楽器やコラム 1

御茶ノ水の某店にて

ふらっと立ち寄ってみると’58年製ストラトがあったので、店員さんにお願いして 試奏させてもらいました。しばらく弾いてみて、「さすがに自分の’58と同じような 音がするなぁ。」と納得したところで外観をチェックし、店員さんに「これってフルオリ ですか?」と聞いてみたところ、「はい、そうです。」との返事。
フレットふぇちの私はフレットを良く観察したところ、どうもオリジナルのように 見えたので、「フレットもオリジナルですか?」と聞いてみたところ、その店員さんは 判らなかったようで、「ちょっとお待ちください。確認します。」といって店の奥の部屋に 入って行きました。
すると、不機嫌そうな顔をした店主(実はラジコン製作のため徹夜だったらしい。)が出てきて、 とってもメンドくさそうに「はい、なんでしょうか?」 と言うので「このギターとってもキレイなんですが、フレットもオリジナルですか?」と あらためて尋ねました。
するとその店主は信じられないことに、「こんな何十年も経っているギターのフレット、 オリジナルだと思う?」と逆に私に聞いてきたのです。私は正直言って驚きましたが、 「いや、あまりにも状態が良いのでオリジナルかと思ったんですが、やっぱり換えてある んですかね?」と切り返しました。
すると、その言葉にようやく真剣になったのか、それからそのストラトのフレットを じ〜っと見つめて、「・・・・・ああ、これはオリジナルかも知れないね。」と一言。 「オリジナルじゃないとしたら、かなり上手に打ち換えてあるね。」とふたことめ。 最初からちゃんと確認して答えて欲しかったですね。(笑)

次に、おそるおそる「フルオリということですが、アッセンブリーの中のPOT等も全て オリジナルですか?」と聞いてみると、な・な、なんと「うちでは中を開けてないから 判らないけど、向こう(アメリカ)でそうだって言ってるんだからそうなんじゃない?」 という回答でした。
さらに「バカなギター雑誌の中なんかでバラバラにした写真なんか載せたりするから皆 そうやって中を開けたりしてるけど、あんなのギター壊してるのと変わらないじゃない?」 とおっしゃるので、「じゃあ中のパーツのオリジナル度はこちらのお店では確認しない のですか?」と聞いてみると、その店主は(何をバカなことを聞くんだ!)という感じで 「そんなこと中を開けたりしなくたって外側から見ればオリジナルかどうかなんて判るよ。」 と豪語されてしまいました。
でも、しばらくそんなやりとりをしていて機嫌も良くなってきたのか、「そっちに’55年の ストラトあるからそっちも弾いてみたら? アッシュボディもまたアルダーと一味違った音がするよ。」と言ってくれたのでした。 そんな店主のキャラクター、私は好きです。
(終わり)