Dの作曲家



ゴッドフリート・デヴリーゼ Godfried Devreese (1893-1972)

ベルギーのヴァイオリン奏者,教育者,指揮者,作曲家。1893年1月22日コルトライ(Kortrijk)生まれ。生地で音楽教育を受けた後,ブリュッセル音楽院へ進んで,ヴァイオリンをウジェーヌ・イザイ,セザール・トムソンに師事(16才でヴァイオリン科一等)。さらに,印象主義的作風で知られるベルギーの作曲家ポール・ジルソンに,私的に師事して作編曲を修得した。第一次大戦中,兵役で4年間パリへ赴き,ここで印象主義の強い影響を受ける。その後オランダに渡り,ハーグでクルハウス管弦楽団,さらに1928年から5年間アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーとして活動。ブリュッセルとアントワープでは指揮者としても活躍した。1930年にオーギュスト・ドゥ・ボックの後任としてマリネ音楽院の院長に就任。以後1958年まで29年間教鞭を執り,同市をブリュッセル,アントワープと並ぶ音楽的拠点地域にまで成長させた。後年教育に身を捧げた彼の作品は,彼がコンセルトヘボウ弦楽四重奏団でヴィオラを弾いていた比較的若い頃に多く書かれ,ロマン派の影響下に印象主義やバーバリズムの影響も採り入れた近代的な作風をとっている。1972年6月4日ブリュッセルにて 死去。


主要作品

舞台作品 ・ベアトリスの伝説 la legende de Beatrice (193-) <opera>
管弦楽 ・英雄的交響詩 poème heroïque (1923) <orch>
・交響的変奏曲 variations symphoniques (1923) <orch>
・トンブレーヌ tombrène (1926)
・追悼 in memoriam (1928)
・交響曲第1番 symphonie No.1 en la mineur (1944) <orch/p>
・組曲 suite (1953)
・シンフォニエッタ sinfonietta (1962) <strings>
・アンダンテ・インプロヴィサンド andante improvisando (1963) <strings>
・民謡風の主題による6つの変奏 six variations sur un theme populaire (1963) <orch>
・交響曲第4番 symphonie No.4 (1965)
協奏曲 ・チェロ協奏曲 concerto pour violoncelle et orchestre (1930) <vc, orch>
・コンチェルティーノ concertino (1926/1930) <vc(vln/fl, cl), p(orch/chamber/hrp, celesta)>
・ヴァイオリン協奏曲 concerto pour violon et orchestre (1937) <vln, orch>
・ピアノ協奏曲 klavierconcert in do majeur (1938) <p, orch/2p>
・ピアノ協奏曲 concerto pour piano et orchestre (1939) <p, orch>
器楽/室内楽 ・弦楽四重奏曲 strijkkwartet in fa majeur (1937) <vln, vla, vc>
・狂詩曲 rhapsodie (1948) <cl(4cl), orch(p)>
・ピアノ三重奏曲 trio (1948) viool, cello en piano
・アレグロ allegro (1950) <tp, p/orch>
・吹奏楽のためのファンファーレ fanfare (1956) <3tp, 4hrn, 3tb, tba, pauken, bekkens, perc>
・木管四重奏曲 quatuor (-) <2ob, 2bssn>
ピアノ曲 ・ゆるやかな舞曲 danse lente (1919) <p>
・演奏会用スケルツォ scherzo de concert (1921) <p>
・4つのソナチヌ quatre sonatines (1944) <p>
・6つのソナチヌ sonatines (1944-1945) <p>
歌曲 ・5つの歌 cinq mélodies - (1916) <vo, p>
・ innigheid (1918) <msp, p>
・親し気に intimite (1920) <sop, orch>
・ kastanjes (1935) <sop, p>
・牧神 faune (1933) <vo, orch(p)>
・ stapmarsch (1955) <sop, p>


デヴリーゼを聴く


★★★☆
"Tombelène / Violin Concerto / Cello Concerto" (Marco Polo : 8.223680)
Frédéric Devreese (cond) Guido De Neve (vln) Viviane Spanoghe (vc) BRT Philharmonic Orchestra
滅多にCDをお見かけしないデヴリーゼの貴重な大編成作品集です。作曲者の実息フレデリク氏の指揮。息子のお陰で日の目を見たというところでしょうか。親孝行ですね。彼の作風を一言で形容すると,穏健なベルギー版シュミットないしはウォルトン。野趣溢れる躍動的なリズムと和声感覚,そして,フランキスト直系のシュミットやロマンティックなウォルトンほど流麗ではありませんが,叙情的な主旋律が特徴。シュミットが今ひとつ評価が定まらないのと同様,彼も雑多な派閥の分水嶺にあったことが,評価されない理由なのでしょう。それだけに作品は魅力的。普通なら諸手を挙げて大推薦したいこのCDになぜ辛い評価が?そうです。演奏がヒドイのです。ブリュッセル放送管はそんなに悪いオケじゃないと記憶していたのですが,この盤の演奏は恐ろしく粗く,最悪の醜態をさらけ出す。ヴァイオリンのデ・ネーヴェは11才でブリュッセル音楽院への進学を許された俊才。しかしピッチはちょ〜不安定だっちゅうの状態。『トンブレーヌ』なんて,シュミット紛いの名曲なのに。惜しいなあ・・・

(2002. 5. 30)