Mの作曲家



フェデリコ・モンポウ Federico Mompou (1893-1987)

スペインの作曲家。1893年4月16日,バルセロナ生まれ。はじめピアニストを志し,バルセロナのリセオ音楽院(Conservatrio del Liceo)でペドロ・セラ(Pedro Serra)に学ぶが,エンリケ・グラナドスの推薦で1911年にフランスへと留学。フォーレとマルグリット・ロンの演奏会を耳にしてフォーレに傾倒。1911年パリへ出てパリ音楽院へ進み,イシドール・フィリップ(Isidor Philipp)とフェルディナンド・ モット=ラクロワ(Ferdinand Motte-Lacroix)にピアノ,マルセル・サミュエル・ルソーに和声法及び作曲法を師事。第1次大戦で故国へ戻るものの,7年後の1921年に再びパリへ出て,以後20年間に渡って滞在し,「プリミティヴ・スタイル」と称して,縦線や調性記号のないピアノ曲や歌曲を作曲した。その後1941年には,第2次大戦で再び出国を余儀なくされ,バルセロナへと帰郷。以後,1987年6月30日に亡くなるまで生地に居した。作品のほぼ全てはピアノ独奏のために書かれ,形式面ではエリック・サティ,和声法や旋法の面ではクロード・ドビュッシーの影響下に位置する。土着民謡や東洋音楽に影響を受けた簡素な形式と近代的な和声とを巧みに組み合わせて,極めてナイーブで内省的な独自の語法を確立。聖ジョルジュ王立アカデミー,国際現代音楽協会(SIMC)委員。彼のピアノ作品は,1974年に82才の作曲者の自作自演集が録音されCD化された。近年,再評価著しい作曲家のひとり。


主要作品 ※エスパニョールわからん・・。誰か訳してください・・(笑)

バレエ ・鳥の館 la casa de los pájaros (1956)
管弦楽 ・ショパンの主題による変奏曲 variaciones sobre un tema de Chopin (1938-1957)
・ improperios (1963)
・ポール・ヴァレリーによる5つの歌 cinco canciones sobre textos de Valéry (1973)
合唱曲 ・ ultreia (1962)
・室内 vida interior (1966)
・アルフォンソ・エル・サビーオの2つの歌 dos cantigas de Alfonso el Sabio (-)
・アヴェ・マリア ave maría (-)
・魂の歌 cantar del alma (-) {org, choir (p)}
ピアノ曲 ・内なる印象 impresiones íntimas (1911-1914)
・部屋 pessebres (1914-1917)
・町はずれ suburbis (1916-1917)
・子供の情景 scènes d'enfants(escenas de niños) (1915-1918)
・魔法の歌 cantos màgicos (1917-1919)
・歌と踊り 第2曲 canción y danza No.II (1918-1924)
・呪文 charmes (1920-1921)
・遙かな祝祭 fiestas lejanas (fêtes lointaines) (1920-1921)
・3つの変奏曲 trois variations (1921)
・歌と踊り 第1曲 canción y danza No. I (1921-1928)
・対話 dialogues (1923)
・歌と踊り 第3曲 canción y danza No. III (1926)
・前奏曲集第1曲〜第4曲 preludios (1927-1928)
・歌と踊り 第4曲 canción y danza No. IV (1928)
・前奏曲集第5曲〜第7曲 preludios (1930-1931)
・パリ万博の想い出 souvenirs de l'exposition (1937)
・歌と踊り 第5曲 canción y danza No. V (1942)
・歌と踊り 第6曲 canción y danza No. VI (1942)
・風景 paisajes (1942, 1947, 1960)
・前奏曲集第8曲〜第10曲 preludio (1943-1944)
・歌と踊り 第7曲 canción y danza No. VII (1944)
・歌と踊り 第8曲 canción y danza No. VIII (1946)
・歌と踊り 第9曲 canción y danza No. IX (1948)
・子守唄 cancion de cuna (1951)
・歌と踊り 第10曲 canción y danza No.X (1953)
・沈黙の音楽 música callada (1959-1967)
・前奏曲第11曲 preludio (1960)
・歌と踊り 第11曲 canción y danza No. XI (1961)
・歌と踊り 第12曲 canción y danza No. XII (1962)
・即興曲集 les impropères (1963)
ギター曲 ・コンポステーラ組曲 suite compostelana (1962)
・歌と踊り 第13曲 canción y danza No.XIII (1972)
歌曲 ・灰色の時間 la hora gris (1915)
・4つの歌 cuatro melodías (1925)
・ cançoneta incerta (1926)
・雲 le nuage (1928)
・ compines (1926/1943)
・夢の戦い combat del somni (1942-1951)
 1) damunt de tu només les flors (1942)
 2) aquesta nit un mateix vent (1946)
 3) jo et pressentia com la mar (1948)
 4) fes-me la vida transparent (1951)

・河上の雨 llueve sobre el río (1945)
・パストラール pastoral (1945)
・ el viaje definitivo (1947)
・ cançó de la fira (1949)
・ aureana do sil (1951)
・ san martí (1962)
・初めての一歩 primeros pasos (1964)
・ becquerianas (1971)
典拠 Janés, C. 1975. La vida callada de Federico Mompou. Barcelona: Editorial Ariel.


モンポウを聴く


★★★★
"Suburbis / Scènes d'enfants / Les Impropères / Combat del Somni" (Harmonia Mundi : HMC 901482)
Virgínia Parramon (sop) Jerzy Artysz (btn) Francisco Perales (dir) Cor de Valencia : Josep Pons (cond) Orquestra de Cambra Teatre Lliure
モンポウはファリャやトゥリーナらと同様,近代スペインにおける国民楽派の一人とも位置づけられますが,国粋的なイデオロギーを前面に押し出し,先頭に立って派手に活躍したファリャらとモンポウとの間には,知名度の上でも作風の上でもかなりの違いが見られるように思います。モンポウも確かにスペイン風の書法を用いはしますが,ファリャよりもっと内省的で地味,これ見よがしなスペイン臭を振りまかない穏健さが魅力です。そのうえ,生涯フランスへの憧憬を抱いた彼の和声感覚は印象派寄り。ピアノ作品を管弦楽配置したこのCDでもそうした傾向は顕著。他の同時代スペイン作家とは異なり,イデオロギーで音楽をやらない穏健で実直な姿勢が,却って自然にスペイン人らしさをにじみ出している点は特筆すべきものです。いずれも原曲が小品のため,やや聴き足りないと思われる向きもありましょうが,作風は素朴で聴きやすく,しかも印象派を思わせる程良い色彩感があり,ちょうど『風の谷のナウシカ』の乗り。適度に平易かつ間口の広い音楽になっていると思います。演奏も良いです。

★★★★☆
"Obras Para Piano :
Canciones Y Danzas / Suburbis / Escenas de Niños / Fiestas Lejanas / Pessebres / Paisajes" (EMI : CDM 7 64470-2)

Gonzalo Soriano, Carmen Bravo (piano)
ラローチャと並ぶスペインもの演奏の大家ゴンサロ・ソリアーノと,モンポウの奥さんでもあるカルメン・ブラーヴォとのカップリングで聴けるモンポウのピアノ作品集。スペインの作曲家でありながら,エキセントリックなところは微塵もない訥々と素朴な風情を持ち,二度に渡ってパリへ居を構えたほど近代の印象主義的な書法にも影響を受けたモンポウの穏健かつ適度に神秘的な作風は,やはりピアノ曲において色濃く発揮されます。私事で恐縮ながら,この盤の最大の魅力は,蓋しモンポウの最高傑作『湖』が,望みうる最上の演奏で入っているという点。同曲を献呈されたカルメン・ブラーヴォのピアノは,ご主人同様虚飾を廃し,淡々とした佇まいの中にも作品の本質に鋭く迫る洞察力に溢れた名演奏。グリーグの叙情少品集に,ケックランやドビュッシーの内省性を加えたようなこの作品をお聴きになれば,近代もののお好きな方なら誰しも耳を奪われずにはおれないでありましょう。

★★★★
"Mompou plays Mompou vol.1 :
Impressiones Intimas / Pessebres / Cancion de Cuna / Scènes d'Enfants / Dialogues / Souvenirs de l'Exposition / Charmes" (Ensayo : ENY-CD-3418)

Federico Mompou (piano)
スペインの作曲家フェデリコ・モンポウは近年,再評価著しい作曲家の一人。できるだけ素朴な形式に基づき,できるだけ深遠で内省的な心象風景を描こうとしたその作風は,単なるクラシックの枠を超えたヒーリング音楽のような佇まいを持つもの。自身優れたピアノ奏者でありながら頑なに録音や演奏活動を自粛し続けた,控えめでデリケートな人柄そのままのナイーブな音楽です。そんな彼が,82才にして自らの全ピアノ作品を録音したのは1974年のこと。近年の再評価に応える形で,4枚のCDに分けてその全貌が世に出ました。これはその第1集で,彼の前半生を彩った作品を中心に編纂。サティの影響色濃い,素朴な初期の作風を堪能できる一枚です。後年花開く,高度にオリジナルで内省性の高い作風は控えめですが,彼がパリへ出て,エリック・サティとドビュッシーにいかに多くのものを感じ,それらを吸収していったかを如実に表しているといえましょう。何しろ奏者はご高齢。時折ミスタッチや音符の摩滅が散見されますけれど,彼の極めてパーソナルな作品は,彼の伏し目がちなピアニズムでこそ生きてくる。饒舌で上手い巷のピアニストからは感じることのできない,朴訥でナイーブな佇まいが静かに聴き手の心に穏やかな波紋を広げていくようです。

★★★★
"Mompou plays Mompou vol.2 :
Suburbis / Cants Màgics / Fêtes Lointaines / Paisajes" (Ensayo : ENY-CD-3426)

Federico Mompou (piano)
モンポウが晩年に吹き込んだ自作自演集の2枚目は,『町はずれ』,『魔法の歌』,『遙かなる祝祭』,『風景』の4つのピアノ曲集を収録。いずれもグリーグの叙情小品集やサティのピアノ曲を思わせる素朴な旋律と,印象主義の影響下にある神秘主義的な和声を穏やかに溶け合わせた,好ましい佳曲揃いです。前3つの作品集はいずれも1916年から1920年までの間に,相次いで書かれているのに対し,唯一『風景』だけが1942年,1947年,1960年に,断片的に書かれ,この作品の持つ特異性が浮き彫りになっている。1942年と言えば,作曲者がバルセロナへ帰郷した年に当たります。そしてここから第三曲が生まれるまでの約20年間,モンポウは殆ど作曲の筆を断っている。そして,この作品が献呈されたのはカルメン・ブラーヴォであり,彼女自身(当時まだ未完の第3曲を除き)が最初の吹き込みを行っている。作曲家として生きた前半生とこの後半生の,あまりに明瞭な落差。この長い沈黙の中に,彼と生涯の伴侶との間に交わされた,秘めやかな愛の音楽が隠れているように感じられるのは私だけではないでしょう。それゆえにこそなお,この作品はいわば愛に生きた後半生のライフ・ヒストリー的作品集なのであり,「モンポウ孤高の一曲」と個人的には思ってきた『湖』は,純粋に音楽として聴いても傑出しているばかりでなく,モンポウ自身にとっても特別な意味を占めるものなのだと,改めて感じ入った次第です。

★★★★☆
"Mompou plays Mompou vol.3 :
Preludios / Variaciones sobre un Tema de Chopin / Trois Variations" (Ensayo : ENY-CD-3452)

Federico Mompou (piano)
モンポウの自作自演集の第3集は,『歌と踊り』と並んでモンポウのライフ・ワークとなった『前奏曲集』の全曲録音を含むCDです。『歌と踊り』が,どちらかというとモンポウの出自を感じさせるスペインの民族色に富んだ,素朴な筆致を特徴とするのに比べると,『前奏曲集』のほうはケックランやサティ,ドビュッシー(後年)など,彼が敬愛したフランス近代の作曲家たちの耽美的で思索的な書法が色濃く出たもの。極力削られた音の中に浮かび上がる作曲者の控えめな内的世界が色濃く反映され,モンポウの作品の中でも特に印象主義色の強い作品集と言えるのではないでしょうか。4枚からなる自作自演集でも,この第3集は白眉の出来。最小の技術と最大の感性とを要求する曲の性格が,老境のモンポウの虚心坦懐然としたピアニズムと見事なまでにマッチ。理想的な演奏だと思います。まず一枚という方にはこの第3集を是非お薦めしたい。

★★★★☆
"Mompou plays Mompou vol.4 : Cançó I Dansa I - XII" (Ensayo : ENY-CD-3453)
Federico Mompou (piano)
モンポウの自作自演CDの第4作は『歌と踊り』の全12曲を収録。この作品集はモンポウが2度目にパリへ出てきてから,生涯の大半に渡って書かれた,いわば彼のライフ・ワークです。スペイン出身であった彼は,同国の作曲家の多くがそうしたように,折に触れてスペイン民謡の持つ旋律を自分流に現前してみたいとの欲望を持っていたのでしょう。そうした事情もあってか,フランス音楽に対する憧憬が一段落する中期の作品は,一般的なスペイン人のように押しが強くバタ臭くはないものの,極めて朴訥で典型的なスペイン民謡の特徴が取り込まれている。しかし,それでもなお極力虚飾を廃した簡素な書法の中へ,極めてデリケートかつ穏健に高度な対位法表現と音色の試みが織り込まれています。意外にも最終的なモンポウの理想型は,シャルル・ケックランが目指していたアルカイックな神秘主義と近いところにあったのかも知れません。無駄な技巧も虚飾も削ぎ落としたこういう楽曲では,虚心坦懐然とした作曲者のピアノの持つ有効性も最高度に発揮されています。

★★★★☆
"Musica Callada" (Mandala : MAN 4812 S)
Josep Colom (piano)
『沈黙の音楽』は,モンポウが1959年から1967年に掛けて,断続的に書き進めた4部28曲からなるピアノ小品集。彼の残したピアノ曲の中でも,最大規模の小品集で,もとは14世紀の詩人サンジュアン・デラクルツ『魂の歌』の一節に含まれていた【沈黙の音楽,鳴り響く孤独】に着想したものです。標題からして内省的で,競合盤にECMのヘンク盤もあるこの演目。実際,モンポウの全ピアノ曲の中でも,これほど音数が削り込まれ,土臭いスペインの香りが希薄な作品は他にないでしょう。代わって,彼が敬愛していたフランスの進歩的な作曲家,サティのもつ簡素で無垢な構成とドビュッシーのもつ水彩画的な和声感覚に接近し,調性感を希釈した響きは,ときにウェーベルンをすら彷彿させる。現代音楽しか録音しない男ヘンクが,敢えて選んで録音したのも頷ける,極めて内向きの音風景です。耳慣れないお名前のソリストは,1947年1月12日バルセロナ生まれ。1978年のパロメア・オセア国際で優勝し,同年のブゾーニ国際で4位入賞しているほか,1970年のベートーベン・コンクール,1972年のスクリャービン・コンクールでも優勝している中堅。現在はチェロのルイス・クラレットと組んで生地を拠点に活動しているようです。あまり耳馴染みのない演奏者ゆえに心配しましたが,中身はなかなかの良演。崩しは節度を弁え,あくまで抑え気味に処方。的確な技巧と芯の通った譜読みでかっちりと曲の輪郭を捉えていく。競合盤が有名なのも手伝って,やや割を食っているような気がしますけど,腕前はかなり良いのではないでしょうか。

★★★★
"Fantasia Bética (de Falla) Cantos Màgicos / Suburbis / El Carrer, el Guitarrista, el vell Cavall / Gitanes / La Cegueta / L'home de l'Aristo (Mompou) Cuatro Homenajes (Viñes)" (Telos : CD tis 005)
Joaquin Soriano (piano)
既に作者自身の演奏によるピアノ曲全集も登場し,さらには同シリーズが箱盤となって安価に。すっかり選択肢も多くなったモンポウ。敢えてこのCDを採りあげる意義は余り多くないのかも知れません。モンポウ・ファン以外にとってこのCDの魅力の大半は,恐らく世界初録音であろうリカルド・ヴィーニェスのピアノ作品全集(と言っても,僅かに4曲)が併録されていることでしょう。ヴィーニエスはスペイン系でありながら,ドビュッシーやラヴェルの殆どのピアノ作品を初演した往事の大ピアニスト。同じくスペイン出身でありながらパリ暮らしが長かったモンポウとは似たところがあると言えるのかも知れません。ピアノのホアキン・ソリアーノは,パリ音楽院でペルルミュテールに学び,ウィーンではブレンデルにも師事。3つの国際コンクールに優勝した経験を持つ御仁だそうで,現在はニューヨークのマンハッタン音楽院で客員教授職にある人物。なるほど技量は大変達者です。

★★★★
"Souveniers de l'Exposition 50ème Anniversaire 1937 : À l'Exposition (Auric, Delannoy, Ibert, Milhaud, Poulenc, Sauguet, Schmitt, Tailleferre) Autuor des Montagnes Russes (Tcherepnin) Souvenirs de l'Exposition (Mompou) La Danseuse aux Lions (Rieti) Le Géant (Tansman) Scenic-Railway (Honegger) L'Espagnolade (Halffter) Un Danseur Roumain (Mihalovici) Le Tourbillon Mécanique (Harsanyi)" (René Gailly : CD87 008)
Daniel Blumenthal (piano)
1937年に開催された第50回パリ万博。記念すべきイベントを前に,フランスを代表する大手出版社2社は,当時活躍していた作曲家に新曲を委嘱し,音楽で万博を盛り上げようと考えます。全体は,サラベール社が監修した『万博を祝って』と,エシーグ社が監修した『1937年万博,音の博覧会』の2つの企画からなり,パリ在住の仏人作家8名は前者に参加。パリ在住の異邦人9名は後者に参加し,それぞれ1曲ずつ自作の小品を持ち寄って,文字通り音の万博を開催するという趣向で進められました。何しろこんな事情で,端から企画色が濃かったものですから,まずは庶民受けすることがお約束。結果として,いずれもサロン音楽的な快活さと六人組的な平明さを併せ持つ,軽音楽的な小品が揃いました。恐らく,出版社から雰囲気を壊さぬよう,かなり煩く指示があったのでしょう。比較的余裕綽々いつも通りのタイユフェールやミヨーに対し,半ばヤケを起こしつつ六人組を諳んじるシュミットが醸し出すコントラストは,聴くほどに苦笑いを誘います(笑)。その後,本盤が録音されるまで全く顧みられることがなかったのは,仕方ないことかも知れません。しかし,万人向けの主題と,音楽家としてのプライドや良心を天秤に掛け,それぞれの作曲家が精一杯趣向を凝らした本盤は,一個のまとまった作品集として聴けば,有名な『エッフェル塔』とも充分肩を並べる面白みのあるものです。むしろ聴き手の方も,普段のしかめつらしい聴き方を一旦カッコに入れて愉しむべきなのでしょう。男版ジロことブリュメンタールの演奏は輪郭明瞭。破綻のない好演奏を展開します。

★★★
Richie Beirach "Round about Federico Mompou" (Act : DICT24001)
impressiones intimes#1 musica callada#6 fantasie on musica callada#10 musica callada#10 bass fantasie on musica callada#1 musica callada#1 musica callada#27 around musica callada#27 fantasie on musica callada#19 around musica callada#19 musica callada#19 musica callada#18 fantasie on musica callada#18 musica callada#15 musica calla#22

Richie Beirach (p) Gregor Huebner (vln) George Mraz (b)
おまけとして,一風変わった趣向のものを。ジャズ・ピアニスト,リッチー・バイラークが録音した変則トリオによる,モンポウ作品集です。リッチー・バイラークは,10代半ばまでクラシックのコンサート・ピアニストになることを志していたほど技量闊達な人で,その筋では結構人気のあるピアノ弾き。自身も自他共に認めるバルトーク・オタで,このアルバムの前にも『ラウンド・アバウト・バルトーク』なるアルバムを録音しています。内容はヘルベルト・ヘンクのECM録音で知られる『沈黙の音楽』のジャズ変奏版。ヴァイオリンのヒューブナーはややピッチが安定しませんし,アドリブな分,薄味になったモンポウの体で,改めて買うCDでもないのでしょうが,「素朴な形の中に限りない可能性」を秘め,サティ同様,雑多なジャンルの音楽家の創造心を刺激するモンポウの懐の深さを示すCDではありましょう。


(2001. 3. 22 Uoloaded / 2005. 2. 4-6 emendment of works list, US west time)