『菊地家の謎』 菊地英昭+菊地英二

インタビュー=市川哲史

●前から訊きたかったんだけども、自宅の玄関に飾られてるというエマ手作りの魔除けって何?

 アニー 「あの話題で持ちきりらしいですねぇ(笑)」

 エマ  「魔除けのつもりで作ったんですよ。」

 アニー 「え、魔除けのつもりで作ったのぉ!?」

 エマ   「そうだよ」

●・・・・・(失笑)

 アニー 「まず兄貴が、小学校の図画工作の時間に作ってきたんですよ、角の生えたお面を―お面なんですよ
      本当は、あれ(笑)」

●あ、お面かやっぱり。俺も作った作った。

 アニー 「鬼のお面作っちゃったんですよこの人(笑)」

 エマ  「もういいじゃん(笑)」

●紙粘土で作って後でニス塗んのな

 アニー 「あ、そうそう。まさに」

●小学校の時作ったもんを未だに玄関に飾ってある家の方が、俺は怖いけどなあ

 エマ  「はははは」

 アニー 「で俺は、ずーっとそれを玄関で見てたから、同じ学年になって同じ授業の時にそっくりなもの作っちゃった。
      ひゃはははは。でもちょっと負けん気があるから、角を3本にしたりして(笑)」

●わはははは

 エマ  「俺のは角1本なの」

 アニー 「(笑)俺のも飾ってあんのかなあ」

 エマ  「一つしかなかったよ、もう(笑)」

 アニー 「あ、俺の捨てられちゃったんだ(笑)」

 エマ  「角が折れちゃったんだよきっと」

 アニー 「二番煎じは駄目だという事ですよね(笑) いい教訓ですよ」

●(失笑)兄弟仲良過ぎて気持ち悪いれども、兄弟離れてバンド演った事ないんですかね

 アニー 「高校ん時に何ヶ月か・・・・・本当コピー・バンドの延長だったから」

 エマ  「うん、俺も。ベイ・シテイ・ローラーズもRCサクセションも一緒に演ってるような(笑)
      いきなりマイケル・シェンカーとか。あと大学ん時は泉谷しげるとか。ははは」

 アニー 「兄貴は幅広かったよねー」

●ちなみにバンド名はどんなのかね

 エマ  「・・・・・etc(エトセトラ)・・・・・何でも演っちゃうという意味で」

●がはははは。高校生っぺえーっ

 エマ  「(笑)ヴィジュアルは竹の子族でハッピ着てて」

●泉谷演ってたバンドの名前はどんなの?

 エマ  「何だっけなあ・・・・・確かフーターズをもじったような・・・・プーターズじゃなくて」

 アニー 「ははははははは!おっかしー!」

●くっだらねえー。兄のバンド観た事あるの?

 エマ  「俺がチケット300円で売ったんです(笑)」

●酷いな、年端も行かぬ弟に売って。

 エマ  「いや、あげたかもしんないけど」

 アニー 「違う!違う違う。4枚分の値段で5枚くれる的な感じだったと思う。たぶん」

 エマ  「『おまえの分はタダだから、友達に売ってくれ』って感じ(笑)」

●(笑)アニーが演ってたバンドはどんな。

 アニー 「おもいっきりヘヴィメタ。時期的には44マグナムがピークの頃なんですよ。あんまり邦楽は聴いてなかった
      んだけども、音楽的にやっぱりああいう速い方向に流れた感じです」

 エマ  「アイアン・メイデンも演ってたじゃん」

●さて恒例のバンド名は何だったんでしょお!

 アニー 「あんまり言いたくないんだけど・・・・DISGRACE。ひゃははははは」

 エマ  「名前凄いよね(笑)」

 アニー 「かっこわりー!!!」

●(笑)自分で綴り書けない的な

 アニー 「書けない書けない。ロゴもあったんですよ、メタル状のとんがった感じの(笑)で高校3年でキラー・メイに
      入っちゃいましたから」

 エマ  「おまえヘルプでイカ天に出た事あったじゃん」

 アニー 「その話はやめてっ(笑)」

 エマ  「で、こいつは一度辞めさせたんですよ。大学受験の時に。『大学は行った方がいいから』って事で(笑)
      で、次の年の4月に大学受かったからもう一度入り直して、それからデビュー」

 アニー 「急ぎ足で失敗したかなっていう(笑) 急いじゃいかん人生は、と(笑)」

●人生の岐路で深く考えずに流されてしまったと

 アニー 「そう。歳食ってから考えなきゃいけなくなっちゃったという。それは俺大っきいんだよなぁ!」

●(笑)アニーが18でエマが21でデビューだろ。若いデビューだよねえ、キラーメイって

 エマ  「橘高(文彦)君のアルージュは皆高校生だったしね、同じ事務所だったんだけど(笑)」

●しかし仲いいよなあ、君達。弟の大学受験まで気遣うこの兄心とかさあ。そして兄弟の絆のみならず家族の絆も
 凄そうだし―サザエさん家にも負けないアットホームな御家庭が


 エマ  「はははは。そう・・・・・ですねえ」

 アニー 「絵に描いたような、本当は存在してないようなアットホームさなんでしょ?」

●そうそう。どこにあるんだこんな家的な

 アニー 「もう嫌っていうほどのアットホーム」

 エマ  「親・・・・・の性格でしょうね」

 アニー 「親が優しいんですよ。こんな事演らせてくれてるし。それが伝染してるんですかね?」

●お父さんもお母さんも?

 アニー 「寛大ですよ。そうすると裏切れないって気持ちが」

●それは子供の頃からずっと変わらず?

 エマ  「ずっと。今でも変わんないです」

●第一反抗期とか思春期の家庭内何とかとかは無かったのね

 アニー 「一回も無い。今演ってる事自体は不良なんですけどね、ふはははは」

 エマ  「あの頃ちゃんとした不良やってなかったから、大人の今不良になっちゃったんじゃないですかね(笑)」

●(笑)「ちゃんとした不良」

 エマ  「(笑)一時期バイクに走りかけた事もあるんですけど、親がギターの方が安全だろうと思ってギター買って
      くれたから(笑)」

●凄え家(笑) 夕食は勿論家族団欒で(笑)

 アニー 「家に居たら絶対一緒に食べる」

●休みの日にドライヴ行っちゃったりとか

 アニー 「あ、20歳過ぎに家族旅行に行った(笑)」

 エマ  「行った!」

●長髪メタラーが両親と一緒に(笑)

 アニー 「そう(笑) 行きましたよ温泉に」

 エマ  「あとねえ、母方の親戚付き合いが激しいから(笑)、正月は親戚ん家に顔出したりとか」

●おおー。じゃあ一度たりとも波風立った事が無い、嘘みたいな家であると

 エマ  「ええ。あ、でもバンド演り始めた頃はやっぱり・・・・かなの反対されましたけどね。特にキラーメイ始めた時と
      解散した時はかなり。夜になるとお袋泣いちゃったりとか」

 アニー 「あったなあ。キラーメイ演ってる最中は遊びだと思われてたから、特に無かったけど」

 エマ  「はははは。そうか?」

 アニー 「仕事になってなかったから。アルバイトより全然安いもん(笑)」

●(笑)キラーメイってどれぐらい売れたの?

 エマ  「イエローモンキーの1stぐらい(笑)」

 アニー 「しかもそっから、出す毎に減ってったっていう(笑)」

●ぶははははは。全然笑えなーい

 エマ  「(笑)給料制じゃなかったし」

 アニー 「売れてないのに歩合制だから、もう全然話になんない(笑) 自分達から言い出したのに」

●くー(泣き真似) 収入凄そうだな

 アニー 「俺月収50・・・・・あ、月収じゃなく年収が50。ひゃひゃひゃ」

 エマ  「俺は曲書いてからその倍はあったけど」

●倍っつっても100万(笑)

 アニー 「いい時でそれ(笑)」