Mika Luttinen (Vocals)
インタビュー
聞き手:Sataness

まず、3月にアメリカで行われたMarch Metal Meltdownフェスティバルに出演して、帰国されたばかりと聞きましたが、フェスティバルは如何でしたか?
Mika Luttinen(以下Mikaと略):会場にはバド・ライト(注:アルコール分の少ないアメリカのビールの銘柄)しか置いていないバーが2つあっただけで、参っちゃったよな。 ステージのモニター・スピーカーが壊れてたりして、本当に酷い音だった。 最悪の会場だったよ。 まあでもIMMOLATIONを始め、長い間会っていなかった友人とも再会できたことだし、それはそれで楽しかったのは事実だけど。

去年の3月に初来日されましたが、その時の日本の印象は如何でしたか?
Mika:俺にとって日本に来ることは最大の夢だった。 何もかも素晴らしかったよ。 俺は日本の文化に魅了されているし、食べ物は美味しいし、日本酒は最高だね!! 日本から家に帰った後、もうバンドなんか辞めちゃってもいいんじゃないか、という考えさえも一瞬頭をよぎった位だ。 だって俺の長年の夢がかなえられたんだからね。 本当に(日本に招聘してくれた)RITUAL CARNAGEには頭が上がらないよ… Nasty Danに乾杯だ!! 俺達がプレイしたクラブの質もヨーロッパの穴倉みたいなところからしてみれば本当に驚くほど良かった。 …帰り際、成田空港のスタッフ達は皆、俺のことを気違いだと思っただろうね… なぜなら、俺は酔っ払ってフンランド語で「この国から離れるものか〜!!! 絶対!!!」って泣き叫んでいたからね。

その来日公演以降の活動状況をお話下さい。
Mika:No Mercy Festival IIIに参加してヨーロッパをツアーしたよ。 MORBID ANGEL、EMPEROR、THE CROWN、LIMBONIC ART、PECCATUMらと競演したんだけど、俺達にとって今までで最高のヨーロッパツアーと言える内容だった。 その後7月から8月にかけて初のオーストラリア/ニュージーランド・ツアーを行った。 途中オーストラリアのWollongongという町で地元の団体の圧力のせいでショーがキャンセルになってしまったり、ニュージーランドでは山中で酷い事故に巻き込まれたりもしたけど(注:この件の詳細はこちらを参照)、それ以外は本当にグレイトなツアーだった。 それからフィンランドに戻り8月下旬にAstia Studioに入って新作"Nihil"のレコーディングをし、その新作は今年1月にここヨーロッパで発売になったってわけさ。

それでは、IMPALED NAZARENEについてまだあまりよく知らないファンの為に、簡単にバンドの歴史を教えて下さい。 Mika、あなたがバンドの創設者ですよね?
Mika:ああそうだ。 IMPALED NAZARENEは俺が1990年に結成したんだ。 だから今年はちょうど結成10周年になる。 今まで6枚のフルアルバム、1枚のCDEP、3枚の7インチEP、そして1枚のスプリットEPをリリースしている。 ライヴも精力的にこなしていて、ヨーロッパ圏内はすでに7回ツアーで回っている。 他にもアメリカ、カナダ、ロシア、アイルランドなんかでもショーを演ってるし、2回のメキシコ・ツアーに、日本、オーストラリア、ニュージーランドでもツアーを行っている。 俺達みたいなクズの集まりにしてはよく頑張ってるだろう。

Mika、貴方がバンドを結成した当時影響されたバンド/ミュージシャンは誰ですか?
Mika:やっぱり一番影響を受けたのはVENOMだ。 俺が1984年に初めて結成したバンドは"SCHIZOR"って言う名前だった。 これはVENOMの曲"Schizo"にあやかって命名したんだ。 今でも強く影響を受けているバンドはSODOMとEXCITERだな。 どうも俺達は古めのものの方が好みらしい。 これも年のせいかもしれないけど。

IMPALED NAZARENE結成当時のフィンランドのシーンの様子は如何でしたか?
Mika:最悪だったよ。 俺達以外にもBEHERIT、DEMIGOD、AMORPHIS、SENTENCED、BELIALっていったラウドなバンドはいたんだけど、皆片っ端から地元のプレスにもファンにも見事に無視されてたんだ。 今ではもうそんなことはないけど、1993年ごろまではフィンランドの連中は国内のバンドは海外で成功しない限り全く認めてくれなかったんだ。 でも他のバンドと違って、そんな最悪の状況下でも俺達IMPALED NAZARENEはなかなか健闘したと思う、というのは、俺達のデビューアルバムは国内チャートのベスト40入りしたんだ。 今では例えばSTRATOVARIUSとかSENTENCEDとか、チャート・インどころかナンバー・ワンになるメタル系のバンドも珍しくないけど、あの当時は俺達のやってるような音楽がチャート・インすることなんて考えられないようなことだったんだ。 これに関しては俺は今でも誇りに思ってるよ。 それから… あの当時は皆そろってテープ・トレードやファンジン製作活動をしていたんだが、今ではそういった活動もあまり活発では無くなってしまったな…

ここ日本では大勢のファンがIMPALED NAZARENEはブラックメタルだと認識しています。 確かに貴方達は最初は白塗りメイクを施していてブラックメタル・バンドとしてスタートしたのかも知れませんが、アルバムを重ねる毎にブラックメタルらしさは薄れて来ていて、私個人的には今ではもうIMPALED NAZARENEはブラックメタルだと思っていません。 貴方はIMPALED NAZARENEの音楽をどう言葉で表現しますか?
Mika:俺が知ってるバンドの99%と同じように、俺達は別にどうレッテルを貼られようが知ったことではないね。 自分達のことは単にエクストリーム&ファスト・メタルだと思っているだけだよ。 でもブラックメタル色もまだ残ってると思うよ。 特に"Nihil"のアルバムはね。

ではブラックメタル的な思想に関してはどうですか? 例えばサタニズムとか、アンチ・クリスチャンとか…
Mika:俺はニヒリスト(虚無主義者)だから、信じるものは"死"だけだ。 俺は従属的な宗教なんて大嫌いだし、法王なんて撃ち殺してやりたいくらいだよ。  だから、そうだな、確かにブラックメタルの精神には共感できるな。

IMPALED NAZARENEがよく形容される"Nuclear Metal"とは何のことですか?
Mika:核融合したときに生み出されるパワーのように、全てを滅ぼす壊滅的な威力がある音楽のことだ。

新作の"Nihil"に関してですが、Alexi Laiho(CHILDREN OF BODOM)をもう一人のギタリストとしてバンドに迎え入れたことはファンにとって非常に衝撃的 でした。 なぜ彼をバンドに入れようと決めたのですか?
Mika:実は俺達は"Latex Cult"のアルバムを出した頃からずっとリード・ギタリストを探していたんだよ。 でもこのことは俺達は決して口外しなかった。 とにかくゆっくり時間をかけて、完璧な人間、特に精神的に完璧な人間が現われるまで待つことにしたんだ。 このバンドでプレイするには神経もキテなきゃやっていけないからね。 Alexiは恐るべきギタリストだ。 あいつはどんなスタイルでもこなすことができる。 だからあいつに決めたんだよ。 それにあいつはもともとIMPALED NAZARENEのファンだったから丁度良かった。 完璧だよ!! CHILDREN OF BODOMは以前ライヴでIMPALED NAZARENEのカバーを演奏してたんだぜ!!

確認しますが、Alexiは正式メンバーなんですね?
Mika:ああ、正式メンバーだ。 奴は1998年の9月にIMPALED NAZARENEに正式に加入したんだ。 ただ残念なことにスケジュール調整がなかなか難しくてね… でも奴は出来る限り俺達とも一緒にツアーするつもりでいる。 新作のナンバーを演奏するのにギタリストが絶対必要だから、もしAlexiがツアーに出られない場合は誰かセッション・メンバーを入れるよ。 去年の日本公演の時は以前のアルバムからの選曲だったから4人編成で全く問題は無かったんだけどね。

最新作"Nihil"はメロディとAlexiのギター・ソロを大胆にフューチャーしつつも以前のスピードとヴァイオレンスを融合させた素晴らしい作品だと思いますが、如何でしょうか? Alexiが加入してバンドはどのような点が変化したと思いますか?
Mika:君が言うとおり、彼のギター・ソロの導入は非常に大きく変わった点だ。 "Nihil"は過去の俺達の作品のベストな部分を終結させたアルバムだと思う。 少しメロディアスになったし… いや俺自信は"キャッチー”という言葉の方が適切だと思うが… スピードもバラエティーに富んでいるのでもっとダイナミックな感じになったと思う。 サウンド・プロダクションも以前の作品と比べたらずっと良くなったしね。 今回のアルバムではスタジオを変えたんだか、これは正解だったね。

Mika、貴方が歌詞を書いているのですよね? どんなことを歌ってるのですか?
Mika:"Nihil"はとてもダークなアルバムなんだ。 レコーディングに入る直前、俺の親友が自殺したり、俺の身内で唯一の俺の理解者だった叔父が胃癌で亡くなったり… とにかく俺の気持ちは消沈しきっていた。 これで俺は本当にヤケっぱちになってしまった。 俺はスタジオ入りする10日前に歌詞を全部書きなおしたんだ。 俺にとってはそうすることが俺の気持ちを安定させる一種の心理セラピーみたいなものだった。 このアルバムのコンセプトは、「人は生きて行く上で、自制心を失わなければならない時もあるし、全てのポジティヴな感情を捨てなければいけない時もある」ということなんだ。 そういうことを潜り抜けて強い人間となるのが究極のゴールだ。 そうすれば誰も君に何も言えないし、君も傷つけられることもない。 過去の5作品に関して言えばどのアルバムも多かれ少なかれハルマゲドンに関することが歌われている。 結局それはやって来なかったみたいだけどね。 俺は以前はそういったことも少しは信じていたから、今となってはバカみたいに思えるけどね。

"Nihil"が暗に意味しているものは? また貴方の人生の中で"Nihil"とは?
Mika:"Nihil"(虚無主義)という言葉が全ての曲の歌詞においてのキーワードとなり得るからね。 俺の人生そのものがニヒルだよ。 残念なことに。

日本のファンに何かメッセージをどうぞ!
Mika:ハイ!! カンパイ!! できればまたすぐに会いたいよ!!

KIITOS!!!

<MIKA'S PLAY LIST>
1. STRAPPING YOUNG LAD: "City" 何度聴いても飽きないね。 中でも" Underneath The Waves"の歌詞は俺の自殺を留まらせてくれた。Devinは天才だ。
2. FINNTROLL: "Midnattens Widunder" 俺達は過去に2度この酔っ払いどもとライヴをしたよ。 フィンランド最高のバンドのうちの一つだ。
3. GRAVE DIGGER: "Excalibur" 本物のヘヴィメタルだ。 それ以外言う事無し。 
4. MACABRE: "Dahmer" March Metal Meltdownフェスティバルで彼らのマネージャーが俺にくれたんだ。 これは彼らのルーツに回帰する音で、ドラムは凄いし、俺にとってはカルトバンドだ!! Hail!!
5. HYPNOS: Promo 1999 元KRABATHORのBrunoの新バンドだ。 素晴らしいデスメタルだね。 俺はひょっとしたら今度出るデビュー・アルバムでゲストとして歌うかも知れない。 

<関連リンク>
IMPALED NAZARENE OFFICIAL SITE
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