特集『1両のモハ207』物語

▲最初の通勤電車となった209系。この物語の主人公と関係のある車両である。


 2001年9月29日、模型店で通勤車両として209系を単品車両で購入した際、動力車両(モハ208)が無く、店頭に並んでいたのはクハ209、モハ209、クハ208であった。


▲この物語の主人公『モハ207』。

そこで動力提供用として一緒に買ったのが、この旧塗装車モハ207だった。導入後、209系に足回りを拝借され、取り外されたモハ209の足回りと交換されて車体諸共保管された。やがて209系用動力ユニットがサハ209とともに導入された。この2つを組み合わせてモハ208として竣工すると、モハ207は元の組み合わせへ戻された。その後は引き続けて保管とされた。回送の際には209系の中間に挟むなどされたが、後に207系新塗装車の増結3両の中に組み込まれ、細々と使用されていった。
 209系購入時、単品動力車であったモハ208が購入した模型店にあったのであれば、きっと購入することはなかっただろう。或いは、模型店に207系の先頭車両などが並んでいたのなら、209系ではなく207系の編成をチョイスをしたのかもしれない。あの時が選択の誤り。それからずっと、この中間車で頭を悩ませることになるとは…。
 その後、旧塗装車がまだ発売されていた当時、悩んだ挙句に購入を諦めた増結3両セットを購入していたのであれば…きっと基本編成同様の4両編成となって活躍をしていたはずだった。やがて旧塗装車は製造を永遠に中止され、新塗装車両となって再び出てきた。


▲『モハ207』を中間に連結して走行する207系新塗装車。

 あくまで暫定ということで新塗装車の増結用の3両セットを購入し、この中間に組み込んで走行させていたが、いつまでたっても諦め切れなかった。
『いつかは旧塗装車を手に入れて、この中間車両を本来の組み合わせにしたい』
 新塗装車の増結を買ったのは、もう購入できないと諦めるためだったのに、余計にぶり返してしまったのだから、どこまで執念深いのだろうか。某通販店の中古鉄道模型コーナーで207系旧塗装を見つけてオーダーを出したら、それは売り切れでお断りの通知…期待していただけに『絶望した!!!』くらいに落ち込みました。やがてその悔しさと共に忘れかけていくようになります。今思えば、それは4両で動力車であるモハ207も当然入っていたから、買わなくて正解だったのかもしれません。

▲207系旧塗装車4連(同型車両)。既に4両1編成導入されておりました。

 ヤフオクを覗けば207系旧塗装は出てくることはあります。しかし、出てくるのはプレミア値がついた超高額品ばかり。手ごろな価格が出ても大半は既に数名の人が競合しているという状況下。その中に参入する勇気も無く、頭からかき消してしまうのでした。そんな中、昔使っていたオークションサイトにそれは現れるのです。


▲『モハ207』を中間に連結して試運転する3両編成。

 207系旧塗装の先頭車2両。しかしそれは8800円と、プレミアな額がついています。しかし、この2両に動力車両が無いことは魅力でした。この車両が必要なのは、あくまで手持ちの中間動力車の活用のためであり、新たに動力車両が必要ではないからです。買えたとして、組めるのはクモハ+モハ+クハという、207系には無い編成にはなりますが、それは割り切ることにしました。余談となりますが、なぜ先頭車2両だけで…と思ったら、1994年より増備された実車の207系1000番台車は、基本6連と朝夕方ラッシュ時に8両編成として運行するように、増結用の2両編成(クモハ207+クハ206)という編成があったのだそう。3年後の1997年に組換えが行われ、2両編成には新たに基本6両編成から外されたサハ207を連結して3両編成となっています。基本の6両に際しても、前述のサハ207及びモハ207が1両抜き取られて4両編成に。そのうちモハ207は0番台車の3両編成に改造の上組みこまれています。
 話を戻し、その先頭車2両に入札し、落札。代金を支払い、送られてきた商品を見たら、ひと悶着ある仕様でした。連結器をTNカプラーに変えられ、台車から出ているアーノルド用のカプラーポケットは切断されたあとだったのです。商品のページにそれは書いてありましたし、そのときには何とかなるという算段でいたからです。とにかくクモハ+クハの先頭車2両がなければ話が進みません。
 当のモハ207はTNカプラーではなくアーノルドのため、このままでは連結できません。このときには両先頭車の台車を新たに購入しなおすことを考えましたが、207系用の台車及び台車枠は売られていないと知り、またしても絶望をするのでした。売っていたのは動力台車だけでした。
 ましてや、TNカプラーの手持ちがありませんし、取り寄せたとしても、今度は台車を切る作業をしなければいけなくなります。台車枠が無いところに、中間車などの台車を切る作業は多大なリスクを伴います。その点、動力台車に限っては交換部品があるというのですから…なんともいえません。
 とりあえずはTNカプラーを購入し、モハ207の動力台車のカプラーポケットを切断。車体にTNカプラーを取り付ける決断をするのでした。


▲(左)207系新塗装車。

 後日談だが、今まで『モハ207』の連結相手であった207系新塗装3両増結編成は、後に導入された基本4両と組み合わせて7両編成化されました。


▲『モハ207』を中間に連結して試運転する3両編成。

 14年後になり、ようやくまともな編成になった『モハ207』。しかし、クモハ207+モハ207+クハ206という3両編成は正規編成ではないので、再び悩むこととなります。その辺りの解決策は既にあるので、完了次第追記していきたいと思います。

追記(2018年3月5日)

▲最後の追加導入となったサハ207

 正規4両編成への組成には、中間付随車の導入が必要不可欠でした。しかし、旧塗装車の絶版から幾年も経過し、出回ることはほとんどありませんでした。しかし、2018年2月22日、ついにサハ207が搬入されたのです。


▲ついに4両編成となった207系(3両目がモハ207)。

 モハ207導入から18年余りの歳月が流れた。こうして編成に出来た時には、もう感動というか…。


▲編成の中間車(手前がサハ207、奥がモハ207)

 このサハ207もTNカプラーに交換されていた。しかし、その方法は、カプラーポケットを生かして、ただアーノルドと交換しただけでした。この方法さえ知ってればと思うが、今となっては仕方ない。TNカプラー同士なので連結も問題はありませんし、4両編成で違和感はありませんしね。


▲『モハ207』を中間に連結して試運転する3両編成。

 4両トータルの増備費用は、新車1編成分となった。しかし、それでもモハ207を生かすためには編成を組むのが一番。ずっと肩身の狭い思いをさせられたモハ207は、ようやく後輩…他の207系と肩を並べて活躍できるときが来たのだ。

参照:https://blogs.yahoo.co.jp/asagiri87/14459208.html(ほしぞら高原鉄道Yahoo支店『14年もの長い間』)
https://blogs.yahoo.co.jp/asagiri87/14459208.html(ほしぞら高原鉄道Yahoo支店『14年後の小改造』)
https://blogs.yahoo.co.jp/asagiri87/16064123.html(ほしぞら高原鉄道Yahoo支店『1両のモハ207物語、完結』)
http://www.rail.ac/jr/car/207/history.html(神戸鉄道資料館『207系 履歴』)
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