Gの作曲家



ピエール・ガベーユ Pierre Gabaye (1930-2000)

フランスの作曲家,ピアニスト。1930年2月20日,パリ生まれ。国立パリ高等音楽院へ進み,トニー・オーバン(Tony Aubin)に作曲法を,シモーヌ・プレ・コサード(Simone Plé-Caussade)に対位法を師事した。1956年に,カンタータ『強いられた婚礼』でローマ大賞第2位を獲得。ル・ギド・ドゥ・コンセール主催の作曲コンクール未成年部門で優勝。フランス国営放送主催の交響曲作曲コンテストで,1955年と1956年の2年連続で優勝して評価を高め,1956年のパドルー審査演奏会(Concert Référendum Pasdeloup)でも優勝。ジャズ・ホット誌主催の国際ジャズ・コンクール・ピアノ部門でも優勝を収めた。1975年から1990年まで,フランス国営放送の委嘱を受けて,同局の音楽部門を担当するとともに,ヴェジネ音楽院の教授にも就任。後進の育成にあたった。作品はほとんどCD化されていない。サンカンやベルトミューらとともに,今後の再評価を熱望したい。惜しくも昨年(2000年)に急逝した。


主要作品

歌劇/カンタータ他 ・強いられた婚礼 le mariage forcé (1956)
・魔法の箱 la ruche magique (1957) {recit, orch}
・夜の軍隊 les armes de la nuit (1964) {orch}
管弦楽曲 ・組曲 suite SNCF (1955) {strings}
・シシリアの情景 images Siciliennes (1956)
・カトビア風組曲 suite Catovienne (1956)
・狂詩的スケルツォ scherzo rhapsodie (1956)
・ヴァイオリンのミストラル violons mistral (1957)
・フィヨルド fjords (1958) {strings}
・ガロップ galop (1958)
・マグレブ maghreb (1959)
・組曲 suite RTF (1962)
・休暇の喜び joyeuses vacances (1965)
・マルグリット・ミーヴァンの伝説 légende de Marguerite Myvatn (1965)
・春の花々 fleurs de printemps (1971)
・仮装行列 marche pommarde (1988)
協奏曲 ・ゴール風の組曲 suite Gauloise (1959) {vc, b, orch}
・協奏的交響曲 symphonie concertante (1960) {fl, ob, hrn, bssn, strings}
・花火 feu d'artifice (1964) {p, orch}
・ハープ協奏曲 mylou 'concerto harpe' (1965) {hrp, chamber-orch}
室内楽曲 ・レクリェーション récréation (1958) {tp, hrn, tb, p}
・テューバの村 tubabillage (1959) {tba, bass-tb, sax, b, p}
・五重奏曲 quintette (1959) {fl, ob, cl, hrn, bssn}
・3つのオバド trois aubades (1964) {4cl}
・旋法的な4つの小品 quatre pièces tonales (1971) {4tb}
器楽曲 ・ソナティヌ sonatine (1956) {ob, p}
・気まぐれ boutade (1957) {tp, p}
・哀歌 complainte (1957) {tb, p}
・練習曲 étude (1957) {rire, tb, p}
・トッカティーナ toccatina (1957) {bssn, p}
・春のセレナード sérénade de printemps (1959) {hrn, p}
・ソナティヌ sonatine (1959) {cl, p}
・ソナティヌ sonatine (1961) {tp, p}
・ソナタ sonate (1962) {fl, bssn}
・演奏会用練習曲 étude de concert (1966) {accordion}
・リサイタル急行 récital express (1968) {2p}
・トロンボーンとピアノの専用曲 spécial (1969) {tb, p}
・12の調性で les douze tons (1972) {hrp, p, perc}
歌曲 ・春 printemps (1959) {sop, p}


ガベーユを聴く


★★★★
"Alla Francese :
Sonate (Poulenc) / Cavatine (San-Saëns) / Villanelle (Dukas) / Impromptu (Ibert) / Choral, Cadence et Fugato (Dutilleux) / Divertimento (Françaix) / Sonate (Hubeau) / Recreation (Gabaye)" (Pierre Verany - Victor : VICC 23005)

Thierry Caens (tp) André Cazalet (hrn) Michel Becquet (tb) Yves Henry (p)
管見の限り,唯一国内版CD化されたガベーユの作品。このCDには他にも,ピアニストとしてのみ有名なユボー,作品僅少で,しかも『魔法使いの弟子』以外は滅多に演奏されないデュカなど,珍品にして名品が幾つか収められており,演奏も良好。印象主義の外苑墓地を散策したいという奇特な方にはぜひお薦めしたいCDです。ガベーユの作品は標題が示すとおり色彩感と躍動感に富んだ,分かりやすく楽しい内容。しかし,一見平明でいて,縦横に張り巡らされた対位法の妙は,紛れもなくこの作曲家の至芸を示すもの。ローマ大賞受賞は伊達じゃありません。再評価はこれからかも知れませんが,吹奏楽の盛んな我が国からぜひ,再評価機運を盛り上げていただきたい。

(2001. 7. 15)