「jaguar hard pain」

全曲解説インタビュー 1 (94年)



 「SECOND CRY」

LOVIN



EMMA





HEESEY




ANNIE
ジャガーが1944年から現代に落ちてくる瞬間の歌だね。タイトルは“2度目の産声”っていう意味。
セカンドの「シルクスカーフに帽子のマダム」を作った時に、もう出来てた曲。


いきなりアルペジオで始まるんだけど、これはツラかった(笑)。ギターだけだったからミスできないし
プレッシャーかかった。でも、けっこうミス・トーンとか入ったほうが雰囲気出たかも。
ソロは、メロディを組み立てたタイプだけど、スタジオで何回かやっただけだで感じはつかめてた。
この手のソロって、最近日本で聞いたことないし、ワウの使い方もキマってるでしょ?



イエローモンキーにしては王道だけれど“やっと王道ができるようになったな”っていう第一歩。
アルバムのテーマ的な感じで“これから始まるのは、こういうものですよ”っていう。
それをより強く表現したくて、単調な階段進行だけど、一音一音を大事にして、音使いに気を使った。



アルバムの導入部ということが最初からわかってたんで、入りくちの感じとか2曲目につなげる
盛り上りを意識してドラムをつけていった。最初のおとなしい部分は繊細ぎみに細かい部分を出して、
後半は思い切りやっちゃってる。



 「FINE FINE FINE」

LOVIN




EMMA




HEESEY




ANNIE
生まれ変わったジャガーが恨みのカタマリになってる。歌詞はとにかく意思だけを伝えたいっていう。
“まっすぐねじれた”とか、日本語としてメチャクチャだけど、オレはそうありたいんだという夢中な感じ。
もがいてるカッコいい瞬間ってあるでしょう?



これはノリで行っちゃった曲。ソロもノリで行っちゃおうと思ったんだけどつまずいちゃった(笑)
最初のノイズっぽいところから考えたフレーズに移っていくんだけど、途中でパンチ・インするのが嫌で
一回で録りたかったから時間がかかった。



ドラムに続いて始まるベースは、音色も選んだ。セカンド・アルバムから引き継いできた品のない音で
ジャキジャキした感じ。下半身を直撃する系のベースながら、ベース・ラインを大事にした曲。
サビではリズム的なよさも出したくて、メリハリを効かせてみた。



これは勢い重視。でも、今回は全体を通してクールにやりたかったんで、あまり熱くなりすぎずに
ガンバってみた。



 「A HENな飴玉」

LOVIN





EMMA




HEESEY





ANNIE
「なんだこの街は、なんだ今の日本は!」っていう状況。
“子供は針千本”っていうのは子どもはドラッグ打ってるわ、少女は売春してるわ。
レコーディングの帰りに新宿通ったら、そういう子どもたちがいっぱいいてね。
この曲聴きながら見ててハマるなぁと。



サビのバック以外は、コーラスのヴィブラートをかけてからアンプで歪ませてっ録ってるんだ。
ギターは、基本的にはグレコのFVを使っているけど、ソロは突き刺さるような鋭い音が欲しかったんで
ストラトを使った。



ある程度、音のゴーゴー・サウンドっていうか、サイケ・サウンドを意識しつつノリを生かしたいと思った
曲。オレはルートを押さえるんじゃなく、ラインを弾くタイプのベーシストだと思うけれど、ひとつのライン
でグイグイ押していく曲にしたかったから、ガシガシになってフレーズを考えるようなことはなくて、
ノリを中心にした。



ディレクターいわく「(ドラムは)これが一番冴えてた」。
歌としては、題名にもあるように、頭がイっちゃっているようなホァンホァンした感じをイメージしてると
思うけど、ドラムはクールにバシッバシッとやって・・・・で、あとはHEESEYに味つけしてもらった。
ボクがタイト目な方が、HEESEYのベースとのマッチングはいいように思う。
この曲ではこのへんが、いい感じに出来てるんじゃないかな。
リズム隊から言うと、このテンポの16(ビート)の感じって新しい部分なんだけど、特にヘンなこと
考えず自分の中から出てきたものを素直にやった。



 「ROCK STAR」

LOVIN





EMMA





HEESEY




ANNIE
ロックスターのはかなさとだらしなさ。
現実のロックスターとは違うんだよっていうのがすごく歌いたくてね
“たまに夜はスウィート”なんだよね。たまに、なんだよ(笑)
最後の“死んだら新聞に載るようなロックスターに”これはもう自分で自分をほめてあげたいね!



いちばん最後に出来た曲なんだけど、バッキングやリフとかを、ほとんどその場で考えて弾いちゃった
感じ。ふつうのロックンロールなんだけど、ボクの中ではマイケル・シェンカーのロックンロールの
イメージなんだ。「燃えたぎるギター」(UFO)みたいな・・・・。で、後半はいろんな楽器が入ってきて
グラムっぽい要素もある。



私の得意とするロックンロールベースで、これもいかにグルーヴを出すかっていうのがポイントだった。
それで、要所要所には気の効いたフレーズを入れるっていう。まあ、ロックスターってことで、
ジーン・シモンズ(キッス)のフレーズも一ヶ所だけ、チョコっといただきました(笑)



ロックスターになりきってやってる(笑)。ただの8ビートだけで終わらせたくなかったから、暴れるだけ
暴れている。せせこましいワザとかは、あまり好きじゃないんで、使わずに(笑)
いちばんボクらしいかも。



 「薔薇娼婦麗奈」

LOVIN




EMMA





HEESEY





ANNIE

イエローモンキーの歌詞で“娼婦”って多いけど、娼婦の象徴は何だろうって考えてて、今は“おカネ”
だと思った。麗奈という人は幻覚かもしれなくて、ジャガーがおカネに向かって麗奈と言ってる。
この世はお金じゃないかって・・・・・、バンドの主張だね(笑)。



途中のソロは、いろんな人からお褒めの言葉をいただいてる(笑)。
最初は、ちょっとやりすぎかと思ったんだけど、うちのバンドだったらなんとかなるんじゃないかと・・・。
前半はエレキとアコースティックのユニゾンで、途中からアコースティックだけになって、最後は
スパニッシュ風でシメると。



“タンゴのノリで行こうぜ!”っていうのが最初にあって、それをどう自分でこなすかっていうところで、
リズム的なものを押して、フレーズはここだっていうところだけに入れていった。
途中でリズムが変わるところでは“ここで何か入ったらおもしろいだろうな”って思ったところに入れて
おいたらEMMAがそこに合わせてくれたしね。



これも新しい。タンゴに固執するのもイヤだったんで、ハードロック的要素というか、昔やってた
ヘヴィメタルの感じを思い出しつつやった。真ん中の部分は思ってた以上に出来がよかったんで
聴いてほしい。



 「街の灯」

LOVIN



EMMA




HEESEY





ANNIE
これはEMMAとの共作。ジャガーが酔っばらってる。現代版「帰ってきたヨッパライ」。
シャンソンの楽天的な部分を出して、かつ風刺的な部分も出してという、ならではの世界。



ワルツっぽい曲だけど、こういうタイプが一枚に一曲は欲しい。
Bメロのところは、バッキングの2本以外にも6本ギターを重ねている。
でも、ソロは寂しい感じを出したかったんで、その部分はあえて1本だけにした。



この曲では、フラットワウンド弦を張ってみた。しかも、わざと1ヶ月ぐらい張りっぱなしにしておいて、
パリの町並みあたりでジャガーがたそがれているような感じをうまく出せたと思う。
いつもなら、張りたてのラウンドワウンドを使うんだけどけれどね。でも、エンジニアの人もそういう音の
ほうがいいと言ってくれて、ダイレクト・ボックス真空管のヤツをわざわざ用意してくれた。



LOVINから曲の説明を聞いてなかったら、また違うアプローチの仕方もあったと思うけど、あえて、
ここはおとなしめに・・・・。5曲目までしハードで、ここでバタってくるようにした。
HEESEYがポワンポワンしたようなベースを弾いてるんで、それに合わせてドラムのピッチも変えて
みたりした。



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