盗版とは?

中国語が分かる方にはお馴染みの単語ですが、"盗版(dao4ban3/ダオバン)"について簡単に説明します。

手元にある中国語辞書によるとこのように解説されています。

【盗版】  名詞/動詞  海賊版(を出す) 海賊出版(する)  (三省堂 デイリーコンサイス中日辞典より)

ではいったい海賊版とはなんでしょうか?

【海賊版】  名詞  外国の著作物を著作権者に無断で複製販売したもの。  (岩波書店 広辞苑 第四版より)

基本的にこの言葉は書籍について使われる言葉ですが、このサイトでは"海賊盤"というディスクに限定した単語を使いたいと思います。
また「外国の著作物」ということで「国内の著作権物はあたらないのではないか」というご意見をBBS上で頂きましたが、中国・台湾・香港・韓国でも海外(たとえば欧米や日本)の著作物も違法コピーされてCD/VCD/DVDとして発売されている現状があり、一般語彙として日本の新聞でも抵抗なく使われていると思うのでこのままにさせていただきます。

追記:
ご相談させていただいた方から教えていただきましたが、「海賊版」を解説する他の言葉として
「著作権者に無断で複製した出版物・ビデオなど」を一般的に 指して謂う。」(『著作権法詳説』三山裕三  東京布井出版より)
「著作権者の許可を受けないで複製・販売される書籍・テープ・ ソフトウエアなど。」(オンライン  大辞林より)
ということ解釈もあるそうです。この場合は国内・国外の別はありません。


海賊盤とは
著作者の承諾を得ずに著作物を複製・販売するのが海賊版(盤)です。
著作物を販売する際には著作権料(ロイヤリティー)を支払い、著作権者に一定の金銭が返還されるような仕組みになっています。それをしないで著作物を複製・販売し、著作権料として支払われるべき金銭を著作権者に還元しないのが海賊版(盤)です。

海賊盤はなぜいけないのか?
「安くCDが買えるのになぜ海賊盤がいけないの?」と訊かれることがあります。
では海賊盤はなぜ正規盤よりも安いのでしょうか?その理由を考えてみてください。

音楽や映画を作るときには投資が必要です。そして時間をかけ作品を作り上げ世に出していくのが正規盤です。映画の場合は先に劇場で上映しそこで興行収入を得た後、ディスクとなって市販されるのです
世の中に出るまでにたくさんのお金を使いそれを回収する目的で販売するわけですが、海賊盤は全く投資をしないで成果だけを掠め取り、お金を手に入れているのです。

香港映画などは海賊盤対策としてVCD(あるいはDVD)化を早めたり、値段を海賊盤並みに下げたりしています。しかしながらこのことが観客の映画館離れを誘発し、その対策として特定の曜日の入場料金を下げることで結局は総合的な興行成績が下がる、という悪循環に陥っています。

さてここで問題です。あなたが著作権を侵害される側だとして金銭が目的でないとしても一生懸命働いて全くお金にならないとしたら、やる気になりますか?また投資をして回収できないとしたら誰が投資をするでしょうか?
海賊盤がはびこれば、回収の見込みのない投資をするスポンサーがいなくなり結局は映画や音楽といった文化が先細りしてしまうのではないか、というのが私の危ぐです。

海賊盤の功罪について(覚書)
これについては現在整理中ですが、誤解を受けないために書いておきます。

安い海賊盤が文化の裾野を広げているという意見についてですが、それはあくまでも副産物であると考えます。本来は「他人の著作物を盗み少ない投資で大きい儲けを得よう」という発想から出発している海賊盤が、たまたまそういった効果をもたらしたということです。

文化は贅沢品です。だからといって少数の富裕層だけが享受するべきだ、とは思いません。
薄く広くひろめることが悪いとは思いませんが、経済的な効果や知的財産のことを考えると長い目で見たときそれが必ずしも良い結果だけを生み出すものではないだろう、というのが私の考えです。
なにごとにも正(プラス)の側面と負(マイナス)の側面があると思います。しかし功罪半ばしていればそれでいいのでしょうか?

この問題については地域差が大きいので分けて考えたいのですが、一番問題が根深いのが大陸です。
まず物価水準と折り合わないということ、流通が確立されていないということ、著作権についての意識の問題などなど多くのすぐには解決できない問題があります。また音楽をやっている人々でも著作権意識が低いことは大きな問題をはらみます。(これについては引用の許可を得てから掲載いたします)。
それらについて批判することは簡単ですが、代案もなく批判することは無責任と私は感じます。もちろん「良い買い手」「良い市場」が育つことが大切ですが、それには時間がかかるでしょう。
しかしながら、現在日本に流入している海賊版(この場合はCD/VCDなどに限りません)のほとんどが中国大陸のものであること、そのことで「ニセモノ大国」としてのレッテルが貼られること、あるいは中国国内で買い物することの信用性が失われてしまうことは消して少なくないダメージであると私は考えます。

香港については一時期の海賊盤天国から脱した感があります。2003年に久しぶりに香港へ行った際は実感として「海賊盤が減った」と感じました。しかしながらそれには裏があり、ネットによるファイル交換が盛んでもうお金を出して買う必要がないのだということです。これについてはまだ調査不足なのであまり書くことはできませんが、友人の一人がCDショップを経営しているということからもその厳しい現状はうかがえます。
しかし大陸と違って所得に問題があるわけではないのに、こういった現状があるのは香港の「刹那主義」がなせる業なのかもしれません。

現状で一番深刻だと感じるのが台湾です。売り上げの半分近くが海賊盤では、まともな商売ができるわけがありませんし、それでは文化が育たないのではないかと思うのです。なぜにこの盗版の嵐がおさまらないのか、この答えは私もまだ見つけられません。
ですからご覧になられた方に台湾の海賊版情報を教えていただければと思います。

日本においてはここ2年余りで急激な流入を感じます。これは日本において華僑・華人の流入と定着が進んだことも原因のひとつでしょう。彼らにとっては「海賊版を買うのが普通」なのだとしたら、高いお金を払って正規版を買っている我々は"愚か者"としか映らないでしょう。
しかし彼らだけが悪いのではなく、「正規盤より安い」と飛びついてる人たちがいるのも現実、また彼らの商売を真似してそ知らぬ顔で海賊盤を売っている日本人がいるのも現実です。

日本において実感として言えることとしてファンの「底上げ」の問題があります。つまり高い正規版はハードルが高い、安い海賊版なら中華映画・明星・音楽好きの裾野を広げられる、との意見です。これについて全面的に否定をすることは自分の経験からも言えません。しかし後で現状を知れば罪悪感にさいなまれ、後悔することはこれまた経験から知っています。「底上げ」には賛成、でも「海賊版には反対」というのが私のスタンスです。

中華世界と関わっていると、必ずといっていいほど知的所有権の問題に大きくぶつかります。実際自分自身の関わりも「グレーゾーン」と呼べる場所があるのは確かだと思います。「清濁併せ呑む」のが中華世界の掟、と思える部分もあります。しかしそれゆえに口をつぐむのもわたしには合いません。
だからといって声高にだれかを断罪する気はさらさらありません。「これは海賊盤だね」「私は海賊盤に反対です」とはっきり言うだけです。一度も間違いを犯したことがないのではなく、間違いながらも正しい道を探っていこうというのが私のやりかたです。

海賊盤の"功""罪"について、私はどちらが「表」でどちらが「裏」なのかしっかり見極めていきたいと思います。


参考サイト 社団法人  著作権情報センター

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