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FILE001:オリジナル・ラヴ
 
ランキング対象アルバム:メジャーデヴューアルバム『LOVE! LOVE! & LOVE! 』から
12th『街男 街女』までの12枚。インディーズ盤『Orignal Love』、ベスト盤、リミックス盤は除く。
 
 1位:ビッグクランチ(2000)9th
オリジナル・ラヴの集大成的な作品であり、ひとつのピーク。 
デヴュー以来アルバム毎に意匠を変えて来たオリジナル・ラヴサウンドのエッセンス−ソフィスケイトされた感覚、
荒々しいR&R、テクノロジーを駆使した音、プリミティヴな要素、ラウンジな感覚.....
それら全てが詰め込まれさらにポップに昇華された傑作。
ある意味この一枚でオリジナル・ラヴのスタイルの遍歴を観る事もできるが重要なのはこのアルバムではどのスタイルも
確実に血肉化し、自分のものとしている事。
そして総決算的なこの作品以降田島氏の音楽性はさらに自由度を増して行きます。
 
イチオシ曲:R&R 
苦手曲:愛の薬 
 
 2位:LOVE! LOVE! & LOVE! (1991)1st
いきなり2枚組というボリュームで衝撃を与えたメジャーデヴューアルバム。
このアルバムに受けたインパクトがあまりに強く、オリジナル・ラヴサウンドの規範をここに見い出したため
「変化し続ける田島貴男」を受け入れるのに少し時間がかかってしまいました。
(人によってはこれ以前のインディーズ盤が全てという向きもあるかも知れません)
ただこのアルバム呪縛から逃れられなかったことはあまり責められないと思います。
なにしろ全曲名曲。どこを切ってもカッコ良過ぎる音しか出て来ないのです。
特に「Darlin'」が私にとってのオリジナル・ラヴになり、しばらくは「Darlin'マーク2」を追い求めることになります。
 
イチオシ曲:I WANT YOU 
苦手曲:なし 
 
 3位:風の歌を聴け(1994)4th
個人的にはこのアルバムからオリジナル・ラヴ=『LOVE! LOVE! & LOVE! 』 という呪縛から解放されました。
尤も最初は多様になった音楽性にとまどっていたのですが、先行シングルの『朝日のあたる道』に引っ張られ 
聴いてるうちに、(フィエスタ以外は)全編をとおして好きになりました。 
このアルバムを受け入れたことによって以降徐々に顕著になっていく田島氏の「変身」「雑食性」にある程度ついて
ゆける下地が自分の中に出来たと思います。 
ちなみにオリジナル・ラヴの新譜でとっつにくい時は先行シングル曲に頼るパターンが多いです。
『結晶』のところでも述べますが、 田島氏の本意とは関係なくオリジナル・ラヴの真髄はシングルカット曲に 
あらわれると思います。 
 
イチオシ曲:時差を駆ける想い 
苦手曲:フィエスタ 
 
 4位:結晶(1992) 2nd
『LOVE! LOVE! & LOVE! 』の続編を求めていた私の期待に見事応えてくれた作品。 
個々の曲のクオリティーは前作よりさらに高まった気がします。 
新曲としてライヴで披露された「月裏」を隠し録りしたテープで音源が出るまで何度も聴いた覚えがあります。 
今でも私にとってはオリジナル・ラヴの全アルバムの中では一番安心して 聴けるアルバムです。
(でも「愛のサーキット」はとばします(笑)) 
ちなみにリリース当時ロッキンオンジャパン編集長だった山崎洋一郎氏は 「紅茶とケーキのポップスではなく、
みそ汁と米のポップスを!」みたいなことを言って本作を批判していましたが、この批判は半分は当たってますが 
半分は間違っています。なぜなら、それがたとえ借り物のスタイルであれ田島氏の 作る「紅茶とケーキのポップス」
は最高だからです。 
その後音楽的に雑食性を増しながらもシングル・カット曲では「紅茶とケーキ」のスタイルの中で極上のポップスを
作ることが多く、それゆえにオリジナル・ラヴ の音楽的真髄を味わえるのは、(たとえそれが発注ものであっても、
また 田島氏の本意ではなくとも)シングル・カット曲であると思っています。 
 
 
イチオシ曲:ヴィーナス  
苦手曲:愛のサーキット 
 
 5位:ムーンストーン(2002) 10th 
総決算的アルバム『ビッグクランチ』をリリース後、もはやなにをやっても 許される音楽的自由度を獲得した田島氏が
次に選んだスタイルは一聴すると原点回帰。 
実際初期を彷彿させる雰囲気を持つこのアルバムで「野獣時代」に一旦 離れたファンがまた戻ってきた例も知っています。
ただ「原点回帰」はあくまで一聴するとそう思うだけで、田島濃度は初期とは比較にならないくらいに濃くなっています。 
全体にジャズオリエンテッドな雰囲気ですがラディカルさを失った アーティストがいいわけに使う「大人のロック」
などという陳腐なものでなく、 それはアルバムツアーのはじけぶりで証明されることになります。
 
イチオシ曲:アダルト・オンリー 
苦手曲:Xの絵画 
 
 6位:街男 街女  (2004) 12th
アルバム発売年の年頭ツアーで美空ひばりや笠置シズコのカヴァーを披露し、また前作からのやさぐれ感、
「このモードのままアルバム作られたらキツイな〜」と思っていたので発売された時はドキドキしながら聴きましたが、
心配してた昭和歌謡色は意外と 薄くてホッとしました(笑)シングル曲「沈黙の薔薇」のクオリティーの高さ、
また「Darlin'その後」とも言える「ひとりぼっちのアイツ」も嬉しかった。 
しかし、私にとってこのアルバムの価値は「鍵、イリュージョン」が収録されていることに尽きます。 
シンプルな言葉と、シンプルなメロディーが揺るぎない確信で 歌われることによって生まれるロックのマジック。 
田島氏が今まで発表した全ての楽曲の中で最高傑作だと思います。 
 
イチオシ曲:鍵、イリュージョン 
苦手曲:或る逃避行 
 
 7位:RAINBOW RACE(1995) 5th
地味な印象がありますが非常に味わい深い作品。 
それはポップでわかりやすい曲が並ぶオリラヴシングル史の中でもっとも渋い味わいを持つ「夢を見る人」がシングルカット
されたことにもあらわれていると思います(この曲は後に矢野顕子さんが カヴァーしたほどの名曲です)。 
このアルバムの特徴は呼吸をするような自然さ。初期のように背伸び をするでもなく、またこれ以降のやみくもな雑食性も
まだそれほど見られず自然体の ゆったりとしたグルーヴが心地良いです。その極地が超名曲「Bird」。 
基本的にレゲエは苦手な私ですがこの曲のいつまでも終わって欲しくないようなゆるやかなグルーヴ感は最高です。 
 
イチオシ曲:Bird 
苦手曲:ブロンコ 
 
 8位:DESIRE(1996) 6th
オリジナル・ラヴファンでこのアルバムが分岐点になった人は結構いるのでは無いでしょうか。逆にこのアルバムから
ファンになったと 言う人も知っています。いずれにせよお洒落で洗練された、いわゆる渋谷系アーティストという
イメージはこのアルバムで完全に払拭されたと思います。また雑食性があらわれるのもこのアルバムあたりからです。 
その象徴が一曲目「Hum a Tune」。この曲で「もうついてゆけない」 と思ったファンもいたのでは。
かく言う私も「まいったな〜」と 思いつつ、必殺パターン「シングル曲頼み」(今作では 「ワーズ・オブ・ラヴ」)
でなんとか踏みとどまりました(笑) 
 
イチオシ曲:少年とスプーン 
苦手曲:ガンボ・チャンプルー・ヌードル 
 
 
 9位:踊る太陽(2003) 11th
まずジャケが良くない(笑)そして全体を支配するやさぐれ感。 
90年代後半以降の田島氏はライヴで見せる野獣性、いろんなところでみせる天然ボケ的な要素が目立ちますが、
本質的には(良い意味での)頭でっかちの ニューウェーヴ的体質の知性派アーティストだと私は思っています。 
どちらかと言えば天才型というより努力型。本人もそのことを自覚した上で、自分の中に眠ってる野生を引き出したり、
本来の資質とはかけはなれたものに接近したりし、それが上手くはまった時は素晴らしい作品が生まれるのですが、 
本作はどうもそれが上手くいってないような気がする。いやもしかしたらはまっているのだけど単に私の好みで無いだけ
なのかも知れない。いずれにせよ私はやさぐれた男っぽい世界は受け付けないので、アルバム全体としては正直好きに
なれません。 
にもかかわらずこの位置にあるのは例によって先行シングル「恋の彗星」があまりにも素晴らしいからです。
これが先行シングルで出たとき本作は凄いことになると期待したものですが.....。 
 
イチオシ曲:恋の彗星 
苦手曲:Hey Space Baby! 
 
10位:EYES(1993) 3rd
長らくこのアルバムは私の中では断トツの最下位の地位を欲しいままにしていましたが、今聴き直すとそんなに悪くも
ないなとも思います。 
ただリリースされた当時は地味で暗い音づくりや、ツアーが始まる頃にメンバーが いつのまにか3人になってたことや、
個人的な状況などなど、なにかとテンテンションの下がる要素が多々あり結果的にこのアルバムの印象を悪くしてしまった
のだと思います。 
それを差し引いても、1st、2nd的な音から拡がりを見せようとしつつも突き抜けられないのが音の中に見え隠れして
中途半端なイメージは否めず、上手く血肉化できていない、そういう意味では過渡期的な作品だと思います 。
(余談ですがザ・スタイル・カウンシルの『コスト・オブ・ラヴィング』も同じような印象が あります。) 
ちなみにデヴュー以来アルバムツアーで観に行ってないのはこの『EYES』と『L』だけです。 
 
イチオシ曲:Wall Flower 
苦手曲:妖精愛 
 
 
11位:ELEVEN GRAFFITI (1997) 7th
とにかく印象が薄い(笑)いや個々の曲は悪くないのですがアルバムとしてどうも散漫な印象を受けます。
アプローチとしてはドラムン・ベースを取り入れたり、テクノに接近したり、かと思えばアーシーな香りのする 
曲があったり、ブライアン・ウイルソンぽい曲があったりとかなり多彩で意欲的に取り組んでいるのですが、アルバムと
して並べるとどうもとっちらっかった印象があります。雑食性がどうも裏目に出ている。 
それでも最下位をまぬがれたのは例によってシングル曲の力。 
「GOOD MORNING GOOD MORNING」大好きなんです。リリース当時は朝出かける前こればっかり聴いてた記憶が
あります。 
凄い名曲だと思うんだけどこのアルバムに収録されたためにあまり顧みられることの無い不遇の名曲(笑) 
ゆえに後に『街男 街女』ツアーのアンコールで久々に封印が解かれた瞬間大歓喜、溜飲を下げたものでした。 
 
イチオシ曲:GOOD MORNING GOOD MORNING 
苦手曲:ティラノサウルス 
 
12位:L(1998) 8th
私にとってはオリラヴ史上最大の問題作。後述のきっかけがなければこの作品で オリジナル・ラヴのファンを
やめていたかも知れない、それぐらいリリース当時は理解不可能で相当悩みました。 
得意の「シングル曲頼み」もアルバム中一番苦手な「宝島」では逃げ場も無し(笑)
よってアルバムツアーも『EYES』以来の欠席。 
では何故ファン離脱を回避出来たのかというと、アルバムツアーの翌年にスタンディングツアーがあって、
スタンディングでのライヴは『結晶』以来だし行ってみようかと思って観たZEPP OSAKAのライヴがとんでも無く
良かったから。 
まるで野獣のような田島氏(もはや言語を発してない)、 その圧倒的なパフォーマンスで『L』の楽曲が完全に肉体性を
獲得していたことに感動を覚えました。 
つまり『ELEVEN GRAFFITI』以降顕著になった雑食的な音楽性をライヴでは完全に血肉化出来ていた。 
しかしスタジオ作品でそれを実感するには次作『ビッグクランチ』の登場を待たねばなりませんでした。 
 
イチオシ曲:インソムニア 
苦手曲:宝島    
 
 
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