魔王
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ゲーテ:作詩   シューベルト:作曲   河野正幸:編曲

 あの歌曲「魔王」が合唱曲になってました!ドレミ出版の「シューベルト/魔王」という楽譜本にこの合唱編曲版が載っています。 
ゲーテの詩にシューベルトが曲を付けたものです。父と子が馬に乗り嵐の中を駆けて急ぐと、どこからともなく魔王の声が聞こえてきます。魔王は子供に「こっちにおいで」と誘い、子供は魂を奪われ死んでしまうというお話です。
 歌詞がほとんど会話形式になっていて、子供、父親、そして魔王の緊張感のあるやりとりが印象的です。

 シューベルトを代表する格式高い作品なのですが、日本では笑いの対象になることの方が多いです。というのも、この作品は文部科学省によって中学生の音楽の教材として指定されているため、中学生は音楽の時間にビデオなどで鑑賞することになるのですが・・・
この魔王、中学生にとってはツッコミ所満載なのです。何の脈絡もなく魔王が出てくるところとか、子供がドンピシャで「ああ、あれは魔王だ!」ってイキナリ認識できてるところとか、 あと歌い手の方が登場人物によって表情やキャラクターを大袈裟に変えるところも中学生にとっては格好の笑いのネタですし。超が付くほど印象的すぎる曲構成が災いして、授業中大に爆笑の渦が巻き起こってしまう恐れがあるのです。クラスによっては数日間、ブームになってしまうことも。魔王の衝撃、もとい笑撃はあまりにも強く、中学を卒業しても仲間内のカラオケなどで魔王をギャグで歌って大盛り上がりするケースも稀に見受けられます。   ですよね?ねっ?

グフフ、スイッチを押すとあの懐かしい、日本国民多くの方がご存知の前奏「デデデデデデデデ ダリラリラリダッタッタ〜」が!そう、あのピアノが!!流れますよ〜!それでは再生してみて下さいませ!


ピアノ伴奏付き女声3部

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ホラー!ねー!「デデデデデデデデ ダリラリラリダッタッタ〜」。んもう懐かしさのあまり鼻息が荒くなっちゃいません?「マイファーザーマイファアザー!」もばっちり再生。
MIDIですが、ネットサーフィンをしながらなど、最後まで聞いて頂ければ嬉しいです。某部分は凄く怖くなるように頑張りました。キャスト(?)は
最初と最後にあるバイオリン音=語り手
軽い、明るい、妙にヘボイ音=子供
地味な音=父親
華やかで優しい感じの音=魔王
です。

夜闇と風を切って、馬を走らせて行くの誰?
それは、子を連れた父親であった
父は子を腕にしっかりと抱きよせていた
温もりをわけあって


ぼうや、何が怖くて顔を埋めるんだい?


お父さん、魔王がいるよ
王冠と衣をつけた恐ろしい魔王がいるよ


ぼうや、大丈夫 あれは夜に揺れる夜霧の影だよ


かわいいぼうや ぼくのところへおいで
一緒に遊ぼうよ 楽しいよ!
岸にはお花がたくさん咲いているんだ
ぼくのママに言って素敵な金の服も いっぱいあげるよ


お父さん お父さん! 魔王が僕に恐ろしい約束を囁きかけてくる
お父さんは聞こえないの?


怖がるな 大丈夫だ
あれは木枯らしが風に鳴っているんだ


美しいな少年よ さあ一緒に行こうよ
私の娘が きっと君をもてなすことだろう
私の娘が 夜の舞いを踊って
一緒に踊ったり、君を揺すったり、歌を歌ったりしてくれるよ


お父さん お父さん! あれが見えないの?
魔王の娘が、あの暗い闇に現れたよ!


息子よ 私の息子よ わからないのか
あれは年老いた柳の木じゃないか


君を愛しているんだ 君は美しくて魅力的だ
そしてね 嫌だというのなら無理にでも連れて行くぞ!


お父さん お父さん! 魔王に連れて行かれるよ!
魔王が僕をひっぱっていくよ!

父は震えて馬を駆った
喘ぐ子を腕にしっかりと抱きかかえて
ようやく館にたどりついたが
その腕のなか、子供はすでに息絶えていた



気になる点をいくつか

●魔王のドイツ語原詩は、魔王の子供への対応が曲が進むにつれ 幼児→青年 と言葉使いが変わってくるらしいです。確かに、勧誘する内容自体も最初はお花がたくさん咲いているんだ 素敵な金の服もいっぱいあげるよと明らかに幼い子向けだったのに、次に出てきた時は私の娘が一緒に踊ったり、君を揺すったり、歌を歌ったりしてくれるよと青少年向け色気作戦です。この短期間で子供がどんどん成長しているのでしょうか?子供の言葉使いは一貫して変わらないようですが・・・ 一体何を意図しているのかは解りませんが、何か含みがありそうですね。

●歌中にでてくる父親は、本当に鈍感で魔王に気付かなかったのか、それとも魔王が息子を襲っているのを知りつつも、息子を励まし安心させるためにあえて「魔王なんかいない」と言っていたのか、どっちなんでしょうね?

●ゲーテは有名大学を出て法務の仕事に就き、ヴァイマル公国の宰相になったりと大出世。詩を書けば大ヒット。ヴァイマル劇場の監督も務めたりと、順風満帆な人生でしたが、ただ一つ暗い影がありました。 ゲーテの子供が次々と、親より先に死んでしまっていたのです。判明しているだけでも6人の息子に先立たれています。  「魔王」は父親の目の前で息子が死んでしまうお話ですが、これはもしかしてゲーテの息子を失った悲しみから書いたのかも?と予想してしまいます。 魔王を書いた当時ゲーテは40歳前後で結婚はしていませんでしたが、好色家のゲーテは既に、ずいぶん前に子供を作っていた模様です。

●この詩は「魔王=病気説」「魔王=実は父親説」など解釈が色々あるようです。このシューベルト版はどちらかというと「魔王=病気」の解釈が受け取れ易いですが、作曲家によってはまた全然違った表情の魔王を描き出しているのだとか。 魔王っていったらシューベルトしか思いつきませんでしたが、他の人が作曲した魔王も是非聞いてみたいですよ。

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