九州新幹線開業奇譚ハアハア



知らん間に九州新幹線が開業していた・・・。

私は鉄道に関しては興味も知識もない。が、九州新幹線は政治的に大きな問題を孕んでいると考えられ、そうなると仕事上無縁であるとも言えないので、一言述べることにする。
なお触れる以上は少しばかり調べなければならんだろうと思い、書店に行ってみた。「鉄道・航空コーナー」なる、今まで全く足を踏み入れたこともない一角で資料を探し、その結果「鉄道ジャーナル」という、これまた見たこともない本を購入。開業を控えてという特集記事が組まれている。なにやら専門用語のオンパレードで、半分くらいしか意味が理解できないが、分かる範囲で述べる。
なお時刻表は、いつものように何故か部屋に落ちていた。誰か配達してくれてるのかな?恐怖新聞のように。



九州新幹線 びゅんびゅん☆豆知識


まず皆さん最も関心があると思われる部分から。

【1】トンネルの割合について
  長さ 比率
地表・盛土 15.0km 11.8%
橋梁 9.2km 7.2%
高架橋 15.5km 12.1%
トンネル 87.9km 68.9%
合計 127.6km 100%

総延長の実に約70%がトンネルであり、その数50。あの山陽新幹線でさえトンネル比率が51%であることを考えると、いかに異常な数字かが分かる。もはや地下鉄どころの騒ぎじゃないよ、これは・・・。
地表・盛土区間はわずかに10%。残りの9割が橋、高架、トンネルなどの工作物である。
総工事費は6400億円。1kmあたり約50億、1mあたり500万円という、莫大な建設費が投入されている。山陽新幹線と同じく、セメント屋さんはまたもや笑いが止まない様子である。なお費用のうち3分の2が国、3分の1が地元負担。
また、トンネルでぶち抜いて直線ルートで建設しているため、鹿児島本線の163kmに比べて約35kmの短縮となっている。

【2】勾配について

意外にも高低差の大きな路線となっている。九州南部特有のシラス台地(なんか教科書で習ったなあ。懐かしい)対策として線路位置を可能な限り高くしたためとある。鹿児島中央駅より北5kmの地点に、新幹線では日本一の急勾配(1000mあたり35mの高低差)が設定されている。あの長野新幹線よりもきつい勾配であり、この坂を登るために車両は6両全車がモーター車で構成されている。

【3】所要・料金
    1号 35号
(パターンA)
3号
(パターンB)
料金
新八代   08:44 09:19 09:53  
新水俣 42.8km 09:33 3.000円
出水 58.8km 09:41 3.260円
川内 91.5km 09:53 10:20 3.950円
鹿児島 137.6km 09:18 10:05 10:32 5.330円
所要   00:34 00:46 00:39  
(注:工事キロと営業キロは異なる)

距離も駅間も短いので、停車駅数によってそれほどの違いはない。
なおノンストップで走るのは下り1号と上り18号の1日1往復のみ。どこの路線でもやっているが「最速〇〇分!」とかプロパガンダするために無理やり1本だけ走らせているお約束の列車である。日中は1時間2本の運行で、各駅停車のパターンAと、川内のみ停車のパターンBが1本ずつ走っている。
なお在来線の「つばめ」は、同区間標準2時間10分であった。

【4】車両

新造の800系6両×5編成。どう考えても2両ワンマンで十分だと思うんだけどなあ。座席は2×2の4列配置でゆったりとしている。
指定席、自由席各3両ずつ。所要時間が短いため全席禁煙である。
最高速度は260km。ちなみに東海道新幹線は270km、山陽新幹線は500系が300km、700系が285kmである。
なお駅のホームは8両分の長さが用意されている。いちおうレールスター乗入れ対応らしい。



鹿児島本線分断、第3セクター「肥薩おれんじ鉄道」に移管


私が声を大にして訴えたいのはこの問題である。
従来の鹿児島本線は、ご覧のように九州を南北に縦断する、九州最大の幹線であった。
今回の九州新幹線の部分開業により、あろうことかこの一部、八代―川内間が第3セクターに移管されてしまった。JRの鹿児島本線は2つに分断されたことになる。
なぜ川内―鹿児島間を移管しなかったかと言えば、JRとしてはこの部分だけは何とか採算がとれそうだからとのことである。

肥薩おれんじ鉄道の営業

【1】JR九州からの直通乗り入れはしない。これまで営業していた寝台特急「なは」は熊本止まり。ドリームつばめは廃止。
  旧JR 新3セク
八代 ―― ――
水俣 910円 1.220円
出水 1.250円 1.410円
川内 2.070円 2.550円

【2】車両は電車ではなく、ディーゼルカー19両を新造し、ワンマン運転とする。古くからの電化区間だし、架線も引いてあるのにコスト削減のためにディーゼルカーで営業するらしい。なおJR九州は乗り入れないが、JR貨物の貨車列車のみ、電気機関車牽引で乗り入れる。もうメチャクチャだ・・・。
新鋭稼動中の川内原発の横をトコトコ走るディーゼル・カー。なかなかおちゃめなユーモアと言える。

【3】当然ながら運賃は大幅値上げ。スピードも概ねダウソ。

【4】この件についてネットで調べていたら、国会での質疑が引っかかった。→こちら
私の思いすべてを代言してくれており、心からの拍手を送りたい。どこの政党の人だろう。僕入っちゃおうかなあ。



博多―新八代の今後


九州新幹線は博多から徐々に延長するのではなく、まず最遠の鹿児島区間から部分開業した。利用者側から見れば何でそんなことするのか甚だ疑問だが、遠くから開業してしまえば最終的に両者をつなげるまで工事せざるを得ない。政治家先生や役人さんの考えることはやはり一味違うなあと思う。

さて肝心の博多―八代間の今後はどうだろうか。
残り工事区間は121km。筑後平野、熊本平野などの平地部を通過するため、この区間は全体の約70パーセントが地表区間になる。途中駅として鳥栖、久留米、大牟田、玉名、熊本。おいっ、鳥栖―久留米間は7kmしかないんだけど。こんな田舎で東京―品川と同じ距離に駅作ってどうするんだよ・・・。
これに加えて、久留米―大牟田間に船小屋駅設置構想も浮上。J民党の有力代議士であるK賀誠大先生のお膝元であり、地元では賛否両論が飛び交っている。それにしてもこれらの駅を全部作ったら、在来快速並みにこまめに停車する新幹線が誕生することになるぞ、おい・・・。

この区間の完成予定時期は、認可の日(2001年4月)から概ね12年とのことである。博多―鹿児島の所要時間は1時間20分と予定されている。



エピローグ


最後に、鉄道ジャーナル誌上より当局の主張をそのまま紹介して結びとしたい。

「・・・1972年6月に全国新幹線整備法により基本計画の決定および調査の指示を受けた九州新幹線は、約30年の時を経てその一部が開業を迎えようとしている。九州新幹線は、九州における高速交通網の一環となるものであり、新八代―鹿児島中央間という部分的な完成といえども九州の広域的な発展に大いに寄与するものと確信している。今後は、新幹線つばめが、多くの方々に利用していただけることを念願するとともに、工期が概ね12年とされている博多―新八代間の1日でも早い完成に向けて努力したいと考えている。
また、整備新幹線は、1989年の北陸新幹線(高崎―軽井沢)着工以来、整備新幹線の取扱いについての政府・与党申合せ等に基づき、鉄道・運輸機構(旧日本鉄道建設公団)が確実に建設を進めてきており、今後とも、さらなる新技術開発、導入により建設コスト低減、構造物の安全性や耐久性の向上、都市計画や地域社会との調和、環境保全への対応などに努め、定められた完成時期を遵守すべく工事を進めてゆきたいと考えている。」
【執筆者:独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構新幹線部新幹線第四課総括課長補佐白木博昭】

とのことです。頑張ってください。終わり。


(2004,3)

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