Mの作曲家



レーヴィ・マデトヤ Leevi Madetoja (1887-1947)

フィンランドの作曲家。本名レーヴィ・アンティ・マデトヤ(Leevi Antti Madetoja)。1887年2月17日,オウル(Oulu)生まれ。1906年にヘルシンキ大学へ進学し,1910年に修士号を取得する傍ら,1906年からヘルシンキ音楽研究院へも進み,アルマス・ヤルネフェルト(シベリウスの義兄),エリック・フルヒェルムに師事,1908年からはジャン・シベリウスに師事して音楽を学ぶ(〜1910年)。卒業後間もなくパリに出て1911年まで逗留した(ヴァンサン・ダンディに師事したとの説は一般的だが,正確にはダンディの病気のため,形式的な面会が一度のみ)。さらに1911年にはウィーンでロベルト・フックスにも短期間師事したほか,ベルリンでも学ぶ。1912年にヘルシンキ管弦楽団の副主席指揮者となり(1914年まで),次いで1914年から1916年までヴィープリ(Viipuri)管弦楽団の音楽監督に就任。その傍ら1916年から1932年までヘルシンキ新聞(Helsingin sanomat)上で音楽批評家としても活躍した。教育者としては,1916年から1939年までヘルシンキ音楽院で楽典及び楽史,さらに1928年から亡くなるまでヘルシンキ大学でも教鞭を執って,後進の育成にあたっている。1933年にフィンランド音楽家連盟の理事長。1936年に国立音楽評議会議長。シベリウスに続く国民学派〜ロマン派の一員とされるが,フランスとの関わりが深い彼はより近代的で,熟達した管弦楽書法を持ち味としている。フィンランド文化財団名誉賞(1947年)。1947年10月6日,ヘルシンキにて死去。(関連サイト クーラ&マデトヤ)


主要作品

舞台作品 ・ポポヤ地方の人々 Pohjalaisia, op.3/45 (1922-1923) ...A. Jarviluomaをもとに作曲者台本。
・バレエ【オコン・フオコ】 Okon fuoko, op.58 (1927/1930)
・ユハ Juha, op.2/74 (1934) ...
J. AhoによりA. Akteと作曲者台本。
管弦楽曲 ・交響的組曲 Symphonic suite, op.4 (1910)
・舞踏の風景 Tänssinaky - öinen karkelokuva, op.11 (1910)
・演奏会用序曲 Concert overture (1911)
・クレルボ Symphonic poem 'kullervo' (1913)
・交響曲第1番ヘ長調 Symphony No.1, op.29 (1915-1916)
・田園組曲 Pastoral suite (1916)
・交響曲第2番ホ長調 Symphony No.2, op.35 (1917-1918)
・ポポヤ人の狂詩曲 Phjalainen rapsodia (1922)
・喜劇的な序曲 Huvinäytelmäalku soitto, op.53 (1923)
・交響曲第3番イ長調 Symphony No.3, op.55 (1926)
室内楽 ・ピアノ三重奏曲 Piano trio, op.1 (1909) {vln, vc, p}
・ヴァイオリンのためのソナティナ Violin sonatina (1913) {vln, p}
・叙情組曲 Yyrillinen sarja, op.51 (1921-1922) {vc, p /orch}
ピアノ曲 ・民謡集 Kansanlaulu (1912)
・小さな童話 Pieni satu (1915)
・記憶 Vanha muisto (1915)
・田園組曲 Pastoraalisarja (1916)
・死の庭園 Kuoleman puutarha, op.41 (1918-1919)
声楽曲 ・メリコスキ Merikoski, op.10 (1911) {choir, orch}
・ヘルシンキ大学卒業式典カンタータ Helsingin yliopiston promootiokantaatti, op.22 (1914) {recit, sop, choir, orch}
・スターバト・マーテル Stabat mater, op.27-2 (1915) {f-choir, strings, org}
・葬送詩篇 Hautalaulu (1916) {choir, orch}
・アスラック・スマウッカ Aslak Smaukka, op.37 (1917) {btn, m-choir, orch}
・ヴァイナモイネンの種蒔き Väinämöisen kylvö, op.46 (1919) {sop(tnr), orch}
・エジプト紀行 Pako Egyptiin, op.61 (1924) {sop, choir, orch, org}
・プロフンディス De profundis, op.56 (1925) {choir}
・惑星の歌 Planeettain laulu, op.59 (1927) {sop, choir, orch}
・勝利の栄光 Lux triumphans, op.63 (1928) {vo, choir, orch}
・秋 syksy (1930-1940) {vo, p}
・ヴァイナモイネンの演奏 Väinämöisen soitto, op.76 (1935) {sop, btn, choir, orch}
・歌の花環 Lauluseppel (1938) {btn, choir, orch}

※Suomesta氏に訳の誤謬等を数点修正頂きました(2006. 1. 11)


マデトヤを聴く


★★★★☆
"Symphonies No. 1 - No. 3 / Comedy Overture / Kullervo / The Ostrobothnians / Okon Fuoko" (Finlandia - Warner Classics : 8573-81971-2)
Jukka-Pekka Saraste (cond) Finnish Radio Symphony Orchestra : Tampere Philharmonic Orchestra : Helsinki Philharmonic Orchestra
彼の地の大作曲家シベリウスの北欧的なロマンティシズムが基調なのは,ポスト・シベリウス期のどんな作家にも共通するところ。ダンディに学んだマデトヤの場合は,それをより甘美かつ薫り高い近代的な和声感覚の下で花開かせたような作風が基調といえましょうか。なにぶんにも北欧の人。仏ものに比べて若干,旋律に土臭さが残り,曲想も形式感が強めですけれど,筆致そのものは非常に充実しており,フランキストの気品と『フランス山人』のロマンティシズムが横溢するオーケストレーションが抜群に巧いです。フランス長老系の下手なロマン派もので「おおフレンチ」なんて言ってるよりは,よほど色彩感やロマン派的な情緒も豊か。何よりフランスものにはない,北欧らしい凛とした気品があるのは,この人物の大きな魅力ではないでしょうか。ドビュッシーやラヴェルがそうであったように,彼もまた「交響曲」などとと格式張るより,交響詩などの方が,持ち味が良く出ていて良いのではないかと思います。ご存じバナナの叩き売り企画【ウルティマ・シリーズ】の一枚。2枚組で1枚盤と同等のお値打ち品。彼の地で最良のオーケストラと指揮者による充実した演奏で聴け,かなり溜飲が下がります。