6.27-30
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

8:06 11:06 6:00 8:09

「TAHRAのコピー」

ステレオ・プレゼンス。

当盤推奨度★★☆

◆Coupling:Sym.5 全演奏
4
BPO
1943.6.27-30
SERENADE
SEDR-2011(CD-R)

8'06 10'57 5'56 8'11

メロディア ピンクレーベルLP盤起し

ストレートな盤起しでアナログ的な温かみのある音。
ホールトーンが心地よく聴ける。
高域の伸びは良く、低域はポンつかず増幅の不自然さもない。

当盤推奨度★☆☆

◆Coupling:「第5」(1926)(写真のSP盤起し)
4
BPO
1943.6.27-30
OPUS蔵
OPK-7001

MELODIYA青大トーチ盤起し

8:09 11:02 5:57 8:07

音像大きいながらも柔らかい音質。音色感もある。

機シ固なフォルム。絶叫ではなく穏やかさがある。瑞々しくソフトな音色との絶妙のバランス。
冒頭4音の後の主題は、最初は第2Vnから出て、2回目は第1Vnから出るのだが、音色の違いも明瞭。
掘Vcの音色がマイルドで明瞭。Vnとの掛合い部も生々しい。
ブリッジ部分の透明感。
検ffでも音が歪まない。が、パチパチノイズも大きくなる(他の部分にはないが)。
金管は完璧に鳴り響く。
ノイズ大きいながら音質明瞭。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:「田園」(1944)
4
BPO
1943.6.27-30
IMG (EMI)
IMG Artists 7243 5 62875 2 5
国内盤 CZS 5628752
「GREAT CONDUCTOR」シリーズ。

1944表記であるが、上記日付が正しい。

当盤は、TAHRAと同じテープ系からの復刻。
リマスターは、TESTAMENTのリマスターを手がけている、ポール・ベイリー。

TAHRA盤と比べると、「キンキン」する歪みがなくなったが同時に高域の抜けと、闇夜をつんざく大ffの迫力も減退した。
反面、低域は不自然なほどに厚みを増したが、各楽器の分離の悪さ(団子状態)を音像の厚みでカバーしている(ごまかしている感じ)ようだ。

「フルトヴェングラー劇場」では、
「冒頭の和音のズレをヤマハが出した UNIC 106 (69.10) 以上にシャープに削っている。ちょっとやり過ぎだ。第2楽章でのトランペットのトチリを修正している」
と述べられている。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:「英雄」(1953)「合唱」
4
BPO
1943.6.27-30
VENEZIA
V-1021

8:05 9:58 5:08 8:50

MELODIYA 「灯台」レーべルLPからの盤おこし。

音像厚く、芯がしっかりしている。ダイナミックな迫力と柔らかさのある音質。
線は細いながらも、輝かしい音色。耳をすませば、各フレーズのディーテイルまで浮かび上がるかのよう。
.第1主題、第2主題のVnなど、美しい音色なのだが、音色の範囲が狭いというか線が細い。
供ニ粗Vcは、柔らかな音色。OPUS蔵盤より音色が明瞭にある。
木管、Vn、Vcなど各楽器の音色、楽器間の分離も良く、音の情報量も多い。
検ゼ全兇△蝓ffでも音が歪まず澱まず、明瞭。圧倒しすぎる迫力ではなく、情報量の多さで勝り、音の流れに安心して浸れる。
コーダの金管も輝かしい。
柔らかな質感とダイナミックな迫力ではベスト。

当盤推奨度★★★ (2004.12.02)

◆Coupling:第4番
4
BPO
1943.6.23-30
DREAMLIFE
DLCA-7006(SACD仕様)

「MELODIYA D05800-1」と表記だが、真相は不明。

「最後期の、奇妙な音のLPを復元しただけで、今はテープ系(DG盤)CDが出ているので、同等の音質に盤面ノイズを加えたものをSACD化」したとの評もあり。

8:11 10:59 5:55 8:06

SERENADEの音の作りの延長。
音量大きく鳴りっぷりは良いが、空間が狭く、広がりはない。
もやもやとマスクされた感がある(音量を上げるとマスク感がより強まる)。
アナログ的志向。OPUS蔵を全面拡散型とすれば、こちらは一点からの放射拡散型。
「ウラニアの英雄」で言えば、東芝CE28の音作りに類似。
中央の核の部分から、大きな音が放射されてくる。その音量の大きさと迫力、 主旋律は太く明瞭になるが、対旋律は埋もれ混沌とする。
ffでは音量大きく大迫力なのだが、楽器の分離は混沌とする (本来の情報量は、音量の大きさでカモフラージュされる)。

当盤推奨度 なし(2005.02.02)(提供=NS様)

◆Coupling:第4番(ライブ)
4
BPO
1943.6.27-30
DELTA
DCCA-0006

MELODIYA D05800-1(青色灯台盤ガスト56)からの復刻。

「PLEXMASTER」と表記。

8:08 11:03 5:57 8:08

機ザ舛が柔らかい。タタタターンの「ン」の伸びがきれいに入っている。
第2主題前のホルンと、第2主題のVnと木管の美しさ。対旋律のVcとDBのソフトさもわかる。
今までもやもやしたものが取り去られ、そのベールが取り去られて、美しい一輪の花が明瞭になった印象。フレーズの推進力、フレージングの清々しさ、会場の臨場感。
本来この日のこの演奏は、このように美しい音色とサウンドのものだったのだ。
供Vc、何とまろやかでソフトな音色なのか。ノイズカットで音色カットでない証左。
金管、輝かしいが威圧感と混沌感なくなり、丸みを帯びた
人によってはOPUS蔵のような前面に出て来る迫力が減ったといわれるだろうが、実はそれは、ぼやけた音像にだまされていたのであり、このffの響きが正しいのでは。
4:56-のVcとDB、5:16-(114小節、1拍遅れて入る)DBもボゾボゾ言うことなく明瞭。
127小節からdolceでCl→Bn→Fl→Obと移り変わるフレーズ、また180小節(8:04−)、VcとDB→Va→第2Vn→第1Vnと推移するフレーズの各楽器の明瞭さと清々しさに、ほれぼれする。
掘ゥ曠襯鵑Trpの音色の輝かしさ。これもベールが取り去られたようだ。
2:14-、2:24-で先頭に出るDBの明瞭さ。これがこの時期のDB軍団の太くまろやかな音色だ。
検ゥ屮螢奪孤瑤らの盛り上りの凄さ。ここでの「凄さ」とは前面に出て来る混沌とした迫力ではない。音の「情報量」の多さであり、ステレオ録音と遜色ない。
コーダ、混沌とした迫力ではなく、金管が明瞭明晰に整然と鳴り響く。

全体に言えることだが、金管、木管群1本1本、一人一人の名手の力量が明瞭明白。
低域の混沌感がなく、Vc、DBの音の分離が良く明瞭。
ppでのフレーズがより繊細にわかる。
細部に至るまでの明瞭明晰な音と情報量の多さで、同演異盤他CDを凌ぐ。

当盤推奨度★★★ (2005.02.01)

◆Coupling:第4番

Pauker氏
 「同じ灯台レーベルからの復刻では,MYTHOSとの聴き比べになりますが、MYTHOSがことこの43年運命に関しては強音のビリつきが多く、ダイナミクスも乱れているのに対して、このデルタ盤はダイナミクスに説得性があります。そのうえでベルリンフィルの豊かな低音が音楽を重々しくせずに、弾むような軽やかさ、推進力をもって伝わってきます。突き抜けるような管打の響きはこの盤では解像度を保ったままオーケストラと見事に同期しています。
この演奏では,テープ音源のTAHRA盤が、同社の復刻としてはダイナミクス・バランスとも、かなり良好だったのでそれを聴いていましたが、今後は,音色の点で上回るデルタがリファレンスとなりそうです。」
4
BPO
1943.6.23-30
GREENDOOR
GDCL-0017

D10851-3

8:05 11:01 5:58 8:09

長野S氏による音質評価
 「全体に音量のレベルが非常に高く、重戦車が走ってくる雰囲気です。メロディア最初期盤オリジナルは冒頭の開始はレベルがそれほど高くなく、次第に音量が増してくるのですがこのCDでは最初から力一杯の演奏に修正されています。
ダイナミックスはかなり調整されていて強音部分のピークは頭が揃っています。弱音部分はレベルが持ち上げられていて強弱のニュアンスは相当デフォルメされているように感じます。
ガスト68盤より収録とのことで、盤面のチリチリを抑えるためでしょうか高域のレベルは高くなく第二楽章のトランペット強奏も鈍い印象です。鮮明さを求める方には物足りないCDかもしれません。」

当盤推奨度 なし

◆Coupling:ブラームス 「ハイドンの主題による変奏曲」
4
BPO
1943.6.30表記
BPH
BERLINER PHILHAMONIKER

BPH-0604

Transfer and Digital Mastering: Wolfgang Hoff, Ricarda Molder

8'10 11'07 5'58 8'10

ステレオ・プレゼンス。
音に厚みはあるが、全体にモコモコした音。
音色は均質化、漂白化している。

機ゥ粥爾箸いιを切るようなノイズが持続。
展開部のVnの色彩感なし。
掘ソ世蕕なVcと飛翔するVnのスリリングな対比が魅力なのだが、音色は削がれている。

NS氏コメント
「第1楽章、冒頭の出だしが改変されている。第1小節、第3小節の両方とも加工されていて違和感が大きい。全体に暗いイメージの音質。
最高域は早めにカットして低域は強力にブーストしている。ドンシャリのドンが強いが細かな音もカットされていて耳あたりのみ良いCD。」

当盤推奨度 なし

◆Coupling:Sym.1(1954.9.19)、「ダフニスとクロエ」
4
BPO
1943.6.27-30
DIEM
DIEM-6105-2

8'00 10'58 14'05

MELODIYA LP盤起し。

擬似ステ。
「ステレオカートリッジで収録」されているということで、 スクラッチノイズが宙を飛ぶかのように左右からパチパチ持続。
空間が広いが、電子的な音で、ホールトーンや臨場感はない。
高域強調だが、音色は金属的。低域は単なる「音」で音色はない。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:Sym.4
4
BPO
1943.6.27-30
ALTUS
ALT-155

8'04 10'57 5'57 8'05

レーザーターンテーブルによる盤起し。
LPノイズとは異なるボーボーというノイズが大きい。

NS氏コメント
「凄い加工が施された奇妙なCDになっており、レーザー再生 云々の前に音そのものが異様になっているためオリジナル盤の良さを尊重している様子は全くうかがえない残念なもの。
全体の音量レベルが思い切り高い上、低音部、中高域の増強、最高域の持ち上げなどいじり放題の復刻盤。ここまで改変しないと音にならないの(だろう)。」

当盤推奨度 なし

◆Coupling:「コリオラン」9'15
4
BPO
1943.6.27- 0
WING
WCD-203

8:09 11:04 14:05

解説より
「リガでプレスされたガスト56規格のレコードで音楽評論家浅岡弘和氏秘蔵版」より復刻。
「このリガプレス復刻盤の鮮明で硬さのない中高音(高音の繊細感では最も優れている印象)と自然で豊かなホールトーン。」

音は柔らかくまろやかでふくよか。高域の空間と伸びも格別。各楽器の音色と分離も明瞭。
DCCA-0006(灯台レーベルLP盤越し+エンジニアの緻密な作業による大きなノイズ除去)の鮮明な音とは異なる柔らかな音で、原盤の違いによる音の違いもよくわかる。

機ヂ1主題後のホルン、第2主題のVnなど、とろけるようなふわりとした音。
展開部、運命動機の最後の音を伸ばしている部分も音の空間がよくわかる。
再現部のffとティンパニは迫力があり、迫力と美しさが際立つ。
供Vc、ホールに響くまろやかな音色のすばらしさ。
sf、金管も柔らかく、人を威圧することなく、温かな響き。
掘ソ世蕕く威力のある低弦と、浮揚する音色のVn、このコントラストでこそ至芸は生きる。
検ニ粗のTrp、浮揚する音で別世界にいざなわれる。

当盤推奨度★★★ (2009.10)

◆Coupling:フランク 交響曲(1953)

5
BPO
1947.5.25
演奏について
ベルリン、ティタニア・パラスト。
歴史的復帰演奏会初日のライブ。
5.27の演奏よりも即興的な要素が多く、にもかかわらずオーケストラがフルトヴェングラーの指揮に良く反応しており、ある面、感動的。オーケストラの「歓喜」のような表情も5.27の演奏よりも前面に出ている。
各楽器のほのかな明るさ、落ち着きと安らぎある音色が、この日の特色である。「これがフルトヴェングラーの第5」と納得させられる。オーケストラの精度の良さが、他のオーケストラより断然良いのはいうまでもない。
演奏は、自然で雄大なffとカンタービレ。1943より端整で、1954より覇気がある。

機1回目、「ジャジャジャジャーン(ウン)ジャジャジャジャーーーン」、(ウン)と休止が入る。弦からは、またフルトヴェングラーと「第5」を演奏できるという喜び、感動を感じる。その熱気、雰囲気が伝わってくる。
Tiのアクセントが強烈で会場に鳴り響く。
展開部からコーダにかけてのスピード感。
供ニ粗のVcは薄味だが、濃くのある音色。全体として、精美で丁寧な彫刻。
掘イ燭燭澆ける強烈なアクセント。
ブリッジ前の、極端な沈静と、スローテンポ。
検1回目「ターターターアーア」と、3音目が長い。冒頭の雄大さ、ラストのsfとアッチェレランド、それでも乱れぬアンサンブル。
Tiは乾いた響きで、「ダンドンドン」、体育館で響いているようだが、この会場(ティタニア・パラスト)はそのようなものらしい。

KING KICC-2293 岡俊雄氏の解説より。
 「(第1楽章は)出だしから少々肩に力が入っていて少々硬直した感があり、間の取り方は長いというより、重いという感じを与える。オーケストラも幾分緊張気味で、アンサンブルが整然としていないところもある。コーダの前の全休止をびっくりするくらい長くとっているのも目立つが、その前の再現部に入る前のフェルマータは、まるでSP面をひっくりかえす時の小休止みたいに極端に長いのも、この演奏の特徴である。
 第2楽章以降では、「田園」に見られるようなテンポ・ルバートの自由度は意外と少ないが、第3楽章の主題は反覆部を思い切り早くして、ブリッジ・パッセージで息をためるコントラストを作っているのは、典型的なフルトヴェングラー・スタイルといえる。 終楽章の部分的なテンポの変化は、他の「第5」のときよりも、やはり硬直した感じがつきまとう。全身全霊を打ち込んだという感はフィナーレのプレストでようやく実現する。
 フルトヴェングラーがどんな思いでBPOの指揮台に復帰したかということを感じさせるところが非常に多い「第5」である。5月27日録音の方がそのあたりがもっとスムーズに運ばれている。
 Historic Returnという使い古された言葉ではあるが、その瞬間に立ったフルトヴェングラーの心境が、このベートーヴェンの2曲の演奏に鮮やかに反映している録音の意義の大きさを改めて感じさせられる。」

クルト・リース 「フルトヴェングラー−音楽と政治」みすず書房 より。
 「フルトヴェングラーが現れると、ホールをうすめた二千の聴衆はまるで狂気にかられたようだった。立ち上がり、拍手し、大声で叫ぶ。オーケストラの楽員たちも起立した。いまや、聴衆席からの叫び声は一種のレシタティーフとなって高まった。その声は明瞭に聞き取れた。「ここに留まれ、ここに留まれ…」
 フルトヴェングラーはエグモント序曲、田園及び第5を演奏した。演奏が終わったとき、喝采は何時はてようともしなかった。もう聴衆はこのホールから出て行かないのか、と思われるほどの場面が長くつづいた。
批評はどうだったか。いやそれはもはや批評ではなくして讃歌そのものであった。ベルリン最大の新聞「テレグレーフ紙」はこう書いている。「フルトヴェングラー、ベルリンに現れる!待ちに待った音楽上の大事件がとうとうティタニア・パラスト館で行われたのである。われわれはワーグナーの言葉を借りて『昔の時代はよみがえった』と叫びたい。昔のフィルハーモニーの力強い交響的感銘を味わったあの時代が帰って来たのだ。あのたぐいないフルトヴェングラーの暗示力と最高度の表現。不思議にも神秘的なと云うより外のない音楽の祝福が、今またふたたび以前どおりにくりかえされる。そしてフルトヴェングラー自身の言葉を借りていえば、この演奏の中にこそベートーヴェンの音楽の力強い作用力が発揮され、彼の思想は照らし出されるのである。」


◆主なCD
1.FONIT CETRA CDE-1014
次の3種類が流通したようである。
 〜干攵5.25演奏 日本製 ☆
 1楽章のみ5.27演奏 アメリカ製
 1部5.27演奏
2.日本CETRA K33Y-193 ☆
3.RODOLPHE ☆
4.KING KICC-7091 (1部5.27演奏) ×
5.KING(SEVENSEAS)KICC-2293 ×
6.MUSIC&ARTS ×
7.MUSICBRIDGE MB-4301(CD-R,6CD) ○
8.ドイツ・フルトヴェングラー協会 ×
9.TAHRA ×
10.DELTA △
11.TAHRA FURT-2003 × 「通常では見られないほどの低域と中高域の増強が行なわれている」
音色と響きの質感では、
1=2>7>5
6、8、9、11では、演奏の良さは伝わらない。
5
BPO
1947.5.25
FONIT CETRA
CDE-1014

3種類のプレスがある。
1.Italy by OPTI.ME.S
2.USA by Shape Optimedia.Inc.
3.Japan by Sanyo
イタリア製は、CD再生面の製造に難があり、変色から再生不良になる情報が寄せられている。
USA製は、第1楽章は5.27の演奏になっている。

Mat:K33Y193 A69240 MANUFACTURED BY SANYO JAPAN

7:55 10:32 5:40 7:47

「フルトヴェングラー劇場」では、「日本のSanyo&MemoryTech Corp.製、キングのK33Y 193 (86.10) と中身は同じ」と述べられている。
「フルトヴェングラー完全ディスコグラフィ」及び「フルトヴェングラー資料室」によると、当CDは、「第1楽章は5.27の録音を収録」とされている。
しかし、5.27演奏の1楽章であれば、「運命動機」2回目1音目のフライングがあるはずだが、それはない。
及び下記、CETRA(K33Y193)、KING(SEVENSEAS)盤との比較からすると、
第1楽章は、CETRA(CDE1014)日本製=K33Y193=KING(KICC-2293)=5.25の演奏。

第1、第2楽章と第3、第4楽章の音質は明らかに異なっているのだが、第3、第4楽章の聴衆の咳は、5.25演奏のドイツ協会盤と同じなので、第3、第4楽章も5.25で間違いない。
ちなみにKICC-7091は部分的に5.27の演奏を使用しているとのこと。

軽度の擬似ステでエコーがかかる。音色は太くまとまり、迫力がある。

機ツ鷦部、第1主題、凄い迫力。第2主題へ移行するホルンの柔らかさ。
第2主題のVn、木管群の柔らかさ。
展開部、高低のフレーズが明瞭に聴こえる。低弦が厚く響く。山場の運命動機の大迫力。残るObのはかない響き。
*所有CDは、提示部リピート部の「運命動機」1回目のあとの咳、2:05、2:39、5:04、Obのカデンツァ部の咳などから、5.25の演奏である。
Vcのこくのある響き。Fl、Ob、Clと音色が明瞭。
ホルン、Trp、怒涛のTiの最強音の後の、VnとObの静謐で奥行きのある弱音。
低弦の厚みと威力。
123小節の休止の長いこと。 堅固な造詣と澱みない流れ。強弱高低のコントラストの大きさ。堅固緊密なアンサンブルで出来が良い。
掘ゲ纂舛変わり、曇りが取れ、明るめの聴感。
Vc・DBは生々しく駆ける。
歓喜の凱旋!!!フルトヴェングラーの下で演奏しているとの奏者たちの思いが伝わってくるではないか。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:当日の「田園」
5
BPO
1947.5.25
FONIT CETRA(日本)
K33Y-193

Mat.K33Y193 A69240 MANUFACTURED BY SANYO JAPAN
盤面には「1982 KING RECORDS」表記。

5:55誤植(実際は7:54) 10:32 5:40 7:48

CDE-1014より、ワイドレンジは広く、ステレオ・プレゼンスは軽度。
豊かでふくよかな響きと音色の良さがある。
SEVENSEAS LP K-19C266に近く、オリジナルの良さがある。

第1楽章の聴衆の咳やエコー感、第2楽章の1:03の咳、第3楽章の冒頭のきしみと0:47の咳ときしみ、などから、日本製CDE-1014=K33Y193=KICC-2293=5.25の演奏。

弾むようなスピード感。
第2主題、甘美なメロディーライン。

再現部、運命動機部のTiの叩きつけるような響き。
残るObの侘しさ。その後のアッチェレランドなど、自然自在なアゴーギクの見事さ。
Vcの渋い音色。高低とも潤いある響きで対比も明瞭。
DB・VcからVnへの高低の流れの良さ。 ブリッジ部のVnの潤いあるサウンドから、
検ァ峇心遒粒旋」へ。
弦は歌い、Tiは効果的な深い響きを魅せる。ホルンの心地よい伸び。
第2主題、リズミカルで、なおかつ流れも良い。
展開部、2:28、低弦とVnの対比からTrpへの鮮明さ。
再現部、スピード感とその下での一糸乱れぬアンサンブル。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:当日の「田園」
5
BPO
1947.5.25
KING
KICC-7091(1991)

7'55 10'32 5'40 7'47

ジャケットは、CDE-1014と同一。
1部5.27演奏となっている。
時間表記は、CDE-1014と同一。

当盤推奨度 

◆Coupling:当日の「田園」
5
BPO
1947.5.25
RODOLPHE
RPC32522.24

片チャンネル

8'06 10'46 5'46 0'44+7'14

片チャンネルであるが、音は厚みがあり、自然で生々しい。
情報量が多い。

機ケ震親圧2回目の1音1音を置いていく「間」がある。
2'06にウーというこの日の演奏特有の叫びがある。
7'45の運命動機の凄さ。
Vcの豊かな音色。2'30のVcと木管群の麗しさ。 緩い部分の「間」と追い込む部分の切れの良さ。
掘2'22 Vc・DBの生々しさ。
検グ掬歸迫力。

当盤推奨度★★★(提供:M川様)(2006.8)

◆Coupling:当日の「田園」
5
BPO
1947.5.25
KING
(SEVENSEAS)KICC-2293

Mat:KICC-2293-1N V

7:54 10:32 5:40 8:07

エコーはない。ノイズは大きくボヤッとし、音色も薄めである。

機CETRA CDE-1014の日本製及びK33Y-193と比較すると、
…鷦部1回目のタイム(1:36)、
∩澗里離織ぅ燹
D鷦部2回目「運命動機」の際の聴衆の咳と悲鳴(2:02、リピート後の23小節)、
ぢ2主題の時の咳、
268小節のObの際の咳、
ε験部最後の「運命動機」(482小節)の咳、
など、及び、
提示部1回目、2回目ともに最後の小節(123‐124小節)に運命動機が山彦のように2回こだまするのも同じ。
これらのノイズは、5.27の演奏にはない。
以上より、第1楽章は、CETRA(CDE-1014)日本製=K33Y-193=KING(KICC-2293)=5.25の演奏となる。

供VcはCETRAに比べると薄い。10小節や28小節の咳はCETRAと同じ。
掘ダ搭蹐覆觴絏擦ら、ホルンの強靭強烈なフォルテシモへのダイナミックな変化。
検Tiの渋い響き。 第2主題でVnが高音へ昇華していくすばらしさ(1:45)。
2:30−、ホルンとVnの掛け合い。 Vnの高音の煌きと低弦のソフトさの対比。
再現部、4:50−、疾駆するスピード感と 第2主題後半、5:49−のVc・DBのマイルドな歌。
コーダのアッチェレランド。
7:44
拍手は取って付けたように唐突であり、編集のようだ。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:当日の「田園」
5
BPO
1947.5.25
MUSIC&ARTS
CD-789

8'12 10'50 13'53

臨場感はない。音圧が高く、TAHRA盤よりも実直でストレートな音であるが、音色は不足する。

NS氏コメント
 「中程度の擬似ステ効果つき。演奏時間が長く、音程が下がって鈍重に聴こえる。」

当盤推奨度 なし

◆Coupling:「田園」
5
BPO
1947.5.25
TAHRA
FURT-1016

7:53 10:29 5:40 7:45

shin-p氏はノイズリダクションがかかりすぎているというが、確かにそうで、音色は均質化し、楽器の音色感は少ない。
「田園」も参照。

当盤推奨度 なし(音質面で)
5
BPO
1947.5.25
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

8:12 10:44 5:48 7:56

テープ音源。
加工ない、ドライな素の音。音には厚みとふくよかさがある。音色も損なわれていない。
第1楽章、リピート部、運命動機と第1主題の間に、叫び声?あり。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:Sym.5 全演奏
5
BPO
1947.5.25
ドイツ協会
ドイツ・フルトヴェングラー協会

TMK-008080(2CD)

8:13 10:44 5:46 7:54

機ニ粗の「運命動機」後、第1主題のVnが最初は奥から手前へ。「運命動機」で中断後の2回目は手前から奥へと、立体感ある。
第1主題に「運命動機」が挿入される部分のTpとホルンが強調されている。 「運命動機」挿入前の追込み感に目をみはる。
Tiはドライに響き渡る。
供ニ粗のVnは薄味。木管は生々しい。ゆったりとしたカンタービレと鋭いリズムの描き分けが鮮やか。
コーダでのアッチェレランドによる追込みと、その後リタルダンドとデクレッシェンドし、強弱のコントラスト大。
掘ゥ曠襯鵑硫賛Г生々しい。低弦部のがっしりした歌と、対照的に鋭いVnの追込みによる立体感。
検ニ粗明瞭。Tiはドライな響きでダン・ドン・ダン。金管はホルン、Tpともにクリアに鳴り響く。スケルツォ主題回想前の、段階を追うクレッシェンドの明瞭さ。ラストの壮大壮麗さ。
最後の和音は切るのが早すぎて興ざめ。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:「田園」、ヴァイオリン協奏曲。
5
BPO
1947.5.25
DELTA
DCCA-0022

プライベートテープ使用のようだ。

8:00 10:35 5:40 7:47

厚く逞しいサウンド。
第2主題、チャーミングなVcの音色。Vnの1本にまとまる明るい響き。
提示部最後の和音の残響(エコー)あり。
リピート部には、「運命動機」の後に、「アー」というような聴衆の唸り声のようなものが入る(当演奏に共通)。
展開部最後の「運命動機」の叩きつけるような大迫力。
再現部後半からの疾駆するスピード感。
黄金色に輝くかのようなVcのすばらしさ。
ffの大迫力とその後のppの「無からの生成」と静謐さ。
Vc・DBに厚みと威力あり。ffは力強い。
VnとVcの高低の間が大きく開き、分離良く、対比が大きい。

フーガ部のVc・DBも明瞭で、威力がある。
ブリッジ部の麗しい弱音から、息の長いクレッシェンド、長いフェルマータ。
検ゥ僖奪轡腑麈発。ここのためにこれまでがあったのだ。
熱い情感がほとばしる。生き生きとした流れの良いフレージング。疾駆するスピード感と生命力漲る流れ。「歓喜」を感じる。
コーダ、Vc・DBの鳴りが良い。

当盤推奨度★★★  (2006.7)

◆Coupling:「田園」
5
BPO
1947.5.25
ARCHE MUSIC
ARCHE MUSIC  PRODUCTION

6155646/9

「ステレオヘッドで再生をしたため」によるのか、ステレオ・プレゼンスが強く(当セットの中では最大)、ダイナミックレンジも広い。
残響が長く、不自然な感もある。

当盤推奨度★★☆(提供:M川様)(2008.1)

◆Coupling:Sym.3(1950.6.20), Sym.5&6(1947.5.25),Sym.7(1953.4.14),Sym.9(1953.5.31)

6
BPO
1947.5.27
当演奏について
歴史的復帰演奏会3日目のライヴ録音。

会場はティタニア・パラストではなく、実際は「帝国放送局」に聴衆を入れてのライブとのこと。

ピーター・ピリー「レコードのフルトヴェングラー」横山一雄訳
 「巨大かつグロテスクな演奏」
 「録音スタジオの制約に邪魔されることもなく、彼は一人この音楽と一体となり、冒頭小節から、インスピレーションの流れをはばむ縦線あるいはその他の慣例的な制限もほとんどなく、この作品を、当初それが構想されたように呈示しようと努めている。」
「フルトヴェングラーの数多い演奏に耳を傾けると、二つの広い様式上の傾向があることに気がつく。フレーズがどっしりと重みのある立方体の花崗岩で作られているようにみえる種類の演奏と、旋律がいっせいに疾駆する貫流的な種類の演奏がそれである。1947年のベルリン録音の第1楽章は、この二つのスタイルを結合させている点でユニークである。
フルトヴェングラー演奏で、個々のフレーズが、これほどその前後に休止をとって呈示された例は二度となかった−そしてこれは特に主要主題についていえる。しかし彼が展開部にはいるや否や、例の効し難い潮の流れが引き継ぎ、これは「運命はかく戸を叩く」の主要主題でときおり中断される。結果は風変わりだが、しかしきわめて破壊的な力がある。」

ジョン・アードイン「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」藤井留美訳
 「フレーズは長めで、まるでこの作品を大きな息で飲み込んだかのようだ。
第1楽章には戦闘的な感覚が見られるものの、途中での山場や小競り合いといったものはなく、フルトヴェングラーの関心は中心的な戦い−ベートーヴェン作品の開始を理解し、征服すること−にのみ向けられている。したがってダイナミクスや速度の調整は全体像を視野に入れてバランスが取れており、各楽章の主題という堂々たる岩がちの尾根に挟まれた、渓谷のような扱い方になっている。
また第1楽章は、重要な和音(20-21小節)の前にわずかな空白が入っているのと、音楽の強度を高めるために延長された休符のために、演奏時間も長くなっている。湧き立つ音の海にぽつりと浮かぶ平穏の島を思わせるオーボエソロには、以前の演奏よりも歌い上げる余裕が与えられている。それまでにないゆったりとした温和さが加わり、第2楽章の開始部分もレガートになったことで、流れるような柔らかい足取りで進んでいる。弦楽器の中でVcとDBの音がより深くなったために、音響面だけでなくベートーヴェンの和声の土台という点でも豊かさが増した。
第3楽章は過去の路線を踏襲しているが、移行部のTi(324小節から)は、19小節からのホルンの動機を呼び起こすように輪郭が明確になっている。これは明らかに、第3楽章と第1楽章をひとつの環のように結び付けることを意図したものだ(他の細部にも共通することだが、こうした特徴は25日よりも27日の録音に如実に現れている)。
最終楽章は以前の演奏に比べると速度が一定で、アッチェレランドの回数も少ない。28及び32小節で遭遇する壮大なト長調の和音は、2小節前からの輝かしいホルンを受けているのだが、ここも雷鳴のように響き渡る。その後54-55小節に出てくるホルンの上昇音型も、それまでになく目立たせている。プレストのコーダ直前までは音楽の手綱を引き締めたままだが、コーダに入ってからも390小節まではエンジンを全開にしない。ここから音楽は終結に向って矢のように突き進むが、438-440小節のハ長調の和音3つは、ハンマーを振り下ろしたかのように強打される。」

小林利之氏の解説より
 「「運命の動機」に特別の重要性を持たせるフルトヴェングラーの解釈が、当初、やや力が入りすぎているようでありながら、提示部の反復あたりから軌道に乗り始める。繰返し登場する「運命の動機」の気力充実しきった響かせ方。再現部、303小節のファゴット2本の指定にフルトヴェングラーはホルンを一緒に用いてその効果を強調する。以下、各楽章ごとの性格を深く読み取って、曲の起伏と共にテンポとダイナミックスを微妙に変化させ、力強い流動感と緻密な構成力で圧倒的なクライマックスをいくつも積み重ねていく。終楽章のブリッジ・パッセージで張り詰めた興奮が一挙に壮大な勝利の行進に解放される瞬間の偉大な迫力。さらにコーダに向けてひた走るエネルギッシュな高揚。裂帛の気合を込めて打ち下ろされるダイナミックな和音。オーケストラも精魂こめたフルトヴェングラーの指揮と一体となって燃えに燃え、全員が我を忘れてベートーヴェンの音楽に没入しきった、最も劇的なひとときの記録−「第5」が、これほど素晴らしい演奏で響いたことがかつてあったろうか、とさえ思わせる名演である。」

「フルトヴェングラー」金子建志氏
 「第4楽章に飛び込む長大な上り坂の最後のリテヌートも、フルトヴェングラーの個性を刻印した個所として名高い。
ウィーン・フィル盤が常識的なブレーキの範疇に収まっているのに対し、二種のベルリン・フィル盤はいわゆる「楽譜に忠実」という概念の対極に向う。スコア通りだと最後に金管が加わる370小節から4小節で第4楽章になるのだが、フルトヴェングラーはそこで小節の単位を考慮することなく、極限的なクレッシェンドを続けるのだ。
フルトヴェングラーは小節という物差しから離れて、クレッシェンドの動作だけをしているのであろう。弦は完全にトレモノとなり、カオス状になった不協和音(主音に属七を重ねる長大な上り坂のブリッジは、第4番の第1楽章に再現部にかけての登頂部で実験済み)が、ハ長調の勝利へ向って無限とも思える拡大を続ける。バイロイトの第9でも見られるこうした楽譜の臨界を越えた部分を計測しても無意味だが、それまでのテンポで計算すると約3小節分長い。
フルトヴェングラーのこうした間や、無限とも思えるフェルマータ的な処理は、単なる演奏効果ではなく、音を超えたメッセージが込められていることが多い。」

機ァ岷震親圧 2回目冒頭、フライングしている。
指揮棒を振る音と「シューシュー」という指揮者の息遣いも聴こえる。
Vnは、ヴィブラートするのかしないのか不安定だが、その後しないということで安定したようだ。
Obの間の取り方が印象的。
コーダ、木管の間と、続く弦のコントラストの大きさが見事。
供ゥ魁璽澄▲▲奪船Д譽薀鵐匹靴燭と思えば、リタルダンド、パウゼと自由自在。
掘ザ遒韻Vn、唸る低弦。
ブリッジ部、スーウという感じで、5月25日演奏のようなコントラストはないが、自然でよい。
検ニ粗3音はやはり長い。オーケストラの精度も当演奏の方がよい。
Vnは、録音の関係で伸びはもう一つだが、滴るかの如き音色がある。
コーダの推進力とブレーキ、アクセント、やはり人を動かす力に満ちている。

2004年末発売の学研ムック「フルトヴェングラー」の中で、
平林直哉氏は、DGオリジナルズ盤は「第1楽章22小節(27秒−30秒)でノイズをカットしており、一瞬であるが、間合いが短くなり、前につんのめるようにようになっている」と述べている。
 2004年発売のCDは改善されているとのこと。確かに、DGオリジナルズ盤は、「間合いが短くなり」、独特の「間」がなくなっている。

同演異盤CD比較
1.ORG-1001 ○
  7'48 10'59 5'37 8'11
  第3楽章ミス修復なし。
2.MUSIC BRIDGE MB-4301(CD-R)
  8'04 11'11 5'50 8'02
  「POCG-3788のコピー?収録レベルが高い。」
3.DG POCG-2131、POCG-2362 △
  7'44 10'55 5'37 8'11
  弱い擬似ステ。第3楽章ミス修復なし。「低域はややこもっている」
4.DG POCG-3788(OIBP)、紙ジャケットPOCG-90045 ×
  8'04 11'11 5'50 8'05   第3楽章ミス修復
 「ハム音除去のための深いディップが存在。これは旧盤のPOCG-2131には存在しない。低音域の質感が劣る音質。」
5.DG UCCG-3696(2004) △
  7'47 10'57 5'47 8'02
*OIBPはピッチが正常なのに対し、2004年発売物は、POCG-2131と同じで、ピッチが高い。
6.DG eloquence CD 4747282 ×
  8'04 11'11 5'50 8'05   POCG-3788(OIBP)同等品
7.フランス協会SWF-011/3 ×
  7'56 11'12 5'55 8'11   第3楽章ミス修復
8.MYTHOS NR-5003 ×
  7'52 11'02 5'41 8'19   第3楽章ミス修復なし
9.RX-4101(CD-R) ☆
  7'46 10'58 5'50 8'02
10.DELTA △
  7'48 10'58 5'48 8'04
11.OTAKEN ×
  7'53 11'11 5'52 8'16

◇NS氏によるLP、CD分析
・DGG LP 18724LPM RIAA再生
   エコー付加だが、演奏をスポイルするものではない。
 中域以降のレベルががなだらかに低下する。ハイ落ち気味の音質。
・旧東独ETERNA 820280 RIAA DGGの金属原盤によるLP
   18724とほとんど同じ音質。どこにも強調したところがない穏やかな再生音。
・独HELIODOR 61390 RIAA
   MONO表示ながら中程度の擬似ステ効果つき。中域には弛みがある。重く、おどろおどろしい音質。
・日グラモフォン SLGM-1439 RIAA
 独DGの擬似ステレオ原盤によるLP。マトリックス番号は139693。音質は61390よりも若干すっきりしたものになる。
・日ポリドール MG6006 RIAA
 中高域の伸びが良くすっきりした音質。真正モノ。ティンパニは軽い響きになっている。
 音は鮮明だが、高音がきつく、低音の厚みも少なくなっている。
・POCG-2131 弱い擬似ステ効果つき。
・POCG-3788 OIBP盤CD
 真正モノラル いくつかのノイズを修正している。POCG-2131より音程が下がって聴こえ、低音も不足気味に聴こえる。
・MYTHOS CDR NR-5003
 中高域の意図的な強調が見られる。元LPは18724LPMではなく、後期の2535810かもしれない。18724との音質差が大きい。

当演奏の音質比較

当演奏のピッチについての分析
6
BPO
1947.5.27
音楽之友社(DG)
ORG-1001

7'48 10'59 5'37 8'11

POCG-2131より音の周囲の成分が多く、音がふくよかで柔らかい。モコモコした聴感はある。
POCG-2131の方が音が粗い。
高低及び各楽器の分離は盤起し系に劣る。
第2楽章のVcの音はRXに比べると音はあるが音色は薄い。

◆Coupling:当日の 「エグモント」序曲

当盤推奨度★★☆
6
BPO
1947.5.27
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

8:04 11:11 5:50 8:02

「POCG-3788の丸ごとコピーで収録レベルも高い。」
ステレオ・プレゼンス。
音に厚みがあり逞しい。

当盤推奨度 −

◆Coupling:Sym.5 全演奏
6
BPO
1947.5.27
DG
POCG-2362(POCG-2131の再販)

7'44 10'55 5'37 8'11(実際は7'59)

音は豊かであり再現性は高いが音色は白系。
弦楽器各々のまとまりと楽器間の分離はモコモコして、盤起し系に劣る。

供Vcは音は豊かだが音色は淡白。
木管の音色は極上。Vnと低弦のバランスも良い。
掘DB、Vc、ホルン、Vnと明瞭でバランス、音色良い。
DBの音色も明瞭なのがうれしい。
検Vnは、録音の関係で伸びはもう一つだが、滴るかの如き音色ある。

◆Coupling:当日の 「エグモント」序曲、1952.2.10の「大フーガ、弦楽合奏盤」。

当盤推奨度★☆☆
6
BPO
1947.5.27
DG
POCG-3788

8'04 11'11 5'50 8'05

OIBPリマスター。
ピッチ修正。
第3楽章pizz部の弦のミス修正。

第1楽章の1'41のルフトパウゼに、「ホワン」と音が入り、編集ミスと思われる(OIBP系CDに共通)。

音の周囲の成分をカットしており、こもり気味。本来の迫力は減退。

学研ムック「フルトヴェングラー」平林直哉氏
「第1楽章22小節(27秒−30秒)でノイズをカットしており、一瞬であるが、間合いが短くなり、前につんのめるようにようになっている。」

長野S氏
「100Hz、150Hz付近にハム音除去のための深いディップが存在。これは旧盤のPOCG-2131には存在しない。低音域の質感が劣る音質。
POCG-2131は弱い擬似ステ効果付き。低音域の奇妙なディップは存在しないがやや低音が被ってこもる印象がある。」

◆Coupling:当日の 「エグモント」序曲、「大フーガ、弦楽合奏盤」(1952.2.10)。

当盤推奨度 なし
6
BPO
1947.5.27
DG
Eloquence 474 778-2

8'04 11'11 5'50 8'05

OIBPと同質

当盤推奨度 なし

◆Coupling:当日のヴァイオリン協奏曲
6
BPO
1947.5.27
MYTHOS
NR-5003

米MGM“DIRECT INPORT・FACTORY SEALED”盤(=DGのLPM 18 724盤と同一)からの起し。

7'52 11'02 5'41 8'19

各楽器の音色は瑞々しく、分離も良い。
第2楽章のVcは、DGではドライであるが、こちらでは瑞々しく伸びやか。
第3楽章冒頭もDGは分離が悪く楽器が重なるのに対し、こちらはDB、Vc、Trpと分離良く明瞭。

機22小節の「間」(休止)も会場の空気があり、良い。
第2主題のBn、Cl、Flと分離が良い。
dynamiden氏によると「1楽章のピッチが高め」であるとのこと。
供Vcの見事な響き。TrpとTiの迫力満点。特にTiの音。
対照的にその後の、Bn、Vnのppの静寂さと深遠さ。Vc、Vaの流れの良さなど魅力に溢れている。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:エグモント 9'01
6
BPO
1947.5.27
MYTHOS
MPCD-5003

Source:DGG LPM-18724 White test press label

7'49 11'03 5'35 8'12

機ヅ験部、Vnの煌き、Vcの流麗さ。
3'46までの盛り上がりの凄さ。高低の対比は鮮明。
Tiの轟き。Obのカデンツァの見事さ。
供Vcは明るい音色で整理されている。

「ウラニアの英雄」のGHシリーズCD-R同様、
「音量レベルを無理して上げて迫力を出し、ピークアウトした分はリミッターで抑え込む、本来はない左右の位相を巧みに操作して奥行き間を人工的に作っている」
と言え、
強音弱音とも一定の音量のため、本来あるはずのダイナミクスの変化や細かなニュアンスの変化を聴くことはできない。
またノイズも大きく、やはりCD化には難がある。

当盤推奨度 なし
6
BPO
1947.5.27
フランス協会
SWF-011/13

7'56 11'12 5'55 8'11

軽度のステレオ・プレゼンス。
各楽器のまとまりと分離が良い。

機ザ音での破綻はなく、弱音から最強音まで、また、最強音のあとの「間」まで、アナログ的ではなく、臨場感ある仕方で再現される。
Tiがリアルに響く。
供ゥ曠襯鵑Trpの「運命動機」の最強音の凄まじい爆発。直後の「間」。
ppで入ってくるOb、Vnなどの、「無から生成」される様。
強弱のコントラストの大きさが臨場感ある中に再現される。
コーダ前、227−228小節の休止の空気感もある。
掘pizzもリアルで鮮明。
検Tiの怒涛の響き。ドライではない。

当盤推奨度 なし
6
BPO
1947.5.27
ISLANDPROS
RX-4101

DGG(Deutsche Grammophon Gesellschaft)のオリジナル・フラットLP(LPM18724)から転写。

7'46 10'58 13'52(5'50+8'02)

  会場の臨場感、ドライな空気感、残響あり。覇気がそのまま伝わってくる。

機ヂ2主題、弦の潤いある音色。
展開部、Vnが1本にまとまり、精度の高いアンサンブル。
Obのカデンツァ(4:56−)、臨場感がありリアルに響く。
供Va・Vcはややドライながらも豊かに響く。その低域から木管群の高域まで高低強弱の幅が自然な大きさ。 Tiの轟きの鮮明さ。
掘Vc・DBの生々しい響き。
演奏の持つエネルギーがダイレクトに伝わってくる。

過不足なく、加工色なく、LP盤起しの理想形の一つ。

当盤推奨度★★★
6
BPO
1947.5.27
DELTA
DCCA-0027

7'48 10'58 5'48 8'04

迫力ある野太い音。各楽器は適度の迫力がある。鮮明であるが、臨場感希薄。
「エグモント」の臨場感溢れる生々しい音とは異なる。
1、2楽章にはLPノイズがないが、3楽章には聴こえ、こうした点からすると、やはりDG盤LP起しかもしれない。

機ゥ織トの空気を切る音と共にVnの高音が走る。低域は豊かに明瞭に鳴る。
展開部、Vn、Vc共に明瞭で高低の対比が鮮明。
Obのカデンツァの見事な様。
供Vcは豊か。DBがモゴモゴする。Tiの鳴りが良い。
Vn、Vcの音色がしっかりある。
掘LPノイズがあり盤起しであることがわかる。

当盤推奨度 なし

◆Coupling:「エグモント」Sym.1
6
BPO
1947.5.27
OTAKEN
TKC-317

7'53 11'11 5'52 8'16

伊ヘリオドール88011 LP盤起し。
擬似ガラスCD仕様。

逞しい音。低弦が分厚く轟く。Tiが奥で左右に広がって響く。
第2楽章第1主題のVcの音は分厚いが、音は拡散し、音色は薄い。
全体的に、LP以上の擬似ステで、エコー感が強くなっている。異様に膨れた低音と弛んだ中域で重く、暗い音質。

当盤推奨度 なし (2008.10)

◆Coupling:「エグモント」、「マイスタージンガー」、バッハ 管弦楽組曲

7
VPO
1950.9.25
演奏
ストックホルムでのライブ

高貴な音色のアンサンブル、堅固な造形、各フレーズの緻密な描き分け。

ピーター・ピリー「レコードのフルトヴェングラー」横山一雄訳
 「(この演奏は)、前二者(1943と1947)にほとんど劣るところがない。この演奏の奇妙な特徴は、第1楽章で第1主題が展開されている間の羽毛のように柔らかな運弓である。またしても新たな実験である!」

ジョン・アードイン「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」藤井留美訳
 「きめは細かいがメリハリのない古典主義が優位に立った演奏。第1楽章の主題句は響きの力強さがなく、重厚なアクセントも少ない。そのために音のざらつきは薄らいでいるが、全体的に弛緩している。ウィーン・フィルは第2楽章に静けさと優美さをもたらしたが、それと引き換えに細部の鮮明さや柔らかい音色は失われた。
第4楽章、それ以前の演奏で特徴だった細部の多く(特に弦楽器の衝撃力)は、特色が薄まっている。」

PAL-1024 野崎正俊氏の解説より抜粋。
 「ストックホルムのコンサートホールにおけるウィーン・フィル演奏会の実況録音であるこの演奏はフルトヴェングラーの数ある「運命」の中でも格別の輝かしさにあふれた名演の一つに数えられている。
 ここでは高貴な響きを持つウィーン・フィルと完全に一体化して、激しいダイナミズムと壮大なスケールを兼ね備えた白熱の名演を生み出している。」

機ジく輝かしいVPOの音色。
第1主題、徹底されるレガート(9-10小節)(11章節目、0:17のタイ)。
第2主題、レガートが徹底されている。dolceのVnのすばらしさ。
101-110小節のタイ、スラー、スタッカートの描き分けが鮮明。
268小節(5:07)のObの音色と絶妙のリタルダンド。
展開部最後、木管のフレーズでの大リタルダンド。
コーダ、「主題」後の休止の長いこと。しかも自然な推移。
最後の「ジャジャジャジャ−ン」への滑らかなつながり。その後の大休止。
供Vc、Vaの温かなぬくもり感のある音色とレガートなフレージング。
8:00からのVnの高音の神々しいこと。
掘ゥ曠襯鵑判鼎覆觚抗擺鏃瓦里靴覆笋なフレージングと潤いある音色。
Poco ritard(243小節)からは、沈み込むような弱音。遥かかなたの遠い所から音が鳴る。
ブリッジ部最後の輝かしいクレッシェンドとの一大コントラストが形作られている。
第1主題、輝かしい音色。別次元の領域に連れて行かれる。
提示部結部(64小節−)でCl、Bnと掛合う第1Vnの高音の美しさ(1:42)。
Tiの大打撃。フレーズ最後をグ、グ、グと強く奏でさせている。
コーダ、実に滑らかなフレージング。
速めのスピードで疾風する。
再現部末からコーダにかけてはより一段とギアチェンジして加速する。それでも速さの印象を与えず、優雅、典雅な印象を与える。

同演異盤CD
1.PALETTE PAL-1024
 盤起し。まさにLP再生そのものと言えるような良い音。☆
2.MUSIC&ARTS ×
3.KING KICC-2119 ○
4.MUSIC&BRIDGE MB-4602(CD-R)
 盤起し? 1より音は粗く、分離も悪い。△
5.フルトヴェングラー・センター WFHC-009/010 ○
7
VPO
1950.9.25
CROWN PALETTE
PAL-1024

8:00 10:42 5:53 8:05

スクラッチノイズが持続する。盤起しのようだ。
まさにLP再生音そのもののような良い音。

機ソ展かつ柔らかくオーケストラのサウンド。
供Vc、Vaの温かなぬくもり感のある音色とレガートなフレージング。
8:00からのVnの高音の神々しいこと。
掘ゥ曠襯鵑判鼎覆觚抗擺鏃瓦里靴覆笋なフレージングと潤いある音色。
Poco ritard(243小節)からは、沈み込むような弱音。ノイズもあって、遥かかなたの遠い所から音が鳴る。
ブリッジ部最後の輝かしいクレッシェンドとの一大コントラストが形作られている。
第1主題、輝かしい音色。別次元の領域に連れて行かれる。
提示部結部(64小節−)でCl、Bnと掛合う第1Vnの高音の美しさ(1:42)。
Tiの大打撃。

当盤推奨度★★★ (2005.01.09)

◆Coupling:Sym.7(1943)
7
VPO
1950.9.25
MUSIC&ARTS
CD-802

8:08 10:49 14:09

スウェーデン放送のディスクから製作されたテープをマスターにしている。

ブチバチというノイズが大きい。
音色は均質化している。高域はキンキンと金属的に響く。

当盤推奨度 なし (2005.01.30)

◆Coupling:当日ライブ。ハイドン「驚愕」R・シュトラウス 「ドン・ファン」
7
VPO
1950.9.25
KING
KICC-2119

8'04 10'47 5'50 8'22

MUSIC&ARTS盤と同一音源。
ノイズは大きいが、その分、音はこもらず前面に出てくるし、音色感もある。

当盤推奨度★☆☆

◆Coupling:当日ライブ。ハイドン「驚愕」、 シベリウス「エン・サガ」
7
VPO
1950.9.25
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

8:06 10:50 5:50 8:22(8:15+拍手)

ノイズが大きい。
MUSIC&ARTS、KING同様、スウェーデン放送のディスクから製作されたテープが音源かもしれない。

当盤推奨度★☆☆

◆Coupling:Sym.5 全演奏
7
VPO
1950.9.25
フルトヴェングラー・センター
フルトヴェングラー・センター
WFHC-0009/10

8:59 11:12 15:40

解説より
 「スウェーデン放送による当時最新の機器による録音のすべて、拍手やチューニングを含むすべてを聴くことができるようになった。」

放送録音の良さはある。
演奏も引き締まったフォルムがウィーン・フィルの豊かな響きで和らげられて、感動的。
演奏の良さは、PALETTE盤だと、さらにダイレクトに伝わってくる。

当盤推奨度★★☆

◆Coupling:当日ライブ。ハイドン「驚愕」R・シュトラウス 「ドン・ファン」

8
VPO
1950.10.1
Danacord
コペンハーゲンでのライブ

機DANACORD、MUSICBRIDGEでは、提示部に、ボーというノイズが入り、音が定まらず、左右に揺れる。
3:16まで。
運命動機の滑らかさと、その後の速さは1954年演奏とは異なるが、1954年演奏をはめ込んでいるとも考えられる。
(提示部1回目までは共に1:38、提示部3:16)
しっとりと潤いある弦の響き。第1、2の掛け合いの良さ。
第2主題、Vnがテヌートで実に甘いフレージング。
展開部、ボーとのノイズはなくなる。
Vnのテヌートの潤い感。その後もソフトなサウンド。 Vnの高音の高いこと。
緩やかなアッチェレランドで運命動機へ。その後のリタルダンドの深さ。
Obのカデンツァの哀愁。その後のsfの決め。
303小節はホルンのみ。
その後の高揚の見事な様。
弦楽合奏のアンサンブルの精度良い。
実に耳あたり人あたりの良い、優しくソフトな面が強調されている演奏だ。
供Vcのまろやかなで芯のしっかりした音色。テンポは噛締めるように遅い。それでいて弛緩することのない造形。Vnの潤いと色艶のある音色もすばらしい。
Va・Vcの音色の良さ。木管群もしっとりとしみじみと歌われる。
149小節(7:25−)のゆったりとして最強音部。
掘Vc・DBのソフトな音色での明瞭さ。
DBとVc、Vn、ホルンとしっかりしっとり決まっていて実に見通し良く、気持ちも良い。
pizzも鮮度良く生々しい。
検キ供↓靴痢崟邸廚箸和仂氾な「動」がある。
堂々とした入り。金管も堂々と鳴り響く。Vnの上昇音階も明瞭でまろやか。
第2主題までのアッチェレランド。第2主題後半からのアッチェレランド&クレッシェンド。
Trbがよく聴こえる。
Prestoでのアッチェレランド。
このコンビの温かな魅力に溢れている。

宇野功芳「フルトヴェングラーの全名演、名盤」より
 「オケがいささか惰性的になっており、アンサンブルの乱れが気になるし、 全体に表現、表情の決まりが悪い。楽想の始まりの思い切りがよくないのだ。したがってフルトヴェングラーの指揮も全体に新鮮味を欠いてしまう。」
8
VPO
1950.10.1
Danacord
DACOCD-301

8'29 11'42 15'12(6'15+8'43+拍手)

コペンハーゲンでのライブ

CD盤面及びブックレットには「日本製」と表記されている。
ブックレットには、当演奏について、”was included in the present issue by courtesy of EMI Records Ltd.”とある。

第1楽章、提示部は、ボーというノイズが入り、音が定まらず、左右に揺れる。
3:16まで。
運命動機の滑らかさと、その後の速さは1954年演奏とは異なるが、1954年演奏をはめ込んでいるとも考えられる。
(提示部1回目まではどちらも1:38、提示部3:16)

当盤推奨度★★☆ (2007.2)
8
VPO
1950.10.1
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

8:32 11:46 10:40 4:31(4:20+拍手)

DANACORD同様、第1楽章提示部は音の位置が定まらず、音が左右に揺れる。
ステレオ・プレゼンス?
ワイドレンジが広く、音がたっぷりと鳴る。
音色も良く、ウィーン・フィルの音色が凝縮されている。

当盤推奨度★★☆

◆Coupling:Sym.5 全演奏
8
VPO
1950.10.1
TAHRA
FURT-1090/93
「IN MEMORIAM FURTWANGLER」

Archive:Eric Stilling

8:28(演奏のみ) 11:33 6:07 8:39(演奏のみ)
+拍手、ブラボー、放送付

気貿鐚蠅畔送入り(30秒)
ノイズは大きめだが、音質良く生々しい。
音色はドライ。
甘いppから、迫力あるffまで、レンジの幅が広く、コントラストも大きい。

当盤推奨度★☆☆ (2004.12.22)

9
ローマ
1952.1.10
KING
ローマ・イタリア放送交響楽団

RAIスタジオでのスタジオ録音

全楽章、フルトヴェングラーの同曲演奏の中で最も遅い。
客演ということもあり、タクトを1音1音明瞭に振り、しっかり演奏させていることを実感できる。よって巨匠の演奏の構築と骨組みが他の演奏よりも明瞭にわかる。
オーケストラも巨匠の薫陶を受け、懸命に音にしている。明るい音色で、共同作業として一大建造物を構築している雄大感がある。

機ケ震親圧 ▲澄Ε澄Ε澄Ε澄璽鵑肇好織奪ート気味に奏させている。
第2主題、レガートで1音1音がしっかりと置かれて行く。夢見るようなVnの音色が格別。
展開部、4'18、アッチェレランド部分に一瞬アンサンブルの乱れあり。
210小節、スローテンポ。Obのカデンツァも超スローテンポ。
278小節からのアッチェレランド。
303小節の運命動機はホルンで吹かせている。
供Va・Vcのこくのある音色。Vnは明るい音色で厚い音色。 心を込めて歌い抜かれる。
ppからff、ffからppの鮮明な移行。
185小節、Vnのレガート。高音の麗しさ。
コーダ、Vnの麗しい歌。高低の谷間が明瞭に形成される。
掘128小節からのクレッシェンドの凄さ。
141小節、Vc・DBが厚みのある音で雄弁に語る。 低弦からVnへの移り変わりの鮮やかな推移。 叩きつけるようなsfの威力。
ブリッジ部、ppのとてつもない静けさ。
Attaccaは楽譜通り。
検ヂ1主題、雄大勇壮。弦に厚みがあり高低のバランスが良い。
展開部、金管の響きが浅い。
再現部、Vnの明るい色艶の良い音色でのフレーズは、「勝利の凱旋」的。
弦は1音1音がしっかりと音化される。
Prest、386小節からの弦はレガートに弾かせている。

黒田恭一氏の解説より抜粋
 「この演奏に接した聴き手が第一に感じることはオーケストラのサウンドがラテン系のオケ特有の明晰さと澄んだ明るさを示している点にあるといってよいだろう。
この演奏はフルトヴェングラーのクールな視点と明晰な思考がとりわけ前面に押し出された内容になっている。それがはっきりと浮き彫りにされたこの演奏はそのデッサンや設計にフルトヴェングラーの意図が非常に明瞭に写し出されることになっており、それは各場面に於ける彼としては比較的醒めた表情の動きなどと相俟って、この指揮者の歪みのない作品観を伝えることになっているのである。この演奏にあっては、彼の作曲家としての視点に裏付けられた洞察力や読みの深さが特に鮮明に打ち出されていると考えてよいだろう。」

アードイン「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」藤井留美訳
 「興味を持てない演奏のひとつ。オーケストラがそれなりに反応しようと努力しているのは明らかだが、弦楽器があまりに貧弱で、演奏全体も一度として輝く瞬間がない。」

諸井誠 「音楽のききどころ 交響曲」より
 「お世辞にも名演とは申せず、これはむしろ迷演の部類といえそうだ。
この遅さは限界と言ってよい。これでもぐずぐずな合奏になっていないのを、むしろ賞賛すべきなのかもしれない。阿吽の呼吸があいづらいのか、非常に微妙なところでずれが生じる。たとえば、(第2楽章)主要主題の第7動機に入るあたり。その前の第6動機で、リテヌートとも言えない、フルトヴェングラー一流の「ふくらみ」があるが、こうしたところで、不慣れなオケは戸惑うのである。そのために第4楽章の入りでは木管の合奏に乱れが生じるわけだ。こうした細部を取り上げれば、これは問題の多い演奏だが、2年前に「ニーベルングの指環」の全曲録音を果たしているだけに、オーケストラは、彼ら本来の行き方ではくい違うところが多いはずのこの大指揮者に実によくついていっている。その点は高く評価されてよいだろう。
異常な「遅さ」のおかげで、この演奏からは、他の演奏にない細やかな情感のあじわいが感じられるのである。」

宇野功芳 「フルトヴェングラーの名盤」より。
 「造型的には1954年のスタジオ録音を基本としながら、実演だけあって、そこに1947年盤の味の濃さを加えた注目すべき名演である。
 全体に思索と瞑想の深さにおいては1954年盤をさえ上回る。第1楽章の一定しないテンポ、第2楽章のしゃべるようなリズムと手探りの進行、第3楽章の切れの悪いリズムやスケルツォ、再現のあたりのリタルダンドなどは、いずれもフルトヴェングラーの思索の結果だ。また木管の音色や息継ぎは瞑想を湛えている。中間の二つの楽章はかなりテンポが遅く、スケルツォの響きには一杯の精神がはばたく。
 フィナーレの入り方は少しもドラマチックではないが、スケールは大きく、ティンパニの強打がすばらしい迫力を呼び、テンポの緩急もフルトヴェングラーとしては決してどぎつくないが、それでも各所で見事な効果を挙げている。そしてコーダでも気違いじみたアッチェレランドはかけず、むしろ、溢れんばかりの内容を込め、凄まじい内面の生命力を実感させつつ、立派に終結する。
 欠点は。やはりオーケストラが巧くないことで、厚みやこくに乏しく、第1ヴァイオリンやトランペットのヴィブラートが明るくなりすぎたり、冒頭の運命動機にしてもフルトヴェングラー式のアインザッツが出来ていないし、何よりも悪いのは、指揮者がこれほど深い表現をしているのに、楽員の方はさっぱり思索を感じさせないことであろう。」

日本フルトヴェングラー協会会報 2006年5月 平田治義氏の文章より
 「渾身の力で通した熱演で、細部も克明、スケールは極大であり、巨匠の表現としては晩年のスタイルとして、極限にまで達している。
 第2楽章の終わり、第227小節以降でテンポを落とす。フルトヴェングラー特有のもニュメンタルな部分となっている。」
9
ローマ
1952.1.10
KING
ローマ・イタリア放送交響楽団

SEVENSEAS KICC-2346

RAIスタジオでのスタジオ録音

8'57 11'59 6'28 9'27

スクラッチノイズあり。
楽音は豊かでふくよか。明るい光彩ある音色。各楽器及び高低の分離も良く、明瞭で鮮明な音。

当盤推奨度★★★  (2008.6)

◆Coupling:モーツァルト:フィガロ(1953.8.11)、ドン・ジョバンニ(1954.8.3)、魔笛(1951.8.6)
 どれも音質音色良好。EMIよりも鮮明な音。
9
ローマ
1952.1.10
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

9:02 12:04 6:29 9:35

ワイドレンジ、ダイナミックレンジが広く、たっぷりとした音と音色。
楽器が1音1音、たっぷりと鳴り、スケールが一回り大きく、雄大勇壮。

長野S氏「針音あり、LPより起こしたもの。元盤は米OLYMPIC盤か?中高域のレベルが高く、しゃきっとした印象。」

当盤推奨度★★★

◆Coupling:Sym.5 全演奏

10
VPO
1954.2.28-
演奏について
ムジークフェラインでのスタジオ録音

宇野功芳「フルトヴェングラーの名盤」
 「フルトヴェングラーは遅めにイン・テンポを終始守り抜き、芝居気も少なく、楽器のバランスは常に最上に保たれ、ピアニッシモも強調されない。外側から付け加えられた迫力や効果はどこにも見られず、まことに豊かで音楽的だ。それでいて響きは壮麗、フォルティッシモには精神の嵐が吹きしきり、スケールは極大で、余裕を持った緊迫感がすばらしい。ウィーン・フィルは相変わらずホルンの味が濃く、録音のせいもあって低弦の生々しさが、たとえばスケルツォのトリオをこの上ないものにしている。実に巨匠の行き着いた最後の境地というべく、ドイツの伝統の上に築き上げ、花咲いたフルトヴェングラーの個性であり、芸術なのである。」

ジョン・アードイン 「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」藤井留美訳
 「ウィーン・フィルから激しさを引き出し、線的な動きでの集中力(とくにコントラバス)を作り出すことに成功している。第1楽章の主題句は、確固とした自然な鼓動で始まっている。ただし、ベルリン・フィルの演奏に比べれば、アクセントは控えめだ。 アンダンテも自然な形で展開され、第3楽章は過去の演奏とほとんど変わるところがない。フィナーレへの移行部では、ティンパニを強打させる習慣が復活した。第4楽章は落ち着き払った堂々たる足取りで始まり、コーダでさえ、多少の冷静さが残っている。」

TOCE-7530/34 レビュー 参照

参考:NS氏製作 ALP-1195 NABのイコライザー再生
 CDではどれも第1楽章の低域が不足するのだが、この低域はソフトで確かな音と音色がある。高域は潤いある浮揚する音色で、これが本来の音と音色であろう。
10
VPO
1954.2.28-
東芝
CC35-3162

8:32 11:18 15:44

同シリーズの「英雄」、「田園」のような中央が真空状態になる感(スカスカした印象)はない。響きに密度があり、音は充実している。
TOCE-7531(TOCE-7530/4全集)は、高域低域とも音色が明るいながら、サーというノイズが持続する。こちらはノイズはない。明るさもないが、穏やかな音。
低域が生々しく鮮明。高域も不足はない。

第2主題の伴奏のDBのうねりは当盤の方がよく聴ける。 (TOCE-7531ではノイズに埋もれる)
供ゼ臑蠅Vc、TOCE-7531では明るく艶やかな音色であるが、当盤では穏当な音色。
掘Vc・DBとVnの対比、TOCE-7531ほどの高低差の大きさと明瞭さはないが、落ち着いた緩やかな差である。
ブリッジ部のVnのクレッシェンドのすばらしさ。
検チ埖臍堽錣覆ff。密度の濃いVnの響き。対位法部の低弦も充実。
テンポは速くなく、各フレーズはゆったりと凝縮して奏でられながら、流れを損なうことがない。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:「未完成」
10
VPO
1954.2.28-
東芝EMI
CC30-3361/66

8:31 11:17 6:08 9:42

アナログ的な良さがある。

機ヂ2主題、Vc・DBの「運命動機」の程よい大きさ。
Vnの麗しい高音と、弱音では不鮮明だが、中から強音では明瞭な低弦。 Tiの響きがふくよか。
供Vc、潤いある音色(薄味ではあるが)。DBがぼやけない。
Vnの妖艶な音色、金管とTiのリアルな音響。
各楽器の織り成す有機的な響き。
Vc・DBの威力。
Vc・DBのリアルな響き。 pizzも瑞々しい。
ブリッジ部のVnの艶やかな音色。
検ス皺擦藁錣靴、低弦との対比が鮮明で、演奏の生命力が際立つ。
雄大勇壮、すべてを超越する。

当盤推奨度★★☆

交響曲全集
10
VPO
1954.2.28
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

8:32 11:17 6:03 9:41

ステレオ・プレゼンス。

長野S氏「中程度の擬似ステ盤 低音域が薄く感じられるカンカンした音質。EMIのディジタルマスターではない。CE28-5574あたりの音質調整盤か?」

当盤推奨度 −

◆Coupling:Sym.5 全演奏
10
VPO
1954.2.28-
MYTHOS
NR9000-8/9 GH PRO SOVEREIGN

ALP-1195
Flat Thick Press
Mat.”XVH48-10N/49-10N,G/M
盤起し。

高低ともに鮮明で、音の再現性に優れている。
弱音、強音の強さがある段階で一定に保たれるため、pとpp、fとffの区別がつかなくなっている。

当盤推奨度 なし(2005.11.10)

◆Coupling:「バイロイトの第9」
10
VPO
1954.2.28-
GRANDSLAM
GS-2008

Source:HMV(UK)ALP1195

8:35 11:19 6:02 9:48

同シリーズの「第7番」以上に、LPノイズが大きい。
最強音で音が濁り、ザラザラする聴感で、美音を損ねている。
第2楽章のVc、第3楽章のVc・DBは音の厚みが減退し、音色の潤い感も不足。
TOCE-7530/4の全集に聴く、音色と厚み、楽器間の分離の良さはない。

NS氏コメント
 「最初期盤を使いますともっと鮮度の高い音がとれると思いますが何故かGSでは再発、再再発盤と思われるソースが多い。音質は低域に厚みを持たせたものでハッとするような鮮明さは無いが、それほど悪いものではない。」

当盤推奨度 なし

◆Coupling:「皇帝」
10
VPO
1954.2.28-
東芝EMI
TOCE-55975/80

8'35 11'18 6'03 9'43

リマスター:Akihiro Kurazono

「英雄」同様、第2楽章のVcやその後のVnなど、個々の楽器の音色は良いが、強音部は低域が出すぎてボコボコした音になり不自然。

機DBの分離が良く明瞭に鳴る。Vnの高域は窮屈でかさついている。
供Vcの温かな音色。Vnの滴る音色。
掘Vc・DBに生々しい威力はあるが、鮮度は不足。
検ス皺擦寮供垢靴機D祕茲箸ぶる部分は低域の解像度が劣る。

当盤推奨度 なし
10
VPO
1954.2.28-
OTAKEN
TKC-311

8'36 11'20 6'04 9'42

「ガラスCDに迫る音質のプレスCD」による製作。
音源はマスターコピーとのこと。

機ゥΕーン・フィルならではの豊潤なサウンド。 低弦がうねるような響きまで明瞭明晰。
第2主題、Vnのしっとりとした潤いのある高音。挿入されるDBの「運命動機」が明瞭で、高低の充実した立体的な響き。
展開部、Vnがしっとりするような音色で語り掛けてくる。
展開部最後の「運命動機」直前のVc・DBの厚くリアルな響き。その後の麗しいVnの高音との対比。
Obのカデンツァも魅力十二分。
Vcが温かくリアルな音色。木管群の美音。Vc・DBのソフトな響きとフワリとしたVnのコントラスト。
緩やかな流れの良さが引き立ち、このテンポでなければならない理由が明らかにされるようだ。
Vc・DBが明瞭明晰。しかも清らかに上品に響く。ホルンもしっとりとした音色。 唸る低弦から華麗なるVnの高音への、低から高への移行が鮮明。
Vc・DBの細かな動きも明瞭。
Vnのpizzも弱音で密度が濃く鮮明。
ブリッジ部のVnの清らかな音色。
検ニ粗3音後のVnが煌びやかな音色でフレーズは明瞭。低域の対旋律との分離が良い。
第2主題、挿入されてくるVnの音色が明瞭で、高低の響きが充実。
展開部、Trp、ホルンもソフトに鳴り響く。
結部、DBの威力とその上でのVnのソフトな高音の対比。

NM氏コメント
 「TKC-311を(ALP LPと)比べると20〜50Hz付近が20dbもの差があってもっこりしていますので異常に低域が強調されています。音圧があって低域好きの人にはたまらないかもしれませんが、不自然でLPからかけ離れた音になっています。高域はLPより滑らかに下がっていますのでクリアな音に仕上がっていますが、瑞々しさはありません。」

当盤推奨度 なし (2007.10)

◆Coupling: Sym.4
10
VPO
1954.2.28-
Maestro Edition
MR-2402(CD-R)

8'36 11'22 15'49

FALP-210
2XVH48-10N/49-10N 英HMVのオリジナル盤と同一。

高域のフワリとした浮揚する空気感ある、そしてソフトで煌きある音色。
低域は他CDを不足であり、元来の録音からしてそうなのだろうが、力感ある確かな音を随所に聴くことができる。
各楽器の音色の鮮度がよく明瞭で、分離も良い。ダイナミクスの変化も忠実で、各楽器が本来のあるべき音、音色、大きさで再現される。
盤起しの理想。

機ツ鷦部、低域は薄く、迫力は少なく、音も小さいが、ふくよかな音。
展開部、Vnの夢幻的な浮揚するフレーズのすばらしさ。低域が追い込んでくる部分は迫力と緊迫感がある。
供Vc、高貴で柔らかな音色。フワリと降りかかるVnのすばらしさ。各楽器の音色が織り成す美しい絵巻。ここぞという部分でのDBの厚さと威力。
DBのソフトで生々しい威力。浮揚するVnの高音と、高低剛柔の対比。
第2主題、DBの音の良さ。
pizzの鮮明さ。ブリッジ部のVnのすばらしさ。
検ソ杜夢兇△ff。
第1主題、高低の分離が明瞭。Trp、Trbの壮麗さ。
第2主題、後半、Vnの上昇音階、その後のTrp、Trbとのバランスの良さ。
展開部、弦楽器群と金管楽器群の織り成す重層的な音響空間。
再現部、第1主題、Vnの浮揚するフレーズのすばらしさ。

N氏コメント
 「極めて美しいヴィンテージサウンド。目覚しさはないが、あるべき音があるべき姿で鳴る。音量を上げて聴くと、同曲最高の音質。」

当盤推奨度 ★★★ (2008.3) (提供 N様)
10
VPO
1954.2.28-
レーベル名なし
RB-2(CD-R)

ALP グループガード(後期プレス)盤起し

音に密度がある。Vnの光彩ある音色、硬さはあるが音色に密度のある低域を聴ける。

N氏コメント
 「剛毅な迫力とぎっしり詰まった密度感。硬さはあるが音色しっかり。セカンドチョイスとして持っていたい個性的な音。通常は初期盤のほうが音の鮮度がいいといわれますが、おそらく製作者はグループガードの大変剛毅な音も捨てがたく復刻したのではないでしょうか。このような例はシューマンのSym.4(DG)にもありました。」

当盤推奨度 ★★☆ (2008.6) (提供 M様)
10
VPO
1954.2.28-
DELTA
DCCA-0048

8'36 11'19 6'02 9'46

PLEXMASTRE ロゴあり

ALP-1195盤起し+「第2世代」技術によるノイズ軽減

これまでのCDは、なんと暗い音、デジタル的な音、加工音であったのだろう。
これまで音にかけられたベールが取り除かれて、そのままの音を聴くかのようだ。
明るめの音色で、ウィーン・フィルのサウンド。ホールトーンも美しく聴き取れるではないか。情報量の多さと音色の良さ、楽器の分離の良さ、解像度の高さでこれまでのCDを凌駕する。

機Vnは明るめの音色。低域もソフトで唸るような音まで明瞭。
Vnはスースーと高域に伸びてゆき、低域はダダダダと明瞭に鳴る。
ホルンは実にまろやか。第2主題のVnの夢見るような境地。
Vnの高域とVc・DBのザザザザとの追い込み。
クレッシェンドからffでの、高低の分離の良さと明瞭さ。 高低の谷間が明瞭に形成される。
展開部、ダイナミックレンジも忠実に再現され、その暫強にあわせて思わず体が反応する。Vnは清らかで、低域はふくよか。
供Vcの琥珀色の音色がすばらしい。Vnはどこまでの伸びていくようで、 低域はソフトに鳴る。
掘DBのリアリティの高さ。pizzも眼前で鳴っているかのような臨場感と鮮明さ。
検Vnのクレッシェンドが凄い!無重力の空間につれていかれるような錯覚に陥る。今までのCDでこのような感覚はない。
どこまでも伸びていくVn、明瞭な低域。見事。

当盤推奨度★★★ (2008.5)

◆Coupling:「未完成」

11
BPO
1954.5.4
演奏について
パリ・オペラ座でのライブ。

当日のプログラムは、ウェーバー「オイリアンテ」、ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」、シューベルト「未完成」、当演奏。

気力が充実し、気合が漲っている。

同演異盤CD比較
1.KING K35Y-43(1980) 8:11 10:50 6:01 8:40
2.KING KICC-2294(1980) 8:10 10:49 6:00 8:50
3.フランス協会 SWF-942/3 (1994) 8:11 10:50 6:01 8:38
4.TAHRA FURT-1023/4 8:18 11:01 6:07 8:48
5.MUSIC BRIDGE MB-4301 8:08 10:50 6:00 8:37

フランス・フルトヴェングラー協会によると、フランス協会盤はピッチが高く、TAHRA盤が正確とのこと。

フランキスト氏コメント。
 「最近、仏協会盤をききました。Tahraは鮮明ですが、弦がシャリシャリしていて少し耳疲れもします。その点、仏協会盤の方が、耳に優しく聴きやすいと思いました。厚みもよりあって、突出気味のヴァイオリンセクションも自然に収まっています。特に、運命、ウェーバーは、仏協会盤の方が名演に聴こえました。Kingは未聴ですが、もしかしら似ているのかもしれません。ただ、全体的にピッチが若干高く、A=442Hzくらいあるように聴こえます。これは理由を問い合わせています。」
 「Leduc氏よりピッチについて返事がきました。曰く、『仏協会がSWF-942/3をリリースした時には、まだ完璧な機器を使用しておらず、ピッチは正確ではなかった。仏協会の協力者であるHabraは2年後にTahra盤を制作した。そちらの方がピッチは正確である。』とのことです。」
11
BPO
1954.5.4
KING
K35Y-43(1980)

8:11 10:50 6:01 8:40

「わずかに拡がりを持つ残響と、全体に厚みのあるバランスが得られるように、特にリマスタリングしてある」と説明されている。

軽度のステレオ・プレゼンス。ヒューというノイズが持続。
ソフトで厚みのある弦の響き。Vnの色彩感ある甘美な音色と逞しい低弦の響きが明瞭。

機ヂ2主題、Vnの甘美さ。
Obのカデンツァ、そしてVnの生成から再現部のスピード感と感動的。
供Va・Vcの音色に温かみが加味され、すばらしい。
TrpのあとのVnの高音(1:55-)の麗しさ。その後のVcの潤いある音色。
甘美な木管群。
コーダ、甘美なVnから明瞭なDBまで、充実。
掘DBの明瞭さ。Vnのフワリとした夢幻的な音色。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:ベートーヴェン 交響曲第8番 1954.8.30
11
BPO
1954.5.4
KING
(SEVENSEAS)KICC-2294(1980)
「パリのフルトヴェングラー」

8:10 10:49 6:00 8:50

「未完成」は生々しい音であったのに、こちらはジーとビビビーいうノイズが入る。
音は厚く、音色は良い。分離と鮮明度はTAHRA盤の方が良い。

柔らかな潤い感のある響き。運命動機のVnの甘美な音色。
ホルン→Vn(麗しい高音)→Cl→Flとみなソフトな音色で、滑らかに移行する。
展開部、Vnの高音、Vc・DBの柔らかな(時に厚い)低音と高低のコントラスト鮮明。中央に木管群が入り、楽器間の掛け合い、対位法部の充実。
再現部、運命動機の後に残るObの陰影ある響き→Vnの高音→迫力ある最強音→甘美な第2主題。推移のすばらしさ。高低強弱コントラストの途方もない大きさに圧倒される。
供VaとVcの伸びやかな歌。特に最後の和音の伸び。
木管群のアンサンブルも密度濃く充実している。
29小節の最強音の威力の凄さ。
4:30-、Va・Vc→Vnの流れの奔流、DBの威力。
各弦楽器はひとつにまとまり、充実したアンサンブルを繰り広げる。
流れの良さと、高低のコントラストの明瞭さ。

7:55-、(177小節)Fl、Cl→Vn→Vc・DB→Va→Vnへの移行のすばらしさ。Vnの高音の麗しさ。絶品。
力強いVc・DBから甘美なVnまで、潤いのある響きが充実している。
Trpも美しく吹かれている。
低音は他のどの演奏よりも低く、高音は他のどの演奏よりも高いという、高低を極めている。
pizzもリアル。
ブリッジ部、Vnの透明で麗しい高音。
検ゥ侫錺蠅箸靴榛廼音で開始される。Vnの高音のしなやかな麗しさ。
第2主題、弱音から最強音までの鮮やかな移行。Tiの怒涛の打撃。
8:40 拍手あり。

当盤推奨度★★★

◆Coupling: シューベルト「未完成」、ウェーバー「オイリアンテ」
11
BPO
1954.5.4
フランス協会
フランス・フルトヴェングラー協会

SWF-942/3 (1994)

8:11 10:50 6:01 8:38

潤いある音色と臨場感など申し分ない。楽章間のインターバルもカットされていない。

機ヂ1主題1回目、先に出る第2Vnが中央に聴こえ、後からの第1Vnはやや左から聴こえる。
2回目は、先に出る第1Vnが左、→第2Vn→Va→Vc・DBと左から右へ流れる、ステレオ的な音響空間。
第2主題、Vnの優美な音色とClの深みのある音色。
展開部、5:12−からと、提示部は巨匠の演奏中、速いものであるが、響きが柔らかく密度が濃いので、優雅な流れとなっている。
再現部、運命動機を1音1音明瞭にしている。
コーダ前、運命動機は、Trpとホルンが音量を増すのもわかるようだ。
Va・Vcの深い響き。ffでも破綻なく、透き通るような響き。
弦楽器群の分離の良さ。

木管群の名手たちの響きの饗宴。
掘Vc・DBが澱むことなく明瞭に響く。
Vnの優美優雅さで、美しい面が引き立つ。
金管群も透明なサウンドで美しく鳴り響く。
温かな拍手とブラボーの嵐。

当盤推奨度★★★ (2005.11.6)

◆Coupling:当日の「未完成」
11
BPO
1954.5.4
TAHRA
FURT-1023/24


8:18 11:01 6:07 8:48

フランス・フルトヴェングラー協会によると、協会盤はピッチが高く、当TAHRA盤が正確とのこと。

音質明瞭、楽器の分離も驚異的に良い。が、その分、冒頭2回目のフライングや所々のアンサンブルの不揃いも目立つ。評価が分かれる演奏である。
音色がBPOなのにVPOのような音色。
供ヌ擺疋僉璽箸諒離が良く手に取るようにわかる。その音色と詩情は、当時から「世界最強木管群」であったことを証する(シューベルト「ザグレイト」スタジオ録音の兇畔造屐法
検ニ粗、凝縮度結晶度に劣るが、2回目は良い。
その後の弦の音色にしびれる。VcとDBの分離も良い。
Trp、Trb、ホルンの各音色も鮮明。
フルトヴェングラー流儀とともに、これほど各楽器の音色を楽しめるというのは稀少。
推進力、覇気あり。

当盤推奨度★★★
11
BPO
1954.5.4
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R) 6CD

8:08 10:50 6:00 8:37+盛大な拍手

ピッチが高い。
テープ音源。
会場の臨場感、空気感あり。
インターバル収録。

長野S氏「微小な擬似ステとわずかなエコーの付加が感じられる。TAHRA盤とは別ソースと思われる(ソースは仏フ協盤?)。」

当盤推奨度 −

◆Coupling:Sym.5 全演奏

12
BPO
1954.5.23
演奏について
ティタニア・パラストでのライブ。

これをフルトヴェングラーの同曲演奏中、ベストに推す人もいる。

テーマをそれ以前の小節から切り離して、大きく羽ばたかせるように歌わせており、 「ゲサンク・フラーゼ(旋律楽句)をまさにゲサンク(歌)として、自然に再現」するという巨匠の芸術の到達した姿を聴くことができる。
深淵精美なppから巨大極大なffへと、ダイナミクスの変化が最大限に成されており、スケールがとてつもなく大きい。

機ゥ董璽泙明瞭に浮き彫りにされる。 後半のアッチェレランドの鮮やかさ。
第2主題、ホルンからふくよかに歌い継がれて行く。低弦のテーマが明瞭に主張されている。
リピート部、テーマの1回目にアンサンブルにずれあり。
展開部、弱音から強音とTiの大打撃までの瞬時の移行。
再現部、ホルンが戦闘的に響く。テーマの一大打撃。
ズソンという衝撃。その後のObのカデンツァのうつろい。
アッチェレランドと休止の対比。
第2主題後半、ソフトでレガートに流れるVnとテーマのffの大打撃の凄さ。
流れの横への変化と、ダイナミクスの変化の大きさ。
供ゥ▲螢△里茲Δ鵬里錣譴襦ffのTiの打撃の凄さと壮麗なファンファーレ。 その後の静寂の深さ。
繊細優美深遠なppと壮麗なff、ダイナミクスの変化がとてつもなく大きい。
掘ゼ絏刺瑤ら壮麗なホルンのffへの移行。Vc・DB、Vnのスムーズな歌。
トリオ、1音1音が彫深く、流れよく刻まれる。
検ト分休符に注意が払われている。流れもよく1音1音が浮き彫りにされる。
第2主題、後半の叩き込むようなクレッシェンド。

宇野功芳「フルトヴェングラーの全名演名盤」
 「表現は一挙に1947年に戻ってしまったようだが、いうなればあの驚くべきドラマを最晩年の枯れたスタイルの中に同化させようと試み、見事な成功を収めたといえよう。 47年盤に比べると、第1楽章の第2主題でテンポを落とさず、第2楽章のコーダではあれほどに幻想的にせず、スケルツォのトリオでも夢中になっていない。フィナーレに入るとテンポの大きな、しかも流動感は変わりがないが、造型の乱れがない。それだけにコーダの決まりは断然この方が良く、特に428−431小節のティンパニを四分音符の連続で叩かせるのは、猛スピードだけに上すべりを防ぐ役目を果たしている。フルトヴェングラーは死ぬまで闘っていたのだ。」

日本フルトヴェングラー協会会報 2010年6月 平田治義氏の文章より
 「全曲に亘ってよく整理されており、スタジオ録音に近い造形。その中に指揮者の個性と、曲の内容とを十分出し切っていて流石に素晴らしい。
第1楽章冒頭の動機は割合あっさりしており、提示部繰り返しの際にはいつも行っていた第1主題終わりのヴァイオリンのソロに付けられたフルマータも初回同様に長く奏するのはフルトヴェングラーの演奏としては珍しい。
(ドイツ協会LP)で気になったのは、ティンパニが全体にp、及びppの処で多少ぼやけた音で大きめに響いたことである。この為に音量を大きくすると聴きづらく(なる)。」

主なCD
1.NUOVA ERA 013.6305(013.6300(6CD))○
2.日本フルトヴェングラー協会 WFJ-12 ☆
3.VIRUTOSO 2697192(国内盤は FV-3004) 音色なし ×
4.TAHRA FURT-1008/11(FURT-1009に収録) 残響付加 ×
5.TAHRA FURT-1032/3(3演奏)=FURT-1009 ×
6.TAHRA FURT-1054/7 残響なし 音色なし ×
7.TAHRA FURT-1067/70(FURT-1068) 6とは異なる ×
8.EMBLEM E-F4003 △
9.MUSIC&ARTS CD-869(2CD=CD-4869) デジタル的 ×
10.M&B=MUSIC BRIDGE MB-4301(6CD、CD-R) 素の音 ○
11.TAHRA FURT-2002/4 ドンシャリ デジタル的音調 音色なし ×
12.DELTA DCCA-0055 △
13.SPECTRUM SOUND ドイツ協会LP盤起し ×

NOUVAERA、RIAS音源コピーからのそのままのCD化 ○
WFJ-12、RIAS音源コピー+ステレオ・プレゼンス ☆
MUSIC BRIDGE、音源不明 ☆
DELTA、RIAS音源コピー+α △
TAHRA、RIAS音源コピー+強度のステレオプレゼンス ×
TAHRA再販、RIAS音源コピー+ノイズカットに伴い楽音もカット ×
AUDITE、RIAS音源コピー+ノイズ軽減に伴い音色も減退 ×
12
BPO
1954.5.23
NUOVA ERA
NUOVA ERA 013.6305

CDにはMade in Japan by Nippon Columbia Co Ltd 表記

8:05 10:48 14:26

ジーというノイズが持続する。
渋い音色はしっかりしているが、音はノイズに負け気味。

機ケ震親圧1回目は音量が小さく、2回目から音量が大きくなる。一瞬の切れ目もある。EMBLEMでは1回目が不揃(?)なので修正か(?)。
ホルンは輝かしい。
第2主題、「美」をたたえている。低域も充実している。
展開部、ホルンの大きな警告音で始まる。響きが充実し、音に「力」がある。
4:38のホルンの力強さ。Obの「美」。
Vcの渋い燻し銀のような音色。
第2主題、ffの大迫力。
TrpとTiの後の弱音部の繊細さ。
Cl、Ob、Flとも、懐深く、しっかりとした音色がある。

掘ゥ曠襯鵑伸びやか。Tiの深い響き。Vnの「美」。高低の分離が良い。
ブリッジ部、弱音がさらに弱音になる。
検ゼ絏擦鉾罎戞音質面で、強音が小さく、迫力や壮麗さは今ひとつ。
Vnが「美」をたたえ、流れが良い。
第2主題後、(靴らのタイムで8:48)にとどめの一撃のような最強音がある。
再現部後半からコーダ、覇気がある。
高低の各々のスムーズなフレージングと分離が良い。


当盤推奨度★★★ (2005.01.28)

◆Coupling:ベートーヴェン 「第1番」 1952.11.29ライブ 名演
12
BPO
1954.5.23
日本協会
日本フルトヴェングラー協会

WFJ-12

8:16 11:01 14:42

RIAS音源。東芝製。

WFJ-13/14(1953.9.15のグレイト)と音作りは同じだが、そちらにはない、NUOVAERA同様の持続ノイズがあり、大きい。
軽度なステレオ・プレゼンス。自然な音響空間。各楽器のしっかりとした明瞭な音と音色と分離の良さ。
ノイズを取り除くと、TAHRAのメタリックな無機的な音になり、軽減するとAUDITEの音色均質化になってしまうだろう。
RIAS音源を、ステレオプレゼンスしているが、他は手を加えずそのまま音にした当時の製作チームの見識の高さが伺える。

当盤推奨度★★★

◆Coupling:「田園」
12
BPO
1954.5.23
EMBLEM
E-F4003

日本フルトヴェングラー協会盤WFJ-12のコピーと推測される。
8:17 11:02 6:07 8:36

TAHRA盤より、潤い感と臨場感があり、優れている。

機ニ粗、不揃い(Vnのフライング)に感じるが(?)これもフルトヴェングラー流?
主題2回目と第2主題前のホルンが太く、強い。
最後の主題のタ・タ・タ・ターンの明白なアクセント。
供Vcのレガートの歌。高貴で申し分ない。
VnのppとTrpとホルンのffと、両方がきれいに入る空間が見事。
掘イ箸砲くDBが逞しい。DB→Vc→Vnの移り変わりも明瞭。流れと音色の移ろいのすばらしさ。弱音部も明瞭。眼前で演奏されているよう。
ブリッジ部のTiのリアルな響き。
オルガン的壮麗なクレッシェンド。まさに「歓喜の凱旋」の感。
指揮者もオーケストラもこの曲を熟知し、強靭精巧なアンサンブル。

当盤推奨度★★★ (2005.01.28)

◆Coupling:ベートーヴェン 「第1番」 1952.11.30ライブ 名演
12
BPO
1954.5.23
TAHRA
FURT-1032/33

8'30 11'19 6'13 8'47

AAD
ステレオ・プレゼンス、残響付加。

宇野功芳「フルトヴェングラーの全名演名盤」
 「録音も非常に良い。高音がややメタリックでざらつくとはいえ、生々しさは最高、分離も良く、倍管のホルンが見事にとらえらえているし、指揮者とオーケストラの激しい気迫も如実に伝わってくる。」

当盤推奨度★☆☆

◆Coupling:Sym.5(1937 / 1943)
12
BPO
1954.5.23
TAHRA
FURT-1054/57

8'22 11'12 6'13 8'43

ADD
残響なし。
音質的なドライさと音色の画一化により、「空虚」なものを感じてしまう。

当盤推奨度 なし
12
BPO
1954.5.23
MUSIC BRIDGE
MB-4301(CD-R)(6枚組)

8:14 11:01 6:07 8:34

テープ音源。
日本協会CDのコピー?

音が良い。自然な素の音。会場の臨場感、空気感あり。
地鳴りのような低域の解像度が高い。
ほのかに明るい高域。枯れてはおらず、炎がある。

当盤推奨度 −

◆Coupling:Sym.5 全演奏
12
BPO
1954.5.23
DELTA
DCCA-0055

8:13 10:54 6:01 8:28

持続するノイズ、第3楽章0分38秒付近の音の歪み、3分48秒以降の人の声のようなノイズ、などから、NUOVA ERAと同じテープ音源と推測される。

音色が良い。Vnの音色は明るく美しい。ホルンやTrpもリアルな音。
低域は、自然な音色と大きさで、迫力ある仕方で鳴ってくる。

機Vnの音色が美しい。ホルン、Trpも音が良い。
低域は、自然な音色と大きさで迫力もある。
供Vcの温かい音色で実在感がある。Vnも美しい。
トゥッティの迫力。
pからffまでのダイナミクスの極大な大きさが再現される。
.38秒付近に音の歪みあり。
3分48秒以降、人声のようなノイズ。
検サ韻しい音色で音が良い。

当盤推奨度★★☆ (2008.12)

◆Coupling:Sym.1(1952.11.29)
12
BPO
1954.5.23
SPECTRUM SOUND
CDSM-008

8:25 11:02 14:46

ドイツ・フルトヴェングラー協会LP F666.310−11 盤起し

当LPはステレオ・プレゼンス付加なので、当CDも同様と思われる。

1952.12.7の「英雄」同様、やはり、くぐもった音で、音の抜けと伸びは詰まっている。
AUDITEよりは音の密度と音色はある。
日本協会、NUOVAERAに聴ける、音の伸びと抜けの良さ、生々しさや空気感は聴けない。

当盤推奨度 なし (2010.7)

◆Coupling:「田園」

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