JAPANESE

ここでは、僕の持っているアルバムの紹介をしていきます。
★の数は、そのアルバム全体の評価です。☆は、★の半分です。

自分勝手な感想なので、意見、反論のある方はこちらまで。


 

GO!GO!7188 / 鬣(たてがみ) ★★★★☆

なんとオリコン初登場5位を記録!シングル「浮舟」のヒットといい、GO!GO!7188の快進撃はとどまることを知りませんね。

「歌謡パンク」と称されるGO!GO!7188ですが、カバー集「虎の穴」でピンクレディーのペッパー警部をパンク調にアレンジしたことからも分かるように、彼女達のルーツである歌謡曲とは、椎名林檎のようなアンダーグラウンドな格好良い感じではなくて、いわゆる黄金期の日本歌謡。サウンドは直球ガレージ・パンクなのに、そこに乗るどこか懐かしさのただよう昭和歌謡のようなメロディが耳から離れずに、いつのまにか病み付きになってしまいます。だれもがダサいとして避けていた日本歌謡をリスペクトして自分達の音楽に取り入れることにGO!GO!7188のアーティストとしての個性があるのだと僕は思います。

骨太なギターサウンドにユウとの高音ボーカルが感情をぶちまける@『うましかもの』はまるでジェットコースターのような興奮度。まるで演歌を思わせるようなメロディを巻き舌でまくしたてる、大げさなほどの「和」を強調したA『浮舟』。シンプルすぎるサビのフレーズが妙に頭から離れないB『大人のくすり』。笑っちゃうぐらいベタベタな歌謡曲なのに、サビの流れるようなメロディ・ラインは鳥肌が立つほど素晴らしいD『ななし』、バラード調の出だしから、ギアチェンジするかのごとく怒涛のバリバリパンクになだれ込むF『雨のち雨のち雨』。ベンチャーズ調のギターソロ、リズムがウキウキのI『ポラロイド』、キュートでキャッチーでポップなJ『サンダーガール』、胸がジーンとしてしまう美メロバラードK『種』と多種多彩な曲が入っていて最後まで楽しめるのですが、全ての楽曲において感じるのはメロディの強さ。1曲1曲のメロディにフックが効いてて、どの曲をとっても味わい深いです。はっきりいって全曲シングルカットできるといっても言い過ぎではないと思うんだけど。

どこか懐かしいのに、とっても新鮮なGO!GO!7188の世界観を聴いて味わって欲しいです。

 

小島真由美 / 愛のポルターガイスト ★★★★★

スピッツのカバーアルバム「一期一会」で一番好きな曲は?と聴かれたら僕は間違いなく小島真由美の『夏の魔物』と答えるでしょう。今まで小島真由美という名前は知ってたけれど、JAZZ、レトロというキーワードが引っかかってアルバムにはあまり手が出なかったんですが、「一期一会」での『夏の魔物』を聴いたときの衝撃といったらもう、体中に電流が走るとはこのことです。子猫のような声が時にドキっとするほど色っぽくなる瞬間が僕のハートをもろ直撃!大げさすぎるかも知れないけど、これこそ僕の求めていた女性ボーカルだと一人で興奮していました。気付いたら買う予定の無かった小島真由美の昔のアルバムをがっちり握り締めていた僕がいました。その時は我に返ってアルバム購入には至らなかったのですが、新作を出すというので『夏の魔物』を何度もリピートして聴きながらその時を楽しみにして待っていました。

これは本当にスゴイ!ヤバイ!さらにヤバイ!巷では最高傑作の呼び声も高く、文句無しに素晴らしいです。僕はジャズ、ブルースがあまり好きではなかったので小島真由美の曲が馴染めるか少し不安だったんですが、ビックリするほど聴きやすいじゃないですか。ジャズ、ブルースといった昭和歌謡のレトロ感を色濃く感じさせながらも、甘酸っぱくポップなメロディと彼女の子猫のような歌声によって古さを感じさせるどころか、むしろ新鮮ですらあります。それにしても彼女のボーカルはとても魅力的だと思います。どこかあどけなさの残る少女のような可愛らしい声、そんな少女がふと見せる大人の女性のような色っぽくてセクシーな声、妖しげなスキャットと表現力も豊か。か弱そうなのに、どこか芯の強さがあって聴いてると思わず引き込まれてしまう中毒性もあります。こんな声で「あなたと逢えたから 地球は廻る よかった」なんて唄われた日には世の男どもはメロメロですよ(僕だけ?)。

ドスドスと鈍い音を出すドラムとウッドベースが独特の雰囲気に引き込む低温なオープニング@『ポルターガイスト』から一転、パーカッション、トランペットが賑わい、真由美嬢のセクシーボイス全開のA『眩暈』への流れでゾクゾク。さらにラテン風味で軽快なリズムが心地よいF『恋はサイケデリック』、レゲエちっくなG『ロックステディガール』、真由美嬢の魅力が凝縮されたようなバラードH『愛しのキッズ』など表情豊かで利き所満載。もちろん全曲捨て曲なし。

同じ昭和歌謡を売りにする椎名林檎はあからさまに狙いすぎな所があると思うんですが、小島真由美は本当に自然体に昭和歌謡のエッセンスを取り入れている印象を受けます。サラっと聴き逃してしまいそうになるんですが、とにかく聴きこめば聴きこむほどアレンジの奥深さがにじみ出てくるのです。そして気付くのです、本当の才女は彼女だと。

ここまで唯一無二という言葉が似合う女性ミュージシャンも珍しいと思います。聴いてない人、早く聴いてください!

 

ナンバーガール / SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT ★★★★

ロックの初期衝動。

九州出身の4人組、向井秀徳(Vo、Gu)、アヒト・イナザワ(Dr)、中尾憲太郎(B)、田渕ひさ子(Gu)によるロックバンド、ナンバーガールのメジャー1stアルバムです。

メジャーとはいえ、地元のスタジオでの録音で録音状態はかなり悪く、初めて聴いた人はビックリするでしょう。つ〜か、インディー盤より音悪いんじゃないの?これ。それでも、行き場の無い感情を爆発させるような向井の叫び、荒々しく猪突猛進に突き進む圧倒的なサウンドは、ロックバンドとは名ばかりの健康的なJ-POPバンドが氾濫する日本の音楽にあって、これぞ正真正銘のロックバンドだといえると思います。

とにかく、コンポで聴いていてもグワグワ圧力を感じるほどの音の凄さに圧倒されがちなんですが、良く聴くとメロディはスウィートでポップな曲が多きことに気付かされます。PIXESに影響受けたっていうのも納得。泣きのメロディが感情とともに爆発する@『タッチ』、ギターの疾走感がたまらないメジャーデビューシングルG『透明少女』なんて最高すぎです。このアルバムを聴いていると、やっぱりグルーヴあってのナンバーガールだと再認識させられます。それが発揮され、4人の生み出すグルーヴが牙を剥くように迫るI『EIGHT BEATER』は鳥肌ものの迫力です。

40分にも満たないアルバムなのに、1曲1曲のインパクトが強い為か全く短いと感じません。ただ、向井のボーカルが前に出てきてなかったり、ひさ子の気狂いギターソロも鳴りを潜めてるし、まだ、勢いだけという感も否めないかなとも思います。ただ、メジャーシーンにこのアルバムを叩きつけてきたナンバーガールは、今さらながらやはり只者ではなかったんだなと実感してしまいます。

何回も聴かないとさっぱり分からないけど、凄いアルバム。

 

中村一義 / 100s ★★★★☆

初めて聴いた『キャノンボール』で号泣、一撃ノックアウトされました。男女の恋愛をありきたりの言葉で歌ったり、英語と日本語をごちゃまぜにしたような歌詞が大部分を占めるチャート向け音楽。日本語で歌うことになんの意味も感じられない最近の邦楽の中にあって、中村一義ほど歌詞を大切にしているアーティストはいないと断言できます。前作「ERA」はポップミュージックの名盤ともいえるアルバムでした。「僕はこのアルバムをつくるために25年間生きてきました」の言葉通り、実験精神とポップセンスが爆発した中村一義の全てがつまった作品でした。僕は「ERA」を一時期ずっと聴いてましたが、アルバム通してのテンション、完成度共に本当にもの凄いアルバムで、もうこれ以上のものは出来ないだろうなあと感じてました。

そんな時、中村一義にとって初めてのライブとなったROCK IN JAPAN FESTIVALの大トリのステージで、バンド100式との運命との出会いがあり、それをきっかけに100式と共にアグレッシブに活動、あれよあれよという間にこのアルバムを生み出しました。

確かに、バンドサウンドを前面に押し出してはいるものの、100式という仲間を手に入れたことで肩の力が抜けたのか、吹っ切れたようにシンプルでなによりポップになり、過去の作品と比べてももっとも聴きやすいアルバムに仕上がっています。僕にとっても、いままでで1番すんなり馴染んだアルバム。中村一義にとっての100式は単にバンドグルーヴを生む為だけのものじゃなく、特別な存在なんだと思わずにいられません。だって、すごく楽しそうなんだもん。「金字塔」の衝撃、「ERA」の完成度はここにはありません。天才でもなんでもない、普通のロックアルバムです。

じゃあ駄作なのかと言えば、いやいや、すごく良いアルバムです。A『キャノンボール』、H『セブンスター』、N『新世界』のシングル3部作もここぞというポイントで鳴らされていて、シングルで聴くより生き生きしてるように感じます。特に『セブンスター』は、こんなにいい曲だっけ?っと思わせるほどの輝きように、はっとさせられます。さらっと聴くとやっぱりシングル曲が強烈なインパクトを残すんだけど、聴けば聴くほど他の曲が輝きだすところも素晴らしいです。力強いギターサウンドをバックに、「突き抜けたいのだ。ドーンといくのだ。これでいいのだ!」と高らかに歌い上げるB『グッディ』、「そう、イェス。愛の」と「So Yes I know」を掛けた言葉の響きが素敵なE『Yes』の心洗われるようなメロディラインの美しさ、「僕ら選んだ歴史の向こうを」と、めいっぱいの優しさに満ち溢れたような声で囁くように歌うM『メキシコ』など、メロディ、歌詞の随所に中村一義の持ち味が出ています。

中村一義というと「天才」という呼ばれて孤高の存在のように扱われてるけど、このアルバムを聴くとそれって違うんじゃないの?と言いたくなります。もっと一般の、それこそライトリスナーにも受け入れられるべきだと思うし、本当の意味でポップミュージック(大衆音楽)だと思います。そう、ミスチルのように。マーチの「オレ、4500円。」でCM出演しているものの、歌番組などへの露出はほとんど無いので、音楽そのものを聴くしか彼の音楽に触れる機会が無いのが残念でしょうがありません。いままで名前も聞いた事無かったひとにも薦められる1枚です。ぜひ聴いて欲しい。

N『ひとつだけ』で「ソウル・トゥ・ソウル、心、あなたへ」と歌う彼の言葉は今までのカリスマの一言ではなく、もっと身近な友達のような暖かさがあります。まあ、一緒に楽しもうか、そんなアルバム。

 

aiko / 秋 そばにいるよ ★★★★☆

よくこのアルバムを「バラエティに富んだ」とか「個性の強い曲がならんだ」とか言うレビューで紹介してるのを見るけど、そうかあ?と思ってしまいます。確かにバラエティに富んでるけど、aikoのアルバムは全部バラエティ豊かで、そんなの今作に限った事じゃないし、個性が強い曲っていうのもaiko自身がインタビューで語っていた言葉をそのまま使ってるだけのような気がして、どうもこのアルバムの魅力を伝えきれてないような気がしてました。

前作「夏服」は本当に素晴らしい作品でした。一般的にaikoの最高傑作は「桜の木の下」ということになってると思います。これは楽曲のインパクト、セールスともに文句無しだし、僕もaikoを聴くなら1番最初に聴いて欲しいアルバムだと思ってます。でもアルバムとして聴くと「夏服」の方が僕は好きです。確かに「夏服」はインパクトという点では「桜の木の下」に見劣りする部分もあると思います。「桜の木の下」は曲単位ではそれこそ鳥肌もののメロディの「愛の病」を始めとして粒ぞろいです。ただ曲の流れという点で「夏服」は抜群ですし、夏というコンセプトに統一されているのにカントリー、ジャズ、ブルース、ソウルと色々な音楽のエッセンスを取り入れたカラフルなポップワールドが展開されていました。

このアルバムもさっと聴いた感じは前作『夏服』とさほど変わらない印象を受けました。じゃあ、このアルバムの魅力は何なのか。僕が思うに「秋」というコンセプトに徹底してるところだと思うんですよね。さらっと聴き流すだけじゃインパクトが薄くて、掴み所が無いけど、それはいままでのアルバムで最も、アレンジも含めどこか丸味を帯びたメロディになっているからで、聴けば聴くほどどの曲も沁みてくるんですよね。いままではインパクト大の曲で一気に引き込んでいく冒頭の3曲から驚かされてしまいます。@『マント』、A『赤いランプ』、B『海の終わり』とどこか切なくてジワ〜っと効いてきて、いつの間にか心に突き刺ってるような曲の流れが素晴らしくて、もう、その世界観に圧倒されてしまいます。

「そんなの偶然だろ?」という人がいるかもしれませんけど、アルバムの曲順を見てもらえれば分かると思います。シングルがE『おやすみなさい』、F『今度までには』、H『あなたと握手』とアルバムの後半に入ってます。今までのaikoなら間違いなくポップで弾けたH『あなたと握手』を2曲目に持ってきてたでしょう。なぜならその方がオープニングでグッとつかめる事は間違いないわけだし、そのままの流れでアルバム1枚を聞かせることだって出来たはずだからです。でも自分をアルバムアーティストだと公言するように、アルバムに強いこだわりをもっているaikoはそれをしませんでした。「秋」という、夜長にちょっと物悲しさを感じたり、夕焼け色の太陽がどこかせつなさを感じたりする季節を表現する為にあえてしなかったのではないでしょうか。しかもaikoはそれをごく自然にやってのけてしまうところが才能なんですよね。

さらに歌詞の面でも新しいaikoが見え隠れします。C『陽と陰』の自分と向き合ったような姿、D『鳩になりたい』では現実逃避ともとれるような意味深な歌詞で、今までの恋愛一直線なaikoから一歩踏み出したより大人なaikoの姿を垣間見ることが出来ます。ただそこまで違和感を感じないのは、今までもaikoが恋愛に対する表面上な気持ちじゃなくて、もっと内面的な心情を描いていたからでしょう。このアルバムは進化ではなく深化と呼ぶにふさわしい傑作だと思います。それにしてもほんと何百回聴いてもあきないなあ、そういう意味では最高傑作なのかもなあ。

次はaikoの「冬」が聴きたいな。