
| 2000年 4月6日(木) | 藤澤卓/岩崎けんいち/ またよしきわむ/青の解放 吉祥寺 曼荼羅にて |
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正確に言えばJAZZではないんだけど、楽しいライブだったので書くことにした。来月は日比谷でブルースライブがあるし(絶対書くっす)、なんかバラバラね。JAZZでもバラバラだし。まあいいや。 今回は、面接や何やで疲れて気がめいっていた所で、何の気なしにもらったメールを読み返していたら、又吉究さんのライブが明日あって、仕事決まったら行けなくなるし見れるうちに見とこうと思ったのだ。弟から探し物を頼まれているという口実もあるし、久しぶりに遠出して楽しかった。 |
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曼荼羅の仕事をやめてからの方が長くなったけど、地下のその空間に降りて行くと、驚くほど変わってない。何なんだ!時間が止まってるんじゃないのー。さすがにメンツが一部変わったり椅子が新しくなってたりするんだけど、変わってない所の方が多いかも。PAのうめづさんは茶髪になったけどあんまり変わってないし、ずっと一緒にやってたもちも相変わらずだなーと思ってたら新妻だったりして(うひょーおめでとうございます)。変わるべき所が変わって、変わらない所はそのままなんだなあ。 ぎりぎりの時間に入ったので、ほどなくして開演。客席はかなりスカスカ(10人いない)だけど、今夜は弾き語りの日なのでこのくらいの方がほっとする。床も壁もすすけた石で壁なんか模様がダイナミックに彫り込んであって、そこに日々の汚れと煙草のヤニがしみこんでいくのだ。クラブ(尻上がり)にはあり得ない野趣あふれるというか、不思議な空間だよなー、と思うのも今だからで、そこで働いていた頃はそれが日常だった。みんな古着でおしゃれして、ロックバンドの人はブーツとフリンジのついた革ジャンを着るもん(もちろん髪は長い)だと思ってた。カラオケにしか見えない大学のロック研なんかまだ見たことない頃だ。 藤澤卓さんは不器用ながら(最初だから緊張していたのかもしれない)、けっこう多彩なレパートリーだったと思う。ゲストでアコーディオンを入れたボサノバっぽい?曲がよかった。彼の友人で後の出番を控えている又吉さんが適当に茶々を入れて場が和む。弾き語りはMCも芸の見せ所というか、うけないならうけないなりに人柄が出て興味深い。メンバー紹介!まず右手!とか嫌いじゃないぞ。弾き語りはバンドと違って、キャラ的に客があんまりいないとか、あえて呼ばない人もいて、MCも適度によそよそしいというか他人との距離を考えてさわやかにしゃべってくれる所が好きだ。 とか考えている所でめちゃくちゃ声がでかくフレンドリーな岩崎けんいちさん登場。一曲目から青春の甘ずっぱい思い出をポップに歌った『ちゅうのう』…いつもならここでぎゃーっと逃げ出す所なのだが、そのポップさが妙に懐かしく(絶対同世代だね)引き込まれてしまった。客席も大人が多いのでひいたりしないで適当に距離をとって楽しんでる感じだ。子どものおつりの取り方がへんと歌う『悲しきレジスターマン』はなんかわかるなあ、『けんちゃん』かー、子どもはどんな子でも大きくなってほしいねえ、山梨だけあって『富士山』に『ぶどう畑にやってきた(山川のりおさんが)! ヤァヤァヤァ!』というのも素直でいいなあ、とうなずいているうちにすっかりいい人パワーに当てられている。なぜ曲名をしっかり覚えているかというと、チラシ(手書き)に全部書いてあるからなんだけど、歌詞の字面だけ見るとうざいだけなのに、でかい声でポップに歌い切られるとつられて楽しくなってしまうのが不思議だ。はは。フォークっていいですね。 |
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夜もそろそろ佳境に入って来たか。妙に客席が埋まってきて詰めたりしてるぞ。又吉究さんはすでに出来上がってて幕間から騒いで雰囲気をどんどん変えていく。スポットライト当てさせるのは強引だが、もうここのヌシなんだね。先に出番を終えた藤澤さんがやじをとばして怒られてるのもいつもの風景なんだろう。 一曲目のこれだけタイトル覚えてる『強風スキッピイ』がいちばん好きかな。MCというかいつも話すのも関西弁というのがちょっとひっかかるんだけど、彼は言葉を自分で選んだんだな、というのはわかる。ネイティブの言葉が最も素直に自分を表現できるとは限らない。もう土地の言葉としてでき上がったもの・なじんだものを取り残して(捨てて?)きた理由はわかんないけど、そんなものよりも新しい場所に出て行きたい人なんだろう。そういう人はいるね、いつでも、どこにでも。 弾き語りだとよく沖縄好きでそういうことを歌う人はいるんだけど、本当に沖縄の人(しかもかなり高円寺テイスト…)がステージにいるっていうのはそう見ないので、すごい緊張してしまった→ちなみにその時の照明も沖縄の子だったのだが(狩俣君がんばって下さい)うーん、時代は変わるものだ。―何だろう、こういうの。恥ずかしいのかなあ、何か汗ばんでしまいました。いつも日記読んでて、この人、私と実の弟より似てるかもなどと思っていたので、鏡を見るような気持ちがあったのかもしれない。いやー、素直に好きとは言えないなあ、でもMC聞いててやっぱしそうかーとほくそ笑むっていうことができるのは嬉しい。他の人にどう伝わっているかはわからないけど、方言やらそういうアイテムに頼らないで沖縄のことをうまく語ってると思う。こういう言い方は嫌いだけど、山之口貘の正統な後継者なのかも。そういう詩もあるしね。 なんかつい力んでしまったが、いい感じで演奏が流れていく。ロック即興?みたいなのはいかしてた。ああいうでまかせシャウトは絶品ですね。ギャラクティカマグナムにはグッときました(あ、これはやじか)。あと演歌チックな『慰安婦』はいちばん嫌いだけど、しょうがないね。ゆったりしてるのにギターの音をぐっと抑えてテンションを高めた奴はうまいと思った。ああ、『手ぶらなふたり』っていうのもあったね。なんか、ふたりでただ楽しく居る、っていうだけの歌でした。又吉さんの特徴は、やっぱりリズムの取り方だろうか。ギターのストローク?が独特というか、裏の取り方が他の人と違う。強いて言えば三線っぽいのかも。弾き語りだとギター一本、音色も同じだしリズムも一緒だと飽きる(いや、私がね)。もっといろんなリズムをやらないものかなあと思うんだけど、それだとフォークじゃなくなるのか…。まあいいや。あと妙にひょうひょうとした感じが誰かに似てるなと思ったらこれだった。最後の曲は藤澤さんとアコーディオンも入れてセッションぽくやったのが楽しかった。 又吉さんだけいよーにかさばってしまったけどこれがメインなのであしからず。やっぱり又吉さんの客が多かったのか、ちょっと減る。ずっと壁際で黙って見てる人が次の人だった。青の解放というのはユニットだと思ってたけどひとり。いつもはバンドなんだけどソロでやってるらしい。でもトリか。人気者? 彼も先の又吉さんの熱気に当てられて、さかんに謙虚な言葉を吐いているものの、始まってみるとこれがすごかった。何だろう。又吉さんと対照的なだけにその落差感がたまらない。でもそう感じるように持ってくのが実力ってもんか。じゃそうとうすごいのかこの人。虫顔で(すみません)すごいひよわそうなんだけど、声がとにかくきれい。曲が似たような感じで続くんだけど、なんかはまる。クールでゆったりしてて、サイケ。割礼に似てると思ったが、しっかり今ふう(死語?)でした。気のせいかもしれないけど照明が一番合ってたな…ファンなのかな?好きな人に照明あてるって楽しいんだよねー。 |
| 結局まんべんなく楽しんでお腹いっぱいになってしまった。又吉さんとは初めて会うし、がんばってトーク!と思っていたのだが、なんかもう満足モードになってしまい(というかお疲れか)、ひとことふたこと交して帰ることにした。ふう、また来るか。人の声はいいなあ。男の人ばっかりだったからかな…ああいうギターも日頃は聴かないものな。ああ、歌はいいわ…また来よう…∞。階上の街はビルごと入れ替わってゆくけど、あの空間はずっとあのままでいるだろう。その不思議な力をもらいに行こう。 |