NHK「福岡発地域ドラマ うきは」
(2003年4月19日)

僕の大学時代の友人が演出したドラマ。
ドラマ部門のないNHK福岡放送局で、3年越しの奮闘の末に作り上げたそうです。
昨年2002年、福岡の地上波と、ハイビジョンだけで放送されました。
4月29日(火・祝)午前8:35〜9:50 NHK総合で
全国放送されることが決定したそうです。お勧めです。
下記は、ハイビジョンで視聴した際、NHKに投書した文章です。
なお、「うきは」というのは、ドラマの舞台である福岡県浮羽町と、
ドラマに登場する美少女の名前、両方に掛かっています。

ハイビジョンで11月30日放送の、福岡発地域ドラマ「うきは」を見た。

セリフのあるシーンとないシーンの比率は3:7か、もしかしたら2:8くらいであろうか。
それでも、さまざまな要素を、ドラマを通して納得させる、演出の力量に感心した。

冒頭は、テレビ会議のシステムを使った、浮羽町の小学校と博多の小学校の合同授業のシーン。
これで「浮羽町」という聞きなれない町の紹介をさりげなく、しかし印象的に見せてしまう。
緑の棚田、湧き水、川の流れ、彼岸花...美しい風景の中で、しかし観光資源である棚田が、機械化できないため収穫が挙がらないという農業問題・田舎町ゆえの職業問題まできっちりと盛り込んでいる。その上で、「何もないけど何でもある」田舎町のすばらしさを、しっかりと訴えかける内容になっていたと思う。

少年たちが自分たちの手で、荒れていた棚田を整備する中で、棚田の作り方まで紹介するとともに、少年たちの成長・少女の心の変化・主人公の父親の心の雪溶けまで見せる後半が特に良かった。

「田んぼに埋まった石の除去の仕方」も感心した。少年たちと、主人公の父親の心が通う印象的なシーンであると同時に、決して住みやすくない土地に生きる人間の知恵が感じられたからだ。

大袈裟な飛躍かもしれないが、世界の人々が住みよい土地を求めて移動したら、世の中には戦争が絶えないだろう。ハタ目から見れば決して住みよくない土地を愛し、特色を生かし、困難を乗り切る知恵を持つことは、平和に生きるための基本ではないだろうか。

「地域ドラマ」という副題はその意味で象徴的で、こうしたドラマが生まれるのは大変よいことだと思う。

主人公のお父さんがなぜあれほど棚田を嫌っていたのか...この点だけが今ひとつわからない感じがしたが、ドラマ全体から見れば小さな問題だろう。

ぜひ地上波でも放送して、広くいろいろな人が見られるようにして欲しい。