Cuteでのアドリブ例(B♭管用)解説つき



 とりあえず、MIDIのデモ演奏(92kb)又は ピアノレスで聞き取りやすいデモ演奏(66kb) を聞きながら下記の譜面を見てください。譜面を読むのも苦手という方は、譜面の後にある解説では「ドナ研式カナ表記法」で説明してありますので、参考にしてみてください。リンク先の「ドナ研式カナ表記法」での小難しい説明は読まなくても、下の文中でも解説していますので、そのまま読みつづけて構いません。
 尚、トランペット向けに作ったので、テナーサックスやソプラノサックスではオクターブ上か下に変更したり、フラジオを使ったりしなければならない場合があります。フラジオ使えたらかっこいいですよね!

解説なしの見易い譜面 / ピアノとベースとドラムのみのマイナスワン / リズムセクションのみのマイナスワン・遅いバージョン

某音楽ツールで自動生成してみたアドリブ例(譜面無し):マイルス・デイビス風 / ジョン・コルトレーン風

   なお、このキュートの例では、教育を目的としていますので、アドリブ10コーラス分の前半をオーソドックスにして、後半は高次元な内容を盛り込むべく(ネタが尽きているせいもありますが)アウト的アプローチや、引用や、全音階などを取り入れるように、意図的に作られています。また、学習用に、同じフレーズを移調して別のコードで応用して使っている例も、多用しています。また、ブラウザのウィンドウ枠を最大化してご覧になることをおすすめいたします。

  
コードの表示|Am7       |D7      |Bm7    |E7     |
平仮名は♭ |んラ ー シっ っ| ー  ー|休 休 休 休|休 休 休 休|「ん」と「っ」は休符


|Am7       |D7      |Dm7    |G7     |
|んラ ー シっ っ| ー  ー|休 休 休 休|休 休 休 休|取消線がついているものは1オクターブ上の「ドレミファソラシ」に属するものとします。


|C         |Cm     |Bm        |Em     |
|ん ー っ ソラ|休 休 休 休|ん ー っ ミフ|休 休 休 休|「フ」はファのこと。


|D♭m       |G♭7       |B      |E7     |
|ん ー っ っ| ー  ー ー|休 休 休 休|休 休 休 休|平仮名ひらがなは♭ 


|Am7       |D7      |Bm7    |E7     |
|んラ ー シっ っ| ー  ー|休 休 休 休|休 休 休 休|スペースで区切られていない塊の文字列を4分音符1個分とします。「んラ」は8分休符と8分音符がひとつづつになります。


|Am7       |D7      |Dm7    |G7     |
|んラ ー シっ っ| ー  ー|休 休 休 休|休 休 休 休|


|C         |Cm     |Bm        |E7     |
|ん ー っ ソラ|休 休 休 休|ん ー っ ミフ|休 休 休 休|


譜面上の表示|Am7       |D7        |G          |Bm7      E7   |Am7
度数の分析 |          |          |  5ps ps1 psps|m3 ps 1ps1b7 3b9 b7ap|5 コード早見表

      |ん ー っ っ| ー  ー ー|ん レミ そソ そミ シシラ らフ レみ|ミ  平仮名は♭ 

演奏者の気分|Am7       |D7        |G          |G        E7   |Am7
度数の分析 |          |          |  5ps ps1 psps|5 4 3432 3b9 b7ap|5 コード早見表

別の解釈  |Am7       |D7        |G          |G        Am   |Am
度数の分析 |          |          |  5ps ps1 psps|5 4 3432 M7m6 apap|5 半音階のダブルアプローチノート

31小節から32小節の部分はカウント・ベイシー楽団のビッグバンドのアレンジではドラムのソロ(Fill in)になってますが、小編成のバンド(コンボ)で演奏する場合はテーマが終わった直後のブレイクにしてしまうことも多いので、そのような例を作ってみましたが、ここをドラムソロにする場合は、アドリブを始めるのを33小節の3拍目から始めてみてください。
 もしここでブレイクにする場合は、できればソリストがリズムキープをはっきりと明示できるようなフレーズ(パッセージ)を吹いて、次のコーラスの始まりの部分(アタマ)を全てのサイドメンが同じように始められなければなりません。そのためには4分音符や8分音符をできるだけ隙間なく埋め尽くしたフレーズを吹くことが一番適しているでしょう。ですから、バップ・フレーズが最適なのです。逆に、ここでロングトーンのみとか、5連符とか7連符とか難しいことをやると、ズレる原因にもなりかねません。ただし、リズム感のしっかりしている人たちやプロは例外です。

31小節から32小節前半までのフレーズはGメジャースケール(G長音階)でできています。そのまま続けたら、32小節3拍目ではソに行きたくなりますが、コードE7の3度である「ら」(ラのフラット)に続けています。こういう選択は、とっさに行っているのではなく、コード進行(上記の演奏者の気分の場合のコード進行)として、 GからE7へ(G→E7)というコード進行が一般化していて頻繁に出てくる機会が多いので、慣れているというか、前もって練習してあるので、とっさでも演奏ができるのです。(逆を返せば、初心者は、このようなコード進行のパターンをいろいろと調べて憶えて研究して必要な調に移調して理解しなければなりません。)理論で説明するとG→E7というコード進行は I−VI−IIm7−V7(イチロクニーゴー)のI−VIの部分です。I−VI−IIm7−V7の変化形バリエーションに IIIm7−VI−IIm7−V7(サンロクニーゴー)というものもあり、これはルート(根音、コードの1度の音)が5度ずつ下降していて、聞いていて気持ちよいルートの動きになっています。Cuteの32小節目の本来のコード進行はBm7→E7ですからサンロクニーゴーのサンロクになっているのです。ちなみに33小節と34小節はニーゴーのAm7→D7になっているでしょう。

ポイント:コードを1個ごとに意識する場合もありますし、いくつかのコードをまとめてG長調とかA短調と感じてしまう場合もあります(上記の別の解釈の例)。臨機応変なのですが、まとめる法則は後で説明します。

ポイント:ジャズの曲では1曲(1周ワンコーラスのこと。Cuteでは32小節。)の中で何回も転調することが良くあります。ですから、ト音記号の後の調性の表示が#ひとつで変わらなくても、ずっと「ヘ長調」とは限りません。ジャズでは調性記号は頻繁には書き換えませんので。ですから、このCuteでずっとGの長音階(Gメジャースケール)を使っていれば良いというのは正しくないのです。

ポイント:部分的に、自分で勝手に転調気分になってしまっても良いのがジャズです。



譜面上の表示|Am7        |D7         |Bm7        |E7         |Am7
      |ミー ーシ ーー ーー|休休 しシ しー そソ|ラっ ラそ っそ レー|っ ら っら フシ|ー
演奏者の気分|Am7        |G          |G          |E7        A|m7
度数の分析 |5   9      |   m3 M3 m3  M7 1|9  9M7  M7 5 |b13  b133  3 b99|

冒頭の33小節の|シー ーー ーー ーー|休休 しシ しー そソ|ラー というフレーズは実は「ローラ」という曲の旋律を引用していますが、これはフレディ・ハバードもやっています。(CD"Night Of The Cookers" vol.? ?曲目 ?分?秒の所。)私の場合は、セッションでよく皆が使っているアドリブフレーズとして憶えた後に、実は引用フレーズだったと知りました。
 34小節は本来のコードはD7ですが、今回は演奏者の気分としてはGのコードっぽく感じていてます。理由は、次のコードがGになっていてちょっとフライング気味になっている、と考えるとわかりやすいのですが、正確にはD7がドミナントコードという家来のようなコードで、Gがトニックコードという御主人様のようなコードだからです。コードがD7の時はキーとしてはG長調(またはG短調)と思ってかまわないでしょう。長調か短調かは場合によります。理由はまた後で説明することにします。
 35小節|ラっ ラそ っそ レー|は、このリズムが特徴的であり、その後の小節でも暫くの間、同じようなリズムで別の音程のフレーズを吹いています。このリズムはジャズでよく使われていますから、知らなかった人は憶えて、活用してください。他にも、後で出てくる131小節目のフレーズなども同じリズムになっています。
 36小節の最後、4拍目のウラの8分音符はシンコペーション(アンティシペイション)しています。37小節の最初のコードAm7の9度の音を使っています。


譜面上の表示|Am7        |D7         |Dm7        |G7         |C
      |シー シソ っソ ミ|ーー し っし そソ|ラー ミソ フー れミ|レミ フソ らそ ソフ|ミド
演奏者の気分|Am7       D|7          |Dm         |Dm7   G7   |C
度数の分析 |9  97  7 51|   1b13  b13 34|5  24 m3  M7 2|12 m3 4 b9ap 1b7|31

 39小節の最初の音はラで、演奏者の気分はDmで5度の音と解釈していますが、実はコードGの9th(ナインス)でもあるわけです。なぜなら、手前の37小節と38小節でAm7―D7というコード進行になっているので、通常のIIm7−V7−Iというコード進行のセオリーどおりならば、IであるコードGに解決しているはずだからです。ですから、演奏者としては本来はGの9度に着地したと考えたいところを瞬時にDmの5度に思考を切り替えているのです。瞬時ではなく同時と言ってもいいでしょう。
 で、39小節の譜面上のコードはDm7ですが、ドナ研的には7th(セブンス、根音から短7度の音)を無視してトニックDmのように演奏してしまう場合があります。ですから、ルート(根音、1度)の音の手前で導音(アプローチノート)としてメジャー7th(長7度)の音を使っちゃってます。この方法だと、Dmのメロディックマイナー(旋律的短音階)などを使ったフレーズも可能となります。この方法は、実はジャズ・トランペッターのリー・モーガンが良く使っています。Dm7でドリアンスケールだけ使っていれば良いというものではありません。
 40小節3拍目の音符の画像がラ#になっているのは間違いです。本当はソ#が正しいので、そのうち修正します。40小節目から41小節目は
|レミ フソ らそ ソフ|ミ〜 となっていますが
|レミ フソ らそ ソフ|そミ フみ ミ〜としても最後は同じようにミに着地するフレーズとなります。これは下記のような基礎練習的?フレーズを応用しています。
し シラ しら ラソ|らそ ソフ そミ フみ|ミレ みれ レド れ|ド
このフレーズは半音階などと同じで無調フレーズであり、どんなキーでも使えます。ただし、上手く着地してください。


























 137小節の|ソラ ミフ ソー ーー|はコードCの時に5度のソから始まるフレーズですが、前に出てきた47小節のフレーズと同じです。47小節では、コードがGなので、Gのコードの5度のドから始まるフレーズになっています。
 139小節は原曲のコードはBmであり、ベースもピアノもBmのつもりで弾いてますが、アドリブはコードGM7の気分です。もともとBm7がトニックGの代理コードですから、違和感はありません。そのGM7のコードの長7度(メジャーセブンス、M7)のファ#から始まり(これはBmの5度のファ#でもありますがアドリブをしている最中の気分は、今回はあくまでGのつもりです。)、GM7の5度のレに行って、140小節の1拍目でGM7の3度のシに着地しています。140小節はコードがEmなので、GM7の3度のシに着地したつもりなんだけど、すぐに頭を切り替えてEmの5度のシから始まるフレーズをつなげています。




以下作成中

用語解説

度数の分析 : 度数の分析とはここで勝手に使っている表現ですが、その小節(または拍)のコードの中での度数が何度の音になっているのか表しています。ChordBook online←コード早見表(by Studio1kさん)

例えば、31〜32小節を初心者にもわかりやす度数分析してみると下記のようになります。

Gというコードの            ChordBook online←コード早見表(by Studio1kさん)
1度(ルートRoot)はソです。
5度はレです。
長3度はシです。長3度は「3」または「M3」と表します。M は Major の意味です。Gとだけ書いてある場合は3度は長3度を使います。短3度は裏技的用法になります。
ps とはパッシングノート(経過音)のことを表し、あるコード音(1度・3度・5度など)から別のコード音へ移る間に使う音であり、理論で解釈できない場合もありますが、スケール上の音であることが多いです。使えるスケールは何種類もありますが、上記の例ではGメジャースケール(G長音階)を使っています。

Bm7というコードの
1度(ルートRoot)はシです。
5度は#ファ(または♭ソ)です。
短3度はレです。短3度は「m3」と表します。m は minor の意味です。「m」と小文字のエムが書いてある場合は3度は短3度を使います。
Bm7の7は短7度のことです。B以外の他のAやCやDやEやFやGでも7は短7度のことです。Bm7の短7度はラです。
この拍でのpsは解釈上はBエオリアンという変なスケールですが、これは憶えなくても良いでしょう。ドナ研会長もエオリアンなんて音階は記憶してません。なぜならBエオリアンはGの長音階と構成音が全く同じであり、演奏中の気分もG長音階だからです。

E7というコードの
1度はミ。
5度はシ。
長3度は#ソ(または♭ラ)です。短3度を示すmがついていないコードは全て長3度です。
E7の7は短7度のことです。E以外の他のAやBやCやDやFやGでも7は短7度のことです。E7のは短7度はレです。
b9 とはフラットナインス flat nineth のことで、短2度(短9度)のことです。E7の短2度はファです。E7の次の小節のコードはAm7になっていますが、Amの和声的短音階ハーモニックマイナーの短6度の音もファです。これはAmの5度であるミの音へ着地(解決)するためのアプローチノートと捉えることもできます。

テーマ : アドリブ部分ではない曲の元々の旋律。メロディ。

ブレイク : ドラムもベースもピアノも、リズムセクション全て、アドリブをする楽器以外の人たち全てが音を出すのをやめる瞬間。この部分で行うアドリブを「ピックアップソロ」などとも言う。























































































































































M7とは長7度です。7とか6とか9とか何も書いていない場合は長7度や長6度を使うことが多いです(短7度を使ってはいけない、ということではない)。
なお、Cuteに似ているかもしれない曲で、他に応用がききそうな曲は、If I were a bell 、 I Love You 、Tangerin などです。



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