Bの作曲家



ジョージ・バターワース George Butterworth (1885-1916)

イギリスの作曲家。1885年7月12日ロンドン生まれ。本名ジョージ・セイントン・カイ・バターワース(George Sainton Kaye Butterworth)。1896年にアイスガース校(Aysgarth)へ進学し,パデル(C.Padel)に師事。次いで1899年にイートン校でロイド(C.H.Lloyd)およびダンヒル(T.Dunhill)に学び,次いで1904年からオックスフォードのトリニティ・カレッジに進学。1908年まで法学を学ぶ傍ら,在学中からH.P.アレンやR.O.モリスらに影響され,民謡の採譜をするようになる。これがもとでセシル・シャープやヴォーン=ウィリアムスの知遇を得て音楽への関心を深めた。トリニティ・カレッジを卒業後,1910年からラドリー(Radley)校で一年間ピアノを教える傍ら,1910年に王立音楽学校へ再入学。1911年まで在学し,パラット(Walter Parratt),ウッド(Charles Wood)に師事。しかし,1年後には同校を退学し,ポジエールへ隠棲して民謡収集と再興に没頭した。1914年に第一次大戦が勃発。彼はダーハム歩兵師団の将校として従軍。フランス戦線へ回り,「ソンムの戦い」では塹壕を守り抜く活躍を収め十字勲章を得たが,自身は敵の銃弾を受け,1916年8月5日ポジエールにて戦死。ヴォーン=ウィリアムスは彼の死後,『ロンドン交響曲』を彼に献呈した。短命な上,自己規制が厳しく,戦地へ赴く直前に自作の大半を破棄。現存する作品はごく少ない。(関連ページ:ジョージ・バターワース・ホーム・ページ 英語)


主要作品 
※Barlow, M. 1997. Whom the gods love: the life and music of Butterworth. Toccata Press.入手
時間が出来次第作品表を完全版へ移行します。

管弦楽曲 ・舟歌 barcarolle (1903) ...紛失
・小管弦楽のための2つのイギリス田園詩曲 two English idylls (1911)
・シュロップシャーの若者 a Shropshire lad (1912)
・青柳の堤 'the banks of green willow' (1913)
合唱曲 ・3つの讃歌 three hymn tunes (1899)
・クリスマスの夜に on Christmans night (1912)
・我らは朝に起き we get up in the morn (1912)
器楽曲 ・組曲 suite (1910) {2vln, vla, vc}
・ファンタジア fantasia (1914) {2vln, vla, vc} ...
未出版
歌曲 ・接吻への畏れ I fear thy kisses (1909) ...P.B. Shelley詩
・シュロップシャーの若者より6つの歌 six songs from a Shropshire lad (1911) ...
A.E. Housman詩
・鎮魂の辞 requiescat (1911) ...
O.Wilde
・風吹くが如き愛 love blows as the wind blows (1911-1912/1914) {vo, 2vln, vla, vc (orch)} ...
Henry詩
・シュロップシャーの若者より5つの歌 five songs from s Shropshire lad (1912)
・ブレドン・ヒルとその他の歌 Bredon Hill and Other Songs (1912) ...
Housman詩
・高地にて in the Highlands (1912) {2sop, alto, p} ...
Stevenson詩
・11のサセックス民謡 eleven folk songs from Sussex (1912)
・君のためにブローチを I will make you brooches (-) ...
Stevenson詩


バターワースを聴く


★★★★☆
English Tone Poems "Irish Landscape (Bax) The Banks of Green Willow / Two English Idylls (Butterworth) Two Pieces (Moeran) There is a Willow grows aslant a Brook" (EMI : TOCE-6420)
Jeffrey Tate (cond) English Chamber Orchestra
これはEMIから出た,近代イギリスのトーン・ポエム(交響詩)を集めた作品集。バックス以外は現在でもなお過小評価の極みにある作曲家ばかりです。旋法・多調を利して巧みな対位法を駆使するモーランの個性がやはり抜きんでているような気がしますが,ここでは,バターワースの作品に注目していただきたい。彼は若くして戦死してしまったため作品は僅少で,管弦楽はここに収められたもの以外に僅か1曲だけ。それ以外のジャンルを含めても,この他に歌曲・合唱曲が数点ほど残されているのみ。夭折が無名に拍車を掛けているだけに作風は穏健で,いかにもこの時代のイギリスの作曲家らしい,牧歌的なロマンティシズムが満ちあふれた佳品ばかりです。演奏は作品への共感に溢れ,弦部は伸びやかで演奏も好い。これからイギリスものでもという方には,こういうCDなど良いかも知れません。

(2002. 9. 4 uploaded)