♪♪ マンフレート・クレメントの小部屋 ♪♪       - Last Updated 010516 -

元バイエルン放送交響楽団首席。
あの音色については、今更何をや言わんや、という感あり。 (他のオーボエ吹きのサイトでもよく神様として登場していますね)
チューニングのAの伸ばしで、貴婦人が涙したという逸話はあまりにも有名ですが、「音」それだけで背筋がぞくぞくざわざわするって位の魅力的な音色の持ち主。

間断なく、フレーズの語尾にまできれいにかけられたヴィブラートにもあこがれ、私自身、これまで随分身勝手な演奏をしてしまった記憶もあります。
80年代後半以降の少し音が薄くなってからの演奏も風格は十分あり決して悪くはないのですが、より以前の
R.シュトラウスやカール・リヒター=ミュンヘン・バッハ時代の方が個人的には好みといえます。

2001年4月27日、心不全のため突然この世を去ってしまいました。まだまだこれからの活躍が期待されただけに、あまりにも早すぎる急逝により、あの美音が2度と生で聴けないかと思うと残念で仕様がありません。謹んでご冥福をお祈りいたします。


<<略歴>>

1952年マイセン歌劇場首席(この時のみ試験を受けて入団)
1955年テューリンゲン市立管弦楽団首席
1956年ゲバントハウス管弦楽団首席
1957年ハンブルグ放送響受験(当局にばれて逮捕されるがすぐに釈放)
1958年ミュンヘン国立歌劇場入団、同時にミュンヘン国立大学の教授を兼任
1959年からリヒターの下、ミュンヘンバッハ管弦楽団で演奏
1980年の秋のシーズンからバイエルン放送響の首席
だそうです。ミュンヘンオペラへの入団の経緯は、亡命後で無職の時に町で指揮者
のカイルベルトに偶然出会い、彼に誘われて一晩ミュンヘンオペラで演奏したところ
「ぜひこのオーケストラに必要な人だ」ということで、定員5人のところを6人にして
くれたので入団できたそうです。

以上は1981年のクレメント氏へのインタビュー記事からです。


又、カール・リヒター指揮ミュンヘンバッハ管弦楽団での演奏がよく知られている。
シェレンベルガ−やヴィットマンが師事をした指導者としてもよく知られている。
ドイツ管楽ゾリステンのメンバーでもある。


クレメント氏追悼特集 : 出演アルバム情報

yasuさんのオーボエ試聴室の掲示板、これまでの私のサイトから、クレメント氏が出演されているアルバムに関する情報を集めてみました。情報をお寄せいただけると、順次更新していきたいと思っております。


映像いろいろ 投稿者:プローシャ
 
クレメントが出ている映像は 独逸グラモフォン(ユニテル)等からかなり多くの演奏が出ています。
ベーム「後宮からの逃走」
バーンスタイン「ハ短調ミサ曲他」
バーンスタイン「天地創造」
小澤「ベートーヴェン:エグモント+Pコン第1番」「春の祭典」
古いところでは
リヒター「ブランデンブルク協奏曲」「マタイ受難曲」
こうした演奏がいずれDVD化されると思いますので要チェックです。

クレメントファンは見逃せない映像が、 小澤征爾指揮のベートーヴェン「エグモント序曲+Pコン第1番」です。
ピアノソロはアルゲリッチで、演奏内容的にも最高のものです。
ちなみにここで2番クラを吹いているのは若きザビーネ・マイヤーのようです。
この映像、LD時代に買って楽しんでいましたが現在はDVDで出ているようです。
店頭になかったらお店のお姉さんに頼んで裏のほうから出してもらいましょう!

R.シュトラウス 「オーボエ協奏曲」(EMI)

ケンペ・ドレスデンシュターツカペレのR.シュトラウス管弦楽全集に含まれています。(残念ながら現在分売はありません)
録音が若干デッドなのですが、美しい音色できれいに歌い込まれています。ただの一本調子にならず、豊かな表情付けがされており、インテンポを基調にかなり音楽が揺れる部分もあります。また、R.シュトラウスはケンペ十八番のレパートリーであり、ソロのみならず伴奏も非常に軽やかで表情豊かです。
第1楽章で譜面よりひとつ音の多いところがありますが(気が付いた方いらっしゃいますか?)そんなものただのご愛敬。

それにしても、ドレスデン出身で、元ゲヴァントハウスのオーボエ首席だったケンペが、ドレスデンシュターツカペレとのR.シュトラウス管弦楽全集作成にあたり、ケンペがバイエルン国立歌劇場にもしばしば登場していたため、みごと全盛期のクレメントに白羽の矢をあててくれました。そのおかげで世界遺産とも言うべきこの演奏が記録されることになったことについて、ケンペにもお礼を言いたい気分です。


ブラームス 交響曲全集(Orfeo)・・・4枚組

ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送響。少し音色が薄いかな、という気もしますが、美しく堂々たるソロが聴けます。
第2番、第3番の有名なソロなど、万人のお手本として語り継がれるべき名演です。


モーツァルト セレナーデ第9番「ポストホルン」(Novalis)

コリン・デイヴィス指揮BRSO (’86)

Novalis盤のほうを廉価盤(「ダイアモンド」シリーズ)にて発見しました。ポストホルン、ハフナーが収録され、全てクレメントが吹いています。ここでのクレメントの音色はかなり厚みもあり、このうえなく美しい、まさに最高級のぱぱーんが聞けます。クレメント好きの方ははずせない録音だと思います。
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ポストホルンは、ぼくはやっぱりバイエルン放響のやつが僕の宝物です。BPOのは、ゴールウェイもコッホも録音のせいかあまり近くで聞こえないので、とても物足りないのです。大体、ヲーボエ好きな連中は、かすかにしか聞こえないヲーボエの音を何十倍にも拡大できるカクテルパーティ能力があるのですが、どうもこのBPOのはそれをもってしても物足りないのが悔しいです。まぁメンバーを見てものすごい期待をしすぎたと言うのもありますが・・・。
また弦楽器も基本的にはごうごう弦楽器が好きだったのですが、年ととも変わってきたのかポストホルンのバイエルンの華やかで軽やかな響きが妙に快感なのです。クレメント全盛の頃、モーツアルトの全集出して欲しかったです。
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クレメントが吹いている演奏は11番のセレナーデとカップリング されたビデオで持っています。このビデオはまさに私の宝物です。
クレメントって、ほとんど体を動かさずに吹きますが、顔は真っ赤になりますね。
また、舞台に上ってからリードをケースから取り出す姿が余裕を感じさせてよいです。


モーツァルト セレナーデ第9番「ポストホルン」(RCA)
デイヴィス/BRSO 92年ライブ

個人的には、92年RCAの録音(新しい方)の方が、 若干音は薄目かな?と思うところがあるものの、
吹きっぷり、うたいっぷり、ヴィブラートかけっぷり、等、 「独逸ヲーボエ」らしく思えます。


モーツァルト セレナーデ第10番「グラン・パルティータ」(Bayer Records/Naxos)

グランパルティータのCD、現在はNaxosから出ていますが、
本来はドイツのマイナーレーベルBayer Recordsのために
録音されたものです。それにしても、演奏者名が
外から見えるようにしてもらいたいものです。
この録音は史上最高の2ndオーボエではないでしょうか?
アダージョの柔らかい低音、微妙なルバートなど、クレメントならではです。
もちろんパッシンも素晴らしいですけど。


モーツァルト セレナーデ第11番
(Sir Corin Davis指揮BRSO)
1992年のヴュルツブルクでのライブ録音でクレメントが吹いています。 以前はビデオも発売されていました。
CDはRCAの輸入盤(09026 62531 2)で、 寄せ集め的な内容からあまり売れていないものと
思いますが、最近BPOに移籍したKarl-Heinz Steffens がソロを吹くクラリネット協奏曲とカップリング
されており(これが非常に素晴らしい演奏です)


モーツァルト「ハ短調ミサ」  
バーンスタイン指揮 BRSO

独逸グラモフォンから映像が出ていますが、実に素晴らしい演奏です。 終曲に向けた盛り上がりがライブならでは。
CDでも出ていますが、別編集の可能性があります。
(実際、「天地創造」は映像とCDと両方持ってますが、映像版の方が盛り上がっていました)
しかし、この演奏が重要なわけは、クレメントのぱぱーんが 存分に聞け、映像にもかなり頻繁に登場するところにあります。
歌手の伴奏を吹くクレメントの上手さは本当に他の ヲーボエ奏者の追従を許しません。


モーツァルト「交響曲38,40,41番(ライブ)」 現在は40,41のカップリング
(Kubelik BRSO, Orfeo)

クーベリックBRSOのライブがOrfeoから出ていますが、MOZARTの
交響曲38, 40, 41番と全てクレメントが吹いています。
これらはライブの緊張感という意味でスタジオ録音を上回る名演奏で、
特に41のスタジオ録音はクレメントではないので貴重な録音です。
また、この演奏の終楽章は圧倒的な迫力で聞くものを興奮のるつぼに招くこと請け合いです。


モーツァルト歌劇「イドメネオ」全曲
(Sir Colin Davis指揮、Philips)


モーツァルト歌劇「ドン・ジョバンニ」全曲
(クーベリック指揮、RCA)


モーツァルト歌劇「後宮からの逃走」全曲
(ベーム指揮、バイエルン歌劇場の80年頃のライブ)


モーツァルト歌劇「後宮からの逃走」全曲
ヨッフム DG
楽器のせいか、後年に比べると 音がやや昔のドイツっぽい輪郭が硬い感じも残っていて面白いです。


ベートーヴェン 交響曲第9番
クーベリックBRSO orfeo

1981年録音で、クレメント氏もまだリードが分厚く、ばばーん、ごおごおで
なんとも妙なる美音のシャワー、そしてスケールの大きな、立体的な演奏が堪能できます


ウェーバー交響曲1、2番
(Sawallisch BRSO, Orfeo)


ハイドン「天地創造」
(Bernstein BRSO, DG)


Werner Egk
Polonaise, Adagio und Finale

Werner Egk quartett + Manfred Clement +...
WER 60133-50
クレメント演奏によるの現代音楽が聴けますよ
ちなみに86年の録音です。


レーガー「モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ」、
ヒンデミット「ウェーバーの主題による交響的変容」(Phillips)

コリン・デイヴィス指揮BRSO


スメタナ「わが祖国」
(Kubelik, Orfeo)


ブラームス「ドイツ・レクイエム」
(Sawallisch, Orfeo)


メンデルスゾーン交響曲3、4、5番
(Colin Davis, Orfeo)



マーラー交響曲第5番
(Kubelik, Audite)


ワーグナー「タンホイザー」全曲
ハイティンクのクレメントです。


ワーグナー「マイスタージンガー」全曲
カイルベルト指揮)
そういえば、63年に録音された名演に、戦災で破壊された
バイエルン国立歌劇場(建物)の復興こけら落し演奏会のライブ
(マイスタージンガー全曲、カイルベルト指揮)
という演奏がありますが、手元のCDを
聞きなおしてみると、ここで吹いているのもクレメント
かもしれない、という気がしてきました。


J.S.バッハ カンタータ第56番(Archiv)

カール・リヒターのミュンヘン・バッハ管弦楽団には度々参加しており、ブランデンブルク協奏曲第2番やオーボエ・ダモーレ協奏曲もクレメントがソロを担っていますが、バッハの数多くのカンタータの中でも、流麗で快活なメロディが登場するカンタータ第56番の第3曲目は、オケのソロとちょっと違い、ひたすら長い息のソロとオブリガートをオケのソロほど気負わずに歌いきる(吹きいる)ことで知られています。
クレメントの演奏は、流れるような旋律の中で、フレーズの強弱が見事に対比され、しかもスケールのような音階がどんどん積みあがっていくような部分では、強拍で強調する16分音符を十分テヌートをつけて歌っており、あとで紹介するパッシンの演奏より、華麗で艶やかな感じがします。


J.S.バッハ カンタータBWV140(Archiv)
リヒター/ミュンヘンバッハ
(もっているつもりになってたのが実はもってなかったのでした)
mein Freund ist meinのオーボエソロはクレメントでした。
77,8年の録音で、音の太さ、うたいっぷりも十分です。

#BWV140のオブリガートは、BWV56と並んで流麗な素晴らしい曲ですが、
クレメントの演奏は、56の方がより振幅の大きな歌い方、140の方が
二重奏アリアとの調和がとれた均整な歌い方(それにしてもダイナミックです)で
聞いたとたん、買って良かった!!と納得の一枚です。---------------------------------------------------------------
ここでの音色はかなり明るめですが、
いかにも楽しそうに自在に吹いている感じがよいですね。
一つだけ残念なのは、録音のせいもあって1曲目のVnとオーボエ
ソロの掛け合いがあまり良く聞き取れないことです。
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私のCDにはオーボエ1 クレメントってありました(^^)v でもおっしゃるとおり、「吹き方」で一別できますね。
バッハエチュード吹きたくなってきました。(あの吹き方で)
さて、56番と140番で、クレメントの楽器が違うような気がするんです。
56番って、音のつながり、抜けがリングキーっぽく聞こえ、
140番って、マリゴーかな?って思うところがあるんです。
どなたかクレメントフリークの方、御指南をお願いします。


J.S.バッハ オーボエ・ダモーレ協奏曲(Archiv)

これも結構全盛期の録音。楽器(ダモーレ)の音色から受ける印象もあるのか、骨太に聞こえます。
クレメントの人柄が表出したと思われる、包容力がある暖かい音、演奏につつまれ、幸せな気分になれます。


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その他リヒター/ミュンヘンバッハの出演情報

21Clement
63Clement
68Clement


もう一つ、最近出たミュンヒンガーの「ヨハネ」(Decca 467 767-2)
も1番ヲーボエをクレメントが吹いています。
演奏自体は「重くて調子が悪い」系統ですが、廉価盤なので
クレメントのオブリガートを聞くために買っても損は無いのでは?



Romantic Wind Music 

Marco Polo 8.223356
Lachner, Schubert, Weber
独逸管楽ゾリステン(1990録音)
このアルバムは、
Schubert/1:クレメント、2:パッシン
Weber/オーボエなし
Lachner/1:パッシン(一本だけ)
という組合せで、グラン・パルティータと逆の組合せが楽しめます。
オーボエパートは、私はこっちのローテーションの方が魅力的に思えます。
クレメントの華やかな音、演奏、ヴィブラートのシャワーに対して、
パッシンが丸く、若干ダークな音でしっかりアシストをしている、
独逸ヲーボエの(と限定すれば)理想的なアンサンブルだと思います。
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それにしても、クレメントってやっぱりいいなあ。
何ということもないフレーズも、あのルバートとヴィブラート
の効果で実に魅力的に聞こえてしまうから不思議です。

独逸管楽ゾリステンはヲーボエ全盛時代を支えた神様レベルの二人が同時に吹いており、
その意味ではどのアンサンブルも絶対に
かなわない魅力を持っていると思います。

クレメントの華やかなソロをがっちり支えるパッシン、
または、パッシンの堅実なソロを支えながらしっかり自己主張をしているクレメント。
どっちのパターンも楽しめます。
それにしても、グランパルティータとシューベルト他の2枚しか録音がないとは勿体無いことです。---------------------------------------------------------------
90年のクレメントにしてはずいぶん厚めの素晴らしい音色が
聞けますね。レコーディングということで、ちょっと厚めの
リードを使ったのかも知れませんね。
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この曲は日本公演のとき
クレメント(1)+パッシン(2)の組み合わせで聞き、
とても良かったです。そうそう、パッシンの方が音は厚めなのだけど、
クレメントには「華」がありますよね。




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