白柳淳の世界

編集者記

このホームページをご覧いただき、ありがとうございます。 わたしは2001年9月に、当時参加していた演劇集団とのつながりで 白柳淳とその音楽に出会い、魅せられ、 彼の音楽と人となりを伝えるべく「ファンページ」を開設いたしました。 このたび、そのページを大幅に変更しました。といっても、 5年前にわたしが彼の音楽に感じたものは今も変わることなく、 従ってページの内容には変更を加えていません。 その時々で感じたことが「レポート」に綴られています。 音楽とは、人それぞれが感じるもので、「こうでなければならない、 こうあるべきだ」ということは決してございません。 このホームページの記述に、記述者の個人的な思いや意図が含まれている こともありますが、どうぞお許しくださいませ。 今後とも、白柳淳ともどもよろしくお願い申し上げます。
2007年3月10日 ファン2号

*** 白柳淳についての一考 ***

白柳淳の魅力は多方面にわたり、また人によって彼の捉え方も 違います。その中で、わたしが感じる彼の最も得意であろう「作曲」について 少し述べたいと思います。

わたしが彼に出会った当初から彼が言っていたのは、「自分が最も得意なのは作曲だ」という ことです。 演奏は、その日のお客様の状態、会場のつくり、また演奏者本人の状態で いかようにでも変化し、「これが完璧」ということはありません。 一方で、作曲は、「できた、これで完璧」という感覚が白柳淳本人の中に あるのだそうです。

白柳淳の音楽についてわたしが最初に感じたのは、「どこかで聞いたことが ある氣がする」ということでした。 でも、それは氣がするだけで、実際には生まれて始めて聞く曲です。 なぜそう感じるのか、その答えはじきにわかりました。 あるとき、白柳淳の作曲・・・メロディーや全体の構成について尋ねたところ、 彼は、実際現実に存在するものや感情を、そのまま音に変換していると言いました。 つまり、白柳淳が思いついて作り出すメロディは、現実に存在し、人間が感じる 感覚そのままだったのです。

そのメロディを聞いて、違和感なく聞いたことがある感じがしたのは、 そのメロディから現実の感覚を感じ取っていたからでした。 感覚は、自分が今までの人生の中で感じたことがあることや理解できることであれば、 どこか懐かしい感じがしたり、無意識にその過去の感覚をよみがえらせたり するのではないかと思うのです。

次に、「これで完璧」となぜ白柳淳が思うのか。 これを理解するには数年の歳月が必要でした。 白柳淳が曲を作り出していく姿を何度も目撃し、自分もまた「創作」という作業を することによって、どこで手を止めるか、というちょうどいい所について 考える機会が生まれました。

白柳淳は、自分で作曲をするとき、必要な音だけを組み込むという作業をしている といいます。自分が感じ、表現したいものを音に変換するとき、その音が、 必要かどうかを考え、何度もやり直しては、無駄のない、「これしかない!」と 思える音だけを、しかも不足なく入れます。

この作業は、人が会話をするのと同じだと、白柳淳は言いました。 会話をするときは、自分の言いたいことが正しく相手に伝わり、また、 相手の言いたいことを正しく自分が理解できるよう、必要なことを必要なだけ 言葉にします。無駄なことを言っても意味がないし、言葉が足りなければ伝わらない。 そして、会話に必要なのは正しい文法ではなく、自分の意志、心です。 心を伝えるための言葉なのですから。

白柳淳にとって、重要なのは、心が伝わるかどうか(心とそれを伝えるための 音が一致しているかどうか)、ただそれだけでした。

それが自分の中で「できた」というラインになり、作曲は完成します。 その時点で、それをどんな風に人が感じてもいいのです。 感じ方は人それぞれで、いいと思う人もいれば、あまり好きでない人もいるでしょう。 でも、白柳淳の目的が「作曲という形で、自らの心を表すこと」であるならば、 曲が完成した時点で、その目的は達成されているのです。

現に、白柳淳にとって自作曲は全てベストなできあがりであり、全て満足している わけですが、わたしには、すごく好きだなと思える曲もあれば、別に興味を 惹かれない曲もあります。

この、作曲者と、作曲されたものを受け取る側との思いの違いは、曲が 多くの人々の元へ届けられるほど、その差が広がるでしょう。

わたしはこのホームページの中で、わたしが感じた曲のイメージをお伝えして いますが、それすら本人の思いとは違うかもしれません。 ですが、曲が受け取られさまざまな評価をなされたとしても、 白柳淳の根本に流れているものは、曲ができた瞬間・・・もっと言えば、 曲を作ろうと思った瞬間から、なんら変わりはないのです。

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